Claude Scienceの料金と対応プラン — Pro・Max・Team・Enterpriseの違い
Claude Scienceのアプリ自体は追加料金なしで、Pro・Max・Team・Enterpriseで使えます。Freeは不可。研究者向けTeamプランは申し込みから12か月、Standard座席が$0です。
Claude Scienceの料金は、アプリ単体では追加でかかりません。Pro・Max・Team・Enterpriseのいずれのプランでも使えるアプリで、利用量はプランの利用枠から消費されます。Freeプランでは使えません。無料に近い入口は、学術・非営利の研究者が認定を受けて使えるTeam plan for scientistsのStandard座席($0/月、12か月間)です。
ただし「使える」の中身はプランで違います。ProとMaxはアカウントに紐づけるだけで使えますが、TeamとEnterpriseは組織のOwnerが有効化するまで誰も触れません。対応OSはmacOS・Windows・Linuxの3つです。
自分のアカウントで使えるか — サインインで止まったときの切り分け
対応プランはPro・Max・Team・Enterpriseの4つで、Freeプランでは使えません。有効化の方式はプランで分かれます。
| プラン | Claude Scienceの利用可否 |
|---|---|
| Pro | Claude Scienceの利用可否有効(管理者の操作は不要) |
| Max | Claude Scienceの利用可否有効(管理者の操作は不要) |
| Team | Claude Scienceの利用可否無効(組織のOwnerまたはPrimary Ownerが有効化するまで利用不可) |
| Enterprise | Claude Scienceの利用可否無効(同上。カスタムロールは権限の追加も必要) |
| Free | Claude Scienceの利用可否利用不可 |
インストールできてもサインインで止まることがあります。原因は主に4通りに分かれ、対処が違います。
- Freeプランのアカウントで入った: claude.aiのサインインが止まり、アップグレードが必要と案内されます。個人利用ならProかMaxへの登録が唯一の道です
- 所属組織が未有効化(TeamまたはEnterprise): 次のような趣旨のメッセージで止まります。「Your organization hasn't turned on Claude Science yet. Ask your admins for access.」という画面です。「Request access」を押すと、管理者の「Organization settings」>「Notifications」>「Requests」に依頼が届きます。管理者が有効化すれば依頼は解消され、再サインインで入れます
- ブラウザーで承認しても、アプリに戻らない: リモートサーバー上で使う場合などです。サインイン画面で「Paste code instead」を選び、「Open on web」から承認して、表示されたコードを貼り付けます
- 複数の組織に所属している: 個人アカウントと会社のアカウントが並ぶ人は、claude.aiが組織の選択を求めたときに会社側を選びます。Freeの個人アカウントを選ぶと「Claude Science requires a Pro or Max subscription.」と表示され、「Switch account」から選び直せます
Enterpriseで、組み込みロールではなくカスタムロールのメンバーが止まる場合は、ロール側の権限が原因です。次の節で扱います。端末側の設定配布はClaude Scienceのconfig.toml配布にあります。
管理者が有効化するとき — Team・Enterpriseの手順と落とし穴
TeamとEnterpriseは初期状態でオフです。有効化できるのはOwnerまたはPrimary Ownerのロールだけで、Adminロールはメンバー追加やシート割り当てはできても有効化はできません。
Team・Enterpriseで使い始めるまで
- 1
トグルをオンにする
「Organization settings」>「Claude Science」で「Enable for your organization」をオンにします。開いた「Turn on Claude Science」ダイアログを最後まで進めて確定するまで、何も保存されません。
- 2
アクセス範囲を確認する
Team組織は全メンバーに自動でアクセス権が付きます。Enterprise組織は組み込みロール(User・Admin・Owner・Primary Owner)に自動で付きます。カスタムロールは、すでに権限を持つものだけがダイアログに一覧されます。
- 3
コネクタを選ぶ
