Claude Desktopでコンテキスト使用量の表示が消えた — 戻った場所と戻らなかったもの
Claude Desktop 2.37337.1でコードタブのリングからコンテキスト使用量が消えました。今はどこで見られるか、何が戻らなかったかを、Issueの経過とDesktopの説明から書きます。
Claude Desktopのコードタブで、モデル選択の隣にあるリングをクリックしても、コンテキストウィンドウの使用量が出なくなりました。10月13日から14日にかけてのアップデート(2.37337.1)以降の変化です。GitHubのIssue #102094は、この変化を不具合として報告したものです。
結論から言うと、コンテキストの表示は消えたのではなく、場所が移りました。今はセッションの右側にある詳細パネルの「Context」カードで見ます。リングのポップオーバーに戻ったわけではありません。
何が起きたか
報告者の環境は、Windows 11上のClaude Desktop 2.37337.1、同梱のClaude Code 2.1.295、Max 20xプラン、1Mコンテキストのモデルです。10月13日までは、画面下のリングにコンテキスト使用量が出ていて、ポップオーバーにもプランの枠と並んでコンテキストの行がありました。
14日以降は次の状態になったと書かれています。
- リングの数字は週次のプラン枠(報告時点で85%)に変わった
- クリックすると出るポップオーバーには、セッション上限・週次・モデル別の週次・クラウドセッションのクレジットだけが並ぶ
- コンテキストの行も内訳もない
- 設定画面に、この表示を切り替える項目はない
データそのものは残っています。同じセッションで /context を実行すると、1Mのうち26%という数字とカテゴリ別の内訳が出ました。同じアカウントのAndroidアプリは、使用量シートの最初の行にコンテキストウィンドウを出し続けています。落ちたのはデスクトップのリングとポップオーバーの表示だけです。
リングの表示は、旧レイアウトでも現行レイアウトでも残っています。ただし中身は、Claude Codeの各利用形態で共有するプランの使用量です。コンテキストの割合はポップオーバーでなく、詳細パネルのカードが受け持っています。
報告者は当初、週次枠が85%を超えたので警告がリングを乗っ取る仕様かもしれない、と疑っていました。ところが別の利用者が、週次65%でも同じ状態だと書いています。枠の消費量に連動した挙動とは考えにくい状況です。
戻ったもの・戻らなかったもの
Issueの経過をたどると、状況は表のとおりです。
| 項目 | 以前(旧レイアウト) | 2.37337.1以降 | 戻ったか |
|---|---|---|---|
| コンテキスト使用量の場所 | 以前(旧レイアウト)リングのポップオーバー | 2.37337.1以降セッション詳細パネルの「Context」カード | 戻ったか場所が変わった |
| リングのポップオーバー | 以前(旧レイアウト)コンテキスト+プラン枠 | 2.37337.1以降プラン枠のみ | 戻ったか戻っていない |
| カテゴリ別の内訳 | 以前(旧レイアウト)ポップオーバーで確認 | 2.37337.1以降カードを開くと表示 | 戻ったか別の場所で戻った |
| 常時見える状態 | 以前(旧レイアウト)リングを見れば分かる | 2.37337.1以降パネルを開いている間だけ | 戻ったか戻っていない |
| リング指標の切り替え | 以前(旧レイアウト)設定項目なし | 2.37337.1以降設定項目なし | 戻ったか要望のまま |
Issueのコメントでは、早い段階で別の利用者が「画面右上に使用量のバーがあり、パネルを開いている間だけコンテキストが出る」と突き止めました。AnthropicのメンバーはIssueを完了(completed)として閉じ、コメントで「コンテキストの情報は今はセッションの側面レールにある」とスクリーンショット付きで案内しています。つまり、修正された内容は「リングへの復活」ではなく「別の場所にある」という回答です。
この点は、Desktopの説明と一致します。説明には、現行のレイアウトではセッション詳細パネルの「Context」カードのヘッダーにパーセンテージが出て、カードを開くとカテゴリ別の内訳が見られる、と書かれています。同じ箇所で、旧レイアウトではリングのポップオーバーに出ていた、とも説明されています。今回の変更は、旧レイアウトから現行レイアウトへの移行にあたります。
今コンテキスト使用量を見る方法
見る手段は3つあります。
コンテキスト使用量を確認する3つの経路
- 1
セッション詳細パネルのContextカード
セッションの横に出るパネルのヘッダーにパーセンテージが出ます。カードを開くと、コンテキストウィンドウを何が占めているかが、カテゴリ別に見えます。
- 2
プロンプト欄で /context を実行する
セッションのコンテキストの内訳が、チャットにカテゴリ別で出力されます。新旧どちらのレイアウトでも使えます。
- 3
Androidアプリの使用量シートを開く
報告者の環境では、使用量シートの先頭にコンテキストウィンドウが出ていました。外出中に長いセッションの様子を見る用途です。
