Claude Dashboardsの使い方 — データ接続から質問・共有まで
Claude Dashboardsは、データウェアハウスや接続済みアプリに自然言語で質問すると、SQLを書いてダッシュボードを作る機能です。接続、作成、検算、共有、管理者設定までを手順で追います。
Claude Dashboardsは、自社のデータについての質問をダッシュボードに変える機能です。データウェアハウスなどをClaudeにつなぎ、知りたいことを日本語で伝えると、Claudeがチャートごとにクエリを書いて実行し、結果を並べます。
Pro・Max・Team・Enterpriseの各プランでベータ提供されています。Enterpriseでは既定でオフで、Ownerが有効にするまで使えません。
Claude Dashboardsとは何か
ダッシュボードは、Dashboardsテンプレートから作られるアーティファクト(Artifact)の一種です。チャートごとにSQLクエリをClaudeが書いて、データソースに対して実行します。
特徴は、数字の出どころが画面に残る点です。各チャートにはクエリが表示され、データが最後に更新された時刻も出ます。何を数えた数字なのかを、読む側が自分で確かめられます。
想定されている用途は、手早い探索的な質問です。例は「今週のサインアップは先月と比べてどうか」のようなもので、深い分析が必要になったら別のツールへ送って続ける設計です。送り先として公式に挙がっているのは次のツールです。
- 利用可能: Amplitude、Grafana、Hex、Mixpanel、Omni、Perplexity、PostHog、Sigma
- 近日対応予定: Databricks Genie、Looker、monday.com、Tableau
作ったダッシュボードはすべてArtifactsタブに保存されます。
利用できるプラン
| プラン | Dashboards | 補足 |
|---|---|---|
| Free | Dashboards対象外 | 補足ベータの対象は有料プランのみ |
| Pro / Max | Dashboardsベータで利用可 | 補足— |
| Team | Dashboardsベータで利用可 | 補足Ownerが組織設定でテンプレートを管理 |
| Enterprise | Dashboardsベータ、既定オフ | 補足Ownerが有効にするまで使えない |
Docs・Slides・Designはすべてのプランで使えます。Dashboardsだけが有料プラン限定のベータで、テンプレートごとに提供条件が違います。
質問の前にデータを接続する
ダッシュボードを作る前に、質問したいデータをClaudeに接続しておきます。接続先は2種類あります。
- データウェアハウス: Amazon Redshift、BigQuery、ClickHouse、Databricks、Snowflake
- Claudeに接続済みのほかのアプリ: たとえばSalesforceの商談
後者は、データウェアハウスがなくても試せる入口です。Salesforceを接続済みなら、商談をステージと担当者で分けたダッシュボードを頼めます。
接続の考え方は、通常のコネクタと同じです。BigQueryをMCP経由でつなぐ手順はBigQueryをClaudeで自然言語のまま分析する手順に、BIツールの例はClaudeとMetabaseの連携にまとめています。
接続済みアプリの利用には、組織側の設定も関わります。アーティファクトからコネクタを使えるかどうかは、Ownerが「Enable artifact connectors」で組織全体を切り替えます。個々のアプリ単位では絞れない、と管理者ガイドに書かれています。
ダッシュボードを作る
作り始め方は2通りです。
チャットから頼む
どのチャットでも、ダッシュボードが欲しいと頼めます。公式の例は次の3つです。
今四半期の売上を地域別にダッシュボードにして過去6か月の週次サインアップを、プラン別に分けて表示して未完了のSalesforce商談を、ステージと担当者ごとにダッシュボードにしてメッセージ欄で「Output」を選び、「Dashboards」を指定する方法もあります。
Artifactsタブから始める
左のサイドバーでArtifactsタブを開き、Dashboardsテンプレートを選んで、作りたいものを書きます。
質問は「知りたいこと」で書く
公式の助言は、チャートの種類ではなく、知りたいことを書くことです。「サインアップのチャート」より、「今月のチャネル別サインアップは先月と比べてどうか」のほうが先へ進みます。データが特定のテーブルやアプリにあるなら、その名前も書きます。
| 頼み方 | 弱い例 | 強い例 |
|---|---|---|
| 目的 | 弱い例サインアップのグラフ | 強い例今月のチャネル別サインアップは先月と比べてどうか |
| 範囲 | 弱い例売上を出して | 強い例今四半期の売上を地域別に |
| 出どころ | 弱い例顧客データから | 強い例analytics.signupsテーブルから(名前を指定) |
チャートのクエリを読んで数字を検算する
ダッシュボードで最初に確認したいのは、見た目より数え方です。各チャートのクエリを開くと、Claudeがその数字をどう出したかが分かります。意図と違う数え方なら、何を直すかをClaudeに伝えます。
たとえば「サインアップ数」が、メール未確認のアカウントまで含んでいたとします。次のように頼みます。
サインアップ数のチャートは、メール確認済みのアカウントだけを数えて。
