ClaudeとCrossbeamを連携する方法 — パートナー情報を会話で引く
CrossbeamのMCPサーバーをClaudeにつなぐ手順です。必要な席の種別、OAuth認証、読み取り専用のツール、クレジット消費、ディレクトリと提供元docsの食い違いも載せます。
Claude Crossbeam連携とは何か
Crossbeam連携は、パートナーとの顧客データ照合サービスCrossbeamのMCPサーバーを、Claudeに接続する仕組みです。自社とパートナーで重なっている取引先、パートナーの直近の動き、商談に合うパートナー候補などを、Crossbeamの画面を開かずに自然文で尋ねられます。
Connectorsディレクトリでの掲載名は「Crossbeam」で、開発元Crossbeamの「Anthropic verified」表示が付いています。追加は2025年11月、サインインは必須です。
主な読み手は、パートナー経由の売上(エコシステム主導の営業)を担当するパートナーマネージャーや営業担当です。たとえば次のように頼めます。
- 進行中の商談のうち、同じ取引先でパートナーが動いているものはどれか
- 明日の商談相手について、エコシステム側でわかる情報を出してほしい
- この商談を前に進めるのに合うパートナーは誰か
Connector全般の仕組みはClaude Connectorsの解説にまとめています。同じく読み取りと書き込みの線引きが要点になる例は、Claude Sprinto連携の記事にあります。
接続前に確かめる条件:席の種別とクレジット
Crossbeam側の条件は2つです。
Crossbeam MCPの利用条件
接続できる席
Full Access / Sales
それ以外の席では接続できない
Freeプランの年間クレジット
50
Connectorは500、Supernodeは2500、Enterpriseは5000
MCPへのアクセスは、Free・Connector・Supernode・Enterpriseのどのプランでも利用できます。2026年9月1日から全プランで一般提供(GA)となり、クレジットの計測も始まっています。
クレジットはMCPのツール呼び出しで消費されます。組織単位の共有残高で、ユーザーごとの割り当てではありません。年1回リセットされ、繰り越しはありません。管理者はPlan & Billingページで、MCPのツール呼び出し数とアクティブユーザーを週・月・全期間で見られます。この組織全体の利用状況を見られるのは管理者だけです。
Freeの50クレジットで足りるかは、1回の呼び出しが何クレジットかで決まります。1回の呼び出しで何クレジット消費するかは、MCPサーバーのヘルプ記事ではなくCrossbeam Credits FAQに載っています。試す前にFAQで見積もっておくと、年の途中で枯れる事態を避けられます。
管理者はロール単位でMCPを止められる
Settings > Roles & Permissionsで、ロールの横の「Edit」からMCP権限を「Access」か「No Access」に切り替えられます。既定はすべてのロールが「Access」で、管理者が変えない限り挙動は変わりません。営業全員にではなく一部のロールにだけ使わせたい組織は、接続を案内する前にここを確かめます。
接続手順:Claude.aiでの追加
接続先はClaude.aiのConnectors一覧に入っているCrossbeamです。リモートMCPサーバーをつなげるClaudeのプランが前提になります。
TeamまたはEnterpriseプランの場合
組織のWorkspace OwnerかPrimary Ownerだけが、最初の追加をできます。
管理者の追加手順
- 1
Connectors設定を開く
Organization Settings > Connectorsへ進みます。
- 2
Crossbeamを検索して追加
「+」から追加画面を開き、Crossbeamを検索して「Add to your team」を押します。
- 3
メンバーに案内する
追加後は、Customize > Connectorsの一覧にCrossbeamが並びます。メンバーが各自でConnectを押し、自分のCrossbeamアカウントで認証します。
個人で追加する場合
Customize > Connectorsで「+」を押し、Crossbeamを検索してConnectを押します。Crossbeamのログイン画面が開き、OAuthの認証フローに進みます。要求された権限を確認して承認すれば完了です。TeamやEnterpriseの利用者は、先に組織のOwnerがCrossbeamを有効にしている必要があります。
