Claudeで完了検査と中間検査の段取りを整理する — 検査済証までの書類
建築基準法7条・7条の3・7条の6から、申請期限・中間検査の対象工程・仮使用の要否を拾い、Claudeで工程表と書類リストに落とす手順です。
検査の期限は「完了から4日以内に届く」ことで決まる
建築基準法の完了検査と中間検査は、どちらも建築主が申請する義務を負います。期限は同じ形で、工事が完了した日(中間検査なら特定工程の工事を終えた日)から4日以内に、建築主事等に申請が到達していなければなりません(7条2項、7条の3第2項)。
注意したいのは「出した日」ではなく「届いた日」で数える点です。郵送や社内の押印待ちで遅れると、現場が終わっていても期限を過ぎます。
落とし穴
工程表に「申請日」だけを入れると期限を取り違える
条文は到達を求めています。工程表には「工事完了日」「申請書の発送日」「到達見込み日」の3列を分けて持たせると、押印や持ち込みの手配を逆算できます。
申請できなかった事情があるときの例外もあります。規則4条の3は、そのやむを得ない理由を「災害その他の事由」としています。この場合は、理由がやんだ日から4日以内に到達させます(7条3項)。
期限を守らなかった場合の罰則も条文にあります。99条1項3号は、この期限内に申請をしない、または虚偽の申請をした者を、1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象にしています。
検査を受けた後に待っているのは、検査と交付の日数
申請を受理した後の日数も、工程表に載せる材料です。
| 検査 | 検査実施者の検査期限 | 合格したときに出るもの |
|---|---|---|
| 完了検査(7条) | 検査実施者の検査期限申請を受理した日から7日以内 | 合格したときに出るもの検査済証 |
| 中間検査(7条の3) | 検査実施者の検査期限申請を受理した日から4日以内 | 合格したときに出るもの中間検査合格証 |
検査実施者が適合を認めれば、完了検査では検査済証、中間検査では中間検査合格証が建築主に交付されます。適合を認められないときは、規則4条の3の2と4条の9により、交付できない旨とその理由が通知されます。
中間検査が要る工程は3つの層で決まる
完了検査は6条1項の確認を受けた工事なら対象になりますが、中間検査は工程ごとに要否が違います。7条の3第1項は、特定工程を次の2つで定めています。
特定工程を決める2つの根拠
法律と政令が決める工程
階数が3以上の共同住宅の床とはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち、政令で定めるものです。施行令11条は、2階の床とそれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程としています。
特定行政庁が指定する工程
地域の建築の動向などを勘案して、特定行政庁が区域・期間・構造・用途・規模を限って指定する工程です。自治体ごとに違うため、物件の所在地で確かめる必要があります。
特定行政庁が指定する場合、規則4条の11は、中間検査を始める日の30日前までに、区域・期間・指定する工程などを公示するよう求めています。物件が自治体の指定に当たるかは、条文ではなく公示で決まります。
もう1つ、工程表に必ず入れたいのが「特定工程後の工程」です。7条の3第6項は、この工程に係る工事を、中間検査合格証の交付を受けた後でなければ施工してはならないと定めています。施行令12条は、2階の床とはりに配置した鉄筋をコンクリートなどで覆う工事を、その工程に挙げています。
中間検査の合格証待ちで、コンクリート打設が止まる可能性がある、ということです。違反した工事施工者は、99条1項2号の対象になります。
Claudeに渡す材料と、工程表を作らせる指示
条文だけを貼ると、Claudeは一般論の工程表を返します。物件の条件を一緒に渡し、条文ごとに「どの条件がその条文を発動させるか」を出させると、確認すべき点が絞れます。
渡すものは次の4つです。
- 確認済証の写し(用途・構造・階数・規模が分かるもの)
- 工事の工程表(着工日、各工程の予定日)
- 物件所在地の特定行政庁が公示した、中間検査の指定工程
