Claude Scienceの対応プランと料金 — Pro・Max・Team・Enterpriseの違い
Claude ScienceはPro・Max・Team・Enterpriseで使えますが、有効化の手順とOS対応、料金の仕組みはプランごとに異なります。
Claude Scienceは、Pro・Max・Team・Enterpriseのいずれのプランでも使えるアプリです。ただし「使える」の中身はプランで違います。ProとMaxはアカウントに紐づけるだけで使えますが、TeamとEnterpriseは組織の管理者が有効化するまで誰も触れません。対応OSはmacOS・Windows・Linuxの3つで、料金は基本的に既存プランの利用枠に含まれます。
Claude Scienceはどのプランで使えるか
対応プランはPro・Max・Team・Enterpriseの4つで、Freeプランでは使えません。ただし有効化の方式がプランで分かれています。
| プラン | Claude Scienceの利用可否 |
|---|---|
| Pro | Claude Scienceの利用可否有効(管理者の操作は不要) |
| Max | Claude Scienceの利用可否有効(管理者の操作は不要) |
| Team | Claude Scienceの利用可否無効(組織の管理者が有効化するまで利用不可) |
| Enterprise | Claude Scienceの利用可否無効(組織の管理者が有効化するまで利用不可) |
| Free | Claude Scienceの利用可否利用不可 |
Freeプランのアカウントでサインインしようとすると、「Claude Scienceの利用にはProまたはMaxへの登録が必要です」という表示に止められます。個人利用なら、この時点でPro以上へのアップグレードが唯一の選択肢です。
TeamとEnterpriseでは、組織設定の「Claude Science」ページでトグルを操作します。ここを切り替えられるのはOwnerまたはPrimary Ownerロールのメンバーだけです。Adminロールはメンバー追加やシート割り当てはできても、有効化そのものはできません。有効化すると、Team組織は全メンバーに自動でアクセス権が付き、Enterprise組織は組み込みロール(User・Admin・Owner・Primary Owner)に自動で付与されます。Enterpriseのカスタムロールは個別に「Claude Science」権限を追加する必要があり、権限設定が「All generally available」のロールはベータ機能を含まないため見落としやすいポイントです。
対応OSと必要環境の違い
2026年6月30日のベータ公開時点では、対応OSはmacOSとLinuxの2つだけでした。現在はWindows 11(x64)にも対応が広がり、macOS・Windows・Linuxの3プラットフォームで動作します(公開当初の経緯はClaude Scienceが研究者向けベータ提供開始にまとめています)。
必要環境は次の通りです。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| macOS | 要件13以降(Apple SiliconまたはIntel) |
| Windows | 要件11(x64) |
| Linux | 要件x64、glibcベースのディストリビューション |
| 空きディスク容量 | 要件約5GB(ランタイムと初期環境用) |
LinuxではsocatとbubblewrapのバージョンとLinuxカーネルの権限設定も条件に入ります。bubblewrapは0.8.0以降が必須で、Ubuntu24.04のリポジトリは条件を満たしますがUbuntu22.04は満たしません。加えて、unprivilegedユーザー名前空間がカーネルで許可されている必要があります。Windowsでは一部機能がMicrosoft Visual C++再頒布可能パッケージ(x64)に依存するため、未導入の環境ではMicrosoftのダウンロードページから入れておきます。
Windows版には固有の制約もあります。ローカルのNTFSまたはReFSドライブ上のフォルダーしか指定できず、ネットワーク共有・マップされたネットワークドライブ・FATやexFATのドライブ(多くのUSBメモリやSDカードが該当)は対象外です。カスタムコネクタはnpx・node・pythonまたはプログラムのフルパスで起動するものに限られ、npm経由や.cmd・.bat・.ps1ファイル経由の起動は使えません。設定画面のModel endpoints(NVIDIA BioNeMo NIM連携)もWindowsでは表示されません。なお、Windows機でLinux版のコマンドライン版を使いたい場合は、WSL2(Ubuntu24.04以降)上で通常のLinux手順をそのまま実行できます。
インストール手順 — OSごとの入手経路
macOSとWindowsは、claude.com/product/claude-scienceからインストーラーをダウンロードして開くだけです。Windows版のインストーラーはAnthropic, PBCの署名付きで配布されています。初回起動時にサンドボックスとPython・R環境のセットアップが走るため、数分待つ必要があります。
Linuxはコマンドラインでの導入です。まず依存パッケージを入れます。
