Claude Sonnet 5.5とは — 料金・破壊的変更・Claude Codeの既定モデル
Claude Sonnet 5.5は入力$2・出力$10でSonnet 5と同額、30%以上高速な新モデル。Sonnet 5から移行すると400になる5つの破壊的変更と、Claude Codeのsonnetエイリアスの変化をまとめます。
Claude Sonnet 5.5とは
Anthropicは2026年9月28日、Claude 5.5ファミリーの2番目のモデル「Claude Sonnet 5.5」を発表しました。最初のモデルは9月22日のClaude Opus 5.5です。モデルIDはclaude-sonnet-5-5で、Amazon Bedrockではanthropic.claude-sonnet-5-5です。
料金は入力$2・出力$10(100万トークンあたり)で、キャッシュ読み取りを除いてSonnet 5と同額です。コンテキストウィンドウは100万トークン、最大出力は128Kトークンで、こちらもSonnet 5と同じ枠です。変わったのは中身です。Sonnet 5より30%以上速く、Anthropicは「Sonnetで最速」と説明しています。同じ仕事に必要なトークンが少ないため、タスク単価は最大30%安くなります。
一方で、Sonnet 5のコードをそのまま向けると400を返す箇所が5つあります。ツール呼び出しを強制するtool_choiceや、thinkingの無効化が代表例です。Claude Codeを使う人には、sonnetエイリアスの解決先が5.5に変わったという影響が出ます。
Sonnet 5からの変更点と料金
Sonnet 5.5の主な仕様は次のとおりです。
| 項目 | Sonnet 5.5 |
|---|---|
| 入力 / 出力 | Sonnet 5.5$2 / $10(MTok) |
| 5分キャッシュ書き込み / 1時間 | Sonnet 5.5$2.50 / $4 |
| キャッシュ読み取り | Sonnet 5.5$0.10 |
| Batch API | Sonnet 5.5入出力とも50%引き |
| コンテキスト / 最大出力 | Sonnet 5.51M / 128K |
| 知識カットオフ | Sonnet 5.52026年6月 |
| 提供終了 | Sonnet 5.52027年9月28日より前には行わない |
キャッシュ読み取りの$0.10は、料金ページとモデル概要ページの値です。Sonnet 5の$0.20からは半額です。なお、発表ページの表は$0.20と記載しています。Batch APIではoutput-300k-2026-03-24ベータヘッダーを付けると、最大出力が300Kトークンになります。最小キャッシュ可能プロンプト長は512トークンです。トークナイザーはSonnet 5と同じなので、トークン数の見積もりは変わりません。
ここで注意したいのは「最大30%安い」の意味です。入力・出力の単価は据え置きで(安くなったのはキャッシュ読み取りだけ)、下がるのは同じ仕事に使うトークンの量です。入出力の単価だけを見ると値下げに見えませんが、請求額は下がりやすい構造です。実際にどこまで下がるかはワークロード次第で、自分の題材で測る必要があります。
早期テスターの報告は、この方向を裏づけています。
- Balyasnyの金融2,441タスクでは、1回答あたり121kトークン(Sonnet 5は497k)
- Base44の118アプリ構築では、Opus 5と同等のスコアを3.6反復で達成(Opus 5は7.7反復)
- Boxでは2.4倍の速度でトークンが12%減、Slackでは出力トークンが約14%減
いずれも発表文に載った各社の報告です。自分の環境で同じ数字になる保証はありません。
Sonnet 5.5は何が得意か — ベンチマークの読み方
Sonnet 5との差が大きい数値を並べます。
| ベンチマーク | Sonnet 5.5 | Sonnet 5 | Opus 5.5 |
|---|---|---|---|
| Terminal-Bench 4.0 | Sonnet 5.570.6% | Sonnet 510.3% | Opus 5.566.4%(Xhigh) |
| FrontierCode 1.1 | Sonnet 5.552.1%(Xhigh) | Sonnet 542.4% | Opus 5.554.4% |
| CursorBench 4.0 | Sonnet 5.555.5 | Sonnet 534.1 | Opus 5.557.8 |
| OSWorld 2.1 | Sonnet 5.580.1(partial) | Sonnet 557.0 | Opus 5.581.8 |
| HLE(ツールあり) | Sonnet 5.564.5 | Sonnet 554.9 | Opus 5.567.7 |
Sonnet 5.5の値は、Terminal-BenchとCursorBenchがMax設定です。Terminal-BenchのXhighは61.5%でした。Max設定のSonnet 5.5が、Xhigh設定のOpus 5.5(66.4%)を上回りました。他の指標ではOpus 5.5がわずかに上です。FrontierCodeはSonnet 5.5がMaxで46.2%、Xhighで52.1%という2つの設定値が示されています。
Sonnet 5.5が得意なのは、範囲が明確な日常タスク、バグ修正、文書・スライド・スプレッドシートの作成、デザイン感覚を要する作業です。判断を長く持続させる複雑な仕事では、Opus 5.5が依然として明確に強いとされています。Sonnet 5.5はPokémon Redをスクリーンショットだけでクリアした初のSonnetでもあります。
Sonnet 5から移行すると400になる5つの破壊的変更
