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Claude Sonnet 5と5.5の違い — キャッシュ読み取りだけ半額、400になる設定は増える

Claude Sonnet 5と5.5の違い — キャッシュ読み取りだけ半額、400になる設定は増える

Sonnet 5.5は入力$2・出力$10でSonnet 5と同額。変わるのはキャッシュ読み取りの$0.20から$0.10だけです。一方で思考の無効化や強制ツール指定は400になります。

Sonnet 5と5.5の違いは、キャッシュ読み取り単価と「400になる設定」に集約される

Claude Sonnet 5.5の入力・出力単価は、Sonnet 5と同じ$2 / $10(100万トークンあたり)です。料金表で差が出るのはプロンプトキャッシュの読み取りだけで、Sonnet 5の$0.20に対して5.5は$0.10に下がります。

数字

Sonnet 5から5.5で動く数字

  • 入力 / 出力

    $2 / $10

    Sonnet 5と同額

  • キャッシュ読み取り

    $0.20 → $0.10

    基準入力の0.1倍から0.05倍へ

  • 最小のキャッシュ対象

    1,024 → 512

    トークン数

Claude APIの値。単価は100万トークンあたり

料金は据え置きに近いのに、移行は「モデルIDを書き換えるだけ」では済みません。Sonnet 5で通っていたthinking: {"type": "disabled"}とtool_choiceの強制指定が、5.5では400を返します。

4.6から5.5への移行はSonnet 4.6と5.5の違いに、5.5そのものの仕様はClaude Sonnet 5.5とはにあります。ここではSonnet 5を使っている人が、5.5へ移す必要と手間を見積もるための材料に絞ります。

仕様表で並べると、同じ点がほとんどを占める

項目Sonnet 5Sonnet 5.5
モデルID(Claude API)Sonnet 5claude-sonnet-5Sonnet 5.5claude-sonnet-5-5
入力 / 出力(MTok)Sonnet 5$2 / $10Sonnet 5.5$2 / $10
コンテキストSonnet 51MSonnet 5.51M
トークナイザーSonnet 5共通(同じ文章は同じトークン数)Sonnet 5.5共通
既定のeffort(API)Sonnet 5highSonnet 5.5high
思考を止める指定Sonnet 5"disabled"Sonnet 5.5"between_tools"
強制ツール指定(any / tool)Sonnet 5受け付けるSonnet 5.5400

コンテキストウィンドウもトークナイザーも同じなので、4.6から移すときに問題になる「同じ文章でトークンが約3割増える」見積もりのずれは、Sonnet 5からの移行では起きません。トークン数の再計測は不要です。

違いはモデルIDの書き換えに付いてくる挙動の側にあります。以降は、お金の差、リクエストが失敗する差、失敗せずに変わる差、Claude Codeでの差の順に見ていきます。

単価はキャッシュ読み取りだけが半額になる

料金ページのModel pricingから、2モデルの行を並べます。

項目(MTok)Sonnet 5Sonnet 5.5
基準の入力Sonnet 5$2Sonnet 5.5$2
5分キャッシュ書き込みSonnet 5$2.50Sonnet 5.5$2.50
1時間キャッシュ書き込みSonnet 5$4Sonnet 5.5$4
キャッシュ読み取りSonnet 5$0.20Sonnet 5.5$0.10
出力Sonnet 5$10Sonnet 5.5$10
Batch入力 / 出力Sonnet 5$1 / $5Sonnet 5.5$1 / $5

キャッシュ読み取りの倍率は、Sonnet 5が基準入力の0.1倍、5.5が0.05倍です。同じ0.05倍はOpus 5.5にも適用されています。

キャッシュを多用する構成ほど差が出る

差が効くのは、同じ長いプロンプトを繰り返し読ませる構成です。たとえば社内ナレッジを前置きに置いたチャットや、リポジトリ全体を毎ターン読ませるエージェントが当てはまります。

次の月間利用量を例に取ります。数字は説明用の仮定です。

項目量Sonnet 5Sonnet 5.5
キャッシュ読み取り量1億トークンSonnet 5$20Sonnet 5.5$10
5分キャッシュ書き込み量500万トークンSonnet 5$12.50Sonnet 5.5$12.50
出力量200万トークンSonnet 5$20Sonnet 5.5$20
合計量Sonnet 5$52.50Sonnet 5.5$42.50

この例では約19%の削減です。読み取りの比率が高いほど削減率は大きくなり、書き込みと出力が中心の使い方ではほとんど変わりません。キャッシュを使わない構成では、単価の差そのものがありません。

