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ClaudeのICD-10コネクタでコードを検索・検証する手順

ClaudeのICD-10コネクタでコードを検索・検証する手順

ICD-10コネクタは米国向けのICD-10-CM(診断)とICD-10-PCS(手技)をClaudeから引ける認証不要のコネクタです。接続手順、9つのツール、日本のICD-10との違いをまとめます。

ICD-10コネクタは、米国の医療請求で使うICD-10-CM(診断コード)とICD-10-PCS(入院手技コード)の2026年版をClaudeから検索できるようにするコネクタです。サインインは不要で、接続したあとはコードの検索、完全一致での照会、請求に使える形かどうかの検証、コード体系の階層表示を会話の中で頼めます。

最初に押さえる点があります。これは米国の制度に沿ったコードセットで、日本の病名や統計で使うICD-10とは体系が別です。日本の診療録や統計の作業にそのまま使うものではありません。

この記事では、接続の3経路、9つのツールの使い分け、頼み方の型、日本のICD-10との違いを順に扱います。

ICD-10コネクタでClaudeにできること

Connectors Directoryのページでは、このコネクタは「ICD-10-CMとICD-10-PCSのコードセットにアクセスする」ものとして載っています。基本情報は次のとおりです。

項目内容
提供元内容Anthropic(「Anthropic verified」表示)
カテゴリ内容Consumer health
サインイン内容不要(ページの表示は「Not required」)
追加時期内容2026年1月
接続先URL内容https://hcls.mcp.claude.com/icd10_codes/mcp

ICD-10-CMは診断を表す3〜7桁の英数字コードです。ICD-10-PCSは入院手技を表す、ちょうど7桁の英数字コードです。どちらも米国のHIPAAで標準に定められており、毎年更新されます。

データの出どころは、CMSとCDC/NCHSが公開した2026年版のコードセットです。コネクタはそれを保持したデータベースを参照します。収録しているのはコードの構造(章・カテゴリ・サブカテゴリ)、短い説明と長い説明、HIPAAの取引で有効かどうかを示すフラグです。

つまりこのコネクタは、コードの辞書と検証器です。カルテを読んで適切なコードを決める判断までを、コネクタが肩代わりするわけではありません。

接続する3つの経路

使っている環境で入口が変わります。

手順

環境別の接続手順

  1. 1

    Team・Enterpriseの管理者

    Admin settingsのConnectorsを開き、Browse connectorsから「ICD-10」を選んで「Add to your team」を押します。

  2. 2

    個人のClaudeユーザー

    SettingsのConnectorsで「ICD-10」を探し、「Connect」を押します。

  3. 3

    Claude Code

    下のコマンドでプラグインを入れ、再起動してから /mcp で接続を確認します。

Claude Codeでの導入は、チュートリアルでは次の2コマンドです。

/plugin marketplace add anthropics/healthcare
/plugin install icd10-codes@healthcare

ここで1点、食い違いがあります。anthropics/healthcare リポジトリのREADMEは、ICD-10用の単体プラグイン icd10-codes を「非推奨の別名」と位置づけ、healthcare@healthcare への切り替えを案内しています。別名は将来のリリースで削除される予定とも書かれています。

READMEの導入手順は次の形です。

/plugin marketplace add anthropics/healthcare
/plugin install healthcare@healthcare

healthcare プラグインは、ICD-10のサーバーだけでなく、CMS Coverage、NPI Registry、Clinical Trials、PubMedの各サーバーと、複数のスキルをまとめて入れます。ICD-10だけが目的なら、チュートリアルの手順がいまも動くかどうかは /mcp の表示で確かめるのが確実です。まとめて入れる構成でよければ healthcare@healthcare が将来にわたって残る入口です。

プラグインを使わず、リモートサーバーとして直接登録する方法もあります。Claude Codeのドキュメントにある形式にURLを当てはめると、次のようになります。

claude mcp add --transport http icd10 \
  https://hcls.mcp.claude.com/icd10_codes/mcp

この書き方はClaude Code共通のHTTPサーバー登録の形式です。ICD-10コネクタ向けの手順としてチュートリアルに載っているわけではない点は、頭に置いてください。

