ClaudeでG検定の対策を進める — シラバスの用語と法律・倫理の整理手順
G検定のシラバスは技術分野8項目と法律・倫理分野2項目に分かれます。分野ごとにProjectを作り、用語カードと事例の対応表をClaudeで整える手順と、Claude自身が話題になる問題での注意点をまとめます。
G検定(ジェネラリスト検定)は、JDLA(日本ディープラーニング協会)が実施する、AI・ディープラーニングの活用リテラシーを問う検定試験です。出題は知識問題の多肢選択式で、範囲はシラバスで公開されています。用語の数が多く、法律や倫理の事例も混じるため、Claudeには「用語を自分の言葉で言い直させる」「事例を法令の項目に振り分けさせる」役割を持たせるのが向いています。
この記事では、シラバスの章立てを学習の単位に落とし、Projectsと問題生成を組み合わせて進める手順を扱います。後半では、Claude自身が題材になりうる問題での注意点も取り上げます。
G検定の試験概要とページ内で数値が分かれる箇所
G検定の受験資格に制限はなく、受験費用は一般13,200円(税込)、学生5,500円(税込)です。2026年はオンライン試験が年6回、会場試験が年3回の開催で、申込後にオンラインと会場を変更・振替することはできません。
直近の第5回では14,908名が受験し、11,475名が合格しました。受験者数に対する合格者の割合を計算すると約77%ですが、これは回ごとに変わる数字です。
次回の日程は、ページ掲載の表で次のとおりです。
次回のG検定(2026年第6回)
オンライン試験
2026年11月6日・7日
個人の申込は10月29日23:59まで
会場試験
2027年1月15日〜17日
申込は受験日の3日前23:59まで
オンラインの試験時間
100分
145問程度
会場の試験時間
120分
145問程度
ここで注意したいのが、同じJDLAのページ内に別の数字も載っている点です。概要欄には「試験時間120分・知識問題160問程度」とあり、G2024#6から出題数を200問程度から160問程度に変更した旨が書かれています。次回の表ではオンライン100分・会場120分、どちらも145問程度です。時間配分の練習は、申込後に受験者専用サイトで確認できる条件に合わせて設計します。
学習の単位はシラバスの10項目に置く
シラバスは「技術分野」と「法律・倫理分野」に大別され、JDLAのページには項目名が並んでいます。この単位でClaudeに渡す資料を区切ると、質問がぶれにくくなります。
| 分野 | 項目 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 技術 | 項目人工知能とは | 主な内容人工知能の定義、分野で議論される問題 |
| 技術 | 項目人工知能をめぐる動向 | 主な内容探索・推論、知識表現とエキスパートシステム、機械学習、ディープラーニング |
| 技術 | 項目機械学習の概要 | 主な内容教師あり・教師なし・強化学習、モデルの選択・評価 |
| 技術 | 項目ディープラーニングの概要 | 主な内容活性化関数、誤差関数、正則化、誤差逆伝播法、最適化手法 |
| 技術 | 項目ディープラーニングの要素技術 | 主な内容全結合層、畳み込み層、Attention、オートエンコーダなど |
| 技術 | 項目ディープラーニングの応用例 | 主な内容画像認識、自然言語処理、音声処理、マルチモーダルなど |
| 技術 | 項目AIの社会実装に向けて | 主な内容AIプロジェクトの進め方、データの収集・加工・分析・学習 |
| 技術 | 項目AIに必要な数理・統計知識 | 主な内容数理・統計の基礎 |
| 法律・倫理 | 項目AIに関する法律と契約 | 主な内容個人情報保護法、著作権法、特許法、不正競争防止法、独占禁止法、AI開発委託契約、AIサービス提供契約 |
| 法律・倫理 | 項目AI倫理・AIガバナンス | 主な内容国内外のガイドライン、プライバシー、公平性、安全性、透明性、AIガバナンスなど |
シラバスはG2024#6から適用されている版が現行で、G2024#5までは旧シラバスです。市販の教材には旧版準拠のものが混じりうるため、Claudeに資料を読ませるときは、どの版のシラバスに沿った内容かを最初に伝えます。
分野ごとにProjectを作ってシラバスを置く
Claudeでの学習は、分野ごとにProjectを分けると続けやすくなります。Projectは、チャット履歴と知識ベースを持つ独立した作業スペースで、無料アカウントでも使えます。無料アカウントで作れるProjectは最大5つです。
JDLAがPDFで公開しているシラバスは、ダウンロード用のファイルとして配布されています。Projectの知識ベースに置くファイルは1つ30MBまでで、ファイル数に上限はありませんが、合計がClaudeのコンテキストウィンドウに収まる必要があります。有料プランでは、知識が上限に近づくとRAGモードに切り替わって容量が最大10倍まで広がります。仕組みの違いはClaude ProjectsのRAG検索の仕組みで扱っています。
Projectのカスタム指示には、次のような内容を書いておくと、毎回の依頼文を短くできます。
あなたはG検定(JDLA)の学習相手です。
- 回答は添付のシラバス(G2024#6以降の版)の項目名に沿って整理する
- 用語の説明は、定義→具体例→似た用語との違いの順で書く
- シラバスにない話題は「範囲外の可能性」と明記する
- 数値・年号・法令名に自信がないときは、その旨を先に述べる最後の2行が効きます。範囲外を線引きさせると、詳細に踏み込みすぎて試験に出ない知識に時間を使うのを防げます。
用語を「定義・具体例・違い」で整理する
技術分野は、用語そのものより「似た用語との区別」が問われやすい範囲です。たとえば教師あり学習と教師なし学習、正則化と最適化手法、畳み込み層とプーリング層は、名前を知っているだけでは区別がつきません。
