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Claudeで住宅ローンの繰り上げ返済と住宅ローン控除をExcelで試算する手順

Claudeで住宅ローンの繰り上げ返済と住宅ローン控除をExcelで試算する手順

住宅ローンの繰り上げ返済で利息は減るが控除額も減る。Claudeのファイル作成でExcelの返済表と控除表を組み、償還期間10年の条件まで検算する手順を数値例つきで扱います。

住宅ローンの繰り上げ返済は、利息が減る代わりに、住宅ローン控除の元になる年末残高も減らします。どちらが大きいかは、金利・残りの返済期間・住宅の区分で変わるため、手元のExcelに並べて見るのが確実です。

Claudeのファイル作成機能を使うと、返済表と控除表を式つきのExcelとして出力させられます。ただし、控除の条件や上限額は国税庁の説明と突き合わせる必要があります。ここでは、Claudeに任せる部分と人が確かめる部分を分けながら、繰り上げ返済の前後を比べる手順を組みました。

繰り上げ返済は控除の条件にも触れる

試算の前に押さえておきたいのは、繰り上げ返済が「利息」だけでなく「控除の適用可否」にも関わる点です。国税庁のタックスアンサーには、控除の対象になる借入金の条件として、償還期間が10年以上の割賦償還であることが挙がっています。

試算に入れる3つの条件

  • 対象は、償還期間10年以上の割賦償還で返済する借入金
  • 償還期間は、最初の返済から返済が終わるまでの期間で数える
  • 臨時弁済で償還期間が10年未満になると、その年分以後は控除を受けられない

3つ目は、国税庁のQ&Aに、当初15年の住宅ローンを臨時弁済で10年未満にした例として載っています。期間短縮型で大きく繰り上げると、控除を失うラインに近づく可能性があります。Excelには、この境目を見張るセルを1つ置いておきます。

控除額の計算式を先にセルへ落とす

住宅ローン控除は、年末残高に控除率0.7%を掛け、住宅の区分と居住年ごとの控除限度額で頭打ちにします。令和4年以降に居住した新築等の場合の主な区分は次のとおりです。

住宅の区分居住年控除期間年間の控除限度額
認定住宅(長期優良・低炭素)居住年令和6年〜令和12年控除期間13年年間の控除限度額31.5万円
ZEH水準省エネ住宅居住年令和6年〜令和12年控除期間13年年間の控除限度額24.5万円
省エネ基準適合住宅居住年令和6年・令和7年控除期間13年年間の控除限度額21万円
省エネ基準適合住宅居住年令和8年・令和9年控除期間13年年間の控除限度額14万円
その他の住宅居住年令和4年・令和5年控除期間13年年間の控除限度額21万円

特例対象個人(40歳未満で配偶者がいる人など)は、認定住宅などで限度額が上がる区分があります。令和8年1月1日以降に特例認定住宅等へ居住した場合は、この上乗せを適用できません。その他の住宅で令和6年以降に居住する場合は、令和5年12月31日までに建築確認を受けたものなどに限って10年間・14万円の対象になり、それ以外は控除の対象外です。省エネ基準適合住宅で令和10年以降に居住する場合も同じ形で、令和9年12月31日までに建築確認を受けたものなどに限って10年間・14万円の対象になり、それ以外は対象外です。

自分の区分が表のどこに当たるかは、国税庁のNo.1211-1で確認してください。この表は一部を抜き出したもので、借入限度額や建築確認の条件は元のページの方が正確です。

控除額の計算では、100円未満の端数が切り捨てられます。Excelの式にすると、こうなります。

控除額 = MIN( ROUNDDOWN(年末残高 * 0.007, -2), 控除限度額 )

ROUNDDOWN(…, -2) は百の位で切り捨てる指定です。控除率と限度額は「入力」シートのセルに置き、式からはセル参照で読ませます。法令が変わったときに、式ではなく入力セルだけを直せば済みます。