9つのツールを目的別に使い分ける

コネクタが公開するツールは9つです。名前の付き方で、検索・照会・階層の3系統に分かれます。

整理

ツールの3系統

  • 検索(4つ)

    search_diagnosis_by_description と search_diagnosis_by_code、search_procedure_by_description と search_procedure_by_code です。説明文から探す口と、コードの完全一致・前方一致から探す口が、診断と手技の両方にあります。

  • 照会・検証(2つ)

    lookup_code は正確なコードが分かっているときに、短い説明・長い説明・HIPAA上の有効性を返します。validate_code はコードが存在するかと、請求に使えるかを確かめます。

  • 階層・分類(3つ)

    get_hierarchy はカテゴリ配下のコード全体を親子関係つきで返します。get_by_category は章または3桁カテゴリ、get_by_body_system は手技コードの先頭1桁の部位で引きます。

診断の説明検索には仕様が2つあります。大文字小文字を区別しないテキスト照合です。そして結果は、HIPAAで有効なコードに自動で絞られます。請求に使えないカテゴリ見出しは検索結果に出てきません。

手技の側は少し癖があります。ICD-10-PCSは日常の手術名ではなく、標準化された用語で組まれています。虫垂切除を探すなら「appendectomy」ではなく、部位の「appendix」や「resection」、腹腔鏡に当たる「percutaneous endoscopic」といった語で引くのが、チュートリアルの例示です。

カテゴリ見出しは請求に使えない

このコネクタで最も効く知識が、カテゴリ見出しと請求可能コードの区別です。E11 や E11.3 のような短いコードは、まとまりを示す見出しです。請求に使えるのは、最大限まで具体化された完全なコードだけです。

チュートリアルの例では、E11 の階層を引くと2型糖尿病のコードが117件ぶら下がります。E11.65 のようなコードは、validate_code に通して有効性を確かめられます。

頼み方の型

場面ごとのプロンプト例を並べます。以下は例示で、返ってくる中身はその時点のデータベースによります。

場面頼み方の例
候補の洗い出し頼み方の例「2型糖尿病の合併症つきコードを、階層ごと全部出して」
特異性の確認頼み方の例「E11.65は請求に使える具体性か、カテゴリ見出しか検証して」
手技の検索頼み方の例「腹腔鏡下の虫垂切除のICD-10-PCSコードを、appendixとpercutaneous endoscopicで探して」
前方一致頼み方の例「接頭辞021で冠動脈バイパス関連の手技コードを探して」
部位別の網羅頼み方の例「消化管の切除手技を部位別に出して、特異性が足りているか見て」

使い方の型は2つに絞れます。ひとつは、広い語で探してから get_hierarchy で枝を確かめ、最も具体的なコードに落とす流れです。もうひとつは、すでにあるコードを validate_code で通す流れです。

Claudeに検証を省略させない書き方

コードの提示で一番まずいのは、Claudeが学習済みの記憶からコードを書き、検証されないまま請求書類に入る場合です。コネクタがあっても、頼み方が曖昧だと記憶で答えることがあります。

Claude Codeなら、プロジェクトのCLAUDE.mdに次のような規約を置いておくと、毎回の指示を省けます。これは運用上の一案であり、チュートリアルの記載ではありません。

## ICD-10コードの扱い
- ICD-10-CM / ICD-10-PCSのコードを答えるときは、記憶で書かず、必ずICD-10コネクタで引く
- 提示する各コードに validate_code を実行し、結果(有効か、カテゴリ見出しか)を併記する
- 有効でないコードは候補に載せず、get_hierarchy で配下の具体コードを示す
- 最終的なコード選択は人間の担当者が行うため、根拠となるカルテ記載の有無は推測で埋めない

この規約があれば、出力ごとに「どのコードが検証済みか」が読み取れます。検証コマンドの出力を読ませて直す往復も、迷わず回せます。

日本のICD-10とは何が違うのか

日本の読者が最初にぶつかる疑問は「日本の病名コードにも使えるのか」でしょう。答えは、そのまま使うものではない、です。

国内で使う分類は別の版に準拠している

厚生労働省の統計情報ページによると、日本の「疾病、傷害及び死因の統計分類」は、統計法に基づく統計基準として総務省が告示しています。現在国内で使う分類は、WHOのICD-10(2013年版)に準拠しています。統計調査に使われるほか、医療機関の診療録の管理にも医学的分類として活用されています。

