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Claudeで職業紹介の手数料率実績を集計する手順 — 人材サービス総合サイトの掲載値

Claudeで職業紹介の手数料率実績を集計する手順 — 人材サービス総合サイトの掲載値

職業紹介事業者は、職種別の平均手数料率の実績を人材サービス総合サイトに載せる必要があります。成約データから上位5職種の率を出す手順と、Claudeに検算させる指示、違約金規約の明示の点検を並べます。

有料の職業紹介事業者は、徴収した紹介手数料の実績を、職種別の平均手数料率として人材サービス総合サイトに掲載する必要があります。令和7年4月1日に施行された職業安定法の省令・指針の改正で加わった義務です。成約データさえ整っていれば、集計そのものは割り算1本で済みます。つまずくのは、何を分母と分子に入れ、どの職種を載せ、どこで丸めるかという前処理の側です。

この記事では、成約台帳から職種別の平均手数料率を出す手順を、Excelの式とClaude Codeのスクリプトの両方で示します。あわせて、同じ改正で加わった違約金規約の明示について、規約をClaudeに点検させる観点をまとめます。Claudeは集計と点検の下読みに使い、掲載する値と法令上の判断は事業者の側で確定させる前提です。

何を、いつまでに、どの単位で載せるか

掲載の要件は、厚生労働省のリーフレット「紹介手数料率の実績の公開と違約金規約の明示が必要になります」に整理されています。まず要点を表にします。

項目リーフレットの内容
対象の実績リーフレットの内容令和6年度に徴収した紹介手数料
掲載先リーフレットの内容人材サービス総合サイト
単位リーフレットの内容職種別の、常用就職1件当たりの平均手数料率
載せる職種リーフレットの内容常用就職の実績が多い上位5職種
載せなくてよい場合リーフレットの内容常用就職の実績が10件以下
掲載の時期リーフレットの内容職業紹介の事業報告の提出後、速やかに
翌年度以降リーフレットの内容令和7年度の職業紹介の事業報告以降も同様に掲載

常用就職は、4か月以上の有期雇用または無期雇用で雇われることを指します。3か月の有期契約や日雇いの紹介は、集計の対象から外れます。

「よくあるお問い合わせ」では、公開義務があるのは直近年度の上位5職種だけだと答えています。令和5年度以前の実績や、上位5職種に入らない職種を遡って載せる必要はありません。毎年の事業報告のたびに、その年度の分を載せ直す運用になります。

手順

掲載値が決まるまでの流れ

  1. 1

    常用就職だけを抜き出す

    雇用期間が4か月以上の成約に絞ります。

  2. 2

    職種ごとに件数を数える

    件数の多い上位5職種を選びます。

  3. 3

    手数料と予定年収をそれぞれ合計する

    常用就職の全件分を職種別に足します。

  4. 4

    割って丸める

    手数料の合計を予定年収の合計で割り、小数点第2位で四捨五入します。

計算式は「手数料の総額 ÷ 予定年収の総額」

平均手数料率は、取扱職種ごとに次の式で出します。

平均手数料率 = 求人者から徴収した手数料の総額(常用就職全件分)
              ÷ 求職者の予定年収の総額(常用就職全件分)

ここで気をつけたいのは、1件ごとの手数料率を出して平均する方法ではない点です。式は総額を総額で割る形なので、年収が高い案件ほど結果への影響が大きくなります。

たとえば、営業職の常用就職が3件あったとします。数字は説明用の架空の例です。

案件予定年収徴収した手数料件ごとの率
A予定年収4,800,000円徴収した手数料1,440,000円件ごとの率30.0%
B予定年収6,000,000円徴収した手数料1,800,000円件ごとの率30.0%
C予定年収5,200,000円徴収した手数料1,300,000円件ごとの率25.0%
合計予定年収16,000,000円徴収した手数料4,540,000円件ごとの率28.375%

3件の率の単純平均は28.3%ですが、総額で割ると28.375%になります。丸め方で結果が変わるので、次の節で扱います。

丸めと例外で迷うところ

リーフレットは、小数点第2位で四捨五入するよう求めています。割合の形(0.28375)で見るのか、百分率の形(28.375%)で見るのかは、リーフレットに書かれていません。百分率で第2位を四捨五入すれば28.4%、割合なら0.28です。入力欄がどちらの形かは人材サービス総合サイトの画面で決まるので、掲載前に入力画面の表示と照らしてください。

