Claude Opus 4.5の退役は2026年11月24日以降 — 200K・64K出力と5.5への移行点
Claude Opus 4.5は200Kコンテキスト・64K出力の旧世代で、退役は2026年11月24日より前にはなりません。Opus 5.5へ移すときに変わる仕様と、直す設定をまとめます。
Claude Opus 4.5の退役日は「2026年11月24日より前にはならない」という約束
Claude Opus 4.5(claude-opus-4-5-20251101)は、200Kトークンのコンテキストと64Kトークンの最大出力を持つ旧世代のOpusです。モデル状態の表では「Active」で、廃止予告(Deprecated)の日付は「N/A」。退役の目安は「Not sooner than November 24, 2026」とされています。
この日付は「その日に止まる」という意味ではありません。「それより早くは止めない」という下限の約束です。退役日そのものは、まだ決まっていません。
廃止予告が出たモデルと並べると違いが分かります。同じ表のClaude Sonnet 4.5は、2026年9月30日に廃止予告(Deprecated)が出て、退役が2026年11月30日と日付付きで示されています。Opus 4.5にはこの2つの日付がありません。予告が出た時点で、退役日が確定する流れです。
日付の読み方には、もう1つ注意点があります。表の日付が適用されるのは、Claude API、Claude Platform on AWS、Microsoft Foundryの3つです。Amazon BedrockとGoogle Cloudは各社が退役スケジュールを持つため、状態や日付が食い違うことがあります。BedrockやGoogle Cloudで使っている場合は、各プラットフォーム側の案内で日付を確かめてください。
Anthropicがモデルを引退させるときの方針そのものは、廃止時の重み保存と面談の方針にまとめています。重みが残ることと、APIから呼べることは別の話です。
Opus 4.5と5.5の仕様差は、コンテキスト・出力・キャッシュ・思考の4点に出る
Opus 4.5は、現行のOpus 5.5(claude-opus-5-5)と並べると世代の違いがはっきりします。
| 項目 | Opus 4.5 | Opus 5.5 |
|---|---|---|
| モデルID | Opus 4.5claude-opus-4-5-20251101 | Opus 5.5claude-opus-5-5 |
| コンテキスト | Opus 4.5200K | Opus 5.51M |
| 最大出力 | Opus 4.564K | Opus 5.5128K |
| 入力 / 出力単価(100万トークン) | Opus 4.5$5 / $25 | Opus 5.5$4 / $20 |
| キャッシュ読み取り | Opus 4.5$0.50 | Opus 5.5$0.20 |
| 思考 | Opus 4.5Extended(手動の予算指定) | Opus 5.5Adaptive(常時オン) |
| 既定のeffort | Opus 4.5high | Opus 5.5medium |
| 知識の信頼できる範囲 | Opus 4.52025年5月 | Opus 5.52026年6月 |
Opus 4.5はAPIのエイリアスとして claude-opus-4-5 も使えます。5.5のIDには日付の接尾辞がありません。日付付きの固定IDを前提に作ったログ集計や許可リストは、置き換えが要ります。
最小キャッシュ長は4,096トークンから512トークンへ下がる
プロンプトキャッシュを効かせるための最小プロンプト長は、Opus 4.5で4,096トークンです。Opus 5.5では512トークンまで下がります。
4,096トークンに届かず、キャッシュされていなかった短めのシステムプロンプトが、5.5ではキャッシュの対象になります。コードを変える必要はありません。キャッシュ読み取りの単価も$0.50から$0.20に下がるので、短いプロンプトを大量に呼ぶ構成ほど請求の形が変わります。
実際の節約幅がどう出るかは、Opus 5.5の「40%安い」を検証した記事で、キャッシュ命中率ごとに計算しています。
64Kを超える出力は5.5なら同期APIの1回に収まる
同期のMessages APIの最大出力は、4.5で64K、5.5で128Kです。長いコードの一括生成や長文の変換で、64Kに収まらず分割していた処理は、5.5なら1回で受けられます。
Message Batches APIの拡張出力(300K、ベータヘッダー output-300k-2026-03-24)を使えるモデルの一覧に、Opus 4.5は入っていません。一覧にあるのはOpus 5.5、Opus 4.8、4.7、4.6などです。4.5のままでは、バッチでも64Kが上限になります。
4.5から5.5へ移すときに、リクエストで必ず直す設定
移行ガイドは、移行元のモデルごとにチェックリストを分けています。4.5から移す場合は「全モデル共通」「4.8以前」「4.7以前」「4.6以前」「4.5以前」の各グループを上から全部こなす必要があります。ここでは4.5に特有のものに絞ります。
Extended thinkingの予算指定は400エラーになる
Opus 4.5は thinking: {"type": "enabled", "budget_tokens": N} で思考の予算を手動で決める方式です。Opus 4.7以降のモデルでは、この指定が400エラーを返します。5.5の思考は常時オンで、thinking フィールドを省くか、{"type": "adaptive"} を送るかの二択です。{"type": "disabled"} も拒否されます。
移行前(Opus 4.5)と移行後(Opus 5.5)の形は、例えば次のようになります。
{
"model": "claude-opus-4-5-20251101",