Claudeのウェブ版でつないだコネクタは、iOSとAndroidのClaudeアプリでも同じものを使えます。
接続後は、Customize > Connectors > Crossbeamからツール単位でオン・オフを切り替えられます。会話ごとの切り替えは、検索とツールのメニューから行います。つなぎ直したいときも同じ画面で解除でき、Crossbeam側のセキュリティ設定からアクセスを取り消す方法もあります。認可まわりで詰まったら、コネクタ設定で一度切断して再接続するのが、ヘルプ記事の最初の案内です。それでも直らない場合は、Crossbeamの担当窓口かservices@crossbeam.comに連絡します。
認証と権限の仕組み
提供元docsの仕様欄は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エンドポイント | 内容https://mcp.crossbeam.com/mcp |
| トランスポート | 内容Streamable HTTP |
| 認証 | 内容OAuth 2.1(PKCE、動的クライアント登録) |
| ツール | 内容読み取り専用 |
読み取り専用なので、ClaudeからCrossbeam上のデータを書き換える操作はありません。パートナーに共有する項目の変更や削除を、会話の勢いで実行してしまう心配が要らない設計です。一方で、読み出されるのは自分の席の権限で見られるデータです。ClaudeはCrossbeamの画面で見えない情報を返せません。
パートナーのCRMから共有された項目は、パートナー側が共有を有効にしているときだけ表示されます。たとえば意思決定者の連絡先は「パートナーがそのフィールドを共有している場合」に限られます。空の結果が返ったときは、Claudeの不具合を疑う前に、相手が共有設定を開いているかを確かめる価値があります。
使えるツールと使いどころ
提供元docsに載るツールは12個です。業務の流れに沿って分けると選びやすくなります。
| 場面 | ツール | 返すもの |
|---|---|---|
| 商談前の下調べ | ツールget_account_context | 返すもの取引先の詳細、担当者、所属する母集団(カスタム項目を含む) |
| 商談前の下調べ | ツールfind_overlapping_partners | 返すものその取引先を自社データに持つパートナー |
| 商談前の下調べ | ツールget_partner_overlaps_shared_context | 返すもの特定パートナーが共有しているCRM項目 |
| 紹介の相手探し | ツールfind_partner_shared_contacts | 返すものパートナーが共有している意思決定者・決裁者・エグゼクティブスポンサー |
| 紹介の相手探し | ツールfind_partner_recommendations | 返すもの進行中の商談向けのパートナー推薦(Deal Navigatorと同じ推薦エンジン) |
| 優先順位づけ | ツールfind_overlapping_accounts_and_leads | 返すものパートナーと共有している取引先の一覧(パートナー・母集団・セグメント・パートナースコアで絞れる) |
| 優先順位づけ | ツールget_ecosystem_activity | 返すものパートナーの商談開始、受注、グリーンフィールド兆候を新しい順に |
| 新規開拓 | ツールfind_new_accounts | 返すものPipeline Generationの有望な見込み先(自社CRM未登録の取引先を含む) |
| パートナー管理 | ツールget_partner_context | 返すもの重複数、進行中の商談、見込み売上、パートナースコア、受注率、商談規模、直近の活動 |
| パートナー管理 | ツールget_partner_suggestions | 返すものまだ組んでいない企業のうち相性のよい候補(招待リンク付き) |
| 共有 | ツールget_list_link | 返すもの平易な指示から作る共有用リンク |
| 製品理解 | ツールsearch_crossbeam_knowledge | 返すものCrossbeamの使い方とEcosystem-Led Growthの事例 |
使い方の勘所は、ツール単体ではなく組み合わせです。ヘルプ記事には、上位パートナーを洗い出して、そのパートナーが特定の取引先に関わっているかをすぐ確かめる、といった連鎖が例に挙がっています。
