ClaudeとDefinelyを連携する方法 — 管理者の登録から定義語・相互参照の検証まで
Definelyコネクタを管理者が登録する手順(英国・米国・その他の地域)と、利用者のサインイン、文書アップロードで詰まる許可リストの設定、20個のツールの並び、Coworkプラグインの位置づけをまとめます。
Claude Definely連携とは — 契約書の構造を会話から確かめるコネクタ
Definelyは、契約書の定義語や条項間の参照を扱う法務向けのサービスです。Claude Definely連携は、その機能をClaudeの会話から呼び出せるようにするコネクタです。説明文は、契約書の定義の解決、相互参照の検証、依存関係の把握、構造の差分比較をAIアシスタントに提供するものだと位置づけています。
Connectorsディレクトリの表示は次のとおりです。
ディレクトリ上のDefinelyコネクタ
認証
サインイン必須
Definelyのメールアドレスで認証
追加時期
2026年5月
Anthropic verifiedの表示つき
ツール数
20個
一覧に載っている名前の数
カテゴリはLegalとProductivityです。コネクタのURLは https://mcp.app.definely.com/ で、このURLを直接開くと認証が要求されるだけで、中身は見られません。
接続には、次の3つが要ります。
- 有効なDefinelyのライセンス
- そのライセンスに紐づくメールアドレスのDefinelyアカウント
- Claudeへのアクセス(Claude.aiのWeb、Claude Desktop、モバイルアプリのいずれか)
ライセンスが無いと、サインインの段階で止まります。コネクタ側で試せる無料枠の記載は、Definelyのヘルプ記事にありません。
Connector全般の仕組みはClaude Connectorsの解説にまとめています。以下はDefinely固有の部分に絞ります。
管理者が先に決めること — 地域ごとに登録の方法が違う
Definelyのコネクタは、テナント(契約単位の環境)のある地域で扱いが分かれます。Claudeのコネクタストアに載っているものは、既定で英国向けです。将来は、Definelyのテナントがある地域に文書を保存するよう更新される予定とされています。それまでは、地域ごとの手順を使い分けます。
| 地域 | 登録方法 | URL |
|---|---|---|
| 英国 | 登録方法ストアのDefinelyを組織に追加 | URLストアの既定(https://mcp.app.definely.com/) |
| 米国 | 登録方法カスタムコネクタとして追加 | URLhttps://mcp.us.definely.com |
| その他 | 登録方法アカウント担当に正しいURLを確認し、カスタムコネクタとして追加 | URL担当から案内 |
英国: カタログに追加して全員の一覧に出す
組織のコネクタカタログに入れておくと、利用者がストアで検索しなくても、全員のコネクタ一覧にDefinelyが並びます。
英国向けの追加手順
- 1
管理設定を開く
Admin Settings → Connectorsを開きます。
- 2
カタログを探す
Browse connectorsを押します。
- 3
Definelyを追加する
カタログでDefinelyを見つけ、Add to your organizationを押します。
追加しても、利用者ごとのサインインは省略されません。各自がConnectを押し、自分のDefinelyの資格情報で認証します。
米国とその他の地域: カスタムコネクタとして配る
米国の顧客は、管理者がDefinelyをカスタムコネクタとして追加し、利用者へ配布します。
米国向けの追加手順
- 1
管理コンソールのConnectorsを開く
Claudeの管理コンソールでConnectorsに進みます。
- 2
カスタムコネクタを追加する
- ボタンからAdd custom connectorを選び、名前に
Definely US、URLにhttps://mcp.us.definely.comを入れてAddを押します。
- ボタンからAdd custom connectorを選び、名前に
- 3
利用者へ配布する
対象のユーザーにコネクタをデプロイします。
配布後、利用者の一覧には「Definely US」が出ます。米国以外の地域は、同じカスタムコネクタの手順でURLだけを担当者に確認した値にします。
英国向けのストア版を、米国やその他の地域の組織がそのまま使ってよいかは、ヘルプ記事に書かれていません。既定が英国向けと明記されているので、地域が違うなら上の表どおりカスタムコネクタ側を選ぶのが筋です。
文書アップロードの許可リスト — どの地域でも管理者が1回だけ設定する
Definelyのヘルプ記事が「必須、全地域共通」としているのが、この設定です。コネクタ経由で文書をアップロードすると、Claudeはファイルを組織のDefinelyストレージバケットへ直接渡します。組織のClaudeのネットワークポリシーがそのホストを止めていると、アップロードは失敗します。
症状は2通りです。
host_not_allowedというエラーが、amazonaws.comのアドレスについて出る- 文書はアップロードされたように見えるが、いつまでも処理されない
アップロード先のホスト名はテナントごとに違います。Amazon S3全体を許可する必要はなく、自社のバケットだけを許可すれば足ります。ホスト名は、Definelyのアカウント担当かサポートに聞いて入手します。