移行ガイドは、Sonnet 5で動いているコードに影響する破壊的変更を5つ挙げています。
400になる5つの箇所
1. thinkingの無効化
thinking: {"type": "disabled"}が400です。代わりにbetween_toolsを使います。使えるeffortはlow・medium・highだけで、xhighとmaxは400です。display・budget_tokens・block_bindingとの併用、会話途中のeffort変更、手動のbudget_tokensもすべて400になります。2. 強制のtool_choice
anyとtoolが400で、使えるのは
autoとnoneだけです。400の本文はtool_choice: type "tool" and "any" are not supported for this model.です。トークン数を数えるエンドポイントでも同じ400になります。代替はstrict: trueかstructured outputsで、呼ばせたい場面はプロンプトに書きます。3. thinkingブロックの紐づけ
読めるのはSonnet 5・Opus 4.8・Haiku 4.5以前のブロックです。Claude APIとGoogle Cloudでは、Haiku 5.5のブロックも読めます。Opus 5・Opus 5.5・Fable・Mythosのブロックは読めません。Sonnet 5.5のブロックを読めるのは、Claude APIとGoogle CloudのOpus 5.5だけです。読めないブロックはAPIが黙って落とし、課金もされません。落とした事実は
thinking-binding-controls-2026-08-01ベータのinput_transformationsに報告されます。4. computer_20251124
Claude APIとGoogle Cloudでは400になり、
computer_toolset_20260801に切り替えます。Amazon Bedrockでは旧ツールが使えます。computer_20250124はどのプラットフォームでも受け付けません。5. advisor toolの組み合わせ
Sonnet 5.5が実行側のとき、advisorにOpus 4.8・Opus 4.7・Opus 4.6・Sonnet 5・Sonnet 4.6を指定すると400です。advisor toolはベータです。指定できるのはMythos 5.1・Fable 5.1・Mythos 5・Fable 5・Opus 5.5・Opus 5と、Sonnet 5.5自身です。助言は暗号化され、
advisor_redacted_resultで返ります。
3つ目の検査が既定で効くのは、2026年8月31日00:00 UTC以降に作成されたアカウントです(Claude API・Amazon Bedrock・Google Cloud)。そのアカウントでは、system・tools・過去メッセージを編集したうえでthinkingブロックを再送すると400になります。drop_blockで回避するには、ベータヘッダーthinking-binding-controls-2026-08-01が必要です。加えてthinking.block_binding.prefix_mismatch_behavior: "drop_block"の指定も要り、adaptive thinkingでのみ使えます。アカウントをまたいだブロックも落とされます。理由のorganization_binding_mismatchが報告されるのは、ベータヘッダー付きのClaude APIとGoogle Cloudです。
# Before(Sonnet 5)
client.messages.create(
model="claude-sonnet-5",
max_tokens=16000,
thinking={"type": "disabled"},
tool_choice={"type": "any"},
tools=tools,
messages=messages,
)
# After(Sonnet 5.5)。書き換えの一例
client.messages.create(
model="claude-sonnet-5-5",
max_tokens=16000,
output_config={"effort": "low"}, # between_toolsはlow/medium/highのみ
thinking={"type": "between_tools"},
tool_choice={"type": "auto"}, # 強制はプロンプトで指示する
tools=tools, # 必要なら strict: true を付ける
messages=messages,
)上のAfterは、5つのうち1と2を書き換える形の一例です。between_toolsは追加のベータヘッダーが不要で、Sonnet 5.5を提供する全プラットフォームで使えます。
失敗せずに形が変わる点 — ストリーミングUIが黙る
エラーにならない代わりに、出力の形が変わる変更が1点あります。ツール呼び出しの間に書かれる、1〜2文を超えるテキストが、textではなくprogress-updateのthinkingブロックとして返ります。既定のdisplay: "omitted"では、そのブロックの中身は空です。
進捗テキストをそのままユーザーに流しているアプリは、ツール呼び出しの間だけ無言になります。エラーもログも出ないため、気づきにくい型です。回避策は2つで、between_toolsを使うか、displayを明示的に指定します。
effortの再較正とプロンプトの持ち越し
