Claude Artifactsの管理者が組織外共有を制御する設定手順
Team・EnterpriseのOwnerが行うArtifactsの設定です。有効化の順序、テンプレートの選択、組織外共有とメール招待の違い、個別許可までを手順で追います。
Team・EnterpriseプランでArtifactsを使わせるには、Owner(またはPrimary Owner)が組織設定で順番にスイッチを入れる必要があります。組織の外へ出せるかどうかも、別々の2つの設定で決まります。
先に結論を挙げます。
- Artifactsの有効化は、前提の「クラウドコード実行とファイル作成」を先にオンにしてから行う
- 組織外への共有は「External sharing」(リンクを知る誰でも)と「Email invitations outside your organization」(メールで招待した人だけ)の2系統で、片方をオンにしてももう片方は変わらない
- 社外メール招待の既定値はプランで違い、Teamはオン、Enterpriseはオフになる。導入時にExternal sharingと合わせて両方の設定を確認する
Artifactsを組織で有効にする手順
設定を変えられるのは、OwnerとPrimary Owner、そしてEnterpriseで適切な管理者権限を持つカスタムロールのユーザーです。手順は3ステップです。
- Organization settings > Capabilitiesで「Cloud code execution and file creation」をオンにする
- Organization settings > Artifactsを開く
- Artifactsをオンにする
これでユーザーはArtifactsを作り、Anthropicがホストする共有可能なページとして公開し、組織内で共有できるようになります。順序が逆だと、Artifactsの項目を押しても前提が満たされません。前提のトグルを先に確認します。
オフにしたときの挙動には注意が要ります。Artifactsをオフにすると、ユーザーは組織へArtifactsを共有できなくなります。ただし、すでに共有済みのリンクは動き続けます。「止めたのにリンクが残っている」は仕様どおりです。
テンプレートで作れるものを絞る
テンプレートは、ユーザーがArtifactを作り始めるときに選ぶ出発点です。公式が挙げているのは次の4種類です。
| テンプレート | ユーザーができること |
|---|---|
| Slides | ユーザーができること発表できるデッキを作り、デザインシステムで見た目を変え、PowerPointに書き出す |
| Design | ユーザーができること画面・フロー・図版をアートボードとして手で編集する |
| Design systems | ユーザーができること色・フォント・コンポーネントを一度登録し、新しいデッキやデザインに適用させる |
| Docs | ユーザーができることチームが読み、コメントし、その場で編集する文書を作る。Claudeが最新に保つ |
有効にするには、Organization settings > ArtifactsのTemplatesで使わせたいものをオンにします。テンプレートをオフにしても、そのテンプレートで作成済みのArtifactには影響しません。
単体のClaude Designは別スイッチ
claude.ai/designの単体Claude Designは、Designテンプレートとは別の製品です。設定はOrganization settings > Claude Designにあり、片方をオンにしてももう片方は有効になりません。既存のプロジェクトはclaude.ai/designに残り、Artifactsタブにも表示されます。Designテンプレートだけ許可して単体版を閉じる、といった組み合わせも取れます。
組織外共有を決める2つの設定
社外に出す経路は次の2つです。名前が似ていて混同しやすいので、違いを表にします。
| 設定名 | 何を許すか | 相手 |
|---|---|---|
| External sharing | 何を許すかリンクを知っている人なら誰でも開ける公開 | 相手不特定(Claudeアカウントは必要) |
| Email invitations outside your organization | 何を許すか名指しした社外の人をメールで招待 | 相手特定の個人 |
どちらもOrganization settings > Artifactsでオンにします。一方をオンにしても他方は変わりません。
External sharingをオフにすると既存リンクも止まる
External sharingをオフにすると、すでに発行された公開リンクも、オンに戻すまで開けなくなります。例外は、個別に許可したArtifactだけです。導入後にオフへ切り替える場合は、社外へ配布済みの資料もその時点で開けなくなります。
特定のArtifactだけ個別に許可する
External sharingがオフでも、特定のArtifactだけ「リンクを知る誰でも」で共有させることができます。
- Organization settings > Artifactsを開く
- Published artifactsから対象を探す(組織内に共有済みか、人を招待済みのものだけ一覧に出る)
- Artifactのメニューから「Allow external sharing」を選ぶ
- 確認ダイアログでも「Allow external sharing」を選ぶ
許可後は、そのArtifactの所有者がリンクを持つ誰にでも共有できます。組織内の他のArtifactはオフのままです。全面許可と全面禁止の間に、案件単位の例外を置く運用ができます。