PubMed・Clinical Trials・ChEMBL・bioRxivの4つはAnthropicがホストするコネクタで、最初から選択済みです。確定すると組織の「Connectors」に追加され、claude.aiからも使えるようになります。
- 4
メンバーがダウンロードしてサインインする
メンバー追加やシートの割り当てだけでは有効化されません。トグルをオンにしたうえで、権限のあるメンバーがアプリを入れ、claude.aiのアカウントでサインインして初めて使えます。
Enterpriseでつまずきやすいのはカスタムロールです。ロールの「Capability access」が「All capabilities」なら最初からClaude Scienceを含みますが、「All generally available」はベータ機能を除外します。後者のロールでは「Claude Science」権限を個別にオンにする必要があります。この権限の下にはSSHホスト・Modal・メモリーなど、機能ごとに絞れる7つの権限がぶら下がっています。親をオンにすると7つも一緒にオンになるので、そのロールに持たせたくないものを後から外します。
オフにする側の挙動も押さえておきます。トグルを切ると、新規のサインインはできなくなります。サインイン済みのメンバーも数分以内に使えなくなり、新しいメッセージは受け付けられません。ページの他の設定値は保持され、再びオンにすると復活します。各メンバーのPCに保存済みのデータはそのまま残ります。
導入後の利用状況は、ユーザーメニューの「Analytics」にある「Claude Science」タブで見られます。Enterprise向けの管理者APIも使えます。GET /v1/organizations/analytics/usersが、メンバーごとのscience_metricsを返します。中身はセッション数・メッセージ数・専門エージェントへの委任回数・リモート計算ジョブ数・スキル呼び出し数です。
自分のPCで動くか — 対応OSと必要環境
2026年6月30日のベータ公開時点では、対応OSはmacOSとLinuxの2つだけでした。現在はWindows 11(x64)にも対応が広がり、macOS・Windows・Linuxの3プラットフォームで動作します(公開当初の経緯はClaude Scienceが研究者向けベータ提供開始にまとめています)。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| macOS | 要件13以降(Apple SiliconまたはIntel) |
| Windows | 要件11(x64) |
| Linux | 要件x64、glibcベースのディストリビューション |
| 空きディスク容量 | 要件約5GB(ランタイムと初期環境用) |
LinuxではsocatとbubblewrapのバージョンとLinuxカーネルの権限設定も条件に入ります。bubblewrapは0.8.0以降が必須で、Ubuntu24.04のリポジトリは条件を満たしますがUbuntu22.04は満たしません。加えて、unprivilegedユーザー名前空間がカーネルで許可されている必要があります。
Windows版には固有の制約があります。ローカルのNTFSまたはReFSドライブ上のフォルダーしか指定できず、ネットワーク共有・マップされたネットワークドライブ・FATやexFATのドライブ(多くのUSBメモリやSDカードが該当)は対象外です。ドライブ全体(D:\など)も付与できないので、ファイルはローカルフォルダーにコピーするか、チャットに添付します。カスタムコネクタはnpx・node・pythonまたはプログラムのフルパスで起動するものに限られ、npm経由や.cmd・.bat・.ps1ファイル経由の起動は使えません。設定画面のModel endpoints(NVIDIA BioNeMo NIM連携)もWindowsでは表示されません。
Windows機でLinux版を使いたい場合は、WSL2(WSL1は不可)のUbuntu24.04以降で通常のLinux手順を実行します。この場合、データフォルダーがWindows側のドライブ(/mnt/*)にあると「The database is on /mnt/*」で止まるため、Ubuntuのホームフォルダーに置きます。SSHの設定もWindows側ではなくUbuntuの~/.sshが読まれます。
インストール手順 — OSごとの入手経路
macOSとWindowsは、claude.com/product/claude-scienceからインストーラーをダウンロードして開くだけです。Windows版のインストーラーはAnthropic, PBCの署名付きで配布されています。初回起動時にサンドボックスとPython・R環境のセットアップが走るため、数分待つ必要があります。
Linuxはコマンドラインでの導入です。まず依存パッケージを入れます。
