ClaudeにQuicknode MCPをつないでブロックチェーン基盤を操作する手順
Quicknode MCPの接続手順を、OAuthとCI向けAPIキーの使い分け、ViewerとAdminの権限差、Tooling Accessの有効化、Claude側で書き込みを止める設定まで扱います。
Quicknode MCPは、Quicknodeのアカウント操作とブロックチェーンの読み取りを、AIアシスタントから自然文で頼めるようにするリモートMCPサーバーです。接続先はhttps://mcp.quicknode.com/mcpの1本で、認証はOAuthです。Claude WebとClaude Desktopではコネクタ一覧から、Claude Codeではclaude mcp addで追加できます。
エンドポイントの削除やセキュリティルールの変更まで届くため、接続時に選ぶロールが実質的な安全装置になります。この記事は接続手順に加えて、ViewerとAdminの違い、CI向けのAPIキー接続、Claude側で書き込みを止める設定までを扱います。
Quicknode MCPでClaudeに任せられる作業
Quicknode MCPのツールは、Quicknodeの管理APIを呼ぶ「アカウント系」と、ブロックチェーンを直接読むcall-rpcの2つの経路に分かれます。アカウント系はエンドポイント、レート制限、セキュリティ、ログ、メトリクス、使用量、請求を扱います。
Claudeのコネクタ一覧のQuicknodeページは、カテゴリをDeveloper tools、提供元をQuickNodeとし、Anthropic verifiedの表示とサインイン必須の記載があります。説明文では、80以上のチェーンと135以上のネットワークにまたがるエンドポイントを管理できるとされています。
ツールの6グループ
ブロックチェーンRPC
call-rpcで読み取り専用のJSON-RPCを呼びます。Tooling Accessの有効化と無効化もこのグループです。エンドポイント管理
一覧・詳細・作成・削除に加え、メトリクスとログの取得ができます。
レート制限
エンドポイント全体(RPS・RPM・RPD)と、RPCメソッド単位の制限を設定します。
セキュリティ
IP、JWT、リファラー、ドメインマスク、トークンのルールと、CORSやHSTSなどの有効化を扱います。
使用量と請求
get-rpc-usageはエンドポイント・メソッド・チェーン別の内訳を取れます。get-billingは請求書か支払い履歴を返します。チェーン
list-chainsで、対応するチェーンとネットワークを一覧にします。
数の食い違いにも触れておきます。コネクタ一覧のページに並ぶツールは19個で、call-rpcとenable-tooling-access、disable-tooling-accessは載っていません。Quicknodeのドキュメントの表は、この3つを含む22個です。ブロックチェーンを読むcall-rpcを使いたいときは、ドキュメント側の表を基準に見ると取りこぼしません。
接続の前に決めておくこと
接続前に決めるのは次の3点です。
- Quicknodeアカウント: OAuthでサインインします。複数のアカウントに所属しているなら、接続時にどれを使うかを選びます
- ロール: ViewerとAdminの2択です。選んだロールの範囲が、Claudeにできることの上限になります
- Tooling Access:
call-rpcを使うなら、Adminが一度だけ有効にする必要があります
ロールの違いは次のとおりです。
| 項目 | Viewer | Admin |
|---|---|---|
call-rpcなどの読み取り | Viewerできる | Adminできる |
| ログ・メトリクス・使用量・請求の閲覧 | Viewerできる | Adminできる |
| エンドポイントの作成・削除 | Viewerできない | Adminできる |
| セキュリティルール・レート制限の変更 | Viewerできない | Adminできる |
| Tooling Accessの有効化・無効化 | Viewerできない | Adminできる |
サインイン時には、選んだロールに応じたAPIキーがQuicknode側で作られます。キーの作成や管理を自分でする必要はありません。ロールを後から変えたいときは、クライアントからサーバーを削除し、追加し直して認可をやり直します。調べたいだけならViewerで入り、変更が要るときだけAdminで入り直す運用が組めます。
Claude WebとClaude Desktopから接続する
Claude WebもClaude Desktopも、手順は同じです。
コネクタ一覧からの追加
- 1
コネクタ一覧を開く
Customize > Connectorsを開き、ディレクトリでQuicknodeを探します。
- 2
Connectを押す
Connectを押すと、ブラウザーの別ウィンドウが開きます。
- 3
ロールを選んで承認する
Quicknodeアカウントでログインし、AdminかViewerを選んで承認します。
コネクタ全般の仕組みはClaudeのコネクタとはにまとめています。
Claude Codeから接続する
Claude Codeでは、HTTPトランスポートでサーバーを追加します。
claude mcp add --transport http quicknode https://mcp.quicknode.com/mcp追加したら、Claude Codeを起動して/mcpを入力し、開いたブラウザーで認可します。認証状態をCLIから操作する方法はclaude mcp login/logoutの記事にあります。
既定のスコープはlocalで、追加したプロジェクトでだけ有効です。ほかのスコープは次のとおりです。
| スコープ | 指定 | 有効な範囲 |
|---|---|---|
