Claude for Xcodeの使い方 — Sonnet 4からAgent SDK統合まで
Claude for XcodeはXcode 26の「Intelligence」設定からClaudeを繋いで使うコーディング支援機能です。3つの入り口の選び方と、Xcode 26.3の自律実行・MCP連携の設定を解説します。
XcodeからClaudeを使う入り口は3つあります。Xcode 26のチャット型アシスタント、Xcode 26.3で加わったClaude Agent、そしてターミナルのClaude CodeからXcodeを操作するMCP連携です。どれもXcodeの「Intelligence」設定が起点です。チャットの対象は、個人のPro・Max、またはTeam・Enterpriseのプレミアムシートです(Anthropicのヘルプより)。エージェントとMCP連携の契約条件は、公式の手順書に明記がありません。
どの入り口を使えばよいか
やりたいことで入り口が分かれます。チャットで質問しながら書くだけなら1つ目、目標を渡して任せたいなら2つ目、すでにClaude Codeのターミナル運用があるなら3つ目です。
Xcodeで使えるClaudeの3つの入り口
チャット(Xcode 26)
Intelligence設定の「Chat」欄からClaudeにサインインして使います。Xcode 26から使えます。
Claude Agent(Xcode 26.3以降)
Intelligence設定の「Agents」欄で取得して使います。Xcode 26.3から使えます。
Claude Code + MCP(Xcode 26.3以降)
ターミナルで動かすClaude Codeが、XcodeのMCPサーバー経由でビルドやPreviewsを使います。Xcodeの外から操作する形です。
3つは別々に有効にできます。Xcodeの設定画面ではチャットとエージェントが別の行に並んでおり、使いたい方だけ有効にできます。
ログインまでの手順
エージェントとMCP連携はXcode 26.3以降で使えます。必要なmacOSは版ごとに違います。26.3はmacOS Sequoia 15.6以降、26.4〜26.6はmacOS Tahoe 26.2以降、Xcode 27はmacOS Tahoe 26.6以降です(各リリースノートより)。有効化は、チャットとエージェントで押すボタンが違います。
Intelligence設定でClaudeを有効にする
- 1
設定を開く
メニューの「Xcode」から「Settings」を選び、サイドバーの「Intelligence」を開きます。Anthropic公式のヘルプは「Xcode preferences」と書いていますが、Appleの手順書はXcode > Settingsの表記です。
- 2
チャットならClaudeにサインイン
「Chat」欄の「Claude Sonnet & Opus」を選び、Claudeの行の「Sign In」を押します。ブラウザが開くので、Claudeアカウントの資格情報を入力します。
- 3
エージェントなら取得してからサインイン
「Agents」欄でClaude Agentの横にある「Get」を押し、ダイアログの「Install」で取得します。そのあと、エージェント設定の「Account」行の「…」ボタンからサインインします。
エージェントは、Xcodeが取得と自動更新を受け持ちます。手元でCLIを入れる作業は手順に出てきませんが、APIキーの要否は、Anthropic・Appleのどちらの手順書にも書かれていません。チャットの対象プランに無料プランは含まれません。
チャット型アシスタントでできること
Xcode 26で最初に入ったのが、Claude Sonnet 4によるチャットです。自然言語でコードを質問すると、プロジェクトの文脈を踏まえて答え、会話が続きます。ファイルを添付してデバッグを頼む使い方が中心です。
加えて、次のコーディングツールがあります。
- コードのドキュメント生成
- 選択範囲の説明
- SwiftUIのプレビューとプレイグラウンドの作成
- エディタ内でのインライン修正
- 警告とエラーの自動修正
ここで、公式ページ同士に食い違いがあります。Anthropicのヘルプ記事(更新日は2026年5月19日)は、チャットの機能をSonnet 4だけで説明しています。一方、Appleの設定手順書では、この項目が「Claude Sonnet & Opus」の名前で並びます。どのモデルが選べるかはXcodeの画面が正になるので、Sonnet 4と決め打ちせず、設定画面の表示を見てください。
Xcode 26.3のエージェントで変わること