# Ubuntu/Debianの場合
sudo apt-get update && sudo apt-get install -y curl bubblewrap socat依存パッケージが揃ったら、インストールスクリプトを実行して起動します。
curl -fsSL https://claude.ai/install-claude-science.sh | bash
claude-science serveデータはmacOSとLinuxでは~/.claude-science、Windowsでは%USERPROFILE%\.claude-scienceに保存されます。サインインはブラウザ経由でClaudeアカウントに接続する方式で、APIキーは不要です。研究室のLinuxサーバーやHPCのログインノードに入れて手元のブラウザから使う構成は、Claude ScienceをHPCへ接続する手順で扱っています。
初回起動の失敗は、表示されるメッセージで原因を絞れます。
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
| macOSで「アプリケーションはサポートされていません」、またはアイコンに斜線 | 原因と対処Mac(Intel)とMac(Apple Silicon)のビルドの取り違え。Appleメニューの「このMacについて」でチップを確認し、選び直す |
| Windowsでアプリウィンドウ用エンジンのセットアップ失敗 | 原因と対処初回に約150MBをdownloads.claude.aiから取得する。社内ネットワークではこのドメインの許可をIT部門に依頼する |
Sandbox unavailable: bwrap not found on PATH | 原因と対処bubblewrapが未導入、またはPATHに無い。ディストリビューションごとのコマンドで導入する |
Sandbox unavailable: bwrap too old | 原因と対処bubblewrapが0.8.0未満。bwrap --versionで確認して更新する |
LinuxのインストーラーがThe download service may be unreachable, or not yet available in your regionで停止 | 原因と対処storage.googleapis.comから最新版を取れていない。ネットワークの許可を確認する。提供地域はclaude.aiと同じ |
Windowsで、ファイルを確認できなかったためインストールされなかったという表示が出た場合は、開いたコピーは動くもののインストールはされていません。インストーラーを再ダウンロードして開き直し、それでも出るなら発行元の署名を検証できていないため、IT部門に確認します。
プランを移ったとき、以前のプロジェクトはどうなるか
Claude Scienceはプロジェクト・成果物・会話履歴を、インストールしたPCの中に保存します。Claudeアカウントには同期されないため、別のPCでサインインすると空の状態から始まり、以前の作業は元のPCに残ります。プランや利用枠、組織のスキルはアカウントに付いてくる一方、メモリー・設定・アプリ内で追加したコネクターはPCごとの保存です。
同じPCでも、サインインごとに作業は別のフォルダーに分かれます。個人プランのあとにTeamプランでサインインすると、ホーム画面上部のバナーから以前の作業へ「Review」でアクセスできます。フォルダーを選び、「Copy」(元にも残る)か「Move」(元から消える)を選びます。認証情報(APIキーやコネクターのサインイン)はコピーされず、元のフォルダーに残ります。Team・Enterpriseでは、この取り込みを許すかどうかを管理者が決め、Enterpriseでは既定でオフです。
追加料金はいつ発生するか — 利用枠と上限到達時の挙動
Claude Scienceアプリ単体の追加課金はありません。利用量はClaude CodeやCoworkと同じ利用枠から消費されます。アプリ内の「Settings」>「Usage」で、使用量と各上限のリセット時刻を確認できます。プランの価格を超えて支払うのは、次の3つの場合だけです。
| 場合 | 内容 |
|---|---|
| 利用クレジット・追加利用 | 内容ProとMaxは、アプリ内の「Settings」>「Usage」で利用クレジットをオンにして上限超過後も続けられ、月間の支出上限もそこで決めます。Teamでは同じ仕組みが追加利用(extra usage)と呼ばれ、管理者がオンにします。アプリ内の「Usage credits」を変更できるのはProとMaxだけです |
| 従量課金のEnterprise | 内容固定の利用上限の代わりに、座席料金に加えて使った分を組織が支払います。管理者が設定した支出上限の範囲内です |
| 自分のアカウントで接続する外部サービス | 内容Modalなどは各サービスから直接請求され、Anthropicは請求しません |