ClaudeのOwnerまたはAdminが、次の手順で1回だけ設定します。
ネットワークの許可リスト設定
- 1
設定画面を開く
claude.ai/settings/capabilitiesを開きます。設定の検索で「code execution」と入れても同じ場所に行けます。 - 2
外向き通信を有効にする
Code executionの項目で、Allow network egressがオンになっていることを確かめます。
- 3
許可リストの種類を確認する
Domain allowlistのドロップダウンが「Package managers only」のままだと、個別に足したドメインは効きません。追加ドメインを許す種類に切り替えます。セキュリティ方針が許すなら、All domainsも選べます。
- 4
テナントのホスト名を足す
Definelyから受け取ったアップロード用ホスト名を追加します。許可リストに古い
s3.amazonaws.comが残っていれば、新しい項目を入れたあとで消せます。 - 5
保存して新しい会話で試す
保存したら、新しい会話を始めてアップロードをやり直します。
最後の手順は見落としやすい点です。ネットワークポリシーは会話の開始時に固定されるので、設定前から開いていた会話では、直したあとも失敗し続けます。個々の利用者側に必要な作業はありません。
利用者の接続手順 — 1回サインインすればモバイルでも使える
管理者の登録が済んでいれば、利用者の作業は短く済みます。
- Claude(デスクトップ、Web、モバイルアプリのどれでも)を開く
- Customise → Connectorsに進む
- 一覧からDefinelyを見つける
- Definelyのメールアドレスの資格情報でサインインする
サインインが済むと、Definelyのツールがすぐ会話で使えます。接続は1回で足り、以降はすべてのClaudeセッション(モバイル含む)で有効です。
一覧にDefinelyが無いときは、管理者に連絡します。英国なら組織のコネクタへの追加、米国とその他ならカスタムコネクタの配布が、まだ済んでいない状態です。
20個のツールを役割で見渡す
コネクタの一覧に載っているツール名は、次の20個です。個々のツールの説明文は、ディレクトリにもヘルプ記事にも載っていません。ここでは名前の接頭辞と対象の語で並べるだけにし、挙動の細部は断定しません。
| 並び | ツール名 |
|---|---|
| 文書の構造 | ツール名get_document_table_of_contents / get_containing_section / get_items_in_this_section |
| 定義語 | ツール名get_list_of_defined_terms / get_list_of_undefined_terms / find_undefined_terms_in_this_text |
| 参照 | ツール名find_where_this_section_is_referenced / find_cross_references_in_this_section |
| 本文の取得 | ツール名fetch_text_by_item_name / get_text_of_this_item |
| 校正(proof) | ツール名get_proof_issues_in_this_section / get_proof_summary_for_document / get_issues_list |
| Vault(過去文書の置き場)検索 | ツール名find_precedent_in_vault / find_similar_precedent_in_vault / find_document_in_vault_by_name / find_similar_items_in_vault / find_items_by_name_in_vault |
| 文書の取り込み | ツール名definely_upload_document / definely_prepare_document |
ディレクトリの説明文は、このコネクタを「決定論的な」アクセスと呼んでいます。契約書の文面だけをモデルに読ませるのではなく、定義語や参照の構造を、サービス側で解いた結果として返すという意味です。同じ文書に同じ問いを投げたとき、定義の解決や参照の有無が揺れにくい、という使い方を想定した設計と読めます。
ツールの中に、文書を書き換えるものがあるかどうかは、公式の一覧からは判断できません。名前はいずれも取得・検索・取り込みを思わせますが、書き込み権限の範囲は文書に記載がありません。法務の機密文書を扱うので、導入前にDefinelyの担当へ確認する項目に入れておくと安全です。
Claudeに任せる検証の頼み方 — CLAUDE.mdやプロジェクト指示に置く断片
ツール名が決まっていても、会話で何を頼むかは利用者側の設計です。ヘルプ記事が挙げる用途は、文書のレビュー、issues list(指摘事項の一覧)の作成、レポートの生成です。ここに「検証の順番」を足すと、見落としが減ります。
Claudeのプロジェクトの指示や、Coworkで使うフォルダ指示に、次のような断片を置く例です(例示であり、実際の出力ではありません)。
契約書のレビューを頼まれたら、次の順で進める。
1. Definelyで文書をアップロードして準備する(アップロードが失敗したら、そこで止めて理由を報告する)
2. 未定義語の一覧を取得し、本文中で使われているが定義のない語を列挙する
