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メディアクリッピングをClaude Researchで作る — 掲載記事の収集から表まで

メディアクリッピングをClaude Researchで作る — 掲載記事の収集から表まで

自社名の報道をResearchで集め、媒体・日付・論調・引用箇所の表にする手順です。検索で拾えない紙面や有料記事の扱いと、裏取りの入れ方も押さえます。

自社名が載った記事を週に一度まとめて、媒体・日付・論調・引用箇所の表にする。広報の定番業務ですが、検索窓を何度も叩いて貼り付ける作業に半日かかることも珍しくありません。ClaudeのResearchは、この「集める」部分を会話で肩代わりできます。

ただし、Researchが読むのはWeb上で検索にかかるページです。紙面や会員限定の記事は、表の外に残ります。この記事では、依頼文の組み立て、表の列設計、拾えない範囲の線引き、人が見るべき裏取りの順に説明します。

Researchでクリッピングを集める前提

Researchは、有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)でClaudeのWeb版、デスクトップ、モバイルを使うときに使えます。ヘルプ記事には「Researchを機能させるにはWeb検索をオンにする必要がある」と明記されています。無料プランでは、この記事の手順は使えません。

有効にする操作は、チャット欄左下の「+」から「Research」を選ぶだけです。画面下部に青い表示が出て、もう一度押すとオフになります。Team・Enterpriseでは、Web検索そのものを組織の管理者(OwnerまたはPrimary Owner)が「Organization settings > Capabilities」で先に有効にする必要があります。

Researchは1つの質問から複数の検索を連鎖させ、結果に応じて次に調べる対象を自分で決めます。回答には確認しやすい引用が付きます。クリッピングのように「同じ名前を、言い回しを変えて何度も探す」作業と相性がよい仕組みです。

Research全体の使い方はClaudeリサーチの使い方にまとめています。ここからは、クリッピングに絞った話です。

依頼文に入れる4つの条件

「うちの会社の記事を探して」だけでは、同名の別会社や過去の記事まで混ざります。次の4点を先に渡すと、拾う範囲が定まります。

依頼文

クリッピング依頼で先に決めておくこと

  • 検索語のゆれ

    正式名称、略称、英語表記、主力製品名、代表者名を並べます。表記ゆれ1つで、拾える記事が数本変わります。

  • 期間

    「9月1日から9月30日まで」のように日付で区切ります。「最近」と書くと、Claudeが判断する範囲がぶれます。

  • 除外する語

    同名の別組織や、別業界の同じ言葉を挙げて外します。除外の指定は、取りこぼしより混入を減らす側に効きます。

  • 出力の列

    後で表に貼れるよう、列名を依頼文の中で指定します。次の節で列の設計を扱います。

「日本の」「国内メディアで」と書いておくのも有効です。ヘルプ記事によると、Claudeは地域に合わせた結果を求められたとき、IPアドレスから推定した所在地を使うことがあります。海外から接続しているときに備えて、対象の国を文面で固定しておきます。

調査の始まりで動かないときの対処も、ヘルプ記事にあります。Researchをオンにしても調べ始めないなら、依頼文に「Claude, please use the research tool to…」と書いて促します。

表の列は「後で人が判断できる」ものにする

列の選び方で、表の使い勝手が決まります。報告書に使うことを考えると、次の7列が基本形です。

列名入れる内容注意点
掲載日入れる内容記事の公開日注意点更新日と区別する
媒体名入れる内容掲載された媒体注意点正式名称で統一する
見出し入れる内容記事のタイトル注意点原文のまま写す
URL入れる内容記事のアドレス注意点全件に付ける
論調入れる内容好意的・中立・批判的注意点判断の根拠を1行添える
引用箇所入れる内容自社に触れた部分注意点原文の一部だけ
裏取り状況入れる内容本文を開いたか注意点未確認は空欄にしない

最後の「裏取り状況」は、普通のクリッピング表にない列です。Claudeが集めた行のうち、本文まで読んで書いた行と、検索結果の要約から書いた行を区別するために置きます。この列が空だと、表の信頼度が見えません。

次は、そのまま貼れる依頼文の例です。社名と期間は自社のものに置き換えます。

Researchで、2026年9月1日〜9月30日に国内メディアで公開された、
「株式会社サンプル」(英語表記: Sample Inc.、略称: サンプル)に
言及する記事を集めてください。同名の別組織は除外します。
 
出力は表で、列は次の順にしてください。
掲載日 / 媒体名 / 見出し / URL / 論調 / 引用箇所 / 裏取り状況
 
- 論調は「好意的・中立・批判的」のどれかと、判断の根拠を1行で
- 引用箇所は自社に触れた部分を原文のまま短く(要約しない)
- 裏取り状況は「本文を読んだ」「検索結果のみ」のどちらかで書く
- 見つからなかった期間・媒体があれば、その旨を表の下に書く

「要約しない」と「見つからなかった範囲を書く」の2行は、後の確認作業を軽くします。引用が要約されると、原文と突き合わせたときに差分の原因を探すことになります。

論調は人の判断で上書きする

論調の列は、Claudeが記事の書きぶりから振り分けます。ただし、同じ記事でも広報担当と経営層で読みが分かれることがあります。ヘルプ記事が示す精度の保証は、引用が付くことまでです。分類の妥当性は保証の外にあります。

