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Claude for Governmentのモデルとシート階層 — LiteシートはOpusが使えない

Claude for Governmentのモデルとシート階層 — LiteシートはOpusが使えない

Claude for Governmentはシート階層でモデルを制限します。旧Web版のLite・Standardと、Desktop版のシート階層の違い、SCIMグループでの割り当て方を書きます。

Claude for Governmentでは、シート階層によって使えるモデルが変わります。旧Web版のヘルプでは、既定のLiteシートがSonnetとHaikuまで、Opusを含む全モデルはStandardシートでした。後継のDesktop版では階層の中身がAnthropic管理の階層と組織自作の階層に分かれ、自作の階層では許可モデルを管理者が決められます。画面上部のバナーや組織指示の仕様はClaude for Governmentのバナーと組織指示にあります。

旧Web版とDesktop版で、シート階層の扱いはどう違うのか

旧Web版のヘルプは、モデル提供・SCIM設定・導入のどの記事も、冒頭で移行を案内しています。すべての組織が2026年10月4日までに、更新版のClaude for Government(Desktop)へ移る、という内容です。現行の手順は、Claudeのドキュメントにある管理者ガイドへ移っています。Lite・Standardという名前の説明は旧Web版のもので、Desktop版の階層ページには載っていません。

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シート階層の考え方

Lite / Standard

旧Web版のヘルプ

階層は2つで、Opusを使えるのはStandardだけです。割り当てはSCIMのグループマッピングで行い、設定は組織設定のIdentityページにありました。

管理型 / 自作

Desktop版のドキュメント

階層はAnthropic管理のものと、組織が作るものの2種類です。許可モデルと支出上限を階層ごとに持ち、モデルピッカーにはその階層の許可モデルだけが並びます。

推論の経路も、説明の仕方が変わっています。旧Web版は、すべての推論をGoogle Cloud Vertex AIのFedRAMP High認証済み環境に通す、と説明していました。Desktop版のセキュリティ資料では、リクエストはClaude for Governmentのサービスを経由します。届き先は、FedRAMP Highの境界の内側にあるモデルエンドポイントです。製品ページのFAQは、Desktop版がPalantirのFedRAMP High境界内にある政府向け環境につながると書いています。

Claudeの政府向け製品ページでは、提供形態ごとの認証範囲が表になっています。Claude for GovernmentはFedRAMP High対象でDoD IL5は対象外、機密環境はパイロット中です。商用のClaude EnterpriseはFedRAMP Highの対象に入っておらず、Amazon BedrockやGoogle Cloud Vertex AI上のClaudeは別の行に並びます。製品ページでは、Vertex AI上のClaudeとClaude for Governmentは別の行として扱われています。

旧Web版のLiteシートとStandardシートは何が違ったのか

Opusを使えるかどうかが最大の差でした。

項目LiteStandard
位置づけLite連邦機関向けプランに含まれる既定の階層Standard全モデルを使うパワーユーザー向け
Sonnet系・HaikuLite全面的に利用可Standard利用可
OpusLite利用不可Standard利用可
使用量Lite5時間枠ごとに上限ありStandardフル容量のレート制限

Liteは、機関全体への展開を1席あたり低コストで進めるための階層です。Standardが想定するのは、複雑な分析・高度なコーディング・長期的なリサーチなど、Opus級の推論が効く仕事をする人です。Liteの5時間枠の上限額は、旧Webのヘルプに数字がありません。

割り当ての目安は業務の性質で決まります。

  • 定型文書の要約・下書き・問い合わせ対応が中心の職員は、Sonnet系とHaikuで足りるためLite
  • 複雑な分析や長期的なリサーチを任されている職員は、Opus級の推論が効く仕事なのでStandard
  • 高度なコーディングを行う職員も同じくStandard(ヘルプの記述は「高度なコーディング」で、使うツールは限定していません)

Opusの特性はClaude Opus 5.5の解説にまとめています。Opusを既定モデルにしてもLiteシートでは使えないので、旧Web版で既定モデルを組織設定(Admin Settings)に置くときは、Lite中心の組織ならSonnet系かHaikuが現実的です。

Desktop版ではシート階層をどう設計するのか

Desktop版の階層は、Anthropic管理の階層と、自組織で作る階層に分かれます。

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2種類の階層で変えられるもの

読み取り専用

Anthropic管理の階層

Anthropicが定義し、テナントの請求アカウントを通じて割り当てられます。許可モデルは詳細ページで見られますが、支出上限は表示されず、設定の変更も削除もできません。席数の枠で支払う方式です。

