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ClaudeとKiteworksを連携する方法 — 機密ファイル共有基盤の操作範囲と権限設計

ClaudeとKiteworksを連携する方法 — 機密ファイル共有基盤の操作範囲と権限設計

Kiteworks MCP Serverを管理者が有効化し、Claudeにつなぐまでの手順と、ファイル・フォルダ・検索・メールの操作範囲、削除系ツールとツール別承認の設計をまとめます。

Kiteworksは、機密ファイルの共有・送受信を統制するプラットフォームです。そのMCPサーバーをClaudeにつなぐと、フォルダをたどる、ファイルを検索する、中身を読む、新しいファイルを作る、といった操作を会話から実行できます。

つなぐ前に決めておくことは、接続の手順よりも権限の置き方です。このコネクタは、管理者が決める上限、利用者本人の権限、Claude側のツール別設定の3段で操作範囲が絞られます。順に見ていきます。

Kiteworks MCP Serverとは何か

Kiteworks MCP Serverは、Kiteworks上のファイル・フォルダ・フォーム・ユーザー情報にAIアシスタントが触れるようにする、Model Context Protocol(MCP)のサーバーです。提供元はKiteworks自身で、コネクタ一覧には「Anthropic verified」の表示があり、掲載は2026年7月です。

AIが起こした操作はOAuth 2.1で認証され、通信はTLS 1.3で暗号化され、改ざん検知つきの監査証跡に記録されます。

コネクタ一覧のページに挙がっている機能は次の5つです。

  • ファイル管理: アップロード、ダウンロード、内容の読み取り、内容からのファイル作成、名前変更、移動、削除
  • フォルダ操作: 階層の移動、作成、名前変更、移動、削除
  • 検索: 名前、パス、内容、日付範囲でのファイル・フォルダ検索
  • ユーザー情報: 現在のユーザーの詳細と認証状態の取得
  • OAuth 2.1による認証(PKCEを使うAuthorization Codeフロー)

開発者向けドキュメントには、これに加えて共有メンバーの確認と変更、セキュアメール、フォーム作成、管理系の操作が載っています。範囲が広いぶん、後述する権限の絞り込みが実用上の中心になります。

接続する前に管理者が済ませること

利用者が自分でコネクタを入れる前に、Kiteworksの管理者が一度だけ有効化を済ませる必要があります。ここを飛ばすと、利用者側の手順は先へ進めません。

手順

管理者側の準備

  1. 1

    Admin Portalにログインする

    管理者としてKiteworksのAdmin Portalにサインインします。

  2. 2

    Kiteworks MCPのタブを開く

    「Application Setup」→「Apps and Plugins」を開き、「Kiteworks MCP」タブを選びます。

  3. 3

    有効化して保存する

    「Kiteworks MCP」を有効にして保存します。これで利用者がClaude Desktopのコネクタなどから接続できます。

Kiteworks MCPは、管理者が管理する固定のOAuthアプリ1つを介して動きます。この固定アプリに与えるAPIスコープが、接続されたすべてのAIクライアントに共通の上限です。

APIスコープで上限を決める

スコープの設定は同じタブの「API Scopes」にあります。パネルには65のエンティティが並びますが、MCPが使うのは9つだけです。ドキュメントが示す対応表を、ここでは操作の種類で読み替えます。

エンティティ既定で付与MCPが使う操作
Files既定で付与ありMCPが使う操作作成・読み取り・更新・削除
Folders既定で付与ありMCPが使う操作作成・読み取り・更新・削除
Mail既定で付与ありMCPが使う操作作成・読み取り・更新
Search既定で付与ありMCPが使う操作読み取り
Users既定で付与ありMCPが使う操作読み取り
Admin既定で付与なしMCPが使う操作作成・読み取り
Profiles既定で付与なしMCPが使う操作作成
RiskPolicies既定で付与なしMCPが使う操作読み取り
Tags既定で付与なしMCPが使う操作作成・読み取り

下の4行の「既定で付与」が「なし」のエンティティは、新しいインスタンスでは自分で足さない限りMCPから使われません。ドキュメントには、ここに載っていない操作はどのMCPツールにも対応しないので有効にしない、とあります。広げすぎると、間違いが起きたときの影響が大きくなるだけで、できることは増えません。