パネルが見当たらないときは、セッションのタイトルバーか「⋮」メニューにある「Hide session rail」「Show session rail」を確認します。隠れているだけなら、ここで戻せます。
一方で、パネルには出る条件があります。説明によると、パネルはセッションを始めたあとに現れ、しかもチャットの幅が十分あるあいだだけ表示されます。縦向きの副モニターや、狭く並べたウィンドウでは、そもそもカードが出ない状態になりえます。その場合に頼れるのは /context だけです。1920×1080のモニターでサイドを開き続けたくない、という不満がIssueに繰り返し出てくるのは、この条件と関係があります。
レイアウトが変わったことの副作用
この更新で変わったのはコンテキストの場所だけではありません。コメントには、サイドバーの「Group by」と並び替えが見当たらなくなった、という報告もあります。
Desktopの説明では、現行レイアウトの「Group and sort」アイコンは、セッション一覧の見出しにカーソルを重ねたときに出ます。旧レイアウトの「Filter」アイコンは常時表示でした。消えたのではなく、見えにくくなっている可能性があります。
もう1つ、モデルの強度設定(Effort)の置き場所も変わっています。現行レイアウトでは、モデル選択を開いて「Effort」の下で段階を選びます。Desktopのキーボードショートカット一覧には、Cmd Shift E で強度のメニューを開く操作が載っています。更新後にクリック数が増えたと感じている人は、ショートカットが近道になります。
旧レイアウトに留まる選択肢と代償
Issueには、旧ビルドに留まっている利用者のコメントもあります。ビルドをバージョンで固定し、ワンクリックでコンテキストが見えるリングを使い続ける、という運用です。
旧レイアウトに留まると、見えなくなる機能が増えます。Desktopの説明では、旧レイアウトにはセッション詳細パネルと、保存できるローカル・SSH環境がありません。環境の選択は入力欄の上に出る古い形のままです。現行レイアウトにはv2.37337.0以降が必要で、v2.37337.0より古いDesktopが旧レイアウトにあたります。
サードパーティプロバイダーを使い、組織が自動更新を止めている環境では、更新のメニュー(Check for Updates…)自体が隠れています。その場合は、必要なバージョンを管理者に確認してください。
利用者が作った回避策
Issueには、コミュニティの回避策が2つ投稿されています。
- コンテキスト・セッション・週次の使用率を、入力欄の真上に1行で出すプラグイン
- Desktopの「mod」機能(早期アクセス)を使い、コンテキストの割合と強度のボタンを入力欄の上に出す方法
どちらも第三者の作です。2つ目の投稿者自身が、早期アクセスの機能なのでアップデートで動かなくなる可能性があり、検証はmacOSだけだと書いています。しかも手順は、Claudeにコードを読ませて説明させ、承認後に作らせる形で、設定ファイルの env を書き換える工程を含みます。自分の環境で試すなら、中身を読んでから、設定ファイルのバックアップを取って進める性質のものです。
必要なのが「いま何%か」だけなら、/context を使えば追加のものは何も入れずに済みます。
Issueがcompletedで閉じても要望が残った理由
報告された環境は、WindowsのほかにmacOS 15、Max 20xのほかにMaxプランの利用者もいて、幅があります。モデルもFable 5.1やOpus 5.5など、1Mのコンテキストを持つものでした。OSやプランを問わず報告が出ており、v2.37337.0以降の現行レイアウトそのものの仕様変更です。
#102094がcompletedで閉じたあとも、10月23日に「旧ビルドに留まっている」「ほかにも同種のIssueが開いている」というコメントが付きました。コメントは関連するIssueとして #102103、#102615、#103918、#103885、#102133、#102176、#102623を挙げています。別のコメントは、関連Issueの一部がnot plannedで閉じられている、と指摘しています。各Issueの状態は、それぞれのページで確かめられます。
一覧に挙がった要望はふたつです。ポップオーバーに常にコンテキストの行を置くこと。リングの指標をコンテキスト・5時間枠・週次から選べるようにすること。どちらも現行レイアウトの説明には載っておらず、残っているのは、コンテキストを見る手間が1クリックからパネル常駐へ変わったという事実です。
まとめ
コンテキスト使用量は、セッション詳細パネルの「Context」カードに移りました。リングのポップオーバーに戻る見込みを示す説明は、Issueにありません。パネルが出ない幅のウィンドウでは、/context が確実な手段です。
長いセッションで /compact や引き継ぎのタイミングを計るなら、使うウィンドウの幅を一度確かめておくと迷いません。ほかのコードタブの変化はプロンプト提案が出ない件にもあり、/context の読み方はコンテキストウィンドウを可視化して確認する方法に書いています。Desktopの元になるツールの全体像はClaude Codeの解説から辿れます。