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Claudeで小説の設定管理をProjectsに一元化する

Claudeで小説の設定管理をProjectsに一元化する

長編小説の人物・世界観設定をClaude Projectsに蓄積し、書き進めながら矛盾を洗い出すための具体的な手順とコツをまとめます。

長編小説を書き進めていると、途中で人物の目の色や地名の綴りが変わってしまうことがあります。Claudeのプロジェクト機能を使うと、人物・世界観の設定を一箇所に蓄積し、書きながら矛盾を確認できます。ノートアプリで管理する場合と違い、設定を読み込んだ状態のままClaudeと会話を続けられる点が実務上の強みです。

小説の設定をProjectsで管理する利点

プロジェクトは、独立したチャット履歴と知識ベースを持つワークスペースです。小説専用のプロジェクトを1つ作り、人物・地名・年表をそこに蓄積すれば、他の雑談や仕事の会話と混ざりません。無料アカウントでも作成でき、上限は5個までです。

新しいエピソードを書くたびに設定を貼り付け直す必要はありません。プロジェクトの知識ベースに登録した設定は、そのプロジェクト内のすべての会話から参照されます。第10章を書いている最中に「主人公の妹の名前と年齢は?」と聞けば、以前に登録した人物設定から答えてもらえます。作成手順の詳細やアーカイブ・共有の基本操作はClaude Projects完全ガイドにまとめています。

小説設定用プロジェクトを作る手順

  1. 画面左側の「Projects」から新規プロジェクトを作成する
  2. プロジェクト名を「(作品名)設定」のように具体的に付ける
  3. プロジェクトのknowledgeパネルから、人物・世界観のメモをアップロードまたは直接貼り付ける
  4. 「Set project instructions」から矛盾チェック用の指示を登録する(次の節で扱います)

作品が複数ある場合は、シリーズごとに1プロジェクトを分けるのが基本です。同じプロジェクトに別作品の設定を混ぜると、人物名が似ているだけで別作品の設定を持ち出してしまう誤りが起きやすくなります。

人物・世界観設定を書き溜める型

書き方を毎回そろえておくと、Claudeが該当の設定を取り違えにくくなります。人物設定なら次のような型が扱いやすいです。

名前 / 呼称・愛称
年齢 / 誕生日
外見の特徴(髪・目の色・体格)
口調・話し方の特徴
初登場章 / 現在の生死
他キャラクターとの関係

地名や組織などの世界観設定も同じ考え方で、固定の項目を決めておきます。

名称 / 別称
所在・規模
統治者・管理者
既出の章での言及内容
他地域との関係・力関係

書名の表記ゆれと同じように、人物名や地名の表記が章ごとにバラついていると、あとから「この人物の設定を出して」と聞いても拾い漏れが起きます。フルネーム・呼称の両方を型の中に書いておくと、どちらで呼んでも同じ人物として認識してもらえます。

Project instructionsで矛盾を防ぐ設定

毎回「この設定を踏まえて」と書き添えるのは手間です。Project instructionsに次のような指示を登録しておけば、新しい原稿を貼るたびに設定との整合性を確認してもらえます。

このプロジェクトは長編小説「(作品名)」の設定管理用です。
knowledge内の人物・世界観設定を必ず前提として回答してください。
 
- 新しい原稿や設定案を渡したら、knowledge内の既存設定と矛盾する記述がないか確認する
- 矛盾があれば該当箇所を具体的に指摘する(章・キャラクター名・食い違う内容)
- knowledgeに記載のない設定を推測で作らないでください
- 不明な点は「設定に記載がありません」と答えてください

執筆中に設定を呼び出し矛盾を洗い出す聞き方

呼び出し方は難しく考える必要はなく、知りたいことをそのまま日本語で聞くだけです。

・主人公の妹の名前と現在の年齢を教えて
・第3章と第12章で、王都の統治者の記述に矛盾はある?
・この新しい原稿を、knowledge内の人物設定と照らし合わせて確認して
・キャラクターの口調が章によってブレていないか確認して

3つ目のような「新しい原稿を照らし合わせる」聞き方が最も実用的です。書き上げた章をそのまま貼って確認を頼めば、人物名の食い違いや、すでに死亡している人物が後の章に登場していないかといった見落としを、書き終えた直後に洗い出せます。

既存の設定資料を移行する

すでにWordやNotion、Scrivenerで人物設定をまとめている場合、ゼロから書き直す必要はありません。テキスト形式でエクスポートし、そのままプロジェクトの知識ベースにアップロードすれば、既存の設定もまとめて参照対象にできます。対応する文書形式はPDF・DOCX・TXT・HTMLなどで、Word文書ならそのままアップロードできます。

Scrivenerのようにカード単位で設定を管理しているツールからの移行では、カードごとの内容を1つのテキストファイルにまとめてから登録すると、あとから検索しやすくなります。カードを個別に何十ファイルもアップロードするより、統一した型で1ファイルにまとめておくと、複数の人物・地名を横断して参照する際に探しやすくなります。

移行を完璧に終えてから執筆を再開しようとすると、結局手を付けずに終わりがちです。まず主要人物と舞台となる地域だけを先に登録し、脇役や細かい設定は書きながら追加していく運用でも十分に機能します。