ツール使用の固定コストと、キャッシュの下限も動く

ツールを渡すと、モデルごとに固定のシステムプロンプトがトークンに加わります。tool_choiceがautoかnoneのとき、Sonnet 5は354トークン、5.5は286トークンです。リクエストごとに乗るので、短い呼び出しを大量に流す構成ではこの差が積み上がります。

キャッシュ対象になる最小のプロンプト長は、Sonnet 5の1,024トークンから、5.5では512トークンに下がります。これまでキャッシュに載らなかった短めのシステムプロンプトが、移行後は対象になる場合があります。

同じリクエストでも400になる設定がある

移行ガイドが最初に挙げる必須の変更は、Sonnet 5から来るコードにも当てはまります。

送っている設定Sonnet 5Sonnet 5.5置き換え先
thinking: {"type": "disabled"}Sonnet 5通るSonnet 5.5400置き換え先{"type": "between_tools"}
tool_choiceのany / toolSonnet 5通るSonnet 5.5400置き換え先auto + strict: true
computer_20251124(Claude API・Google Cloud)Sonnet 5通るSonnet 5.5400置き換え先computer_toolset_20260801
Sonnet 5をadvisorに指定Sonnet 5通るSonnet 5.5400置き換え先Opus 5.5、Sonnet 5.5など

思考の止め方が変わる

Sonnet 5は"disabled"で思考を止められました。5.5では"disabled"が400を返し、メッセージはbetween_toolsを使うよう案内します。

// Sonnet 5
"thinking": {"type": "disabled"}
 
// Sonnet 5.5
"thinking": {"type": "between_tools"}

between_toolsはツール呼び出しの前の思考だけを止める最小設定です。ツール呼び出しの合間に書く短い進捗メモは、thinkingブロックとして返り続けます。

制約が3つあります。effortがlow・medium・highのときだけ使え、xhighとmaxでは400です。displayやbudget_tokensを併記しても400になります。さらに、会話の途中でeffortを変えるリクエストも400です。

これまでSonnet 5でxhigh以上を指定しつつ思考を止めていた構成は、between_toolsに置き換えられません。その場合はthinking欄を省くか"adaptive"にして、適応型の思考を受け入れることになります。

強制ツール指定は、auto + strictに寄せる

tool_choiceにanyかtoolを指定すると、トークン数を数えるエンドポイントを含めて400です。エラー文はtool_choice: type "tool" and "any" are not supported for this model.で始まります。

移行ガイドの置き換えは、tool_choiceを{"type": "auto"}にして、ツール定義にstrict: trueを付ける形です。次は公式の例に沿った形です。

"tools": [{
  "name": "get_weather",
  "strict": true,
  "input_schema": {
    "type": "object",
    "properties": {"location": {"type": "string"}},
    "required": ["location"],
    "additionalProperties": false
  }
}],
"tool_choice": {"type": "auto"}

autoにするとモデルはツールを呼ばずに文章で答えることもあります。呼ばせたい場面は、システムプロンプトに書いて指定します。1リクエストに付けられるstrictのツールは20個までで、Amazon Bedrockでは構造化出力が使えないため、Bedrockではstrictを付けずに入力検証を自前で行います。

computer useとadvisorの組み合わせ

Claude APIとGoogle Cloudでは、5.5のcomputer useはcomputer_toolset_20260801だけが通ります。computer_20251124は400です。Amazon Bedrockでは従来のcomputer_20251124がそのまま使えます。

advisorツールでは、5.5を実行役にしたときの助言役にSonnet 5を指定できません。Opus 4.8、Opus 4.7、Haiku 5.5も同様に400で、使えるのはOpus 5、Opus 5.5、Sonnet 5.5、Fable 5、Fable 5.1、Mythos 5、Mythos 5.1です。助言は暗号化されたadvisor_redacted_resultとして返るため、本文は読めません。

失敗はしないが、画面と挙動が変わる点

エラーにならない変更のほうが、見落としやすくなります。

挙動

400にならない4つの変更

  • 進捗メモが空になる

    ツール呼び出しの合間に書く、一、二文を超えるメモがthinkingブロックで返ります。既定のdisplayでは中身が空なので、メモを画面に出していたアプリは静かになります。

  • effortの水準が再調整された

    同じhighでも、Sonnet 5と5.5では思考の量が揃いません。設定を持ち込まず、評価を取り直します。

  • 拒否のカテゴリが増えた

    5.5はSonnet 5より多くの分野で応答を断ります。stop_detailsにはcyber、bio、frontier_llm、reasoning_extraction、general_harmsが入ります。