effortの既定は、APIではhigh、Claude Codeとアプリではmediumです。ここで見落としやすいのは、effortの水準そのものが再較正されたことです。Sonnet 5でhighが担っていた深さを、Sonnet 5.5のhighが同じ量で再現するとは限りません。出発点は、範囲が明確なエージェント系のタスクならmedium、難しいタスクや長いタスクならhigh、チャットなど遅延を気にする用途ならmediumかlowです。システムプロンプトに足す文面はSonnet 5.5のプロンプトガイドにまとめています。
思考は既定でadaptive thinkingです。temperature・top_p・top_kを非既定値にすると400になります。サンプリングの調整で挙動を変えていた実装は、この3つのパラメータを外す必要があります。
サイバー safeguardとfallback
Sonnet 5.5は、サイバーセキュリティ向けのsafeguardとfallbackを備えて出る最初のSonnetです。高リスクなサイバー用途の要求は、Sonnet 5へ可視のフォールバックで振り向けられます。生物学関連の扱いはSonnet 5と同じsafeguardで、bioの拒否はserver-side fallbackの再試行対象外です。reasoning extraction(内部推論の抜き出し)の分類器がつくのもSonnetでは初めてです。
拒否や停止の理由はstop_detailsのカテゴリで返り、cyber・bio・frontier_llm・reasoning_extraction・general_harmsの5種があります。API側の自動再試行を頼む場合は、fallbacks: "default"のserver-side fallback(ベータ、Claude APIのみ)を使います。ただしSonnet 5へ再試行されるのはcyberとfrontier_llmだけです。bio・reasoning_extraction・general_harmsは再試行されないので、呼び出し側で扱いを決めます。Opus 5.5でのreasoning_extractionの扱いはreasoning_extraction拒否とfallback設計で詳しく扱っています。
サイバー用途でSonnet 5.5を使う組織向けには、Cyber Verification Programの拡張が予定されています。Opus 5.5との使い分けの基準やeffortの決め方は、開発者ブログのガイドを読み解いたClaude Sonnet 5.5の使い分けにあります。
Claude Codeでのsonnetエイリアスはどう変わったか
Claude Code v2.1.284以降では、Anthropic APIのsonnetエイリアスがSonnet 5.5を指します。エイリアスの解決先やコストの扱いなど細部は、v2.1.284のリリースノートにまとまっています。
sonnetが5.5を指すのはAnthropic APIだけです。公式のモデル設定ページでは、プロバイダーごとに解決先が分かれています。
| プロバイダー | sonnetの解決先 |
|---|---|
| Anthropic API | sonnetの解決先Sonnet 5.5 |
| Claude Platform on AWS | sonnetの解決先Sonnet 4.6 |
| Amazon Bedrock、Google CloudのAgent Platform | sonnetの解決先Sonnet 4.5 |
| Microsoft Foundry | sonnetの解決先Sonnet 4.5 |
Bedrockなどで5.5を使うには、/modelでフルネームを選ぶか、ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODELにIDを入れます。sonnetの解決先がAnthropic APIで変わった版は、v2.1.197(Sonnet 5)とv2.1.284(Sonnet 5.5)の2回です。v2.1.284より古い版でSonnet 5.5を指定すると要求が失敗するため、claude updateが先に必要です。
更新したあと何が変わるか
自動で変わるもの
sonnetと書いていた設定は、Anthropic API接続なら次の起動から5.5を指します。effortの既定はmediumで、APIのhighとは別の既定です。opusplanは計画時がOpus 5.5、実行時がSonnet 5.5になります。
自分で決めるもの
再現性が要るパイプラインは、claude-sonnet-5-5か旧IDのclaude-sonnet-5を明示します。思考のオフ設定は5.5では効かないため、コスト調整はeffortで行います。
Claude Codeのモデル設定ページでは、セッションの切り替えと/configの行に「Thinking can't be turned off」と出ます。保存済みのalwaysThinkingEnabled: falseやMAX_THINKING_TOKENS=0も、このモデルでは効果がありません。
v2.1.287で、effortとモデルの指定まわりのヘルプを見ると次のとおりです。
claude --version
claude --help | grep -A3 -E "^\s+--(effort|model) "2.1.287 (Claude Code)
--effort <level> Effort level for the current session
(low, medium, high, xhigh, max)
--model <model> Model for the current session. Provide
an alias for the latest model (e.g.
