ClaudeにPorkbun MCPをつないでドメインとDNSを会話で操作する
Porkbunが自社で提供するMCPサーバーを、Claudeにホスト型とローカル型の2通りでつなぐ手順です。購入できる範囲を3つのエンドポイントで絞る方法と、DNS変更前に確かめる点をまとめます。
Porkbun MCPサーバーは、ドメインレジストラのPorkbunが自社で作って運用しているMCPサーバーです。Claudeにつなぐと、ドメインの空き確認、料金の確認、DNSレコードの編集を会話の中で進められます。
ほかのドメイン系MCPと違うのは、登録・更新・移管といった課金操作まで同じサーバーに入っていることです。便利さと引き換えに、どこまでをClaudeに任せるかを先に決める必要があります。この記事では接続方法を2通り示したうえで、購入権限を絞る手順とDNS変更の守り方に重心を置きます。
ホスト型とローカル型、どちらで接続するか
接続方法は大きく2つあります。Porkbunにサインインして承認するホスト型と、APIキーを渡してnpxで動かすローカル型です。
Porkbun MCPの2つの接続方式
ホスト型
URLをコネクタとして追加し、Porkbunにサインインして承認します。APIキーを自分で扱う必要はありません。接続ごとに専用のキーが発行されます。
ローカル型
自分で作ったAPIキーを環境変数で渡し、手元でサーバーを動かします。サンドボックスキーの利用や、キーの接続元IP制限をしたいときに向きます。
ホスト型のURLはhttps://mcp.porkbun.com/mcpです。Claude(claude.aiとClaude Desktop)では、次の順に進めます。
Claudeにホスト型を追加する手順
- 1
カスタムコネクタを追加する
Customize、Connectors、+、Add custom connectorの順に開き、URLを貼って追加します。
- 2
Porkbunで承認する
Connectをクリックし、Porkbunのページで「Allow Claude」を押します。
- 3
会話で有効にする
チャット画面の+からConnectorsを開き、Porkbunをオンにします。
Team・Enterpriseでは、組織の所有者がOrganization settingsのConnectorsからCustom、Webの順に追加し、メンバーはそのあとでConnectしてもらいます。
Claude Codeなら、次の1行で登録できます。登録後に/mcpでporkbunを選び、ブラウザで認証します。
claude mcp add --transport http --scope user porkbun \
https://mcp.porkbun.com/mcpローカル型は、APIキーを手元の設定に置く方式です。
claude mcp add porkbun \
--env PORKBUN_API_KEY=pk1_... \
--env PORKBUN_SECRET_API_KEY=sk1_... \
-- npx -y @porkbunllc/mcp-server--envは必ず--より前に置きます。--以降がサーバーを起動するコマンドになるためです。Node 18以上が必要で、初回にnpxのダウンロードで接続がタイムアウトしたときは、MCP_TIMEOUT=60000 claudeで起動し直す手があります。接続はclaude mcp listでporkbun ✔ Connectedと出るかどうかで確かめられます。
Claude Desktopをローカル型で使うなら、claude_desktop_config.jsonのmcpServersにcommand: "npx"、args: ["-y", "@porkbunllc/mcp-server"]と上記の2つの環境変数を書きます。macOSのClaude Desktopは限られたPATHで起動するため、npxが見つからないときはwhich npxで出る絶対パスをcommandに書きます。保存後はウィンドウを閉じるだけでなく、アプリを完全に終了して開き直します。
APIキーは、リポジトリにコミットされる.mcp.jsonに書かないでください。Claude Codeの既定のlocalスコープか、gitに入れない設定ファイルに置きます。
claude mcpでの登録方法そのものは、claude mcp add-jsonでMCPサーバーをJSONのまま登録する手順にまとまっています。
購入できる範囲は3つのURLで決まる
ホスト型には、同じサインインを共有する3つのアドレスがあります。アドレスが決めるのは「Claudeに見せるツール」で、承認時に選ぶ権限とは別の層です。
| エンドポイント | 含まれるもの | 外れるもの |
|---|---|---|
/mcp(既定) | 含まれるものドメイン、DNS、転送、SSL、ホスティング、購入、クレジットのチャージまで | 外れるものサンドボックス専用ツール |
/mcp/no-purchases | 含まれるもの保有ドメインの管理、DNS、DNSSEC、復元ポイント、Cloudflare移行など | 外れるもの登録・更新・移管、課金、パスワードやSSL秘密鍵などの秘匿情報 |
/mcp/no-topups | 含まれるもの購入まで(口座のクレジット範囲) | 外れるものカード課金、自動チャージの変更、カードやUSDCでの直接支払い |
/mcp/no-purchasesは、ClaudeとChatGPTのディレクトリに載っているバージョンでもあります。この接続でサインインすると、購入や残高追加ができない権限しか付与できず、これはAPI側で強制されます。Claudeにお金を使わせたくないなら、最初からこちらを選ぶのが最も確実です。
claude mcp add --transport http --scope user porkbun-readonly \
https://mcp.porkbun.com/mcp/no-purchasesすでにディレクトリ版を入れていて、購入ツールだけが足りないときは、欲しいエンドポイントを別のカスタムコネクタとして追加します。ディレクトリ版はあとから外せます。
会話で何ができるか
Porkbunが示す例は、次のような一文の依頼です。
Register skaboink.dev if it's under $20, point it at my server, and turn auto-renew on.