項目ごとに、次の形で依頼します。
シラバスの「ディープラーニングの要素技術」について、
全結合層・畳み込み層・プーリング層・回帰結合層・Attentionを
表にまとめてください。列は「役割」「入力の形」「得意な対象」
「混同しやすい用語」の4つです。返ってきた表は、そのまま覚えるのではなく、白紙に自分で書き直してから突き合わせます。表の「混同しやすい用語」の列は、間違えた問題の復習時に増やしていくと自分専用の弱点表になります。
数理・統計は、文章の説明だけでは足りない項目です。計算過程を自分で書き、そのどこで式の選び方を間違えたかをClaudeに点検させます。最終的な数値の計算は、自分の手で行います。
分野をまたいだ復習には、同じ型を使えます。用語カードの作り方と弱点を出し直すループは、ITパスポートの用語をClaudeでカード化する方法にまとめた手順が、そのまま転用できます。
法律・倫理分野は事例を条文の項目に振り分ける
法律・倫理分野は、事例を読んで該当する法律や論点を選ぶ形で問われることが多い範囲です。シラバスの項目名から、個人情報保護法、著作権法、特許法、不正競争防止法、独占禁止法、AI開発委託契約、AIサービス提供契約の7つが法律・契約側の柱になります。
事例の整理には、論点を先に出させる依頼が向いています。
次の事例について、G検定のシラバスの
「AIに関する法律と契約」のどの項目に関係するかを、
関係の強い順に挙げてください。
理由は1項目につき1文で、条文番号は書かないでください。
事例:学習用に収集した顧客データを、別の目的のAIモデルの
開発に使い回したい。条文番号を書かせない指定は意図的です。法改正は続いており、Claudeの知識が古いままの条文番号を出すと、誤りに気づきにくくなります。試験では項目と論点の対応を押さえることが先なので、番号はJDLAの資料や公的機関の公表資料で後から確認します。
倫理・ガバナンス側は、プライバシー、公平性、安全性とセキュリティ、悪用、透明性、民主主義、環境保護、労働政策といった論点が並びます。事例ごとに「どの論点が衝突しているか」を2つ挙げさせ、自分でも先に書いてから照合すると、選択肢を見る前に論点を言い当てる練習になります。
Claude自身が題材になる問題での注意点
シラバスには自然言語処理、Attention、転移学習・ファインチューニング、マルチモーダルが含まれ、生成AIや大規模言語モデルの話題は避けて通れません。そこでClaudeに「Claudeの仕組みを説明して」と頼みたくなりますが、次の2点に注意します。
Claudeの自己説明を使うときの線引き
一般概念と製品の仕様を分ける
試験で問われるのは、Attentionやファインチューニングといった一般的な概念です。Claudeという製品の内部構造や学習方法は、Claudeの発言ではなくAnthropicの公表資料で裏を取ります。
新しい動向は検索させる
AIの動向は変化が速く、モデルの知識は学習時点で止まっています。直近の話題はWeb検索を使わせるか、自分でJDLAや公的機関の資料にあたります。使い方はClaude Web検索の使い方にあります。
もっともらしい誤りを疑う
存在しない資料や数字を、それらしく述べることがあります。典型的な出方はClaudeが存在しないリンクを送ったと言う理由で扱っています。
Claudeに「この説明は試験範囲の一般概念か、Claude固有の話か」を自己申告させる指示も、カスタム指示に足しておくと混同を減らせます。
模擬問題を作らせて自己採点する
用語と事例の整理が進んだら、問題を作らせて解きます。JDLAのページには例題への案内があるので、まず公式の例題で出題の雰囲気をつかんでから、Claudeに同じ形式の問題を作らせます。
シラバスの「機械学習の概要」から、多肢選択式(4択)の問題を
5問作ってください。
- 1問ごとに「該当するシラバス項目」を付ける
- 解答と解説は、全問の末尾にまとめて書く
- 選択肢の誤りは、似た用語との取り違えを狙った形にする解答は全問を解き終えてから見ます。間違えた問題は、該当するシラバス項目ごとにProjectの知識ベースへメモとして残し、翌日に同じ項目から出し直させます。過去問PDFを起点にした自己採点の型はClaudeで資格試験の過去問から問題を作らせて自己採点する使い方にあります。
Claudeが作った問題は、模範解答も含めて誤りが混ざりえます。解説が教科書や公式資料と食い違ったときは、Claude側ではなく資料側を採用します。
勉強で詰まりやすい点
シラバスのPDFが図表を含むとき: アップロードしたPDFが100ページ以下なら文章と図表の両方が解析されますが、101ページ以上では文章のみになります。図表を使った説明を求めるときは、必要な章だけを分割して渡します。
市販教材の丸ごとアップロード: 参考書や問題集を丸ごと読ませて内容を共有する使い方は、著作権上の問題を含みます。自分の学習目的にとどめます。
分野の偏り: 技術分野の用語に時間を使い切り、法律・倫理分野の事例整理が手薄になる配分は、取りこぼしの原因になります。シラバスの10項目を週ごとに1周する計画にして、項目ごとの弱点表を見ながら配分を調整します。
日程と形式の取り違え: オンラインと会場では、試験時間が100分と120分で異なります。本番の時間配分は、申込んだ方式のものに合わせて練習します。
まとめ
G検定は、シラバスの10項目を単位にすると、Claudeに何を任せるかが決まります。用語の区別と事例の振り分けはClaudeに整理させ、白紙に自分で書き直す作業と、条文番号や最新動向の裏取りは自分で行います。
Claudeの説明が試験範囲の一般概念なのか製品固有の話なのかを切り分けるだけでも、誤った暗記は減らせます。資格検定全般の使い分けはClaudeで資格検定の勉強法も参考になります。