Claudeに返済表と控除表を作らせる手順

Claudeのファイル作成機能は、Free・Pro・Max・Team・Enterpriseの各プランで使え、ウェブ・デスクトップ・モバイルが対象です。Excelファイルを出力させ、ダウンロードして使います。数式つきの財務モデルを作らせる用途は、サポート記事の使用例にも載っています。

手順

返済表と控除表を作る流れ

  1. 1

    入力シートの前提値を人が決める

    借入額、年利、返済月数、繰り上げ返済の額と時期、住宅の区分と居住年に応じた控除限度額を、先に自分で用意します。金利と控除上限をClaudeの記憶に頼って入れさせないことが、この手順の要です。

  2. 2

    返済表を式つきで作らせる

    月次の返済表を、固定値でなく数式で作るよう明示して頼みます。依頼文の例は後ろに置きました。

  3. 3

    控除表を別シートに作らせる

    年末残高を返済表から引き、控除額の式を入れた13年分の表を作らせます。

  4. 4

    繰り上げ返済の方式ごとにシートを複製する

    期間短縮型と返済額軽減型を並べ、利息の総額と控除額の総額を同じ表で比べます。

依頼文は、シートの構成と式の指定まで書くと出力が安定します。次は一例です。

住宅ローンの繰り上げ返済シミュレーションをExcelで作ってください。
- 「入力」シート: 借入額、年利、返済月数、繰り上げ額、実行月、
  控除率、控除限度額。値は私が入れるので空欄のままにする
- 「返済表」シート: 月次の元利均等返済。金額は数式にし、
  入力シートのセルを参照する。完済時の残高が0になること
- 「控除表」シート: 返済表の12回ごとの残高を年末残高とし、
  控除額 = MIN(ROUNDDOWN(年末残高*控除率,-2), 控除限度額) を13年分
- 繰り上げ返済は「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2シートに分ける
- 最初の返済から完済までの年数が10年未満になったら警告を出す列を付ける

前提値を空欄で出させ、数式の関係だけを先に作らせる流れにしておくと、Claudeの推測が数字に混ざりません。

数値例: 3,500万円・年1.0%・35年で5年目に500万円を繰り上げる

仕組みを見るために、仮の数字で試算しました。借入3,500万円、年利1.0%の固定、35年の元利均等で、返済開始から5年後(60回返済後)に500万円を繰り上げます。住宅は令和6年以降に居住した認定住宅で、控除限度額は31.5万円とします。借入実行を1月とし、12回返済するたびの残高を年末残高に見立てた簡易モデルです。金利は説明用の仮定で、実際の借入条件ではありません。

項目繰り上げなし期間短縮型返済額軽減型
毎月の返済額繰り上げなし約98,800円期間短縮型約98,800円返済額軽減型約82,700円
完済までの期間繰り上げなし35年期間短縮型約29.5年返済額軽減型35年
利息の総額繰り上げなし約650万円期間短縮型約493万円返済額軽減型約571万円
控除額の13年合計繰り上げなし262.77万円期間短縮型229.97万円返済額軽減型234.97万円

利息は、期間短縮型が約157万円、返済額軽減型が約79万円減ります。一方で控除額は、期間短縮型が約33万円、返済額軽減型が約28万円減ります。この条件では、利息の減少が控除の減少を上回りました。

ただし、金利が低いほど利息の減り方は小さくなり、控除率0.7%との差も縮みます。数字が逆転する条件があることは、金利のセルを動かせばすぐに確かめられます。

繰り上げ返済は5年目なので、1年目から4年目の控除額はどのケースも同じです。この例では年末残高×0.7%が限度額31.5万円に届く年がなく、控除額は残高の減り方だけで決まります。5年目から差が出ます。

検算の入れ方 — Claudeの数字を鵜呑みにしない

出力されたExcelは、次の順で確かめます。

  1. 初月の利息が「借入額×年利÷12」と一致するか
  2. 元金の返済額の合計が借入額と一致し、最終残高が0になるか
  3. 金融機関の返済予定表と、最初の数回の元金・利息を照らす。端数処理で数円ずれるのは起こりうる
  4. 控除表の1年目の控除額を、電卓で「年末残高×0.7%」から出して照らす
  5. 限度額で頭打ちになっている年が、表のどこからか目で追う(上の数値例では該当する年がありません)

