LatticeとClaudeで人事評価ドラフトと1on1準備を進める方法
Lattice ConnectorでClaudeに人事評価ドラフトと1on1準備を任せる実装ガイドです。目標・フィードバック・過去レビューを集約する具体的なプロンプトの型を扱います。
評価シーズンになると、マネージャーは部下ひとりずつレビューの下書きを書き始めます。Lattice Connectorを接続していれば、目標・日々のアップデート・フィードバック・過去のレビューをClaudeがLatticeから集めた状態から書き始められます。ここでは、負荷が高い「レビューの下書き作成」と「1on1の事前準備」を中心に、実際のプロンプトの型と、保存と提出の線引きを扱います。
接続がまだの場合
本記事はLattice Connectorを接続済みであることが前提です。接続手順と、書き込み権限をどこまで許可するかの設定はClaudeとLatticeを連携する方法にまとめています。Claudeが参照できるのは、自分がLattice上で本来アクセスできる範囲だけです。他のマネージャーが担当するメンバーの評価データは、権限が無ければ見えません。
どの作業でどのツールが呼ばれるか
Lattice MCPのコネクタURLは https://api.latticehq.com/mcp で、ディレクトリのページにはツール名が20個並んでいます。プロンプトに書いた作業は、これらのツールの組み合わせに落ちます。ツール名から、作業ごとに関わりそうなものを分けると次のとおりです。
作業とLatticeのツール
レビューの下書き
get-review-cycles、find-reviews、get-review-context-for-reviewee、get-review-packet-for-reviewee、get-draft-reviewsで材料を集め、save-draft-reviewとvalidate-draft-reviewで下書きを扱います。1on1の事前準備
find-one-on-onesで1on1の記録を引き、find-feedbackとlist-goals-for-employeesで最近のフィードバックや目標を重ねます。チームの傾向把握
find-reportsで対象メンバーを特定し、list-updates-for-employeeでアップデートを集めます。自分のアップデート
get-current-update-draftとsave-draft-updateが、アップデートの下書きを扱います。
ほかに whoami、find-employees、find-ancestors、list-departments、list-grow-competencies-for-employees が並びます。同姓のメンバーがいるときの取り違えは、find-employees が絞り込みの入口になると考えられます。
提出に当たるのは submit-review で、保存系のツールと並んでLattice側の状態を変える操作になるので、権限設定の話は後半の「下書きの保存と提出を分ける」でまとめます。
人事評価ドラフトをLatticeのデータから作成する
レビュー作成でClaudeに渡す情報は、目標・アップデート・フィードバック・前回のレビューの4種類です。個別に思い出しながら書くのではなく、まとめて呼び出す形のプロンプトが向いています。
[名前]の人事評価を書くために必要な情報を全部集めてください。
目標・アップデート・フィードバック・前回のレビューをLatticeから拾ってください。進め方は、材料を集める段、骨子を固める段、本文に起こす段の3つに分けると手戻りが減ります。
レビュー下書きの進め方
- 1
材料を集めさせる
上のプロンプトで、対象期間の記録をまとめて引かせます。この段階では評価文を書かせず、拾えた項目の一覧だけを返してもらいます。
- 2
骨子を決める
「目標・成果・次の期間に向けた課題の3見出しで骨子だけ出して」と頼みます。事実の抜けや期間の取り違えは、文章にする前の骨子で直す方が楽です。
- 3
本文に起こす
骨子に手を入れてから、文体や分量を指定して本文を書かせます。数値や固有名詞が出てくる箇所は、自分でLatticeの記録と突き合わせます。
骨子の段では、各見出しの根拠にした記録の件数と期間も一緒に出させておくと便利です。根拠が1件しかない評価や、期間の偏りが、本文に進む前に見えてきます。評価の物差しになる職務と等級の定義は、Claudeで職務記述書を作り職務等級とそろえる手順で整えられます。評価期間の前半の記録だけで書いていた、といった偏りもここで気づけます。
直属でないメンバーの評価を頼んでも、権限がなければ情報自体が取得できません。権限が無いメンバーの記録は取得できないため、材料一覧の段で件数を確かめておくと気づけます。
下書きの保存と提出を分ける
Claudeが文面を作ることと、Latticeに保存や提出をすることは別の操作です。後者は、TeamまたはEnterpriseプランのOwnerが組織全体のTool permissionsで制御できます。
サポート記事では、コネクタのツール権限は読み取り専用ツールと書き込み・削除ツールのような種類ごとに分かれ、それぞれ「Always allow」「Needs approval」「Blocked」から選べると説明されています。もう1つ、Claude側で書き込みを許可しても、元のサービスで必要な権限が無ければ変更できません。Claude側の制限は権限を広げず、狭めるだけです。
Latticeへの書き込みの扱い
下書きの保存
save-draft-review や save-draft-update に当たる操作です。Needs approvalにしておけば承認プロンプトが挟まり、保存前に内容を見られます。
レビューの提出
submit-review に当たる操作です。提出は取り消しの可否をLattice側で確かめてから行うことにして、提出だけはBlockedかNeeds approvalに置く選択肢があります。