- e-Govの法令検索から取った7条、7条の3、7条の6の本文と、施行令11条・12条
法令は、e-Govの法令APIで条文単位に取得して貼ると、改正後の文言を使えます。法の条文から施行令・規則の参照先を辿る手順はe-Gov法令APIで建築基準法の条文を辿る手順にあります。
指示は、日数の計算を人が検算できる形にしておきます。
添付の工程表と条文をもとに、検査の段取り表を作ってください。
- 列: 工程名 / 検査の種類(中間・完了・不要) / 根拠条文 /
工事を終える予定日 / 申請書の到達期限 / 検査期限
- 到達期限は「工事を終える日から4日以内」として、
起算の考え方を欄外に書くこと
- 中間検査は、階数3以上の共同住宅の2階の床・はりの鉄筋工程と、
添付の公示にある指定工程だけを対象にすること
- 公示が添付されていない場合は「自治体の指定は未確認」と書き、
対象かどうかを断定しないこと
- 特定工程後の工程(鉄筋を覆う工事)の着手可能日も別の行に出すこと出力は、たとえば次のような形になります(条文の構造に沿った例示です)。
| 工程 | 検査 | 根拠 | 工事を終える日 | 到達期限 |
|---|---|---|---|---|
| 2階床・はりの配筋 | 検査中間検査 | 根拠7条の3第1項1号、施行令11条 | 工事を終える日配筋完了日 | 到達期限完了日から4日以内 |
| 配筋を覆う工事 | 検査合格証の後に着手 | 根拠7条の3第6項、施行令12条 | 工事を終える日合格証の交付後 | 到達期限— |
| 全工事 | 検査完了検査 | 根拠7条1項 | 工事を終える日全工事の完了日 | 到達期限完了日から4日以内 |
起算日の数え方(初日を算入するか、休日をどう扱うか)は条文からは読み取れません。Claudeが断定していたら、申請先の窓口に確認する項目として残します。
検査済証までの書類は、申請書に添える図書で分かれる
申請書そのものは様式が決まっています。完了検査申請書は規則4条1項で別記第19号様式、中間検査申請書は規則4条の8第1項で別記第26号様式で、いずれも添付する図書があります。
| 添付の内容 | 完了検査(規則4条1項) | 中間検査(規則4条の8第1項) |
|---|---|---|
| 確認に要した図書・書類 | 完了検査(規則4条1項)添える | 中間検査(規則4条の8第1項)添える |
| 7条の5の特例を使うときの工事写真 | 完了検査(規則4条1項)添える | 中間検査(規則4条の8第1項)添える |
| 軽微な変更が生じたときの変更内容の書類 | 完了検査(規則4条1項)添える | 中間検査(規則4条の8第1項)添える |
| 都市緑地法43条1項の認定を受けたときの認定書の写し | 完了検査(規則4条1項)添える | 中間検査(規則4条の8第1項)該当する記載なし |
| 特定行政庁が必要と認めた工事監理の書類 | 完了検査(規則4条1項)添える | 中間検査(規則4条の8第1項)添える |
| 代理者が申請するときの委任状 | 完了検査(規則4条1項)添える | 中間検査(規則4条の8第1項)添える |
| 省エネ法10条1項が適用されるときの図書 | 完了検査(規則4条1項)場合に応じて添える | 中間検査(規則4条の8第1項)該当する記載なし |
確認を受けた建築主事等にそのまま申請する場合は、確認に要した図書の添付が不要です(規則4条2項、4条の8第2項)。確認を受けた窓口と別の窓口へ申請する場合は、確認に要した図書を改めて添える必要があるため、この点を最初に確かめます。
建築確認の添付図書そのものは別の論点です。確認申請側の点検は建築確認申請の添付図書を施行規則でClaudeに点検させる手順で扱っています。省エネ適合の要否は建築物省エネ法の適合義務の要否をClaudeで確認する手順で見分けられます。
検査済証は、検査実施者が適合を認めると交付されます。規則4条の4は、確認に要した図書などを提出した場合に、検査済証にそれを添えて交付するとしています。つまり検査済証は、手元に戻る図書と対で保管することになります。
Claudeには、書類リストを次のように作らせます。
