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Claude Oxford Economics連携 — 経済予測を中計の前提表に入れる手順

Claude Oxford Economics連携 — 経済予測を中計の前提表に入れる手順

Oxford EconomicsコネクタはEconomicDataとEconomicAnalysisの2ツールで予測値とリポートの解説を引けます。契約の前提と、中計のベース・悲観・楽観の前提表に根拠付きで入れる流れをまとめます。

Oxford Economicsコネクタは、同社の経済データ、予測、リサーチ・リポートをClaudeの会話から引けるようにする連携です。コネクタ一覧では「Anthropic verified」の表示があり、開発元はOxford Economics自身で、2026年7月に追加されました。カテゴリは「Data & analytics」と「Financial services」です。

中期経営計画の前提表に、成長率や物価の外部予測を入れたい場面で効きます。ただし、サインインすれば誰でも使えるコネクタではありません。契約の条件を先に確かめておくと、手戻りが減ります。

Claude Oxford Economics連携(Oxford Economicsコネクタ)とは

接続先は https://services.oxfordeconomics.com/mcp で、MCP(Model Context Protocol)に対応したリモートサーバーです。Claudeはこのサーバーを呼び出し、契約者の権限の範囲で経済データとリサーチを取得します。

ツールは2つだけです。

ツール返すもの向く質問
EconomicData返すもの数値データと予測。自然文の回答にマークダウンの表が付くのが典型向く質問「英国のGDPは」「米英独仏のGDP成長率」
EconomicAnalysis返すもの解説・要約・結論。既定では直近4か月に公開されたリサーチが元向く質問「利下げ見通しの根拠は」「リスク要因は」

2つの使い分けが、この連携の核です。前提表の数字はEconomicDataで引き、その数字を置く理由はEconomicAnalysisで引きます。

計画づくりの全体像は中期経営計画の作り方にあります。この記事は、その前提表に外部予測を入れる部分だけを掘り下げます。

接続の前に確認する契約と権限

コネクタ一覧のページには「Sign-in: Required」とあり、組織のアカウントをMCP利用に切り替えるにはOxford Economicsへの問い合わせが必要と書かれています。提供元のサポート記事は、利用対象を権利のある購読者と承認済みパートナーに限っています。

確認する点内容
契約内容MCPの利用権(entitlement)を含む購読。担当のアカウントマネージャーに確認する
認証内容Oxford Economicsのサインイン(OAuth 2.0)。APIキーによる接続も提供元は案内している
データの範囲内容EconomicDataは契約したデータバンク単位、EconomicAnalysisはリポート単位で権限が判定される
回数の上限内容ユーザーごとに短時間の上限と1日の上限があり、1日の上限は権利の段階で変わる

データバンクの話は、前提表の設計に直結します。EconomicDataの元は「Global Macro」と「Global Industry」のデータバンクです。契約にGlobal Macroが含まれていれば、その中の地域や変数は自由に問い合わせられます。含まれていなければ、質問しても返ってきません。リポートの閲覧も同じで、読める本数は契約によって違います。

Claude側で必要な設定

個人プランでは、コネクタ一覧から追加してOxford Economicsにサインインします。TeamプランとEnterpriseプランでは、先にOwnerまたはPrimary Ownerが組織向けに有効化します。有効化しても全員が自動で使えるわけではなく、各自がサインインする必要があります。

Ownerは、コネクタが実行できる操作を組織全体で絞ることもできます。このコネクタのツールは2つとも情報を取得する用途の説明なので、書き込みを心配する場面は少ないです。コネクタ全般の追加手順はClaude Connectorsの種類と追加方法にまとめています。

前提表の数字をEconomicDataで引く

EconomicDataには制約が2つあります。1回の問い合わせで返るのは最大10データポイントまで。質問は1つの指標に絞るのが推奨です。複数の指標を1文に詰め込むと、精度が落ちます。

中計の前提表は、国×年×指標で数がすぐ膨らみます。たとえば3か国×5年のGDP成長率で15点です。このままでは1回に収まりません。指標ごと、地域のまとまりごとに質問を分けます。