"max_tokens": 16000,
"thinking": {"type": "enabled", "budget_tokens": 8000}
}{
"model": "claude-opus-5-5",
"max_tokens": 16000,
"output_config": {"effort": "medium"}
}思考の深さは、予算のトークン数ではなくeffortで決めます。選べるのは low / medium / high / xhigh / max の5段階で、既定は4.5の high から medium に変わります。移行前と同じ挙動を期待するなら、effort を明示してください。
思考を無効にしていたコードは、max_tokensの見直しが要る
thinking を送らずに動かしていた処理は、5.5では思考つきで動きます。max_tokens は思考と本文の合計に対する上限のままなので、小さく絞っていると途中で切れることがあります。移行ガイドは、xhigh や max を使うなら64kを出発点にするよう案内しています。思考のトークンは出力として課金されるため、リクエストあたりの出力が増える点も見積もりに入れます。
そのほか、4.5以前に共通して外すもの
移行ガイドの「4.5以前」の項目は次のとおりです。
- アシスタント発話のprefillを外す(4.6以降は拒否される。代替はprefill廃止の移行手順にあります)
- ツール呼び出しの引数を、標準のJSONパーサーで読んでいるか確かめる
client.beta.messages.create()からclient.messages.create()に移すeffort-2025-11-24、fine-grained-tool-streaming-2025-05-14、interleaved-thinking-2025-05-14の各ベータヘッダーを外す- 構造化出力の
output_formatをoutput_config.formatに移す
そのうえで、5.5には次の制約もあります。temperature、top_p、top_k は既定値以外を送ると拒否されます。tool_choice の any と tool による強制も拒否されます。Claude Agent SDKを使っている場合は、Opus 5.5で400エラーになる原因も併せて見ておくと、詰まる箇所が先に分かります。
移行後に費用が増えることもある。単価が20%安いだけでは決まらない
Opus 5.5の入力単価は$4で、4.5の$5より20%低い設定です。出力も$20と$25で同じ比率です。ただし、請求額が同じ比率で下がるとは限りません。
理由の1つはトークナイザーです。Opus 4.7で導入された新しいトークナイザーは、同じ文章を処理するとき、それ以前のモデルの約1倍から1.35倍のトークン数になります(最大で35%程度多く、内容によって変わる)。入力が最大で1.35倍になると、単価0.8倍との掛け算で1.08倍、つまり最悪のケースでは入力側の請求が8%増える計算です。キャッシュ読み取りは単価が$0.50から$0.20に下がるため、キャッシュ比率の高い構成では結果が変わります。手元のログで測るのが確実です。
もう1つは思考です。4.5で思考を使っていなかった処理は、5.5で思考つきに変わり、出力トークンが増えます。ツール使用時のシステムプロンプトは、4.5の496トークンに対して5.5は286トークンと短くなります。ツールを多く渡すアプリでは、こちらは軽くなる方向の変化です。
見積もりの手順は、次の3段階が現実的です。
移行前の費用見積もり
- 1
現行のログを集める
4.5で動いている代表的な処理の入力・出力・キャッシュ読み取りのトークン数を、1週間分ほど集めます。
- 2
5.5で同じ処理を流す
effortをmediumで固定し、同じ入力で数十件流します。トークナイザーの差と思考の分が実測で出ます。 - 3
単価をかけて比べる
5.5の単価($4 / $20、キャッシュ読み取り$0.20)で再計算し、4.5の請求と並べます。
4.5のまま使い続けるか、先に5.5へ移すか
退役は2026年11月24日より前にはなりません。それまでにすぐ止まるわけではありません。ただ、廃止予告が出ると退役日が決まります。同じ表のSonnet 4.5は、予告(2026年9月30日)から退役(同年11月30日)まで約2か月です。予告が出てから動くと、検証に使える期間はこの程度になりえます。
4.5のままにする判断が成り立つのは、たとえば次の場合です。
- 5.5への移行で、禁止された設定(
temperatureの固定や強制のtool_choice)に依存した処理が大きく壊れる - 200K・64Kで足りており、請求の変動を避けたい
- Priority Tierの契約がある(5.5では未対応のため、容量計画を別に立てる必要がある)
一方、1Mコンテキストや128K出力が欲しい処理、キャッシュの最小長が足かせだった処理は、先に5.5へ移すほうが得をします。
Claude Codeの利用者に関わる話として、Opus 4.5の使用量上限が厳しくなったと報告された2026年1月の出来事は、使用量上限の振り返り記事で扱っています。これはモデル仕様ではなく、Claude Codeのプラン側の話です。
移行を始める順序
移行ガイドは、/claude-api migrate というClaude Code用のスキルを案内しています。たとえば次のように呼び出します。
/claude-api migrate this project to claude-opus-5-5モデルIDの置き換えと、破壊的変更に当たる箇所の修正、effortの調整を、コードベース全体に対して進めてくれます。実行前に、対象範囲(作業ディレクトリ全体、サブディレクトリ、ファイルの指定)を確認されます。出力される確認事項のチェックリストは、人の目で見る前提です。
Opus 5.5の全体像や、Claude Codeでの既定モデルとしての扱いは、Opus 5.5の解説記事にあります。