自由に編集

組織が作る階層

名前・許可モデル・支出上限を自由に決められます。席数ではなく請求アカウントの残高から引かれ、席数の上限を持つかどうかは割り当て方で変わります。1組織で最大50個まで作れます。

組織が作る階層のフォームには、5つの項目があります。

  • 5時間の支出上限: ユーザー1人あたり、直近5時間のローリング枠で使える金額(ドル)。0にすると一切使えない
  • 7日間の支出上限: 同じく直近7日間の枠で、5時間の上限と7日間の上限は同時に効き、先に届いた方で止まる
  • 許可モデル: 空のままだと、支出上限に関係なくモデルを1つも使えない
  • 並び順: 新しく作られたユーザーに席を自動で当てるときの優先順で、数字が小さい階層から試す
  • 名前: 組織内で一意で、Anthropic管理の階層名とも重複できない

数字の扱いには、運用で効く癖があります。支出上限はユーザー単位なので、7日間の上限が20ドルの階層に10人いれば、合計で最大200ドルまで請求アカウントから使えます。階層を移っても使用量のカウンターはリセットされず、5時間枠で15ドル使った人は、その15ドルを新しい階層の上限に対して背負ったまま移ります。

階層の編集は即座に反映されます。上限を下げると、すでに超えている人は枠が回復するまで次のリクエストが止まります。許可モデルから外したモデルも、その階層の全員が直ちに使えなくなります。

モデルピッカーの表示にも条件があります。新しいClaude Desktopのバージョンが必要なモデルは、アプリを更新するまでピッカーに出ません。同じ階層の同僚にあるモデルが自分に無いときは、アプリの更新を疑う場面です。100万トークンの「1M context window」の入口は、モデルごとにAnthropicが決めるもので、階層の設定には含まれません。

管理者はグループとシート階層をどう結びつけるのか

階層の割り当て方は、SCIMを使うかどうかで変わります。SCIMを使わなくても、組織のオーナーはUsersページのドロップダウンから、ユーザーごとに階層を選べます。ドロップダウンでは、席が埋まった階層は「(at capacity)」と表示され、選べません。

SCIMで割り当てるときは、IdPのグループごとに階層を結びつけます。旧Web版では、次の順序でした。

手順

旧Web版のSCIM設定(階層を割り当てるまで)

  1. 1

    IdPに階層ごとのグループを作る

    例として claude-standard-users と claude-lite-users を作ります。

  2. 2

    SCIM APIキーを生成する

    IdentityページのSCIMセクションで生成します。ページを離れると再取得できないので、その場で安全な場所へ保管します。

  3. 3

    IdPにエンドポイントとキーを入れる

    Entra IDやOktaでSCIMのプロビジョニング連携を作り、同期する属性(名前とメールアドレスが標準的)を決めて、階層ごとのグループを割り当てます。

  4. 4

    同期状態を確かめてからロールマッピングを保存する

    同期状態の表示で想定した全員が出ているか見たうえで、ロールマッピング表でグループごとにロールと階層を選びます。階層の選択欄が出るのは、複数の階層を買っている組織だけです。

SCIMの接続値は、Claude for Government専用です。

SCIM endpoint URL : https://claude.fedstart.com/v1/scim/v2
API key           : identityページのSCIMセクションで生成したキー

Desktop版では、SCIMの接続そのものがテナント全体で1回だけ設定する項目になりました。テナント管理者が、テナントポータルのIdentity and accessページでSCIM base URLを確認し、シークレットトークンを生成します。組織側のGroup mappingsページは、グループと階層・ロールの対応表だけを扱います。

Desktop版に固有の挙動は次の5点です。

  • トークンの値は生成した直後の1回しか表示されない。複数のトークンを同時に有効にできるので、新しいトークンをIdPに入れ、同期の成功を見てから古いものを失効させれば無停止で切り替えられる
  • トークンを生成する前に、検証済みのドメインが1つ必要
  • グループ1つに結びつけられる階層は1つだけ
  • 複数のマッピングに当てはまるユーザーは、固定の順序で最初に当てはまったものが採用される。この順序は設定できないので、重なるグループを作らない
  • ロールにマッピングできるのはUserとOwnerで、Primary Ownerはユーザーページから手動でしか付けられない

マッピングの変更は、IdPの次の同期を待たず、その場でユーザー全員に再評価されます。旧Web版では、IdPでグループを移した変更が「次回のSCIMサイクル」で反映されました。