条件を変えたら、変更前後の件数の差も教えて。条件の変更と件数の差をセットで頼むと、数え方を直した影響が見えます。これはClaudeの答えを信じるのでなく、クエリと数字の両方を自分の目で突き合わせるための型です。
直し方の依頼は、画面を触らずチャットで足せます。公式の例は「地域の絞り込みを足して」「週次表示に変えて」です。
共有する
ダッシュボードは作った時点では自分だけのものです。共有するには、開いて「Share」をクリックします。
アクセスの選び方
Pro・Maxでは「Only you」と「Anyone with the link」から選び、特定の人にはメールで招待します。Team・Enterpriseでは次の3つです。
| 選択肢 | 誰が開けるか |
|---|---|
| Only people invited | 誰が開けるか招待された人だけ |
| Anyone at組織名 | 誰が開けるか組織内の誰でも |
| Anyone with the link | 誰が開けるかリンクを知るClaudeアカウントの持ち主(Ownerが外部共有を許可した場合のみ) |
権限は「Can view」「Commenter」「Can edit」の3段階です。共有設定の変更は、Claudeのモバイルアプリではできません。Webか、Claude Desktopから操作します。
メールで特定の人を招待する
組織外の人に見せたいときは、リンク共有よりメール招待のほうが相手を絞れます。共有メニュー上部の入力欄にメールアドレスを入れ、入力したアドレスの候補を選び、「Invite」を押します。リンク共有と違い、招待は、招待された本人にしか使えません。
招待できるのはアーティファクトの所有者です。TeamとEnterpriseでは、編集できる組織内のメンバーも招待できます。相手はそのアドレスでClaudeにサインインする必要があり、アカウントがなければ先に作ってもらいます。Claudeは相手にアカウントがあるかを教えてくれません。TeamとEnterpriseで組織内の人のアドレスを入れると、招待ではなく直接追加されます。
組織外の招待は、Organization settings > Artifactsで許可されている必要があります。Teamでは既定でオン、Enterpriseでは既定でオフです。
招待の運用で知っておきたい点は次のとおりです。
- 未承諾の招待は30日で失効します。承諾済みの招待は失効しません
- 1つのアーティファクトに招待できる組織外の人は、承諾待ちを含めて50人までです
- 招待メールは英語で届きます
- アクセスを「Only you」に戻すと、TeamとEnterpriseでは組織外の招待が外れます。Pro・Maxでは招待した人のアクセスが残ります
- 招待を送った人が組織を離れるか編集権限を失うと、未承諾の招待は使えなくなります
- 招待された組織外の人は、他人を招待することも共有設定を変えることもできません
アカウントがなくて招待メールが届かなかった人には、アカウントを作ってもらってから招待を取り消し、もう一度送ります。
リンク共有ができないとき
コネクタ経由で接続先のデータを読むアーティファクト(コネクタを使うダッシュボードを含む)は、「Anyone with the link」を選べません。共有メニューで灰色になっていたら、組織のOwnerかPrimary Ownerに外部共有の設定を尋ねます。
選べないときの原因の切り分けはArtifactsで公開できない原因と対処にあります。
管理者がやること
Team・EnterpriseのOwnerは、組織設定のArtifactsでDashboardsテンプレートを有効にします。
- 組織設定の「Capabilities」で「Cloud code execution and file creation」をオンにする
- 「Organization settings > Artifacts」でArtifactsをオンにする
- Templatesの一覧でDashboardsをオンにする
Enterpriseは既定でオフなので、この手順を踏んだあとでないと誰も作れません。カスタムロールを使うと、特定のグループだけにDashboardsを開けます。組織設定がオフなら、どのロールも使えない仕組みです。
テンプレートをあとでオフにしても、すでに作られたダッシュボードは影響を受けません。外部共有の2つの設定は管理者が組織外共有を制御する手順に詳しくあります。
使えない場面と注意点
- 使用量: Dashboardsの利用は、プランの利用上限に含まれます。別枠はありません
- HIPAA対応の構成: Ownerは利用規約に同意するとDashboardsを有効にできますが、事業提携契約(BAA)の対象外です。保護対象の医療情報(PHI)は入れません
- 外部の閲覧者: メールで組織外から招待された人には、Claudeやコネクタを使う部分が動きません
- 深い分析: 探索的な質問向けの機能です。込み入った分析は、前述の送り先ツールで続ける前提です
- 権限: 各人が自分のアプリを接続します。共有されたダッシュボードを開いても、相手の接続は使われません
社内データを扱うので、何をClaudeに渡してよいかを先に決めておくと迷いません。判断の観点は業務データ漏洩対策チェックリストが使えます。
まとめ
Claude Dashboardsは、データを接続し、知りたいことを書き、クエリを読んで検算し、共有する流れで使う機能です。数字の出どころが画面に残るので、数え方を確認しながら使えます。
使い始める前に押さえる点は3つあります。Enterpriseは既定でオフなので、Ownerが組織設定で有効にします。リンク共有はコネクタ利用で使えないことがあり、共有メニューで確かめます。保護対象の医療情報は入れません。