  • 思考ブロックの引き継ぎ先が限られる

    5.5はOpus 5やOpus 5.5の思考ブロックを読めません。読めないブロックはAPIが捨てるだけで、課金もされません。

進捗メモの扱いはdisplayで変えられます。適応型の思考なら、"updates"(ベータ、thinking-display-updates-2026-08-18ヘッダー)で進捗だけ、"summarized"で推論と混ぜた形で受け取れます。between_toolsのときはdisplayなしで本文が返ります。

アカウントの作成日が2026年8月31日0時(UTC)以降だと、5.5の思考ブロックは直前の会話に署名されます。履歴を編集した後に同じブロックを再送すると400です。会話は追記だけで伸ばし、指示やツールの変更は会話の途中のシステムメッセージで行います。

Claude Codeでは、エイリアスとeffortの既定が違う

Claude Codeのsonnetエイリアスは、Anthropic APIではSonnet 5.5に解決されます。Sonnet 5.5を使うにはv2.1.284以降が必要で、それより古い版で要求が失敗するときはclaude updateが先です。

経路sonnetの解決先
Anthropic APIsonnetの解決先Sonnet 5.5
Claude Platform on AWSsonnetの解決先Sonnet 4.6
Amazon Bedrock、Google CloudのAgent Platformsonnetの解決先Sonnet 4.5
Microsoft Foundrysonnetの解決先Sonnet 4.5

Anthropic API以外では、sonnetと書いても5.5にはなりません。完全なモデル名を選ぶか、ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODELにIDを入れます。

effortの既定値は、Claude Codeでだけ食い違います。

場所Sonnet 5Sonnet 5.5
Claude APISonnet 5highSonnet 5.5high
Claude CodeSonnet 5highSonnet 5.5medium

Sonnet 5はAPIでもClaude Codeでもhighでした。5.5のClaude Codeはmediumで始まるため、モデルを切り替えただけで、同じ作業でも推論の深さと使うトークン量が変わる場合があります。/effortでhighを選べば、Claude Code側も揃えられます。保存した値はモデルごとに別々に持たれます。

費用の表示には補足があります。v2.1.284の変更履歴は、5.5のキャッシュ読み取りを$0.20と記しています。v2.1.296で/cost、ステータスライン、--max-budget-usd、SDKの費用の数字が$0.10に直りました。古い版の表示は$0.20の単価で計算されます。

Sonnet 5に残すか、5.5へ移すか

据え置いて問題が少ないのは、次のような構成です。

  • キャッシュをほとんど使わず、単価の差が入らない
  • thinking: {"type": "disabled"}と強制ツール指定が多数の箇所に散らばっていて、書き換えの試験が重い
  • advisorの助言役にSonnet 5を組み込んでいる

移す理由が立つのは、キャッシュ読み取りの比率が高い構成と、Claude Codeでsonnetを使っていて新しいモデルに寄せたい場合です。価格は同額なので、移行コストに見合う差かどうかは、キャッシュ比率で判断できます。

手順

Sonnet 5から5.5への移行の流れ

  1. 1

    モデルIDを差し替える

    claude-sonnet-5をclaude-sonnet-5-5に変えます。日付の接尾辞はありません。

  2. 2

    400になる指定を置き換える

    "disabled"はbetween_tools、強制ツール指定はautoとstrictに変えます。

  3. 3

    応答の描画を確認する

    進捗メモを画面に出しているなら、displayを設定して空にならないか見ます。

  4. 4

    effortを取り直す

    2〜3段階で品質と出力トークンを測り、費用を再計算します。

コードの書き換えは、Claude Codeで/claude-api migrate this project to claude-sonnet-5-5と指示すると、同梱のClaude APIスキルがモデルIDの差し替えと、400になる指定の置き換えを行います。適用前に対象範囲(作業ディレクトリ全体、サブディレクトリ、ファイル一覧)を確認され、最後に手動で確かめる項目のチェックリストが出ます。

Sonnet 5の料金が恒久化された経緯はClaude Sonnet 5の料金が恒久化にまとめています。4.x系からの全体の移行はClaudeモデルの移行ガイドが起点で、上位モデルとの選び分けはOpus 5.5とSonnet 5.5の違いが扱っています。プロンプト側の見直しはSonnet 5.5のプロンプトガイドにあります。

まとめ

Sonnet 5から5.5への移行は、お金の面ではキャッシュ読み取りの半額だけが得になります。手間のほうは、思考の無効化と強制ツール指定が400になる分だけかかります。キャッシュを多用していて、かつこの2つの指定を数か所で直せるなら、移す価値が出る組み合わせです。

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