次の例外は、リーフレットに明記されています。

  • 定額制: 定額で手数料を徴収している場合は、平均手数料率の代わりに、その額を実績として掲載できます。
  • 併用: 定額と料率を併用している場合は、定額かどうかにかかわらず平均手数料率を算出します。

リーフレットに記載がなく、台帳の作り方に響く点も二つあります。

  1. 早期離職で返戻金を払い戻した案件の手数料を、返戻前の額で数えるか返戻後の額で数えるか。リーフレットは「徴収した手数料の総額」と書くだけで、返戻金の扱いには触れていません。
  2. 「常用就職の実績が10件以下の場合は掲載不要」の10件が、職種ごとの件数なのか事業者全体の件数なのか。Q&Aの文面は「常用就職の実績が10件以下の場合」とだけ書かれています。

どちらも、リーフレットの末尾にある都道府県労働局の需給調整事業の担当課室が問い合わせ先です。判断を決めたら、その根拠と日付を台帳の注記に残しておくと、翌年度の集計でも同じ基準を使えます。

成約台帳を集計できる形に整える

集計の精度は、台帳の列で決まります。最低限、次の列があれば足ります。

列内容注意
成約日内容就職(入社)日注意年度の区切りを決める日付を1つに固定する
職種内容取扱職種の名称注意表記ゆれを揃える(営業/営業職など)
雇用形態・期間内容無期、有期は月数注意4か月以上かの判定に使う
予定年収内容求職者の予定年収注意賞与・手当の含め方を契約書の定義に合わせる
徴収した手数料内容実際に請求した額注意定額案件と料率案件を区別する列を別に持つ

求職者の氏名や連絡先は、集計には要りません。Claudeに渡す前にこれらの列を落とし、案件IDだけを残した台帳にすると、個人情報を外部に出さずに済みます。

Excelの式で集計し、Claudeに検算させる

台帳に「常用就職か」を示す列(○と空欄)を足したうえで、職種別に合計を出します。職種名がA列にある集計表なら、式は次の形です。

件数:      =COUNTIFS(台帳!C:C,A2,台帳!H:H,"○")
手数料計:  =SUMIFS(台帳!G:G,台帳!C:C,A2,台帳!H:H,"○")
予定年収計:=SUMIFS(台帳!F:F,台帳!C:C,A2,台帳!H:H,"○")
平均率:    =ROUND(C2/D2*100,1)

列記号は自分の台帳に合わせて読み替えてください。ROUND(…,1) は、百分率で小数点第1位を残す(第2位を四捨五入する)書き方です。割合で掲載するなら ROUND(C2/D2,2) にします。

Claude for Excelが使える環境では、集計表のシートを開いたまま、次のように検算を頼めます。

「台帳」シートから常用就職(H列が○)だけを対象に、職種別の件数・手数料計・
予定年収計を別に計算し、「集計」シートの値と一致するか確認してください。
一致しない職種があれば、どの行が原因か(職種の表記ゆれ、空欄、文字列の数値)
を挙げてください。式は書き換えず、指摘だけにしてください。

最後の「式は書き換えず」は意図的です。掲載値の根拠になる集計表をClaudeに直接直させると、どこが変わったかが追えなくなります。指摘だけを受け取り、直すかどうかは人が決めます。

検算で拾いやすいのは、次のような崩れです。

  • 職種の表記ゆれで、同じ職種が2行に割れている
  • 予定年収が文字列として入り、SUMIFS に拾われていない
  • 有期の期間が「3」や「6」でなく「6か月」の文字列で入り、4か月以上の判定が外れる