ICD-10-CMとICD-10-PCSは、それとは別の米国版です。ICD-10-CMはWHOの分類をもとに米国のCDCのNCHSが臨床向けに修正したもの、ICD-10-PCSはCMSが入院手技コードとして開発したものです。HIPAAが定める米国の標準で、2015年10月1日に発効しました。

観点ICD-10コネクタ国内の統計分類
体系ICD-10コネクタICD-10-CM(診断)/ICD-10-PCS(手技)国内の統計分類ICD-10(2013年版)準拠
根拠ICD-10コネクタ米国のHIPAA国内の統計分類統計法に基づく総務省告示
用途ICD-10コネクタ米国の請求・診療記録国内の統計分類公的統計・診療録の管理
提供形態ICD-10コネクタ米国のコードセットを保持したデータベース国内の統計分類日本語の分類表

日本語版の分類表は、総務省告示に基づく基本分類表として厚生労働省のページから参照できます。コード番号が似て見えても、米国版と国内の分類表を同一視しないでください。

国内の分類は更新が控えている

国内の分類は、ICD-11準拠への切り替えが予定されています。厚生労働省のページには、ICD-11準拠の統計分類が令和8年1月19日の総務省告示第11号で示され、令和9年1月1日に施行予定と書かれています。現行の告示(平成27年総務省告示第35号)は令和8年12月31日に廃止予定です。

ただし、ICD-11の施行日以後に作る公的統計であっても、新しい分類表によりがたい場合に限り、当分の間は従来の分類表を使えます。移行期には2つの体系が併存します。

この国内の更新と、コネクタが持つ米国版のデータは、別々の時計で動いています。米国版のコードセットは、毎年10月1日の会計年度に合わせて更新されます。

使う前に確認しておきたい制約

データの版と有効期間

2026年版(FY 2026)は、2025年10月1日に発効し、その日から2026年9月30日までの診察・退院に使われます。追加487件、削除28件、改訂38件を含む、550件を超える診断コードの変更がありました。

米国の会計年度は10月1日に切り替わります。チュートリアルには、コネクタのデータベースが次の年度の版にいつ入れ替わるかの記載がありません。2026年10月1日以降の診察を扱う作業では、検証結果がどの年度の版に基づくかを、組織の運用ルールとして確かめてください。プロンプトに「FY 2026で有効か」と書いても、DB側が追随していなければ答えは変わりません。

日本語入力と出力

チュートリアルの例示はすべて英語で、コードの説明もCMSが公開する英語版です。日本語でのキーワード検索がどこまで通るかは、チュートリアルに記載がありません。確実に引きたいときは、英語の病名や部位名で検索語を渡すのが安全です。結果の日本語訳はClaudeに頼めますが、訳語は正式な分類表の用語ではありません。

患者情報を入れない

コネクタは公開されたコードセットを引くだけで、患者のデータは必要ありません。コードの検索や検証に、氏名や診察日などの識別情報を添える必要はありません。医療機関でのClaude利用そのものの前提条件は、Claude EnterpriseのBAA締結の前提で扱っています。国内の医療情報の扱いは、医療情報システム安全管理ガイドラインと生成AI入力が詳しい記事です。

関連コネクタとの組み合わせ

Connectors Directoryの同じページには、関連コネクタとしてPubMed、NPI Registry、CMS Coverageなどが並んでいます。ICD-10コネクタと同じ hcls.mcp.claude.com の配下で提供されているものもあります。

文献の裏づけが要る場面では、PubMedコネクタと同じ会話で使えます。たとえばコードの階層を確認したあとで、その病態に関する先行研究を探す流れです。医療分野でのClaudeの使い方全体はClaudeの医療・ヘルスケア活用ガイドにあります。コネクタの仕組みそのものは、Claudeのインタラクティブコネクタの記事に整理してあります。

まとめ

効果が大きいのは、米国の請求業務でコードを人が選び、コネクタには存在と請求可否の検証を任せる分担です。検証済みかどうかを出力に残せば、記憶で書かれたコードが紛れ込む余地が減ります。

国内の病名や統計を扱う作業にはこのコネクタを使わず、厚生労働省が公開する分類表を参照してください。米国の会計年度が替わる10月1日の前後は、検証結果がどの年度の版かを先に確かめておくと安心です。

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