Claude Sonnet 4.6と5.5の違い — 単価・思考の指定・移行で400になる点
Sonnet 4.6は$3/$15、Sonnet 5.5は$2/$10。ただしトークン数は約3割増え、拡張思考の指定は400になります。単価・思考・移行で壊れる点を表で比べます。
Sonnet 4.6とSonnet 5.5の違いは、単価・思考の既定・移行の3点に絞れる
Claude Sonnet 4.6とClaude Sonnet 5.5は、どちらも1Mトークンのコンテキストウィンドウと128Kトークンの最大出力を持つSonnet系のモデルです。違いが出るのは、料金表の数字、思考(thinking)の扱い、そしてclaude-sonnet-4-6をclaude-sonnet-5-5に書き換えたときに400になる設定の3か所です。
4.6から5.5で動く3つの数字
入力単価
$3 → $2
出力は$15 → $10
同じ文章のトークン数
約30%増
5.5は新しいトークナイザーを使う
キャッシュ読み取り
$0.30 → $0.10
5.5は基準単価の5%
単価は下がりますが、同じ文章が約3割多いトークンに数えられます。請求額の差は、単価の差ほど大きくなりません。
5.5そのものの仕様はClaude Sonnet 5.5とはが扱っています。ここでは4.6を使っている人が、5.5に移すかどうかを判断する材料に絞ります。
仕様表で並べると、同じ点と違う点が分かれる
モデル概要ページと各モデルのページから、2モデルの行を抜き出します。
| 項目 | Sonnet 4.6 | Sonnet 5.5 |
|---|---|---|
| モデルID(Claude API) | Sonnet 4.6claude-sonnet-4-6 | Sonnet 5.5claude-sonnet-5-5 |
| 公開日 | Sonnet 4.62026年2月17日 | Sonnet 5.52026年9月28日 |
| 入力 / 出力(MTok) | Sonnet 4.6$3 / $15 | Sonnet 5.5$2 / $10 |
| コンテキスト / 最大出力 | Sonnet 4.61M / 128K | Sonnet 5.51M / 128K |
| 思考 | Sonnet 4.6適応型。拡張思考は非推奨 | Sonnet 5.5適応型(未指定でも有効) |
| 既定effort | Sonnet 4.6high | Sonnet 5.5high |
| 知識カットオフ | Sonnet 4.62025年8月 | Sonnet 5.52026年6月 |
| 提供終了 | Sonnet 4.62027年2月17日より前には行わない | Sonnet 5.52027年9月28日より前には行わない |
コンテキストと最大出力は同じです。Message Batches APIでoutput-300k-2026-03-24ベータヘッダーを付けたときの300K出力にも、両方が対応しています。
違うのは単価、知識カットオフ、思考の既定です。4.6は2026年2月の公開で、5.5より知識が約10か月古い扱いです。
4.6の提供終了は「2027年2月17日より前には行わない」という約束で、直近で止まる予定はありません。急いで移す理由は退役ではなく、単価と性能のほうにあります。
単価は3分の2になるが、トークン数が約3割増える
料金ページのModel pricingから、Sonnet 4.6とSonnet 5.5の行を並べます。
| 項目(MTok) | Sonnet 4.6 | Sonnet 5.5 |
|---|---|---|
| 基準の入力 | Sonnet 4.6$3 | Sonnet 5.5$2 |
| 5分キャッシュ書き込み | Sonnet 4.6$3.75 | Sonnet 5.5$2.50 |
| 1時間キャッシュ書き込み | Sonnet 4.6$6 | Sonnet 5.5$4 |
| キャッシュ読み取り | Sonnet 4.6$0.30 | Sonnet 5.5$0.10 |
| 出力 | Sonnet 4.6$15 | Sonnet 5.5$10 |
キャッシュ読み取りは、4.6が基準入力の0.1倍、5.5が0.05倍です。単価の差は入力で33%、出力で33%、キャッシュ読み取りで67%です。
同じ文章でも、5.5は約3割多く数える
5.5はSonnet 5と同じトークナイザーを使います。移行ガイドによると、4.6と比べて同じ文章が約30%多いトークンになります。増え方は内容によって変わります。
単価にこの1.3倍を掛けると、実質の単価が見えます。「約30%」を1.3として試算した値です。
| 項目(MTok) | Sonnet 4.6 | Sonnet 5.5(1.3倍で換算) | 差 |
|---|---|---|---|