サーバーは、check_domainで空きと価格を確認し、register_domainで登録し、create_dns_recordでAレコードを作り、update_auto_renewで自動更新をオンにする、という4回のツール呼び出しに分けて実行します。これは公式ページの例示で、実際の画面とは異なる場合があります。
APIが対応する範囲は広く、DNSはA、AAAA、CNAME、MX、TXT、SRV、CAA、ALIASなどのレコードを作成・読み取り・更新・削除できます。DNSSECのDSレコード、ネームサーバーとグルーレコード、URL転送、メール転送、SSL証明書の取得も含まれます。ドメイン名の空き確認は1回25件までまとめて調べられます。
DNS変更で見落としやすいのが復元ポイントです。Porkbunのネームサーバー上では、日付つきの復元ポイントが残り、誤った編集で壊れたゾーンを前の版と比べて戻せます。Claudeに一括変更を頼む前に、この機能があることを知っておくと安心です。
取り消せない操作をClaudeの設定で止める
Porkbun側のガードレールは強力ですが、Claude側にも二重の網を張れます。購入ツールを実行前に必ず確認させる設定が、その一例です。
Claude Codeでは、.claude/settings.jsonにpermissionsを書きます。次はツール名の確認が取れているregister_domainを例にした形です。
{
"permissions": {
"ask": ["mcp__porkbun__register_domain"]
}
}更新や移管のツール名は、/mcpでporkbunを開くと一覧で確認できます。名前を確かめて、askに足していきます。購入そのものを禁じたいなら、前節の/mcp/no-purchasesのほうが確実です。
プロジェクトのCLAUDE.mdには、運用ルールを短く書いておきます。
## Porkbun(ドメイン操作)
- 登録・更新・移管の前に、必ず dry_run で金額を確認し、ドル建てで私に伝える
- DNSの変更は、先に現在のレコードを一覧し、変更前後の差分を見せてから実行する
- MX・NS・DNSSECのレコードは、私が明示したときだけ触る三つ目のルールは、公式の説明にある「DNSの間違いはサイトとメールを止める」という警告から引いています。MXやNSの変更はメールの到達にも響くためです。
課金に関わる仕組みを押さえる
Porkbunのドキュメントが挙げる、お金に関わる仕組みは次のとおりです。
お金を守る5つの仕組み
ドライラン
登録・更新・移管、および破壊的なDNS・ネームサーバー変更に
dryRunを付けると、価格と成否だけを確認でき、実行はされません。MCPのツールではdry_runとして使えます。冪等キー
書き込みには冪等キーが自動で付き、24時間以内の再試行は元の結果を返します。二重課金を防ぎます。
月間の支出上限
購入額とチャージ額を合わせた上限が、初期値で月100ドルです。変更できるのはアカウント所有者がWebサイトから行う場合だけです。
金額はセント単位
金額の引数は名前の末尾が
_centsで、cost_cents: 1108は11.08ドルです。承認画面に出る数字が読み違えにくくなります。購入は前払いクレジットから
購入は前払いのアカウントクレジットを使います。カードに請求が走るのは、承認したチャージや自動チャージ、承認したStripe Link決済に限られます。
クレジットが足りないとき、エージェントはUSDC(x402)やStripe Linkのウォレットで直接支払う経路も使えます。これらの経路はAPIキーの権限とは別に提示されるため、/mcp/no-topupsのように「カードを動かすツール自体を出さない」選択が効いてきます。
キーを自分で作るなら、権限は最小にする
ローカル型でAPIキーを使う場合は、Porkbunが示す手順に従うとキーを作る手間が減ります。request_api_keyというツールを使うと、Claudeがブラウザでの承認を依頼し、必要な権限だけを選んだキーを受け取れます。
