ClaudeとJedifyを連携する方法 — セマンティック層への接続とロール別ツール
Jedifyのコネクタを使い、ClaudeからセマンティックレイヤーのデータをMCP経由で引く手順をまとめます。ロールで決まる3つのモード、16の質問系ツール、APIキー認証の使いどころまで扱います。
ClaudeからJedifyのデータに質問するには、Claudeのコネクタ一覧でJedifyを探して接続し、組織のJedifyアカウントでサインインします。インストールも設定ファイルの編集も要りません。
Jedifyは、指標・用語・業務ルール・接続元システムをひとつの「コンテキストグラフ」にまとめ、AIエージェントが正しい業務上の意味でデータを扱えるようにする製品です。Claudeのコネクタディレクトリでは「Data & analytics」「Productivity」「Sales & marketing」に分類され、サインインが必須です。この記事では、接続手順、ロールで決まるモード、質問系ツールの使い分け、APIキーで接続する場面、Claude Codeでの権限設定を順に扱います。
ClaudeのコネクタからJedifyに接続する
接続先のMCPサーバーURLは https://be.jedify.com/mcp です。EUでホストされている組織は、be.jedify.com の部分を be-eu.jedify.com に読み替えます。
Claudeでの接続の流れ
- 1
Jedifyコネクタを開く
ClaudeのSettingsにあるConnectorsでJedifyを検索するか、コネクタディレクトリのJedifyのページを開きます。
- 2
Connectを押してサインインする
組織のJedifyのログイン画面が開きます。サインインしてClaudeに戻れば接続は完了です。セッションは自動で更新されます。
- 3
動作を確かめる
「Jedifyで使えるデータエンティティを教えて」と尋ねます。組織のデータエンティティが返れば動いています。
TeamとEnterpriseでは、ワークスペースの管理者が組織に向けて一度有効にすると、全ユーザーに「接続済み」の状態で表示されます。接続したコネクタはWebアプリ、Claude Desktop、Claude Codeのどれでも使えます。Claude Codeでは /mcp を実行すると一覧に出ます。
コネクタ全般の仕組みはClaudeのコネクタとはにまとめています。
使えるモードは自分のロールで決まる
Jedify MCPには3つのモードがあります。接続時に選ぶ設定はなく、Jedify上のロールで自動的に決まります。
| ロール | 使えるモード |
|---|---|
| Tenant Admin | 使えるモードAsker + Editor + Builder |
| Data expert | 使えるモードAsker + Editor + Builder |
| User | 使えるモードAsker |
- Asker: 平易な言葉で質問し、データを返してもらう
- Editor: セマンティックレイヤーの変更をエージェントに作らせ、検証し、確認したうえで公開する
- Builder: セマンティック関数を使ってデータアプリやダッシュボードを作らせる
ロールはJedifyのSettings → Usersで管理されます。EditorやBuilderのツールが見えないときは、管理者にロールの確認を頼んでください。
Claudeのコネクタ経由では、モードを絞る設定はできません。得られるのは自分のロールのモードそのままです。
質問系のツールは目的別に使い分ける
コネクタのページには、次の16個のツールが載っています。Asker向けのツール群にあたり、役割ごとに分けると選びやすくなります。
質問系16ツールの役割
文脈を読む
contextualizeはアカウントの業務モデル、用語集、全データソースのエンティティを読み込みます。Jedify側は「まずここから」と位置づけています。data_collection_strategyは複数ステップの分析を計画するもので、Asker専用です。質問する
ask_a_single_questionは1問、ask_questionsは独立した複数の質問を並列で投げます。ask_a_research_questionは、複数のクエリを計画・実行してレポートを書く自律調査です。stop_questionで実行中の質問を止められます。専門エージェントに聞く
list_agentsは組織が作ったカスタムエージェントを、説明とサンプル質問つきで一覧します。ask_an_agentは、そのエージェントのペルソナと指示、対象エンティティの範囲で答えさせます。結果を受け取る
check_question_statusは完了確認、wait_for_completionは完了待ちです。get_questions_dataは回答、説明、SQL、データを最大5件まとめて取ります。create_share_linkはJedifyアプリで開ける共有リンクを作ります。セマンティック層を探る