週次の優先順位づけ
営業の週頭に「今週どの取引先に注力するとよいか、直近のエコシステムの動きから示して」と頼むと、get_ecosystem_activityで直近の動きを引き、find_overlapping_accounts_and_leadsで重なりを突き合わせる流れになります。どのツールを呼ぶかはClaudeが選ぶので、画面ごとに操作を覚える必要はありません。
会話ごとにツールを絞る
使うツールが決まっているなら、コネクタ設定で不要なツールをオフにしておけます。たとえば商談前の下調べだけに使うなら、パートナー提案や共有リンクの生成は切っておくと、Claudeが無関係なツールを選ぶ余地が減ります。
Claude側の使い方:指示の置き方
Projectのカスタム指示に、Crossbeamの参照ルールを書いておくと再現性が上がります。次は公式の例文ではなく、運用の一案です。
商談の下調べを頼まれたら、次の順で進めてください。
1. get_account_context で取引先の基本情報を取る
2. find_overlapping_partners で関わるパートナーを調べる
3. 結果が空のときは「パートナー側が共有していない可能性」と書き、
推測で補わない
出力は取引先、関与パートナー、次の一手の3見出しにしてください。3番目の指定が効くのは、前節のとおり共有項目が相手の設定に依存するからです。空の結果を「関係なし」と読ませないための一行です。
ディレクトリの掲載と提供元docsの食い違い
Connectorsディレクトリのページと、Crossbeamのヘルプ記事では、同じコネクタについて記載が合っていない箇所があります。
| 項目 | Connectorsディレクトリ | Crossbeamのヘルプ記事 |
|---|---|---|
| コネクタURL | Connectorsディレクトリhttps://mcp.crossbeam.com/ | Crossbeamのヘルプ記事https://mcp.crossbeam.com/mcp |
| ツールの掲載数 | Connectorsディレクトリ14個 | Crossbeamのヘルプ記事12個 |
| 共有リンク系 | Connectorsディレクトリget_overlap_list_link / get_ecosystem_list_link / get_deal_navigator_close_deals_link | Crossbeamのヘルプ記事get_list_link |
ディレクトリには、Deal Navigatorで成約しそうな商談へのリンクを作るget_deal_navigator_close_deals_linkが載っていますが、ヘルプ記事の表にはありません。get_partner_suggestionsは両方に載っています。
Claude.aiのConnectors経由で追加する限り、URLは自動で設定されるため、この違いを気にする場面は多くありません。影響が出るのは、Claude以外のクライアントに手でURLを入れるときです。その場合の接続先はヘルプ記事が示すhttps://mcp.crossbeam.com/mcpです。Cursorなど、URLで追加するカスタムMCPに対応したクライアントから使うときも、コネクタ設定にこのURLを入れ、Crossbeamの資格情報で認証します。ツール名はCrossbeam側の更新で変わることがあるので、会話で呼び出されるツールの名前は、コネクタ設定の一覧で見比べてください。
よくあるつまずき
- 接続ボタンを押しても進めない: 席がFull AccessかSalesかを確かめます。それ以外の席では接続できません
- TeamでCrossbeamが一覧に出ない: 組織のOwnerが先に追加しているか確認します。メンバー側からは追加できません
- 急に応答しなくなった: 年間クレジットの残りを、管理者がPlan & Billingで見ます。クレジットが切れたときの挙動は、CrossbeamのMCPサーバーのヘルプ記事に載っていません
- 認可エラーが続く: コネクタ設定で切断してから再接続します
まとめ
CrossbeamのMCPは読み取り専用で、書き込み系のツールがありません。注意するのは、席の種別、組織で共有するクレジット残高、パートナー側の共有設定の3点です。まずは商談前の下調べに用途を絞って試し、クレジットの減り方を管理者が見てから、週次の優先順位づけへ広げるのが無理のない進め方です。