Xcode 26.3では、Claude Agent SDKによる統合が加わりました。これはClaude Codeが動いている基盤と同じもので、サブエージェント・バックグラウンドタスク・プラグインが使えます。
チャット(Xcode 26)とエージェント(Xcode 26.3)
チャット
質問や修正の依頼ごとに答えが返ります。次に何をするかは開発者が決め、変更はエディタ内のインライン適用で反映されます。
エージェント
目標を渡すと、Claudeがタスクを分解し、変更するファイルを選び、うまくいかなければ直して繰り返します。ユーザーの入力が要る場面まで進み続けます。
エージェントの中身は、Anthropicの発表では次の3点です。
- ビジュアル検証: Xcode Previewsを撮って実際の見た目を確認します。SwiftUIのビューで、最初の提案が意図に近くなりやすい機能です。
- プロジェクト全体の理解: SwiftUI・UIKit・Swift Dataなどにまたがるファイル構造を調べ、アプリ全体の構成を踏まえて作業します。
- 自律的なタスク実行: Apple APIの使い方が分からないときは、Appleのドキュメントを検索します。
Apple側の資料には、この発表にない情報があります。エージェントはビルドとテストを回せるほか、プロジェクト設定も更新できます。許可するコマンドとツールは、Intelligence設定の「Agents」にある「Permissions」行で自分で足し引きできます。
プロンプトの内容でXcodeが動きを変える仕組みもあります。たとえば、翻訳を頼むとローカライズの手順と翻訳用のサブエージェントが使われます。計画を頼むとプランモードに入り、コードは触りません。/plan のようにスラッシュで明示的に呼ぶこともでき、/ を打つと使えるスキルが一覧で出ます。
設定ファイルは、~/Library/Developer/Xcode/CodingAssistant/ClaudeAgentConfig に置きます。既定のモデルの指定、MCPサーバーの追加、自作スキルがここで設定できます。ただし、この設定が効くのはXcodeの中で起動したエージェントだけです。
Anthropicの発表が対象に挙げるのは、iPhone・iPad・Mac・Apple Watch・Apple TV・Apple Vision Proのアプリ開発です。Vision Pro向けのウィンドウ・ボリューム・イマーシブ空間はClaude CodeでvisionOSアプリを開発する手順で、Apple Watchの独立実行アプリはClaude CodeでwatchOSアプリを作るで扱っています。
XcodeとClaudeの連携の流れ
- 2025年9月Xcode 26でClaude Sonnet 4のチャット
コードの説明・デバッグ・ドキュメント生成が中心でした。
- 2026年2月3日Xcode 26.3のリリース候補
Apple Developer Programの全メンバー向けに公開され、Claude AgentとOpenAIのCodexが使えるようになりました。App Storeでの一般提供は「近日中」と告知されていました。
- 2026年6月25日Xcode 26.6のリリース
Agent Client Protocolに対応し、コーディングアシスタントでGoogle Geminiも選べるようになりました。
Xcode 26.3はその後正式版になり、26.4〜26.6を経てXcode 27が出ています。Xcode 27ではプランがMarkdownとして編集でき、エージェントの拡張にプラグインを使えます。エージェントはシミュレーターの起動やアプリの起動も行えます。コーディングアシスタントがナビゲーターからエディタ領域へ移るなど、画面の配置も変わります(Xcode 27のリリースノートより)。
Claude CodeからXcodeを操作する
すでにターミナルでClaude Codeを使っているなら、XcodeのMCPサーバーにつなげます。Xcode Previewsの撮影も、CLIから離れずに行えます。CLIだけでSwiftUIアプリを一から作る手順はClaude CodeでSwiftUI iOSアプリを開発する手順で扱っています。
Appleの手順書では、先にXcode側で許可を出します。「Intelligence」の「Model Context Protocol」欄で、「Allow external agents to use Xcode tools」をオンにします。そのうえでターミナルから登録します。
claude mcp add --transport stdio xcode -- xcrun mcpbridge