次のプロンプトは、分割の考え方を示す例です。実際に返る文面や表の形は、契約とその時点のデータで変わります。

質問を分けるプロンプト例
Oxford EconomicsコネクタのEconomicDataを使ってください。
質問は1回につき1指標だけにし、1回あたり10データポイント以内に収めます。
次の順に別々の質問として実行してください。
1. 日本の実質GDP成長率(今後5年分の年次予測)
2. 米国の実質GDP成長率(今後5年分の年次予測)
3. 日本の消費者物価上昇率(今後5年分の年次予測)
各回の回答は、指標名・地域・年・値・単位を表にしてください。
値は丸めず、返ってきた通りに記録してください。

物価や為替など、どの指標名で引けるかは、提供元のサポート記事に一覧が載っていません。契約したデータバンクで実際に引けるかは、「英国のGDPは」のような簡単な質問で接続を確かめたうえで、前提表に使う指標を1つずつ試して判断します。

回答の言語と、質問の入力項目

2つのツールが受け取る入力は共通で、質問文(question)、回答の言語を表すISO 639の言語コード(language、例は en)、任意の会話ID(conversationId)の3つです。日本語での回答を求めたいときに ja が使えるかどうかは、提供元のサポート記事に対応言語の一覧がなく、記載がありません。数値の突き合わせが目的なら、英語で取得して表だけを日本語に直す運用も選べます。指標名が英語のまま残るので、後から原文と照らしやすい利点があります。

悲観・楽観の幅は、解説から人が決める

ここに、取り違えやすい点があります。EconomicDataが返すのは、データバンクにある数値と予測です。ベース・悲観・楽観の3本の予測値を、ツールが自動で3セット出す仕様とは書かれていません。

提供元の資料には、前提を変えて計算するシナリオ用の製品が別にあります(Global Economic Modelなど)。これらはコネクタの2ツールとは別の提供形態です。コネクタで引けると期待して質問しても、そのまま3シナリオの数値は出ない可能性があります。

実務では、次の分担が現実的です。

前提表の欄入れるもの取得元
ベース入れるもの予測値取得元EconomicData
悲観・楽観の方向入れるものリスク要因とその理由取得元EconomicAnalysis
悲観・楽観の幅入れるもの何ポイント動かすか取得元人が決める。根拠の欄に判断理由を書く

EconomicAnalysisには、リスクや前提を聞く質問を投げます。期間を指定すると、その範囲のリサーチに絞れます。

リスク要因を聞くプロンプト例
Oxford EconomicsコネクタのEconomicAnalysisを使ってください。
日本経済の今後3年について、成長率を押し下げる要因と押し上げる要因を、
それぞれ根拠となるリサーチの発行時期つきで挙げてください。
期間は直近4か月に限らず、過去12か月のリサーチを対象にしてください。

「期間は直近4か月に限らず」と添えるのは、既定の対象が直近4か月だからです。計画の前提は、四半期をまたいで固定されることが多いため、期間を明示したほうが確かです。

取得結果を前提表に落とす

取得した数字は、そのまま貼らず、根拠付きの前提表にします。列は次の形が使いやすいです。

前提ID内容ベース悲観楽観根拠・取得ログ
M1内容日本の実質GDP成長率(年)ベースEconomicDataの値悲観人が設定楽観人が設定根拠・取得ログ取得日、ツール名、質問文
M2内容日本の物価上昇率(年)ベースEconomicDataの値悲観人が設定楽観人が設定根拠・取得ログ取得日、ツール名、質問文
M3内容主力市場の需要の見通しベース担当が整理悲観人が設定楽観人が設定根拠・取得ログEconomicAnalysisの要約と発行時期

根拠の欄に取得日を残す理由は、予測が改訂されるからです。数か月後に前提を見直すとき、同じ質問を再実行して差分を見られます。コネクタには、関連する質問をまとめるための任意の会話ID(conversationId)を渡す入力があります。取得を一連の作業として束ねたいときに使えます。

Claudeには、次の点検を任せます。

  • 値が丸められたり、単位が入れ替わったりしていないか
  • 年次と四半期、名目と実質が混ざっていないか
  • ベース・悲観・楽観の大小関係が、前提どうしで矛盾していないか