'fable', 'opus', or 'sonnet') or a
model's full name.--effortは5段階をそのまま受け付けます。--modelの説明にあるとおり、エイリアスは「最新モデル」を指します。v2.1.287の更新履歴には、/modelやopusplanでOpus 5.5とSonnet 5.5を切り替えると、以前のMCPツール案内が書き換わって拡張思考が失われることがある不具合の修正が載っています。/advisorの組み合わせ検査では、Opus 4.7・4.8が実行側のとき、Sonnet 5.5をadvisorに指定できるようになりました。モデル指定の書き方全般はClaude Codeの全体像から辿れます。
Sonnet 5.5と隣接モデルの使い分け
Sonnet 5.5と、隣に並ぶモデルの仕様を並べます。
| 項目 | Fable 5.1 | Opus 5.5 | Sonnet 5.5 | Haiku 4.5 |
|---|---|---|---|---|
| 入力 / 出力(MTok) | Fable 5.1$10 / $50 | Opus 5.5$4 / $20 | Sonnet 5.5$2 / $10 | Haiku 4.5$1 / $5 |
| レイテンシ | Fable 5.1遅め | Opus 5.5中程度 | Sonnet 5.5速い | Haiku 4.5— |
| コンテキスト | Fable 5.11M | Opus 5.51M | Sonnet 5.51M | Haiku 4.5200K |
| 最大出力 | Fable 5.1128K | Opus 5.5128K | Sonnet 5.5128K | Haiku 4.564K |
| 既定effort(API) | Fable 5.1high | Opus 5.5medium | Sonnet 5.5high | Haiku 4.5— |
| 知識カットオフ | Fable 5.12026年6月 | Opus 5.52026年6月 | Sonnet 5.52026年6月 | Haiku 4.52025年2月 |
Sonnet 5.5は表の中で、Opus 5.5と同じ2026年6月のカットオフを持ちながら、単価は半額です。Haiku 4.5との価格差は2倍ですが、コンテキストと最大出力は大きく異なります。Haiku 5.5は2026年10月7日にリリース済みで、この表のHaiku 4.5は一つ前の世代です。
| 用途 | おすすめ度 | 理由 |
|---|---|---|
| 範囲が明確な日常のコーディング・バグ修正 | おすすめ度◎ | 理由得意領域。Max設定ではTerminal-BenchでOpus 5.5(Xhigh)を上回る |
| 文書・スライド・スプレッドシート作成 | おすすめ度◎ | 理由発表文が挙げる得意領域 |
| 応答速度が価値になるUI・対話 | おすすめ度◎ | 理由Sonnetで最速 |
| 判断を長く持続させる複雑な作業 | おすすめ度△ | 理由Opus 5.5が依然として明確に強い |
| 高難度の推論・長時間の自律タスク | おすすめ度△ | 理由Fable 5.1の領域 |
| 極端な低コスト・低遅延 | おすすめ度条件次第 | 理由Haiku系が低コスト側(Haiku 4.5は$1 / $5) |
| 高リスクなサイバー用途 | おすすめ度注意 | 理由Sonnet 5へ可視フォールバックされる |
Opus 5.5の詳細はClaude Opus 5.5の解説にあります。Fable 5.1との関係はFable 5.1の解説で扱っています。
入出力単価据え置きの5.5は、移行判断を何に絞るか
Sonnet 5.5は、入出力が同額のままSonnet 5の後継が使える更新なので、移行の是非より「どこで400になるか」の確認が判断の中心になります。入出力の単価が据え置かれる中で、Terminal-Bench 4.0がMax設定で10.3%から70.6%に動いたのは、モデル世代の進み方として大きな幅です。
ベンチマークの伸びが自分のコードベースでどれだけ出るかは、実測するまで分かりません。
`0になる構成に当たらなければ、乗り換えのコストはeffortの測り直しで済みます。当たる場合は、書き換えの量が移行の工数を決めます。モデル移行の一般的な手順は移行チェックリストにあります。