スコープは上限であって付与ではありません。接続したユーザーは、自分のKiteworksでの権限を超える操作をAI経由でもできません。

Claude Desktopから接続する手順

管理者の有効化が済んでいれば、利用者の手順は次のとおりです。コネクタ一覧の「Add to Claude」から入る方法もあります。

手順

Claude Desktopでの接続

  1. 1

    コネクタ設定を開く

    Claude Desktopで「Customize」→「Connectors」を開きます。

  2. 2

    Kiteworks MCP Serverを探してインストールする

    検索で見つけ、詳細画面の「Install」を押します。

  3. 3

    インスタンスのURLを入れて規約に同意する

    設定ポップアップに https://your.kiteworks.domain の形でKiteworksのURLを入力し、Data Access Termsに同意します。

  4. 4

    削除系の許可を決める

    ファイルやフォルダの削除・移動をClaudeにさせたいときだけ、削除系操作のトグルを入れます。初期値はオフです。

  5. 5

    保存して有効化し、サインインする

    保存後にコネクタのトグルを入れると、ブラウザが開いてKiteworksのログインに移ります。認証が通れば使えます。

フォームを作らせたい場合は、接続するアカウントに「Form Builder」ロールが必要です。付いていないと、コネクタを有効にしてもフォーム作成のツールが現れません。ロールはAdmin consoleの「Users」→「User Management」で確かめられます。

接続後は、たとえば「営業資料フォルダの直下を一覧にして」「契約書という語を含むファイルを探して」と頼み、結果が返れば成功です。

Claudeに許す操作をツール単位で絞る

コネクタのツールは、HTTPメソッドの種類で2つに分かれます。

  • 読み取り専用: GETだけを使う。フォルダ一覧、フォームテンプレートの取得、ユーザー検索など
  • 書き込み・削除: POST、PUT、DELETEを使う。フォルダ作成、フォーム生成、ファイル削除など

各ツールには「Always allow」「Needs approval」「Blocked」の3段階を設定できます。Kiteworksのドキュメントが勧める出発点は、読み取りを自動許可、書き込みと削除を承認制にする形です。共有環境で削除だけは一切させたくないなら、削除系をBlockedにします。

くらべる

権限の置き方の違い

手早いが戻せない

全ツールを自動許可

読んで答えるだけの用途なら支障はありませんが、書き込み系も確認なしで走ります。

出発点として向く

読み取りだけ自動許可

検索と閲覧は止めず、変更を伴う操作の前には毎回承認が挟まります。

操作の中身から見る3つの層

Kiteworksのドキュメントは、ツールを「何に触れるか」で3層に分けています。ツール単位の承認を決めるときの地図になります。

層触れるもの代表的なツール
データ層触れるものファイルの中身を読む・書く・送る代表的なツールread_file_contents、create_file_from_content、search_files、send_email
制御層触れるものポインタ・権限・アカウント。データ自体は動かない代表的なツールrename_file、move_file、delete_file、manage_members、create_user
監査層触れるもの起きたことの閲覧だけ代表的なツールget_user_activity、get_admin_activity、get_risk_policies

注意が要るのは、ドキュメントが「意図によって層が変わるツールがある」と書いている点です。search_files、move_file、list_members は、呼ぶ理由によってデータ層にも制御層にも入ります。ツール名だけで一律に許可・禁止を決めず、承認の画面で何のために呼ぶのかを見る運用が向きます。

manage_members は共有相手を変える操作なので、読み取りの許可と同列に置かないほうが安全です。ここは筆者の整理ですが、ドキュメント側も、メンバー変更・削除・メール送信のそれぞれに明示の確認が入るとしています。

削除系ツールは登録されない仕組みになっている

Kiteworksでは、移動と削除のツールは、サーバーを --enable-destructive-tools つきで起動しない限り、そもそもツールとして登録されません。Claude Desktopのコネクタではこれが設定画面のトグルに当たり、初期値はオフです。

オフのままなら、Claudeに「このファイルを消して」と頼んでも実行手段がありません。承認ダイアログで止めるより一段手前で塞げます。削除が要る業務だけ、トグルをオンにして承認制と組み合わせます。

加えて、管理系のツールは管理者アカウントでしか使えません。一般ユーザーのアカウントで接続しているかぎり、ユーザー作成やTOTPのリセットはClaudeから届きません。