| 入力 | Sonnet 4.6$3 | Sonnet 5.5(1.3倍で換算)$2 × 1.3 = $2.60 | 差約13%安い |
| 出力 | Sonnet 4.6$15 | Sonnet 5.5(1.3倍で換算)$10 × 1.3 = $13 | 差約13%安い |
| キャッシュ読み取り | Sonnet 4.6$0.30 | Sonnet 5.5(1.3倍で換算)$0.10 × 1.3 = $0.13 | 差約57%安い |
たとえば4.6で入力1,000万トークン、出力200万トークンを使うジョブは、$30 + $30で$60です。同じ文章を5.5に流すと入力1,300万、出力260万トークンになり、$26 + $26で$52です。
実質で下がるのは、通常の入出力でおよそ13%です。プロンプトキャッシュを多く効かせる構成では、下がり幅がもっと大きくなります。
この試算には、思考の分が入っていません。5.5はthinking欄を省くと適応型の思考が動き、思考トークンは出力として課金されます。出力が増える分は、移行後に実測してください。
画像にも差があります。5.5は長辺2576ピクセル、1枚あたり4,784トークンまでの高解像度枠を使います。4.6は1568ピクセル、1,568トークンまでです。2000×1500の画像は、5.5で約2.5倍のトークンになります。
バッチ処理とツール使用の固定コストも下がる
Batch APIは入出力とも50%引きで、2モデルとも同じ割引率です。単価の差がそのまま残るため、バッチの単価は4.6が$1.50 / $7.50、5.5が$1 / $5になります。バッチ割引とキャッシュ倍率は重ねて適用されます。
ツールを渡すと、モデルごとの固定のシステムプロンプトがトークンに加わります。tool_choiceがautoかnoneのとき、4.6は497トークン、5.5は286トークンです。リクエストごとに乗る固定費なので、ツール呼び出しが多い構成ほど、この差が積み上がります。
長いコンテキストの追加料金は、どちらにもない
Haiku 5.5のように、プロンプト長で単価が変わる仕組みは、この2モデルにありません。4.6以降のモデルは、1Mトークンの全域が標準単価です。900kトークンの要求も9kトークンの要求も、トークンあたりの料金は同じです。
思考の指定が変わる — 拡張思考は4.6で非推奨、5.5で400
違いが最も大きいのは思考の扱いです。思考設定ごとに、各モデルがどう反応するかを並べます。
| 送る設定 | Sonnet 4.6 | Sonnet 5.5 |
|---|---|---|
thinking欄なし | Sonnet 4.6思考オフ | Sonnet 5.5適応型の思考が有効 |
"adaptive" | Sonnet 4.6適応型の思考 | Sonnet 5.5適応型の思考 |
"enabled" + budget_tokens | Sonnet 4.6拡張思考(非推奨) | Sonnet 5.5400エラー |
"disabled" | Sonnet 4.6思考オフ | Sonnet 5.5400エラー |
"between_tools" | Sonnet 4.6400エラー | Sonnet 5.5上位の思考だけオフ(effortがhigh以下) |
4.6はthinking欄を省くと思考なしで動きます。5.5は省くと思考が走ります。同じリクエストを流しても、5.5では思考トークン分だけ出力が増え、応答の先頭にthinkingブロックが付きます。content[0].textを前提にしたコードは、ここで壊れます。
拡張思考(budget_tokensで思考量を決める旧方式)は、4.6では非推奨でも受け付けられます。5.5は400を返し、メッセージは"thinking.type.enabled" is not supported for this modelで始まります。適応型への切り替えの考え方はExtendedとAdaptive thinkingの違いが詳しいです。
"disabled"も5.5では通りません。思考を止めたいときはbetween_toolsを使います。これは最初の思考だけを止める設定で、ツール呼び出しの合間の短い進捗メモはthinkingブロックとして返ります。effortがxhighかmaxのとき、between_toolsは400になります。
budget_tokensをeffortに置き換える
予算を外し、思考の量はeffortで決めます。予算とeffortの間に固定の対応表はなく、移行ガイドは2〜3段階のeffortで自前の評価を回すよう勧めています。次はその形の一例です。
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
-H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