読み取りだけで済む1on1準備まで一律に絞ると、承認待ちが増えるだけです。レビュー作成の時期だけ書き込み系を開け、普段は読み取りに限る運用も取れます。
1on1の事前準備をLatticeの記録から組み立てる
1on1向けに引かれるのは、外部のカレンダーではなく、Lattice自体に記録された1on1の内容です。直近の会議内容を踏まえて次の1on1に臨みたい場合、次のようなプロンプトが使えます。
今日の[名前]との1on1の準備をしてください。
直近3回の会議、未解決のアクションアイテム、最近のフィードバックを拾ってください。Latticeの1on1記録にアクションアイテムが残っていれば、それを拾わせる指定ができます。ここで拾われるのはLattice側に記録が残っている範囲に限られます。口頭だけで済ませた話題は反映されません。1on1の記録をこまめに残す運用そのものが、この準備の精度を左右します。
毎週の1on1で同じ形式の準備をしたい場合は、聞く順番を固定して使い回すと安定します。「直近の会議」「未解決の項目」「最近のフィードバック」の3つを毎回同じ順で聞けば、メンバーが変わっても同じ形で準備できます。カレンダーやメールと組み合わせた週次の準備はClaudeで週次準備をカレンダーとメール連携から効率化するで扱っています。
準備メモの出力を型にしておく
1on1の準備は、返ってくる形を決めておくと読む時間が短くなります。話題の候補を優先順に並べ、前回の約束を先頭に置く指定が使いやすい型です。
上の記録をもとに、1on1の準備メモを作ってください。
①前回までの合意と進み具合 ②今日聞きたいこと3つ ③最近のフィードバックで触れたい点、の順に、各3行以内でお願いします。「聞きたいこと」は質問の形で出させると、そのまま会話の入り口に使えます。出てきた項目の根拠になった記録の日付も添えさせれば、思い違いがあったときに元の記録へ戻りやすくなります。
ツールの一覧は開発元のLatticeが決めるもので、Anthropicは提供されるツールの内容を管理せず、変更されないことも保証していません。ディレクトリページにもそう注記されています。本記事のツール名が将来ずれたときは、ディレクトリページに並ぶ現在のツール一覧を基準にしてください。
プロンプトの精度を上げる工夫
対象と期間があいまいなほど、出力の精度は落ちます。「最近のフィードバック」より「直近90日」のように期間を数値で区切ると、検索されるデータの範囲が絞られます。名前はフルネームか社内の表記のどちらかに揃えておくと、同姓のメンバーがいるチームでの取り違えを防げます。
下書きの形式を指定するのも有効です。「箇条書きで」「各項目を2文以内で」と型を指定すれば、毎回同じ構成で返ってきます。複数人ぶんを短時間で処理するときに、見比べやすくなります。
チームの傾向把握とコーチングノート
レビューシーズン以外でも使える場面が2つあります。チームの傾向把握は、期間を指定してアップデートを横断的に見る使い方です。
チームの直近8週間分のアップデートを拾ってください。
そこからどんな傾向が見えるか教えてください。コーチングノートは、受け取ったフィードバックの傾向を踏まえた下書きを作る使い方です。
[名前]が直近90日で受け取ったフィードバックを踏まえて、コーチングノートの下書きを書いてください。
具体的に、そして相手を気遣う言い方で書いてください。どちらも元になるのは、Lattice側に記録済みのアップデートとフィードバックです。記録の頻度が低いチームでは、拾える情報自体が薄くなります。
他の連携との違い
CRMでの商談準備も、Claudeに文脈をまとめて渡してから作業に入る発想は同じです。Claudeで商談準備をCRM連携で効率化する方法との違いは、扱うデータの機微性にあります。商談情報も社外秘ですが、評価やフィードバックは対象者本人の受け止め方に直接響きます。下書きの共有範囲と書き込み権限は、より慎重に決める領域です。
下書きの共有範囲を考える
ClaudeがLatticeから読み取れる範囲は自分の権限に紐づきます。ただし、下書きを別の会話やプロジェクトに貼り付けた時点で、Lattice側のアクセス制御からは外れます。共有の範囲は、Lattice本体の閲覧権限と同じ感覚で扱います。
組織として、誰がどの範囲でLattice Connectorを使っているかを追跡したいなら、Claudeコネクタの権限設定は監査ログでどこまで追えるかが参考になります。コネクタを使えない会社向けの手作業版は、Claudeで目標設定と評価コメントを下書きする手順にあります。
よくあるつまずき
下書きの内容が薄い、または古い
Lattice側にアップデートやフィードバックがこまめに残っていないと、拾える情報が少なくなります。レビュー期間の直前に急いで記録を増やしても間に合いません。日々の記録の運用が、そのままドラフトの質になります。
特定のメンバーの情報が一切拾えない
自分がLattice上でそのメンバーの評価データにアクセスする権限を持っていない状態です。直属でない場合や、権限の割り当てが変わった直後に起きます。
Lattice側への書き込みが反映されない
TeamまたはEnterpriseプランでは、Ownerが組織全体のTool permissionsで書き込み系の操作を制限している可能性があります。設定の見方はClaudeとLatticeを連携する方法にあります。
よくある質問
Coworkから使えますか
サポート記事では、ウェブコネクタはClaude・Cowork・Claudeデスクトップ・Claudeモバイルで使えると説明されています。Latticeのディレクトリページには対応面の一覧がなく、分類はProductivityとSign-in Requiredです。Cowork上のLatticeの挙動は、ご自身の環境で接続して試すのが確実です。
まとめ
Lattice Connectorが効くのは、レビュー期間の下書き作成と週次の1on1準備です。集めるところまではClaudeに任せ、保存と提出には人の承認を挟む、という線引きが運用の軸です。