次の物件について、完了検査の申請書に添える書類のチェック表を作ってください。
- 規則4条1項の1号から7号を行にし、この物件で必要かどうかを
「要」「不要」「要確認」で判定する
- 「要確認」の行には、何が分かれば判断できるかを書く
- 確認を受けた機関と検査を頼む機関が同じかどうかで、
1号の要否が変わる点を表の上に注記する検査済証が出るまでの「仮使用」は、条件に当たるかを分けて見る
検査済証の交付前に建物を使いたい場面があります。7条の6第1項は、特殊建築物や大規模な木造建築物などの新築、または避難施設等の工事を含む増築等について、検査済証の交付を受けるまで使用してはならないと定めています。
ただし書には、仮に使用できる場合が3つあります。
- 特定行政庁が、安全上・防火上・避難上支障がないと認めたとき
- 建築主事等または指定を受けた検査機関が、国土交通大臣の定める基準に適合すると認めたとき
- 完了検査の申請が受理された日から7日を経過したとき
3号は、検査の結果が出ていなくても、受理から7日がたてば仮使用が可能になる定めです。ただし1号と2号は認定が前提で、3号の経過日数は申請の到達ではなく受理日から数える点が異なります。
違反して検査済証の前に使用すると、99条1項1号の対象になります。工程表の最後に「使用開始日」の行を作り、仮使用に当たる根拠を1つ書かせておくと、開業日や入居日との食い違いが見えます。たとえば簡易宿所のように、営業許可の前提に検査済証が絡む用途もあります。この点は簡易宿所の営業許可申請をClaudeで下書きする手順にも出てきます。
指定を受けた民間機関に頼むと、日数の起点が変わる
検査を国土交通大臣または都道府県知事の指定を受けた民間機関に頼む場合は、7条の2と7条の4が働き、市町村や都道府県への申請とは日数の起点が変わります。
- 完了検査の引受け: 工事完了の日から4日が経過する日までに引き受ける
- 検査の期限: 工事完了日と引受日のうち遅い日から7日以内
- 交付された検査済証は、7条5項の検査済証とみなされる
引受けを行った機関は、その旨を証する書面を建築主に交付し、建築主事等にも通知します。この書面(規則上の引受証)も、工程表の「申請済みの証拠」として保管対象に入れます。
ここを取り違えると、4日の期限が「申請の到達」なのか「機関による引受け」なのかが混ざります。Claudeには、申請先が自治体か民間機関かで列を変えた表を作らせ、どちらの場合の日数かを行ごとに書かせます。
中間検査に合格した部分は、完了検査で見直されない
中間検査を通した工程には、もう1つの効果があります。7条の3第7項は、中間検査で適合と認められた建築物の部分とその敷地について、完了検査では検査をすることを要しないと定めています。
工程表の上では、中間検査の合格証が「完了検査の範囲から外れる部分」の根拠になります。合格証を紛失すると、どの部分が検査済みか示す材料が減るため、合格証の保管場所も書類リストの行に入れておきます。Claudeには、完了検査の確認項目から中間検査で済んだ部分を外した版と、外していない版の2通りを出させ、差を担当者が見比べる使い方ができます。
Claudeに任せない範囲
次の点は、Claudeの出力を鵜呑みにせず人が確認します。
- 物件の所在地で、特定行政庁が中間検査の特定工程を指定しているか(公示で確かめる)
- 起算日の数え方と、申請書の受付方法(窓口、郵送、電子申請)
- 仮使用に認定が要る場合の認定の可否(認定は特定行政庁や検査機関の判断)
- 省エネ法や条例による追加の図書
法令の条文は改正されます。Claudeに貼る条文は、そのつど取得した最新の本文を使い、記憶に頼った引用は受け付けないと指示しておきます。
工事が終わってからの引渡し書類を整理する段階は、竣工図書・引渡し書類の漏れをClaudeで点検する手順に続きます。
まとめ
完了検査も中間検査も、期限の核は「4日以内に到達」です。そこから受理後の検査日数、合格証の交付、特定工程後の工程の着手制限、仮使用の可否までが1本の流れでつながります。Claudeに条文と物件条件を渡して段取り表を作らせ、起算日・自治体の指定・認定の可否だけを人が確かめる分担にすると、工程表と書類リストを同じ表の上で管理できます。