| local(既定) | 指定なし | 有効な範囲自分のそのプロジェクトのみ |
| project | 指定--scope project | 有効な範囲プロジェクトのルートの.mcp.jsonでチームに共有 |
| user | 指定--scope user | 有効な範囲自分の全プロジェクト |
OAuthの接続はアカウント単位でロールも人ごとに決まるので、チームで共有する--scope projectは、全員が自分のサインインで入り直す前提になります。個人で使うならlocalかuserが噛み合います。
CIや非対話環境ではAPIキーで接続する
ブラウザーでのログインができないCI/CDやリモートVMでは、OAuthを飛ばして、APIキーをベアラートークンとして渡します。サーバーはAuthorizationヘッダーを見て、認証済みのリクエストとして扱います。
キーはQuicknodeダッシュボードのアカウントメニューにあるAPI Keysで作ります。キーに付けたロールが、そのままMCPサーバーの権限になります。OAuthでロールを選ぶのと同じ関係です。
Claude Codeなら--headerで渡します。
claude mcp add quicknode --transport http \
https://mcp.quicknode.com/mcp \
--header "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY"YOUR_API_KEYの部分は、実際のキーに置き換えます。Claude Desktopの設定ファイルclaude_desktop_config.jsonでは、mcp-remoteの引数に--headerを足す形です。
{
"mcpServers": {
"quicknode": {
"command": "npx",
"args": [
"-y", "mcp-remote", "https://mcp.quicknode.com/mcp",
"--header", "Authorization: Bearer YOUR_API_KEY"
]
}
}
}CIで確認したいのが使用量やログの読み取りだけなら、Viewerロールのキーで足ります。Adminのキーを自動処理に持たせると、エンドポイントの削除まで同じキーで届いてしまいます。
Tooling Accessを有効にしてチェーンを読む
call-rpcは、アカウントのTooling Accessという設定を通じて、読み取り専用のJSON-RPCを投げるツールです。Quicknodeが対応するすべてのネットワークに届き、エンドポイントを作る必要はありません。有効化は、Adminがenable-tooling-accessで一度だけ行います。
1つのツールがチェーンの種類をまたぎます。ネットワークのスラッグで宛先が決まり、Quicknodeのドキュメントは次の3例を挙げています。
base-mainnetへのeth_getBalancesolana-mainnetへのgetSlotbtcへのgetblockcount
書き込み系のメソッドは、ブロードキャストされずにエラーで返ります。ドキュメントに載るエラー文は次のとおりです。
RPC method eth_sendRawTransaction is not allowed. Only registered read-only methods may be called.トランザクションを送りたいときは、create-endpointで専用のエンドポイントを作り、自分のコードから呼びます。つまりClaudeは署名や送金の主体にはならず、読み取りと基盤の管理に留まります。
注意したいのは無効化の範囲です。disable-tooling-accessはアカウント全体の設定を切ります。同じ設定を使うQuicknodeのCLI(qn rpc call)とSDKのRPC呼び出しも止まるため、Claudeで試している間に、ほかの開発者のツールが巻き込まれる可能性があります。
依頼文の例
ツール名を覚える必要はなく、アシスタントが自然文から適切なツールを選びます。ドキュメントが挙げる例のうち、場面ごとに抜き出すと次のとおりです。以下は依頼文の例で、Claudeが返す結果ではありません。
| 場面 | 依頼文の例 |
|---|---|
| ブロックチェーンの読み取り | 依頼文の例Baseの現在のブロック番号を教えて |
| 横並びの比較 | 依頼文の例EthereumとArbitrumの最新ブロックを読み、タイムスタンプを比べて |
| 状態の確認 | 依頼文の例自分のエンドポイントを一覧にして、状態を見せて |
| ログの調査 | 依頼文の例Arbitrumのエンドポイントの直近1時間のログを見て |
| セキュリティの棚卸し | 依頼文の例全エンドポイントのセキュリティ設定をレビューして |
| 使用量の内訳 | 依頼文の例今月のRPC使用量をチェーン別に出して |
| レート制限 | 依頼文の例Polygonのエンドポイントに100リクエスト/秒の上限を付けて |
初めて使うときは、「どんなエンドポイントがある?」や「今月の使用量は?」のような読み取りの質問から入ると、ツールの動きをつかめます。エンドポイントが複数あるなら、チェーン名や名前を添えると対象を取り違えにくくなります。
MCPリソースにも対応していて、対応するクライアントでは@quicknodeでエンドポイントの情報を会話に添付できます。チェーン向けのコードを書かせるときに、設定を先にClaudeの手元へ置いておく使い方です。
Claude側でも書き込みを止める
Quicknode側では、Adminの書き込みに対してアシスタントが実行前の確認を求める作りです。ドキュメントは、エンドポイントの作成、セキュリティ設定の変更、リソースの削除、Tooling Accessの切り替えを、Adminロールと明示的な確認が要る操作として挙げています。