権限(スコープ)はread、dns、domains、email、hosting、purchase、funding、accountの8種類で、readは常に含まれます。購入せずにすべてを管理するなら、dns、domains、email、hosting、accountを指定します。DNSだけ任せたいときはdnsを選びます。承認画面で、要求より少ない権限に絞ることもできます。
秘密キー(sk1_)は、受け取るときに1回しか返されません。保存を忘れたら、新しいキーを作り直します。そのうえでアカウントのAPIページから、そのキーを扱うドメインとIPに絞り、権限を「Manage, but no purchases」などに設定します。作成後はpingツールを呼び、返ってくるscopesで実際の権限を確かめてから使います。
資格情報なしで試す3つの方法
本番のドメインに触る前に、Porkbunは次の3つを用意しています。
search_docsとread_doc: APIキーなしでドキュメントを検索・読むmock_call: 任意のエンドポイントに対する、スキーマどおりの例示レスポンスを返す- サンドボックスキー(
pk1_sb_で始まる): 本物のレジストリ操作も課金もなしで、全ライフサイクルを試す。レスポンスに"sandbox": trueが付き、webhookも届く
サンドボックスキーを使うときは、ローカル型で起動します。ホスト型の既定の/mcpには、サンドボックス専用ツールが含まれません。
詰まったときの切り分け
接続や認証で詰まりやすい点を、症状別にまとめます。
| 症状 | 確かめること |
|---|---|
| ツールが出てこない | 確かめることMCPクライアントを再起動する。多くのクライアントは追加後の再起動が必要で、Claude Codeは実行中に反映される場合もある |
Invalid API key | 確かめること公開キーと秘密キーの取り違え、または未有効のキー。pingは不正なキーだとエラーになる |
| 購入が拒否される | 確かめることメールと電話番号の確認が済んでいるか。購入には両方の確認が必要 |
| Claudeが購入ツールを見つけられない | 確かめること/mcp/no-purchasesで接続していないか |
| 登録できないTLDがある | 確かめること登録要件を取得するツールで、そのTLDがAPI経由で登録できるか、必要な項目は何かを先に調べる |
GitHubやMCPのディレクトリには、Porkbun APIを包んだ非公式のMCPサーバーがほかにもあります。Porkbunはこれらをレビューもサポートもしていないと明記しており、公式はホスト型のmcp.porkbun.comと、npmの@porkbunllc/mcp-serverの2つです。
ほかのドメイン系MCPとの違い
ドメインをClaudeから扱うMCPは、どこまで操作できるかで性格が分かれます。
| サーバー | 空き確認 | DNS変更 | 購入 |
|---|---|---|---|
| Porkbun | 空き確認できる | DNS変更できる | 購入できる(絞れる) |
| GoDaddy | 空き確認できる | DNS変更できない | 購入できない |
| ムームードメイン | 空き確認できる | DNS変更できる | 購入見積もりから購入手続きまで |
候補名を一括で調べるだけなら、認証不要で読み取り専用のGoDaddy MCPによる空き確認の手順が手軽です。日本のレジストラで使うならムームードメインのMCP接続があり、ドメインとDNSを同じ会話で扱う構成はHostinger MCPの記事も参考になります。
まとめ
Porkbun MCPは、ホスト型ならサインインだけで、ローカル型ならAPIキーの権限設定で、Claudeの手の届く範囲を決められます。買う権限を渡すかどうかが最大の分かれ目で、渡さないなら/mcp/no-purchasesを選ぶだけで済みます。
渡すなら、月の支出上限、キーのドメイン制限、dry_runでの事前確認を重ねます。DNSの書き換えは復元ポイントがあるとはいえ、MXとNSには慎重に。まずsearch_docsとサンドボックスで挙動を見てから、実際のドメインに進む順番がおすすめです。