claude mcp listxcrun mcpbridge がXcodeのMCPサーバーへの橋渡しです。手元のClaude Code(v2.1.285で確認)では、claude mcp add --help が claude mcp add [options] <name> <commandOrUrl> [args...] の書式を示し、-- のあとにサブプロセスのコマンドを書く例が載っています。登録は既定でローカルスコープ(-s 未指定)に入ります。
使う前に、対象のプロジェクトをXcodeで開いておきます。Xcode 27では、ワークスペースを開かずに使えるMCPがプレビューとして加わっています(Xcode 27のリリースノートより)。外部のエージェントが接続すると、Xcodeが通知を出します。プロジェクトの補足は、CLAUDE.mdに書けます。
プランと使用量の上限
チャットの使用量は、claude.aiのチャットやほかの利用と同じ上限を共有します。5時間ごとにリセットされる枠と、週次の上限の両方に数えられ、上限に達すると「You've reached your rate limit, please try again later.」と表示されます。
Anthropicのヘルプがこの共有を書いているのは、チャットの節です。エージェントやMCP連携が同じ枠に入るのかは、2つの告知のどちらにも明記がありません。Xcodeでの長い自律実行が上限に近づいたときは、Claudeの使用量画面で減り方を確かめるのが確実です。
つまずいたとき
リリースノートの既知の問題には、次の項目があります。該当する症状なら、回避策も併記されています。
- Desktop・Downloads・Documentsの下のプロジェクトで、ClaudeやCodexへのアクセスを拒否した: 拒否の判断は、あとから変えられなくなります。System Settingsの「Privacy and Security」の「Files and Folders」にエージェントの項目があれば、そこで許可します。項目がなければ、これらのフォルダの外へプロジェクトを移します。
/skillの形で呼んだスキルやスラッシュコマンドが拒否される: スラッシュを付けず、「{skill-name}スキルを使って」と頼みます。- Xcode 26のチャットで、OAuthトークンの期限切れエラーが出る: Settings → Intelligence → Claude in Xcodeでサインアウトし、Xcodeを再起動して、サインインし直します(Xcode 26のリリースノートより)。
- プロバイダー別のテレメトリーや、組み込みのウェブツールの許可を切り替えたのに反映されない: Xcodeを再起動します。
「Intelligence」にClaudeが出ないときは、まずXcodeのバージョンを確認します。Claudeとの連携はXcode 26で加わった機能で、エージェントは26.3以降の機能です(各リリースノートより)。Xcode 27ではコーディングアシスタントの位置も移っています。
組織でXcodeのコーディング支援を止めたい場合
管理対象のMacでは、MDMプロファイルの CodingAssistantAllowExternalIntegrations を false にすると、コーディングアシスタントを止められます。これはAppleの設定で、Anthropic側のTeam・Enterpriseの管理画面とは別の層です。プレミアムシートを配る管理者は、Xcodeの側で止めるかどうかも別に決められます。
VS Code拡張・JetBrainsプラグインとの違い
VS Code拡張とJetBrainsプラグインは、Claude Codeそのものをエディタに埋め込む形です。Claude Codeの契約とCLIの機能セットがそのまま土台になります。詳しくはClaude Code VS Code拡張機能の使い方とClaude Code JetBrainsプラグインの導入と設定にあります。
Claude for Xcodeは、Apple自身がXcodeの「Intelligence」設定の中にClaudeを組み込んだものです。入り口は既存のClaude契約で、エージェントの取得と更新はXcodeが担います。Claude Codeと同じ基盤ですが、契約体系とインストールの経路は別です。ACPに対応した別のエージェントも、同じ設定画面の「Add an Agent」から足せます。ACP対応はXcode 26.6からです。
まとめ
質問しながら書くならチャット、任せるならXcode 26.3のエージェント、ターミナル運用を残すならMCP連携です。使用量の共有範囲だけは、エージェントとMCP連携で公式の記述が見つからないため、実際の減り方で確認することになります。