# Ubuntu/Debianの場合
sudo apt-get update && sudo apt-get install -y curl bubblewrap socat依存パッケージが揃ったら、インストールスクリプトを実行して起動します。
curl -fsSL https://claude.ai/install-claude-science.sh | bash
claude-science servebwrap --versionでbubblewrapのバージョンを確認してから実行すると、起動失敗の原因切り分けが早くなります。データはmacOSとLinuxでは~/.claude-science、Windowsでは%USERPROFILE%\.claude-scienceに保存されます。サインインはブラウザ経由でClaudeアカウントに接続する方式で、APIキーは不要です。
初回起動でつまずきやすい点も公式ドキュメントにまとまっています。macOSで「アプリケーションはサポートされていません」と出る、またはアイコンに斜線が入る場合は、Mac(Intel)とMac(Apple Silicon)を取り違えたダウンロードが原因です。Appleメニューの「このMacについて」でチップの種類を確認し、正しいビルドを選び直します。Windowsでは初回起動時にアプリウィンドウ用のエンジン(約150MB)をdownloads.claude.aiから取得するため、社内ネットワークではこのドメインへのアクセス許可が必要です。取得に失敗すると「アプリウィンドウエンジンのセットアップに失敗しました」という表示になります。
手元の端末ではなく、研究室のLinuxサーバーやHPCのログインノードにインストールして、手元のブラウザから使うことも想定されています。この場合はリモート側でLinux版をセットアップし、SSHトンネル経由でサインインリンクをブラウザに届ける構成を取ります。プロジェクトのデータはインストールした計算機ごとに独立して保存される設計のため、複数の計算機を使い分けると、計算機Aで作ったプロジェクトは計算機Bには表示されません。
料金の仕組み — 個人・チーム・アカデミックでどう違うか
Claude Scienceアプリ単体の追加課金はありません。利用量は各メンバーの通常の週次利用枠から消費され、claude.aiの他の機能と同じシートを使います。レビュー機能(the-reviewer)の実行もこの利用枠を消費します。ProまたはMaxのアカウントであれば、既存プランの利用枠の範囲でそのまま使えます。TeamとEnterpriseも同様に、既存の契約に含まれる形で有効化されます。Enterpriseで導入時の要件をすり合わせたい場合は、ドキュメントを確認したうえで営業チームに問い合わせる案内になっています。
学術・非営利の研究機関には、割引価格の「Claude Team plan for scientists」という専用プランが用意されています。主宰研究者(PI)としての所属確認を経て、5〜7営業日で審査結果が届きます。
| シート種別 | 通常価格 | 認定後の価格 |
|---|---|---|
| Standard | 通常価格$20/月 | 認定後の価格$0/月 |
| Premium | 通常価格$100/月 | 認定後の価格$15/月(利用上限が5倍、長時間解析の上限も緩和) |
この優遇価格は認定から12か月間の期間限定で、1グループあたり1〜25シートまで申し込めます(それ以上は個別相談)。年間契約なら$0または$180/シートでの一括払いも選べます。90日間利用が無い場合は通常のTeam料金に戻される場合があり、非アクティブな優遇シートを他の研究者へ回す運用です。
さらに大規模な計算資源が必要なグループ向けに、Anthropicは「AI for Science」という助成プログラムを設けています。最大50件のプロジェクトを支援し、クレジットは最大$30,000です。Modalも対象プロジェクトに最大$2,000分の計算資源を追加提供する枠組みでした。Claude Science公開時の募集枠は2026年7月15日で応募を締め切り、採択結果は7月31日に通知されています。team plan for scientistsの認定を受けたグループは、既存の利用枠を超える段階でAI for Scienceに追加のクレジットを申請できます。審査制で、案件ごとの妥当性で判断される仕組みです。プログラム全体の位置づけはAI for Science programの概要にまとめています。
まとめ
個人でProまたはMaxに登録していれば、Claude Scienceは追加の手続きなしにすぐ使えます。組織アカウントの場合はOwnerまたはPrimary Ownerによる有効化が前提で、Enterpriseはロールごとの権限設定も忘れずに確認します。対応OSはmacOS・Windows・Linuxの3つに広がりましたが、OSごとに必要環境やインストール経路が異なるため、導入前に自分の環境が要件を満たしているかを確認してください。アカデミック・非営利の研究者は、通常のTeamやEnterpriseより先に、割引価格の専用プランを検討する価値があります。実際の解析での使われ方はClaude Scienceは研究者のどんな作業を代替するか、成果物の再現性の仕組みはClaude Scienceは再現性をどう担保するかで扱っています。