3. 条項ごとに相互参照を調べ、参照先が存在しないものを挙げる
4. 見つかった問題ごとに、該当条項の本文を取得して引用する
5. 修正案は、問題の一覧を出したあとで別に提案するポイントは、順番の1と5です。アップロードの失敗(先ほどの許可リスト)を握りつぶさず報告させること、Claudeの文章力による修正案を、Definelyの検証結果とは別の段で出させることです。ヘルプ記事も、Definelyが問題を見つけたあとにClaudeへ修正文案を頼む使い方を勧めています。
検証結果と修正案が混ざると、どこまでがツールの返した事実で、どこからがモデルの提案か見分けにくくなります。指示で段を分けておけば、レビューの際に確認する場所がはっきりします。
Coworkプラグインは何を足すか — 校正や構造レビューの手順を定型化する
Definelyは、コネクタとは別にプラグインも用意しています。ツールの上に、校正、issues list、構造レビューのような定型作業を行う「スキル」(導かれたワークフロー)を重ねたものです。Claude Cowork(デスクトップ)でのみ使えます。
管理者の配布手順
- Definelyのアカウント担当からプラグインの.zipファイルを入手する
- Claude DesktopでOrganisation settings → Pluginsを開く
- Add pluginsからUpload a fileを選び、.zipをアップロードする
- インストール設定を選ぶ
設定は4種類です。
プラグインのインストール設定
Installed by default
全員に自動でインストールされます。利用者が削除できます。
Available for install
プラグインのカタログに並び、利用者が自分で入れます。
Required
全員に自動でインストールされ、削除できません。
Not available
カタログに出ません。ステージング用に使えます。
Enterpriseの管理者は、特定のグループだけ設定を上書きできます。たとえば、法務チームには自動インストール、ほかのチームは任意、という分け方です。
利用者の導入手順
利用者はデスクトップ版ClaudeでCoworkを開き、Customise → Organisation Pluginsに進みます。+ ボタンを押し、PluginsのYour Organisationの下にあるDefinelyを選んでInstallを押します。
Your Organisationの下にDefinelyが出ないときは、ITチームに連絡します。プラグインはITチームが有効にする前提だからです。
プラグインのスキルは、アップロードと準備の手順を裏で済ませます。コネクタだけで使うときは、利用者がアップロードと準備を自分の依頼として出す形になります。
通常のClaudeチャットでこのスキルを使いたいなら、スキルを手動で追加します。入手先はITチームです。つまり、定型ワークフローまで使うのはCoworkが前提で、チャットではコネクタのツールが基本になります。
Coworkでプラグインを業務の流れに組み込む例は、カスタマーサポートプラグインの手順にあります。
他のコネクタと組み合わせる — メール指示と契約書チェックを1つの会話で
ヘルプ記事は、モバイルでの使い方も例示しています。出先で上司からメールが届き、契約書のレビューを頼まれたとします。モバイルアプリで添付ファイルをアップロードし、issues listを頼めば、構造化されたレポートがその場で得られます。
GmailやOutlookのコネクタも有効にしてあれば、メールをClaudeに直接読ませ、メールの指示とDefinelyの分析を合わせて処理できます。ほかの組み合わせは次のとおりです。
- Gmail / Outlook: 同僚の指示をメールから抜き出し、issues listや校正レポートに反映する
- Google Drive: Drive上のフォルダを指定し、中の文書にまとめてDefinelyの分析をかける
- ほかのコネクタ: Claudeで使えるコネクタなら、1つの会話でDefinelyと併用できる
法務の案件管理や請求側のデータは、別のコネクタで扱えます。たとえば法務の案件・ベンダー・支出を引くならClaudeとBrightflagの連携、プライバシー運用ならDataGrailの認証と書き込み権限の管理が、同じ法務まわりの実例です。
つまずいたときの切り分け
ヘルプ記事が挙げる、Claude側の症状は2つです。
Definelyが使えないときの確認順
- Qコネクタの一覧にDefinelyが出ていますか?答えが出ていない答えがはい
英国は組織のコネクタへの追加、米国とその他の地域はカスタムコネクタの配布を、Claudeの管理者に頼みます。
- Qアップロードで host_not_allowed が出る、または処理が終わりませんか?答えが出ていない答えがはい
テナントのアップロード用ホスト名が許可リストに入っているか確かめます。古い
s3.amazonaws.comの項目では、現在は足りません。入れ直したら新しい会話でやり直します。
それでも解決しないとき
ライセンス、権限、認証、ツールが表示されない問題は、Definelyのコネクタ全般のトラブルシューティングが受け皿です。
コネクタは外部の開発元が提供するもので、Anthropicは開発元が出すツールの内容を管理せず、期待どおり動くことも検証できないと、ディレクトリは注意書きを添えています。信頼できる開発元のものだけを使う前提です。契約書という機密性の高い文書を渡すなら、データの扱いはDefinelyのプライバシーポリシーで確認してから使います。