search_semantic_layerは「revenue」「churn」のような名前でエンティティを探します。get_semantic_layer_entitiesは最大10件の詳細を取得します。直接クエリと終了
run_sql_queryはデータソースに読み取り専用のSELECTを直接投げます。logoutはセッションを終えて認証を消します。
wait_for_completion は、約3分で in_progress を返します。その場合、Claudeは同じIDでもう一度呼んで待ち続けます。長い調査が途中で止まったように見えても、異常とは限りません。
run_sql_query は、Claudeに「まれにしか使わないよう」指示されているツールです。主たる入口はあくまでセマンティック層で、素のSQLが必要な場面に限った抜け道という位置づけになります。
質問の仕方で呼ばれるツールが変わる
Jedifyのドキュメントは、プロンプトとツールの対応を次のように示しています。
| 頼み方 | 呼ばれる主なツール |
|---|---|
| 「聞ける質問を5つ挙げて」 | 呼ばれる主なツールcontextualize、get_semantic_layer_entities |
| 「2026年上期の請求売上合計は?」 | 呼ばれる主なツールask_a_single_question |
| 「売上エージェントに、Q2が計画を下回った理由を聞いて」 | 呼ばれる主なツールlist_agents、ask_an_agent |
| 「地域別売上と業界の成長率を比べて簡単な報告に」 | 呼ばれる主なツールask_questions + Claude自身のWeb検索 |
| 「その回答を経理に転送したい」 | 呼ばれる主なツールcreate_share_link |
「なぜ変わったのか」を掘る調査では ask_a_research_question が使われます。「調査して」「investigate」と言うと複数ステップの分析が始まる、とドキュメントのコツに書かれています。データソースが複数あるアカウントでは、対象のデータソースを名指しすると、Claudeが data_source_id として渡します。
共有リンクは公開URLではありません。開くには同じアカウントのJedifyログインが要ります。
Editorモードは公開の前に必ず確認が入る
DataとAnalyticsのチームに効くのはEditorモードです。新しい指標、関係、ディメンションを自然文で頼むと、Claudeが検証済みの保留中の変更を作ります。
Editorの編集は4段階で進みます。
Editorモードの編集フロー
- 1
現在のモデルを読む
get_graphでエンティティ、関係、ディメンションを読み、sl_get_semantic_schemaで土台にできるテーブルと列を調べます。 - 2
変更を出す
make_editに型付きの操作を順番に並べて渡します。構造、テーブルの所属、各SQLのドライラン、定義が検証され、ひとつでもエラーなら編集全体が拒否されて何も保存されません。 - 3
検証する
保留中の変更に対して質問でき、テストセットも回せます。
ask_benchmarkで既知の回答が崩れていないか確かめます。 - 4
公開か破棄か
publish_changeは初回呼び出しでneeds_confirmationを返し、あなたに確認してからconfirm: trueで再度呼びます。やめるならdiscard_changeです。
needs_confirmation はエラーではなく、想定どおりの動きです。公開には必ずあなたの明示的な承認が要ります。Context Graph Versioningを有効にしていないアカウントでは、さらにData Expertが編集をJedify側で承認します。その場合、make_edit は status: "processing" を返し、Claudeが sl_get_edit_state をポーリングして各操作が confirmed になるのを待ちます。
APIキーで接続する場面
コネクタを使えないクライアントや、人が画面の前にいない環境では、別の経路があります。
| 経路 | 向く場面 | 認証 |
|---|---|---|
| Claudeのコネクタ | 向く場面通常の対話利用 | 認証サインイン |
ローカルのプロキシ(@jedify/mcp-auth) | 向く場面コネクタが無いクライアント、APIキー認証 | 認証サインインまたはAPIキー |
| ホスト型エージェント | 向く場面MCPのURLとトークンで接続するプラットフォーム | 認証APIキー |
ローカルのプロキシはNode.js 18以上が必要です。設定は次のとおりです。
{
"mcpServers": {
"jedify": {
"command": "npx",
"args": ["-y", "@jedify/mcp-auth"]
}
}