運用としては、次の流れが現実的です。

手順

論調の列を確定させる流れ

  1. 1

    Claudeに初回の分類を出させる

    根拠の1行を必ず付けさせます。根拠が薄い行は、その時点で見当がつきます。

  2. 2

    批判的と判定された行から本文を開く

    件数が少なく、対応に直結する行から確認します。好意的な行は、時間があるときに抜き取りで確かめます。

  3. 3

    判断を直した列を自社の基準として残す

    「製品名が見出しにあれば好意的」のような自社の基準を、次回の依頼文に書き足します。

3段目が肝心です。基準を依頼文に残すと、翌月の分類がぶれにくくなります。

検索で拾えないもの

ここがこの記事の中心です。Researchが拾うのは、Web検索で見つかる公開ページです。ヘルプ記事に載っている制約は次のとおりで、クリッピングに当てはめると影響は明らかです。

  • 検索の可用性は、接続の状況によって変わることがある
  • ウェブサイトのリンクが機能しないことがある
  • 重要な情報は、引用元を突き合わせて確かめる

紙面と会員限定記事については、Researchのヘルプ記事にもWeb検索のヘルプ記事にも記載がありません。有料記事の本文を読めるとも読めないとも書かれていないので、拾えた範囲は「検索結果に出た見出しと冒頭」までと見て扱うのが安全です。

掲載の種類Researchでの扱い対処
無料で公開されたニュースサイトResearchでの扱い拾える見込みが高い対処表に載せ、本文を開いて裏取り
会員限定・有料記事Researchでの扱い本文の中身は保証されない対処見出しだけ表に載せ、本文は人が読む
紙面(新聞・雑誌)Researchでの扱い検索にかからない対処切り抜きや電子版の目次から手入力
テレビ・ラジオResearchでの扱い検索にかからない場合が多い対処放送リストから手入力
SNS・動画の投稿Researchでの扱い範囲が読めない対処専用のモニタリング手段で別に集計

表の下半分は、Researchの外で埋める行です。クリッピング表に「Claudeが集めた範囲」と「人が足した範囲」の別を残しておくと、報告書を読む側が網羅性の見当をつけられます。

有料の報道監視ツールを契約済みなら、取得の入口はそちらのほうが広くなります。契約があるチームは、ClaudeとMeltwaterの連携やClaudeとBrand24の連携の記事が手順を扱っています。契約がない場合に、Web検索だけで始めるのが本記事の位置です。

集めた行を、本文まで読ませて裏取りする

初回の表には、検索結果の要約から書かれた行が混ざります。2回目の依頼で、本文を開かせます。

Web検索がオンのときは、URLを渡すとClaudeがそのページの内容を直接取得して分析できます。表の「URL」列を使い、次のように頼みます。

上の表のうち、裏取り状況が「検索結果のみ」の行について、
URLのページを開いて本文を読み、次を直してください。
- 掲載日が違えば直す
- 引用箇所を本文の原文に差し替える
- 本文に自社名がなかった行は「該当なし」と書いて理由を添える
- 開けなかったURLは、裏取り状況に「取得不可」と書く

「該当なし」を許す一文が大切です。検索の都合で、自社名が実は本文に出てこない記事が混ざることがあります。この指示がないと、Claudeは行を残そうとして、本文にない引用を作りかねません。

無料プランでは、長い記事のURLを渡すと本文全体がコンテキストに取り込まれ、使用量を大きく消費するとヘルプ記事に書かれています。Researchを使う有料プランでも、Researchは通常の会話より速く使用量を使う可能性があるとされています。月初に1か月分をまとめて頼む運用は、上限に当たりやすくなります。週次で分けるほうが安全です。

転載された同じ記事を1行にまとめる

通信社の配信記事やポータルサイトへの転載は、同じ本文が複数のアドレスで見つかります。そのまま表にすると、1本の報道が5行に化け、件数の集計が膨らみます。

裏取りの依頼に、重複の扱いを1行足しておきます。「同じ本文の記事は1行にまとめ、掲載先のURLを備考に並べる」といった指示です。どれを代表行にするかは、初出の媒体か、読者が多い媒体かを自社で決めておきます。決めておかないと、実行のたびに代表行が入れ替わり、前週との比較が崩れます。

重複を畳んだあとも、集計は人が目を通してください。見出しだけ少し書き換えられた転載は、Claudeが別記事と数えることがあります。

表をファイルにして、報告書へつなぐ

集計結果は、会話から離れて社内に回す形にします。コード実行とファイル作成が有効なら、Claudeは表をExcel(.xlsx)で作ってダウンロードできる形にします。Word(.docx)、PowerPoint(.pptx)、PDFにも対応し、Googleドライブへの保存もできます。

確定した表を、Excelファイルにしてください。
シート1は一覧(7列)、シート2は媒体別の件数と、論調の内訳の集計にします。

アップロードとダウンロードのファイルサイズは、1ファイル30MBまでです。クリッピング表は文字が中心なので、通常はこの上限に当たりません。

Team・Enterpriseでは、この機能が組織の設定に左右されます。ファイルが作れないときは、管理者側の設定を疑います。

掲載記事の扱いで気をつけること

記事の著作権や、本文の引用の範囲は、Claudeの機能の外の話です。社内で回す資料でも、外部に出す資料でも、見出し、媒体名、リンク、必要最小限の引用に絞るのが無難です。自社の広報規程や法務の判断に従ってください。

もう1つは、Claudeが提示した引用元リンクを使い、必ず元のページに戻る習慣です。引用が付くことと、内容が正確であることは別の話です。数値や日付、固有名詞を含む行は、報告書に載せる前に原文で照合します。

まとめ

ResearchでクリッピングをWebから集める流れは、検索語と期間と除外語を依頼文で固定し、7列の表で出させ、本文まで読ませて裏取りし、ファイルにする、の順です。紙面、テレビ、会員限定記事は、表の「人が足す範囲」として別に管理します。

Web検索だけで始められる反面、拾える範囲の外側が見えないのが弱点です。表に「裏取り状況」の列を残し、集めた範囲と人が足した範囲を分けておけば、報告を受ける側にも網羅性の見当がつきます。

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