一部のプランでは、特定のモデルの利用に利用クレジットが必要です。どのモデルがどのプランに含まれるかは、Claudeのプラン比較に料金と合わせてまとめています。
上限には5時間ごとにリセットされる枠と週次の枠があります。近づくとセッションを続けるかどうかを尋ねられ、5時間の枠では「Keep going」か、リセットまで保留するかを選べます。週次の枠の警告に出る選択肢は「Keep going」だけです。
上限に達したあとの動きは、クレジットがない場合、リセットまでの時間で2通りに分かれます。
上限に達したときのセッション
クレジットなし・リセットまで8時間未満
セッションは一時停止し、入力欄に再開時刻が出ます。Claude Scienceを開いたままにしておけば、リセット後に中断した続きから再開します。
クレジットなし・リセットまで8時間超
最長8時間だけ一時停止したあと停止し、リセット時刻が表示されます。週次の枠で起こりえます。リセット後は「Resume」を押すか、メッセージを送ると続けられます。
利用クレジットまたは追加利用をオンにしている場合は、既定でクレジットを使って続けるかどうかが尋ねられ、答えるまでセッションは待機します。続けないと答えると、リセットまで待つか、リセットが8時間より先なら停止します。どの場合も会話と成果物は保持されます。
Claude Team plan for scientists — 申し込みから12か月はStandard座席が$0
学術・非営利の研究機関の研究者には、割引価格の「Claude Team plan for scientists」が用意されています。主宰研究者(PI)として所属機関を確認し、研究内容を簡単に伝える申請です。ほとんどの申請は5〜7営業日以内に審査され、承認のメールが届けばすぐにシートを追加できます。
Team plan for scientistsの座席価格(認定後)
Standard
$0/月
通常$20/月。Claude Science・Code・Coworkを含む
Premium
$15/月
通常$100/月。利用量5倍と長時間解析の上限緩和
表示は米国基準の税抜額で、日本での税の扱いは案内に書かれていません。優遇価格は申し込みから12か月間の期間限定です。1グループあたり1〜25シートまで申し込め、それ以上は個別相談です。年間契約なら1シートあたり$0または$180の一括払いも選べます。
90日間利用が無いグループは、通常のTeam料金に戻される場合があります。優遇シートを稼働中の研究者に回すためで、戻す前に管理者へメールが届きます。
さらに大規模な計算資源が必要なグループ向けに、Anthropicは「AI for Science」という助成プログラムを設けています。Claude Science公開時の発表では、最大50件のプロジェクトにクレジットが最大$30,000、Modalも対象プロジェクトに最大$2,000分の計算資源を提供する枠組みでした。応募は2026年7月15日で締め切られ、採択結果は7月31日までに通知される予定でした。プロジェクト期間は2026年9月1日から12月1日です。
Team plan for scientistsの認定を受けたグループは、既存の利用枠を超える段階でAI for Scienceに追加のクレジットを申請できます。審査制で、案件ごとの妥当性で判断されます。プログラム全体の位置づけはAI for Science programの概要にあります。
まとめ
個人はProかMaxなら手続き不要で、サインインで止まったときは、Free・組織の未有効化・組織の選び間違い・承認後にアプリへ戻らない、のどれかを疑います。組織ではOwnerの有効化に加え、Enterpriseのカスタムロールの権限設定がもう一つの関門です。実際の解析での使われ方はClaude Scienceは研究者のどんな作業を代替するか、成果物の再現性の仕組みはClaude Scienceは再現性をどう担保するかで扱っています。
参照した一次ソース
この記事の記述は、次の一次ソースと照合しています。更新時に参照先が変わった場合は一覧も更新します。
- claude.com/product/claude-science
- claude.com/docs/claude-science/overview
- claude.com/docs/claude-science/get-started
- claude.com/docs/claude-science/enable-claude-science
- claude.com/docs/claude-science/monitor-usage
- claude.com/programs/team-plan-for-scientists
- claude.com/docs/llms.txt
- anthropic.com/news/claude-science-ai-workbench
- claude.com/docs/claude-science/multiple-computers