容量の上限と有料プランのRAG拡張

プロジェクトの知識ベースに追加できるファイルは1ファイルあたり30MBまでで、ファイル数自体に上限はありません。ただし、登録した内容の合計はClaudeのコンテキストウィンドウに収まる必要があります。対応する文書形式はPDF・DOCX・CSV・TXT・HTML・ODT・RTF・EPUB・JSONで、コード実行機能を有効にすればXLSXも扱えます。文書からはテキストだけが抽出され、複数ページのPDF以外では埋め込み画像は読み取れません。他の用途との上限の違いはClaudeファイル上限の一覧で比較できます。

長編になるほど、人物設定・年表・既出章のあらすじを合わせた総量がコンテキストの上限に近づきます。有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)ではこの上限に近づくと自動でRAG(検索拡張生成)モードに切り替わり、扱える知識ベースの容量が最大10倍まで拡張されます。三部作規模の資料や、既刊分のあらすじをまるごと登録したい場合は、この拡張幅が実質的な差になります。RAGモードで検索の精度がどう変わるかはClaude ProjectsのRAG検索の仕組みで扱っています。

なお、Claude Codeの利用者を対象に新しいバージョンのProjectsがベータ提供されはじめています。対象はまずClaude Codeの一部利用者で、通常のClaude.aiチャットで使う本記事の運用にはあたりません。既存のプロジェクトはこれまでと同じように動作します。

専用の創作管理ツールとの向き不向き

小説の設定管理には、World AnvilやScrivenerのように、人物・地名をカード形式で整理する専用ツールもあります。判断基準は、記録した設定をもとに「確認や相談をしたいか」です。

用途Claudeプロジェクト専用の創作管理ツール
人物・地名カードの整理Claudeプロジェクト専用の創作管理ツール
章をまたいだ矛盾の確認Claudeプロジェクト◎(原稿を渡して対話で確認を依頼できる)専用の創作管理ツール△(カードを見比べる手動確認が中心)
相関図・年表の視覚的な一覧表示Claudeプロジェクト専用の創作管理ツール
書き上げた原稿を設定と照合して確認Claudeプロジェクト◎(原稿を渡すだけで確認できる)専用の創作管理ツール△(対話での照合機能は想定されていない)

カード形式で整理して眺めたいなら専用ツールが向きます。一方で「この描写は前の章と食い違っていないか」と聞きながら書き進めたい場合は、対話で確認できるプロジェクトのほうが実務に合います。両方を併用し、カード整理は専用ツール、章単位の矛盾チェックはプロジェクトに任せる運用も選べます。

運用でぶつかりやすいつまずき

小説設定のプロジェクトを続けていると、いくつか共通のつまずきが出てきます。

Claudeにはメモリー機能や過去の会話を検索する機能もあり、Free・Pro・Maxプランではメモリーが既定でオン、有料プランでは同じプロジェクト内の会話を検索して参照することもできます。ただしどちらも会話の流れから拾った内容を確率的に呼び出す仕組みで、必ず参照される保証はありません。プロジェクト内のすべての会話から確実に参照されるのはknowledgeに登録した内容だけなので、口頭で決めた設定が確定したら、都度knowledgeへ追記する運用にしておくと安心です。

人物名や地名の表記がブレると、矛盾チェックの精度も落ちます。フルネームと愛称を両方書いておく、地名の漢字表記を統一するなど、書き溜める型を最初に決めておくと後の手間が減ります。

複数の長編を1つのプロジェクトに混ぜると、別作品の設定を取り違える原因になります。シリーズや作品ごとにプロジェクトを分け、Project instructionsもそれぞれの設定画面に登録し直します。指示文はコピーして貼るだけなので、分割の手間自体は小さく済みます。

書き上げた章数が増えるほど、knowledgeに登録する既出あらすじの分量も増えていきます。1章分をそのまま貼り続けると容量を圧迫しやすいため、章が進むごとに「この章までのあらすじ」を短くまとめ直し、詳細な原稿本文とは別ファイルにしておくと、参照の負荷を抑えられます。

よくある質問

シリーズもの(複数巻)の設定はどう管理すればいいですか

1シリーズにつき1プロジェクトへまとめる方法と、巻ごとに分ける方法のどちらも選べます。既刊の設定を毎回参照したいなら1プロジェクトにまとめたほうが確認が楽になりますが、既刊のあらすじや原稿量が増えて有料プランのRAG拡張でも収まりにくくなってきたら、巻ごとの分割を検討する段階です。

共同で執筆している場合、設定を共有できますか

プロジェクトの共有機能自体はTeam・Enterpriseプラン限定です。個人向けのFree・Pro・Maxプランには共有機能がなく、共同執筆者に設定を見せる場合は、knowledgeの内容をテキストでエクスポートして別途共有する運用になります。

まとめ

Claudeのプロジェクト機能を小説の設定管理に使う運用は、人物・世界観の設定を1箇所に蓄積し、書き上げた原稿をそのまま照らし合わせて矛盾を洗い出せる点が強みです。Project instructionsに「推測で設定を作らない」という一文を登録し、名前や地名の表記を型としてそろえておくことが、あとから確実に呼び出せる設定管理を作る一番のコツになります。感想や引用のように、記録して振り返るだけの用途ならClaudeで読書メモをプロジェクトに溜めて検索する方法の運用のほうが手軽です。

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