メール招待をオフにするとどうなるか
Email invitations outside your organizationをオフにすると、すでに招待された人のアクセスも、オンに戻すまでブロックされます。承諾済みの招待は削除されず、未承諾の招待は送信から30日で失効する点は変わりません。
この設定は、Teamプランでは既定でオン、Enterpriseプランでは既定でオフです。同じ「Team・Enterprise」でも出発点が違うため、Enterpriseで社外招待を使わせたい場合は、自分の組織で設定を確認します。
社外に出ているArtifactを確認して取り消す
社外アクセスの棚卸しは、次の手順で行います。
- Organization settings > ArtifactsのPublished artifactsを開く
- 「Shared outside」と表示されたArtifactを探す
- メニューから「Manage outside access」を選ぶ
- 相手の横の削除ボタンを押し、「Remove access」または「Remove invitation」で確定する
Ownerにできるのは削除までです。相手のアクセスレベルを変えることはできません。
設定をオンにしても社外に出せないもの
外部共有系の設定がすべてオンでも、組織の外へ出せないArtifactがあります。
- Docsは、まだ組織外へ共有できない
- コネクタ(連携アプリ)を使うArtifactや、Claudeに質問するArtifactは「リンクを知る誰でも」を使えない
メール招待にも制限があります。Claude Docsで作った文書、他のWebサイトに接続するArtifact、アップロードしたファイルの検査が終わっていない(または通らなかった)Artifactは、メール招待では共有できません。
社外の人がArtifactを開くにはClaudeアカウントが必要です。例外は、チャットから公開した旧式(legacy)のArtifactだけです。社外の相手にアカウントがなければ、リンクを渡しても開けません。
社外の招待者にできることも限られます。招待された社外の人は、他の人を招待することも共有設定を変えることもできません。Claudeやコネクタを使う部分は動作しません。編集権限があっても、Artifactの削除はできず、アップロードできるのは画像と動画だけです。1つのArtifactに招待できる社外の人数は、承諾待ちを含めて50人までです。
在席表示とコネクタを組織単位で決める
Artifact presence(誰が開いているか)
Artifact presenceは、同じ組織の誰がArtifactを開いているかと、その場の操作をユーザーに見せる機能です。Organization settings > Artifactsでオン・オフを切り替えます。TeamとEnterpriseで既定はオンで、組織でArtifactsがオンのときだけ有効です。オフにした場合、新しいページ読み込みには即時に、すでに開いているタブには1時間以内に反映されます。
Artifact connectors(連携アプリの利用)
「Enable artifact connectors」は、Artifactが連携アプリのデータを読み書きできるようにする設定です。共有されたArtifactでも、各ユーザーが自分のアプリを接続します。他人の接続を借りる形ではありません。組織全体でオン・オフはできますが、Artifactが到達できるアプリを個別に絞ることはできません。
場所はOrganization settings > CapabilitiesのVisualsです。Artifactsの画面とは別のページにあるため、探す場所を間違えやすい設定です。コネクタ全般の許可設定はGoogle Workspaceコネクタの使い方で扱っています。
Enterpriseでは部署単位に絞れる
Enterpriseプランでは、カスタムロールを使って、機能を組織全体ではなく特定のグループにだけ開けます。組織設定が親スイッチで、カスタムロールはその下の個別スイッチです。組織側でオフの機能は、どのロールでも許可できません。
Artifacts関連の権限は次のとおりです。
| 権限 | 与えるもの |
|---|---|
| Artifacts | 与えるものClaude CodeとCoworkでのArtifact作成・公開、チャットとCoworkのArtifactを組織内に共有 |
| Design | 与えるものDesignテンプレートから作り始める |
| Design systems | 与えるものデザインシステムの作成・編集 |
| Docs | 与えるものDocsテンプレートから作り始める |
| Slides | 与えるものSlidesテンプレートから作り始める |
| Claude Design(単体) | 与えるものclaude.ai/designの利用 |
権限を持たないユーザーも、共有されたArtifactを開き、コメントし、使うことはできます。「営業部だけSlides、デザイン部だけDesignとDesign systems」のような割り当てが、この表の単位で組めます。テンプレートの部署別制限は、Enterpriseのカスタムロールの機能です。
デザインシステムの公開・組織既定の設定・削除は、既定では権限を持つ誰でも行えます。これらを特定のユーザーだけに絞るには、Organization settings > Rolesでカスタムロールを作り、「Admin permissions」タブのProduct adminにあるClaude Design Adminを「Can manage」にして、グループに割り当てます。詳しい手順はClaude Designの管理者権限をカスタムロールで制御するにあります。この権限を誰にも割り当てなければ、挙動は変わりません。