点検は一覧にとどめ、数字を直させません。前提表の考え方は、前述の記事の「前提表を先に人が書く」の節にあります。

Projectsの指示文に取得ルールを固定する

毎回の質問に同じ注意を書くのは手間なので、中計用のProjectsのプロジェクト指示に取得ルールを置いておくと、担当者が替わっても同じ手順で引けます。次は書き方の一例です。

プロジェクト指示の断片(例)
外部の経済予測は、Oxford Economicsコネクタからのみ取得する。
- 数値はEconomicData、理由や見通しの解説はEconomicAnalysisを使う。
- 1回の質問は1指標・10データポイント以内。
- 取得した値は、指標名・地域・年・単位・取得日・使ったツール名を添えて記録する。
- コネクタから返っていない数値を、推測で補わない。
- 悲観・楽観の幅は提案せず、判断材料を一覧にして人に渡す。

「推測で補わない」の一行が効きます。契約外の地域や変数を聞いたとき、返ってこない部分を、Claudeが一般知識で埋めた数字と取り違えずに済みます。

接続確認から本番の取得までの流れ

手順

初回の取得の進め方

  1. 1

    簡単な質問で接続を確かめる

    「英国の直近のGDP成長率は」のように、答えが検算しやすい質問を1つ投げます。値が返れば、サインインと権利は通っています。

  2. 2

    前提表の指標を1つずつ試す

    使いたい指標が契約のデータバンクで引けるかを、1指標ずつ確認します。引けない指標は、前提表の「担当が入力」に戻します。

  3. 3

    解説でリスク要因を集める

    EconomicAnalysisで、押し下げ要因と押し上げ要因を、発行時期つきで一覧にします。

  4. 4

    幅を人が決めて根拠を書く

    悲観・楽観の幅は担当者が決め、根拠の欄に判断理由を残します。

コネクタの外にある経路

提供元の製品ページには、MCP以外の提供形態も載っています。データバンクのAPIやデータフィードで、Power BIやTableauなどに最新の経済見通しを流し込む形があります。前提を変えて計算するモデルは、Models APIとして別に案内されています。

四半期ごとに同じ表を更新する運用なら、会話で引くコネクタより、フィードでBIに常時つなぐ形が合う場合もあります。どちらを選ぶかは、更新頻度と、前提表を誰が触るかで変わります。コネクタは「担当者が会話しながら前提を詰める」段階に向いています。

データの扱いと注意点

質問に自社の売上や顧客名を入れる必要はありません。Oxford Economicsは、回答の作成に外部のAIモデルが関わりうると説明し、送るのは回答に必要な内容だけで、氏名・メールアドレス・会社の識別子は共有しないとしています。入力と出力が、そのモデルの学習に使われないとも書かれています。一方で、質問文、回答、日時、アカウントの識別子は、運用支援と分析のために同社側に記録されます。

経済の質問は一般的な内容に保ち、自社固有の数字との突き合わせはClaude側のProjectsや表計算で行う、という分け方ができます。

もう一点、EconomicAnalysisは文章での回答です。数字を含む要約は読みやすい反面、元のリポートの表と1つずつ照らせるとは限りません。計画の根拠として残す数字は、EconomicDataの表のほうを使うほうが追いやすいです。

使えなかったときの切り分け

症状見る場所
コネクタが一覧に出ない、有効化できない見る場所Team・Enterpriseの場合はOwnerによる組織向けの有効化
サインインできるが、データが返らない見る場所契約にMCPの利用権と、該当するデータバンクが含まれているか
途中から回答が返らなくなる見る場所ユーザーごとの短時間と1日の上限に当たっていないか
1回の質問で値が足りない見る場所10データポイントの上限。質問を分ける
最新のリサーチが反映されない見る場所質問に期間を明記する。既定は直近4か月

数字の根拠をBIで常時見たいなら、別の経路もあります。ダッシュボードの数字を会話で読む連携はTableauコネクタやDatabricksコネクタに例があります。

まとめ

Oxford Economicsコネクタは、前提表のベースの数字と、その数字を置く理由を、同じ会話の中で別々に引ける連携です。悲観・楽観の幅は引けないので、人が決め、その判断理由を根拠の欄に書き残します。契約にMCPの利用権が含まれているかどうかが、最初の分かれ目になります。

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