Claude Codeからローカルで使う

Claude Codeでは、コネクタ一覧ではなく、Kiteworksが配布するバイナリをローカルのSTDIOサーバーとして登録します。個人の開発者向けの構成で、Windows・Linux・macOS用のバイナリがGitHubで配られています。Claude Codeの claude mcp add で登録するコマンドは次のとおりです。

claude mcp add --transport stdio kiteworks \
  /path/to/kiteworks-mcp start \
  --allow-dir ~/Documents \
  --enable-destructive-tools \
  https://your.kiteworks.domain

フラグは start とインスタンスURLの間に置き、URLを最後にします。登録したらClaude Code内で /mcp を実行し、kiteworks を選んでブラウザで認証します。

フラグ働き
--allow-dir働きファイル転送を許すディレクトリ。複数回指定できる
--enable-destructive-tools働き移動・削除ツールを登録する。既定では無効
--ca-cert働き自己署名や社内CAの証明書を信頼させる

--enable-destructive-tools は、削除が不要ならまず外して試すのが無難です。上の例は説明のために全部入りにしています。

ファイルの出入りはディレクトリで囲われる

ローカルのSTDIOでは、アップロードとダウンロードできる場所を --allow-dir で渡したディレクトリに閉じ込められます。範囲外のパスは拒否されます。カーネルが開いたディレクトリのハンドルに対してパスを解決するため、../ や外向きのシンボリックリンクも構造的に通りません。

ただし、承認ディレクトリの中に外へ向かうハードリンクを作られると、通常のファイルと見分けがつきません。この許可リストはMCPサーバーのプロセスだけを縛るもので、システム全体のサンドボックスではありません。厳しい環境では、OSレベルのサンドボックスの内側で動かす構成がドキュメントでも勧められています。

トークンは既定ではメモリ上にしかなく、起動のたびに認証をやり直します。信頼できる単独利用のマシンなら、kiteworks-mcp login --persist-token でリフレッシュトークンをOSのキーチェーンに保存し、再起動後の認証を省けます。

共有サーバーで使うときの違い

チームで1台のサーバーを共有するRemote HTTPS構成もあります。DockerコンテナかsystemdでMCPサーバーを動かし、利用者は /mcp のエンドポイントへ接続します。認証はOAuth 2.1とDynamic Client Registrationなので、クライアントIDやシークレットを配る必要はありません。

claude mcp add --transport http kiteworks https://mcp-server.example.com:8443/mcp

この構成では、利用者のローカルファイルにサーバーが触れません。ファイルのアップロード・ダウンロードはできず、その経路はローカルのSTDIOだけです。自己署名や社内CAの証明書を使うサーバーなら、Claude Codeの起動前に完全な証明書チェーンを入れたPEMを NODE_EXTRA_CA_CERTS に指定しないと、接続が拒否されます。

レート制限は、全体・ユーザー単位・セッション単位の3段で独立に設定できます。

つまずきやすい点

  • 管理者の有効化が先: Admin PortalでKiteworks MCPが無効のままだと、利用者はコネクタを入れても使えません。
  • フォームが出ない: 接続したアカウントにForm Builderロールがない可能性があります。
  • ファイルの読み書き: ファイルの読み書きはClaude CodeとCoworkでは組み込みですが、Claude Chatでは先にFilesystemコネクタを有効にする必要があります。
  • PDFやOfficeファイル: テキストと違い、そのままは読み込めません。ローカルにダウンロードしてからパーサーで読む、2段階になります。
  • 移動・削除ができない: 権限の問題より先に、削除系のトグル(STDIOでは --enable-destructive-tools)がオフでないかを見ます。

似た接続との違い

Google DriveやMicrosoft 365のコネクタは、一般的なファイルの検索・閲覧・アップロードの入口です。Kiteworksは、同じ「ファイルを扱う」でも、メンバー変更・メール送信・ユーザー管理・監査ログの参照まで同じ接続に含まれ、そのぶん管理者側のスコープ設計が要ります。書き込み系のツールを抱えるコネクタの権限の考え方は、JupiterOneのコネクタの記事にも同じ型があります。

Kiteworksは、ポリシーで統制したエージェントを並べたAgent Marketplaceも用意していて、Claudeには対応済み、ChatGPT・Gemini・Microsoft Copilotは未対応と案内されています。

まとめ

Kiteworksとの連携は、接続そのものより、上限(APIスコープ)、本人の権限、ツール別の承認という3段の絞り方を先に決めると迷いません。最初は読み取り系だけを自動許可にし、削除系のトグルはオフのまま運用を始め、必要になった業務の分だけ段階的に広げていく進め方が取れます。

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