使用量・監視・データの扱い
- 使用量: デッキ、デザイン、文書を含むArtifactsは、Claude Codeなどと共通の既存の利用上限に含まれ、別枠はありません。TeamとシートベースEnterpriseは各ユーザーのシート上限(セッション・週次)から消費され、管理者は追加のusage creditsを購入できます。使用量ベースEnterpriseは標準APIレートで組織の消費に課金され、組織・グループ・ユーザー単位の支出上限が適用されます
- Compliance API: 会話内で作ったArtifactsとArtifactsタブのものが、Artifact単位で記録されます。Docsは文書自体のイベントが記録されますが、文書内の編集やコメントはまだ記録されません
- 分析: Analytics > Claude Designで日次・週次・月次のアクティブユーザーを確認できます。対象はclaude.ai/designだけで、会話内やArtifactsタブで作ったデザインは含まれません
- 監査ログ: 単体のClaude Designは対応していません
データの扱いも押さえておきます。アップロードされた素材は永続的に保存され、他のAnthropic製品と同じ保持・削除ポリシーに従います。Claude Designはデータレジデンシー要件に未対応です。組織から人を外すと、IdP経由の削除も含めて、その人のArtifactsへのアクセスも同時に消えます。
特殊な構成では利用できない機能があります。CMEK、ZDR、HIPAA対応構成の組織では、テンプレート・デザインシステム・メール招待を含む新しいArtifactsの体験がまだ使えず、Coworkのライブアーティファクトを引き続き使います。教育機関とK-12の組織では、メール招待が使えません。プラン別のデータ保持の設定はClaude Enterpriseのデータ保持期間を管理者がカスタム設定する手順が参考になります。
公開範囲の内部限定化、Artifactsの保持期間、監査ログ、Compliance APIでの一覧・削除といったClaude Code側の統制は、Claude Code Artifactsの組織管理にまとまっています。
利用できる面は、WebとデスクトップのClaude、Claude Code、単体Claude Design(claude.ai/design)です。iOSとAndroidのアプリでは、Artifactを依頼して結果を見ることはできますが、共有設定は変えられません。サードパーティのクラウドプラットフォーム経由では使えません。
導入パターン別の設定早見表
公式ガイドの設定項目を、よくある運用方針に当てはめると次のようになります。これは設定の組み合わせ例で、公式が推奨する構成ではありません。
| 方針 | 有効化 | External sharing | 社外メール招待 | 個別許可 |
|---|---|---|---|---|
| 社内限定で使う | 有効化オン | External sharingオフ | 社外メール招待オフ | 個別許可使わない |
| 取引先への共有だけ許す | 有効化オン | External sharingオフ | 社外メール招待オン | 個別許可使わない |
| 公開資料も出す | 有効化オン | External sharingオン | 社外メール招待用途に応じて | 個別許可不要 |
| 原則社内、案件だけ公開 | 有効化オン | External sharingオフ | 社外メール招待用途に応じて | 個別許可案件のArtifactに設定 |
「取引先だけ」の行では、リンク公開を閉じたまま名指しの相手に限定して共有できます。「原則社内」の行では、公開リンクが止まっている状態で対象のArtifactだけを個別に開けます。
よくあるつまずき
- Artifactsの項目が動かない: 前提の「Cloud code execution and file creation」がオフになっていないか確認する
- 「リンクを知る誰でも」がグレーアウトされている: ユーザー側の表示で、External sharingがオフかつ個別許可がない状態を指す。OwnerまたはPrimary Ownerに依頼する
- 部署別に絞ったのに権限が効かない: Claude Design Adminの手順では、ロールを割り当てたうえで各ユーザーのロールを「Custom」に設定する。この最後の手順が抜けていないか確認する
- 社外に渡したリンクが突然開けなくなった: External sharingかメール招待をオフにした影響の可能性がある。オンに戻すと再び開ける
- 社外の相手が開けない: Claudeアカウントが必要になる。招待メールが届いていない場合は、相手にアカウントを作ってもらい、招待を取り消して送り直す
まとめ
設定は「前提のトグル、Artifacts、テンプレート、共有」の順に進みます。社外へ出す経路は、リンクを知る誰でも(External sharing)と名指しのメール招待の2系統で、それぞれ別に決めます。どちらもオフにすると、社外に配布済みのリンクや招待済みの人のアクセスも止まります。
外部共有を全面的に許すのが不安な組織では、External sharingをオフに保ち、必要な案件だけ個別に許可する運用が取れます。Enterpriseならカスタムロールで、テンプレートとデザインシステムの管理を部署単位に絞れます。