}ブラウザのログインを省くなら、env に JEDIFY_API_KEY を足します。キーはJedifyのSettings → API Keysで作成し、表示されるのは一度だけです。プロキシがv1.1.0以上である必要があります。
APIキーには、ロールと食い違う仕様が2つあります。
- アプリで作ったキーは、ロールにかかわらずAskerモードで動く
- EditorやBuilderを使うなら、URLに
?mode=editorか?mode=builderを付ける。ローカルのプロキシではREMOTE_MCP_URLをhttps://be.jedify.com/mcp/message?mode=editorのように設定する
プロキシが叩くのは /mcp/message で、/mcp ではありません。ホスト型エージェントの接続先は https://be.jedify.com/mcp です。?mode= は絞るだけで広げられず、Userのアカウントに ?mode=editor を付けてもAskerのツールのままです。
落とし穴
公開したアプリはキー1本の権限で全員に見える
公開アプリは1本のAPIキーを全閲覧者で共有します。誰が開いても、見えるデータは各自の権限ではなく、そのキーの権限になります。人事や財務のような機密データには、全閲覧者に見せてよい範囲のキーを使ってください。
Claude Codeで更新系のツールを止める
Claude Codeは、コネクタを接続済みなら /mcp でJedifyを使えます。JSON設定のプロキシ経路で追加する場合は、同じ内容をコマンドで登録する形も取れます。次は例です。
claude mcp add jedify -- npx -y @jedify/mcp-authData expertやTenant Adminのロールでは、EditorとBuilderのツールも見えます。質問だけをさせたいなら、Claude Codeの権限ルールで公開系を拒否できます。MCPツールは mcp__<サーバー名>__<ツール名> で指定する決まりです。サーバー名は上で付けた jedify です。次は書き方の例です。
{
"permissions": {
"deny": [
"mcp__jedify__publish_change",
"mcp__jedify__make_edit",
"mcp__jedify__restore_version"
]
}
}ここに並べたのはEditorモードのツール名です。Asker専用の運用なら、Jedify側でロールをUserにするか、?mode=asker でプロキシを絞る方が、見えるツール自体を減らせます。ロールの付与はJedifyの管理者の仕事なので、Claude Code側の拒否ルールは「持っている権限を自分の端末では使わない」ための追加の安全弁と考えると整理しやすくなります。
つながらないときの切り分け
Jedifyのトラブルシューティングが挙げる症状を、原因別に並べます。
- ツールが一覧に出ない: Settings → ConnectorsにJedifyがあり接続済みかを見る。無ければワークスペース管理者に有効化を頼む
- ブラウザのログインが終わらない: プライベートウィンドウで試す。Jedifyに直接サインインできるかも確かめる
- サインイン画面が開かない: Claudeのコネクタなら、Claudeのポップアップを許可してConnectを押し直す
- APIキーが効かない:
JEDIFY_API_KEYがargsでなくenvの中にあるか、キーの期限切れや無効化がないか、プロキシがv1.1.0以上かを見る - EditorやBuilderのツールが無い: ロールがUserではないか、古い
?mode=askerが設定に残っていないかを疑う - versioning系のツールが使えない:
list_versionsなどは、Context Graph Versioningが有効なアカウント限定 - 「データがありません」と返る: データ権限の不足か、Jedifyにデータソースが未接続の可能性。
contextualizeで何が見えるかを試す
質問が遅いときは、日付範囲やフィルタを具体的に指定し、大きな分析は小さな質問に分けると改善します。
導入前に押さえる点
Claudeが引くのは、Jedify側に定義された指標や用語です。定義の整備はJedify側の作業で、Editorモードはその更新をClaudeに手伝わせる入口にあたります。
dbtのセマンティックレイヤーを使っているチームは、同じ発想のdbt Semantic Layerの使い方と見比べると違いがつかめます。Jedifyはロールでモードが分かれ、質問の自律実行と編集まで同じ接続で扱える点が異なります。データカタログのメタデータを引く用途ならClaudeとDataHubの連携が近い領域です。
コネクタの提供元は、利用者が信頼できる開発者のものだけを使うよう注意しています。Anthropicは各開発者が公開するツールを管理せず、動作や変更を検証できないためです。Jedifyは「Anthropic verified」の表示が付いていますが、権限の範囲は自分のロールで確かめてから使ってください。