3つ目の返済予定表は、借入の契約時に金融機関から受け取るものです。ボーナス払いや変動金利、手数料が絡むと、単純な元利均等のモデルとはずれます。ずれる理由が分からないときは、そのずれを入力シートの前提に足すか、モデルの対象外と割り切るかを決めます。

もう一つの手は、Claudeに別の計算で再計算させることです。ファイル作成機能はPythonなどのコードを実行する環境でファイルを作るため、「同じ前提でPythonで残高を再計算し、Excelの列と差を出して」と頼めます。差がゼロにならない行があれば、式かモデルの前提のどちらかが違います。

返済額軽減型の月額と、期間短縮型の残り回数は、Excelの関数でも組めます。

返済額軽減型の新月額 = PMT(年利/12, 残り回数, -繰り上げ後残高)
期間短縮型の残り回数 = NPER(年利/12, -月額, 繰り上げ後残高)

Claudeの出力がこの2関数を使っていないときは、独自の近似式を入れていないかを確認します。

控除の対象外になる境目をセルで見張る

返済表の隣に、償還期間を見張る列を置きます。国税庁のページによると、償還期間は「借入金等の債務を負っている期間」ではなく、最初の返済から返済が終わるまでの期間です。

償還期間(年) = 返済総回数 / 12
判定 = IF(償還期間 < 10, "要確認: 控除の対象外になる可能性", "OK")

期間短縮型は返済総回数が減るので、この判定が変わりやすい方式です。上の数値例では約29.5年なので問題になりません。残りが短いローンを大きく繰り上げる場合は、繰り上げ額のセルを動かしながら、判定が切り替わる額を探します。

繰り上げ返済をした場合の償還期間の数え方は、No.1225の関連リンクにある質疑応答事例「繰上返済等をした場合の償還期間」で説明されています。実行前にその事例を読み、不明点は税務署で確かめる前提にしてください。

使えない場面と、読み替えが要る場面

この手順にも限界があります。

  • 旧ページを見ない: 検索で上位に出やすい国税庁のNo.1213は、認定住宅を令和3年までに居住した場合の説明です。令和4年以降の居住はNo.1211-1を見ます
  • 借換えは別の論点: 借入先を変えたときの扱いはNo.1233にあります。繰り上げ返済の試算に混ぜません
  • 共有名義や連帯債務: 持分ごとの按分は、このモデルに入っていません
  • 所得税の枠: 控除は所得税額から引く仕組みです。実際に戻る金額は本人の税額に左右されるため、表の控除額は「控除可能額」の上限として読みます
  • 合計所得金額の条件: 共通要件に、控除を受ける年分の合計所得金額が2,000万円以下という条件があります(床面積40㎡以上50㎡未満の特例では1,000万円以下)

ファイル作成機能の使い方にも注意があります。サポート記事によると、ファイル作成は通常のチャットよりプランの使用量を多く消費します。何度も作り直すより、前提を入力シートに分けて渡し、式の関係を作らせる回数を減らす方が効率的です。

TeamとEnterpriseのプランでは、ファイル作成を組織の管理者が無効にできます。使えないときは、管理者の設定を確かめます。

同じExcelの試算でも、設備投資のような長期の判断は設備投資のNPV・IRR・回収期間をClaude for Excelで試算する手順のように、割引率を入力セルに分ける作りが共通です。Excelアドインとして使うClaude for Excelの考え方は、長期修繕計画の修繕積立金の試算も参考になります。

まとめ

繰り上げ返済の効果は、利息の減少と控除額の減少の差で決まります。Claudeには式つきのExcelを作らせ、金利・限度額・住宅の区分は人が国税庁のページで確かめて入力します。償還期間が10年を割る境目だけは、判定列で常に見張ります。

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