-H "anthropic-version: 2023-06-01" \
-H "content-type: application/json" \
-d '{
"model": "claude-sonnet-5-5",
"max_tokens": 16000,
"thinking": {"type": "adaptive"},
"output_config": {"effort": "high"},
"messages": [{"role": "user", "content": "..."}]
}'4.6の側は"model": "claude-sonnet-4-6"と"thinking": {"type": "enabled", "budget_tokens": 10000}でした。この2行を上の2行(thinkingとoutput_config)に置き換えます。
既定のeffortはどちらもhighです。5.5のeffortは再調整されているため、4.6でmediumに落としていた設定は、そのまま持ち込まずに評価し直す対象です。xhighは5.5で使えますが、4.6の対応表には載っていません。
4.6のeffort表は、mediumを推奨の既定値としています。既定はhighなので、遅延を抑えたい構成は明示的にmediumを置くよう勧める書き方です。5.5の表は、まずhighから始め、仕様の固まったエージェント的な作業はmedium、チャットや遅延に敏感な用途はmediumかlowから試す形です。4.6でmediumを明示していたジョブは、5.5でもmediumから評価を始めると比較しやすくなります。
ほかに壊れる点と、変わらない点
思考以外にも、5.5へ書き換えると結果が変わる設定があります。
| 項目 | Sonnet 4.6 | Sonnet 5.5 |
|---|---|---|
temperature / top_p / top_k | Sonnet 4.6受け付ける | Sonnet 5.5既定値以外は400 |
tool_choiceのany / tool | Sonnet 4.6受け付ける | Sonnet 5.5400 |
| 思考テキストの既定表示 | Sonnet 4.6"summarized" | Sonnet 5.5"omitted"(空のthinking欄) |
| 最終ターンのprefill | Sonnet 4.6400 | Sonnet 5.5400 |
サンプリングパラメーターが400になる理由はSonnet 5でtemperatureが400になる理由に詳しくあります。5.5はSonnet 5と同じ制約を引き継いでいます。
tool_choiceの強制は、ツールを必ず呼ばせる設計に効きます。5.5ではautoと厳密なツール定義の組み合わせに置き換える必要があります。
思考テキストを画面に出しているアプリは、display: "summarized"を明示しないと、空の欄が返ります。
prefillは4.6の時点で既に400です。4.6から移すときに、新しく踏む壊れ方ではありません。
4.6を残すか、5.5へ移すか
4.6から5.5への移行の流れ
- 1
モデルIDを差し替える
claude-sonnet-4-6をclaude-sonnet-5-5に変えます。 - 2
400になる指定を外す
budget_tokens、既定値以外のサンプリング値、tool_choiceの強制を外します。 - 3
応答の読み方を直す
contentをtypeで読み分け、thinkingブロックはそのまま返送します。 - 4
effortで評価し直す
2〜3段階のeffortで品質と出力トークンを測り、費用を取り直します。
全体の移行手順はClaudeモデルの移行ガイドにあります。4.6を挟まず、4.5から5.5に移る人はSonnet 4.5の退役も合わせて読むと、重なる変更が分かります。
4.6のまま残す判断が成り立つのは、次のような状況です。
- 拡張思考の予算を細かく調整した本番があり、評価を回し直す時間がない
tool_choiceの強制やサンプリング値に依存した実装を、すぐには直せない- トークナイザーの違いで、
max_tokensや費用の見積もりが崩れるのを避けたい
逆に、5.5へ移す利点は単価と知識カットオフです。キャッシュを多用する構成では、読み取り単価の差が効きます。
上位モデルとの差はOpus 5.5とSonnet 5.5の違いで比べています。
まとめ
Sonnet 4.6から5.5への差し替えは、単価が下がる代わりに、思考の既定が変わるリクエストの書き換えです。実質の節約は通常の入出力でおよそ13%で、キャッシュ読み取りが多いほど大きくなります。
移行の作業量を決めるのは単価ではなく、budget_tokens、サンプリング値、tool_choiceの強制がコードに残っているかどうかです。残っていなければ、モデルIDとeffortの差し替えで足ります。