SCIMが有効な間は、SCIMの定義が正になります。ユーザーページで手動で変えた階層やロールは、グループのマッピングと食い違っていれば、次の再評価で上書きされます。恒久的な変更はIdP側のグループで行います。

席が足りないと何が起きるか

マッピング先の階層に空き席がないと、ユーザーは作られますが「Unassigned」のままになり、モデルは使えません。席が空いた次の再評価で自動的に席が当たります。席が空くのは、請求ページで割り当て数を増やしたときや、別のユーザーが無効化されたときです。

グループに入っていない新規ユーザーは、並び順の小さい階層から順に空き席を探して当てはめられます。Anthropic管理の階層も組織が作る階層も、同じ並び順の中に入ります。すべての階層が埋まっている、またはまだ席の割り当てがない組織では、Unassignedのままです。

SCIMを有効にするときの注意点

旧Web版のヘルプは、SCIMを完全に有効にした時点で、SCIM経由で同期されていないユーザーが組織から外される点を警告しています。有効化の前に、想定する全員が同期の対象に出ているか確かめます。

SCIMを使わない場合は、ジャストインタイム(JIT)プロビジョニングで、SSOで認証したユーザーに、ライセンスが残る限り席が自動で割り当てられます。ロール・階層・退職時の処理をIdP側で管理したいなら、SCIMが前提です。

前提条件は、SSOの設定とログインドメインの検証です。一般的なSSOとSCIMの前提はSSOとSCIMの設定前提条件にまとまっています。Government側のエンドポイントは商用とは別なので、接続値は混ぜないでください。SCIMの仕組み自体はSCIM同期の解説が扱います。

複数組織の構成ではマッピングが組織ごとになる

Claude for Governmentの組織は、すべて親組織に属します。多くの顧客では、親組織が1つの子組織を含むだけです。

ログインドメインを共有する組織が複数ある場合は事情が変わります。地方拠点が個別に契約するケースや、部局間でチャットやプロジェクトの共有を切り分けたいケースです。IdPとSCIMの設定は親組織で管理し、ロールと階層のマッピングは子組織ごとに持ちます。同じグループでも、組織によって別の階層に割り当てられます。

子組織のOwnerとPrimary Ownerは、誰でもIdPの設定を管理できます。この2つのロールは中央のIT担当者に限る運用が前提です。親子の関係は導入時にAnthropicのサポートと組み立てます。

新しいモデルはいつ使えるようになるのか

旧Web版のヘルプによると、新モデルは商用リリースと同日か1〜2日後に届くのが通常で、律速はVertexでの提供開始でした。FedRAMPの監査はモデルごとには行われず、環境が認可済みであれば新モデルはその認可を引き継ぎます。機関がAnthropicのFedRAMP手続きをやり直す必要はありません。

届いたモデルは、機関の操作なしにモデルピッカーへ現れます。Anthropicは公共部門の担当窓口とリリースノートで知らせます。規程が事前通知やオプトインを求める機関は、Anthropicの公共部門担当者に構成オプションを相談する流れです。管理画面に新モデルを止めるスイッチがあるという記述は、旧Web版のヘルプにありません。

Desktop版では、ピッカーに出るモデルが階層の許可モデルで決まります。新しいモデルを特定の階層にだけ見せたいときは、組織が作る階層の許可リストで調整できます。Anthropic管理の階層は編集できません。

導入前に決めておく項目

Claude for Government Desktopは、商用と同じアプリケーションを、FedRAMP High認証済みの環境から提供します。ClaudeとClaude Codeが使え、現在は一般提供です。Desktopのチャット・Cowork・Codeのどれも、モデルピッカーの中身は階層の許可モデルで決まります。官公庁向けの提供形態と認証の対応範囲は官公庁のClaude導入ガイドにまとめています。

Claude Codeの側で許可モデルを絞る設定は、商用環境向けにenforceAvailableModelsの解説があります。Claude Code側の設定であり、Claude for Governmentのシート階層とは別の仕組みです。

シート設計の段階では、次の項目を先に決めておくと後戻りが減ります。

  • 移行後の組織で、Anthropic管理の階層と自作の階層のどちらを使うか
  • 自作する階層の名前・許可モデル・5時間と7日間の支出上限
  • IdP側のグループ名と、グループから階層・ロールへの対応表
  • 重なるグループに属するユーザーが出ないようにする方法
  • 新モデルの事前通知やオプトインが要るかどうか(要るなら担当者へ)
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