加えて、Claude Code側の権限でもツール単位で制御できます。MCPツールの権限ルールはmcp__<サーバー名>__<ツール名>の形です。サーバーをquicknodeの名前で追加していれば、削除系はmcp__quicknode__delete-endpointのように指定します。
.claude/settings.jsonに次のように書くと、読み取りは通し、設定変更は毎回確認し、削除は使わせない構成になります。
{
"permissions": {
"allow": [
"mcp__quicknode__call-rpc",
"mcp__quicknode__list-endpoints",
"mcp__quicknode__get-endpoint",
"mcp__quicknode__get-endpoint-metrics",
"mcp__quicknode__list-endpoint-logs",
"mcp__quicknode__get-endpoint-log-details",
"mcp__quicknode__list-endpoint-security",
"mcp__quicknode__list-endpoint-method-rate-limits",
"mcp__quicknode__get-rpc-usage",
"mcp__quicknode__get-billing",
"mcp__quicknode__list-chains"
],
"ask": [
"mcp__quicknode__create-endpoint",
"mcp__quicknode__update-endpoint-rate-limits",
"mcp__quicknode__create-endpoint-method-rate-limit",
"mcp__quicknode__update-endpoint-method-rate-limit",
"mcp__quicknode__update-endpoint-security-options",
"mcp__quicknode__create-security-rule",
"mcp__quicknode__enable-tooling-access"
],
"deny": [
"mcp__quicknode__delete-endpoint",
"mcp__quicknode__delete-endpoint-method-rate-limit",
"mcp__quicknode__delete-security-rule",
"mcp__quicknode__disable-tooling-access"
]
}
}allowに入れた11個は、Quicknodeのドキュメントでread-onlyと表記された11個と同じです。denyに入れたツールはClaudeの文脈から取り除かれるため、調査専用のセッションで誤って削除を頼んでも呼び出されません。Adminロールで繋いだまま、Claude側で保険を掛ける形です。
CLAUDE.mdに運用ルールを書いておくと、依頼の出し方も揃います。次は書き方の一例です。
## Quicknode MCPの扱い
- 最初に list-endpoints で対象のエンドポイントと状態を確認する
- 変更系は、対象のエンドポイント名と変更内容を一覧で示して承認を待つ
- call-rpc は読み取り専用。送金や署名は依頼されても実行しない
- セキュリティルールの削除は、削除前に現在のルールを一覧で示す接続できないときの切り分け
接続まわりは、次の順に見ると原因を絞れます。
Quicknode MCPが使えないときの順番
- Qclaude mcp listにquicknodeが出ているか?答えがいいえのとき答えがはい
追加が保存されていません。
claude mcp addをもう一度実行します。 - Q状態がNeeds authenticationではないか?答えがはいのとき答えがはい
/mcpからブラウザーで認可をやり直します。 - Qcall-rpcだけが失敗するか?答えがいいえのとき答えがはい
Tooling Accessが有効かを確かめます。Adminが
enable-tooling-accessを実行します。 - Q書き込みだけが拒否されるか?答えがいいえのとき答えがはい
Viewerロールで接続している可能性があります。サーバーを削除して追加し直し、Adminで認可します。
それでも駄目なら
claude mcp get quicknodeで、サーバーが返した失敗の詳細を読みます。
Quicknodeのビルド系プラグインとの関係
Quicknodeのドキュメントは、このMCPサーバーを「ライブのブロックチェーンデータの読み取りと、アカウント単位の基盤管理」と位置づけています。Web3アプリを組むコーディングエージェントにQuicknodeのAPIの知識を持たせたいときは、別のbuild-web3スキルを同梱したプラグインが用意されている、という案内です。MCPサーバーは、そのプラグインの中にも含まれます。
運用の切り分けとしては、基盤の状態を見る・設定を変える用途にこの記事のMCP接続、アプリのコードを書かせる用途にスキル入りのプラグイン、という使い分けになります。
よくある質問
Claude以外のクライアントでも同じURLで使えますか?
使えます。ドキュメントはChatGPT、Codex、Cursor、VS Code、Windsurf、Zedの手順を載せていて、いずれも接続先は同じhttps://mcp.quicknode.com/mcpです。OAuthやHTTPトランスポートに対応しないクライアントは、mcp-remoteを経由させます。
ロールを後から変えられますか?
OAuthで繋いだ場合は、サーバーを削除して追加し直し、認可で別のロールを選びます。APIキーで繋いだ場合は、キーに付けたロールが権限なので、別ロールのキーを作って差し替えます。