台帳が大きいときはClaude Codeでスクリプトにする

案件数が多い場合や、毎年同じ集計を回す場合は、台帳をCSVにしてClaude Codeにスクリプトを書かせると、手順を再現できる形で残せます。依頼文には、リーフレットの条件をそのまま入れます。

ledger.csv(列: 成約日, 職種, 雇用期間月数, 予定年収, 手数料, 定額フラグ)から、
次の条件で職種別の平均手数料率を出す Python スクリプトを書いてください。
- 対象は成約日が令和6年4月1日〜令和7年3月31日で、雇用期間月数が4以上(無期は999)
- 職種ごとに 手数料の合計 ÷ 予定年収の合計 を出す(件ごとの率の平均にしない)
- 常用就職の件数が多い上位5職種だけを出力する
- 定額フラグが立つ行は料率の計算から外し、別の表に件数と額を出す
- 結果は百分率で小数点第1位に四捨五入し、件数と分子・分母も併記する

返ってくるスクリプトの骨格は、次のような形になります(説明用の例です)。

import pandas as pd
 
df = pd.read_csv("ledger.csv", parse_dates=["成約日"])
df = df[(df["成約日"] >= "2024-04-01") & (df["成約日"] <= "2025-03-31")]
df = df[df["雇用期間月数"] >= 4]                  # 常用就職
rate = df[df["定額フラグ"] == 0]
 
g = rate.groupby("職種").agg(
    件数=("手数料", "size"),
    手数料計=("手数料", "sum"),
    予定年収計=("予定年収", "sum"),
)
g["平均手数料率(%)"] = (g["手数料計"] / g["予定年収計"] * 100).round(1)
print(g.sort_values("件数", ascending=False).head(5))

実行した出力は、必ずExcelの集計表と突き合わせてください。2つの経路で同じ値が出れば、掲載値の裏付けになります。食い違うときは、スクリプトの条件(期間の境界、年度の区切り、定額の除外)が台帳の実態と合っていないことが多く、そのまま原因の切り分けに使えます。

Claudeに指示するときのコツは、集計の定義を依頼文に書き切ることです。「平均手数料率を出して」とだけ頼むと、件ごとの率の単純平均を返すことがあり、総額で割る定義とずれます。

台帳の集計に近い題材は、営業コミッションの計算を検算する手順にもあります。段階料率や返金調整を式で検算する流れが、返戻金のある手数料の扱いと重なります。ABC分析のように件数順に並べて上位を切る処理は、ABC分析の集計手順と同じ形です。

違約金規約の明示 — 規約を点検する観点

同じ改正で、求人者に対する違約金規約を設けている場合は、令和7年4月1日以降に求人の申込みがあった際に規約を明示することも求められるようになりました。従来から明示が義務だったのは、取扱職種の範囲等、手数料に関する事項、苦情の処理に関する事項、求人者の情報や求職者の個人情報の取扱いに関する事項、返戻金制度に関する事項です。今回、これに違約金規約が加わります。

明示の内容は、違約金の額、違約金が発生する条件、解除方法を含む契約の内容です。これを、分かりやすく明瞭かつ正確に記載した書面または電子メールその他の適切な方法で、あらかじめ求人者に誤解が生じないように示します。

リーフレットのQ&Aは、次の線引きを示しています。

Q&A

明示の方法で問われる点

  • ホームページの教示だけでは足りない

    該当箇所を教えるだけの案内や、画面上でスクロールして同意ボタンを押させる方法だけでは、求人者が同じ文面を再読できない可能性があり、適切な明示とはいえないとされています。

  • 書面か電子メールで手元に残す

    対面なら書面を手交し、非対面なら同様の書面を郵送または電子メールで送るのが基本です。同等の効果がある方法でも構いません。

  • 「違約金」の名称にこだわらない

    違約金という名前は例示で、事業の利用に関連して求人者が負担する金銭は、すべて誤解が生じないよう明示する扱いです。

  • 金額が定まらないなら算定方法を

    金額があらかじめ決まっていない場合は、算定方法を示して、求人者が想定していない請求を受けないようにします。

規約の適用範囲にも注意が要ります。採用を辞退した本人が別ルートで採用された場合に違約金を適用する規定や、利用契約の更新に関するルールも、明示すべき契約内容に含まれます。

また、令和7年3月31日までに求人の申込みがあった求人者には、改正指針は適用されません。ただしリーフレットは、後々のトラブルを避けるため、改正指針の趣旨を踏まえて対応するよう求めています。

Claudeに規約を点検させる

規約の文面を、次の観点でClaudeに照合させると、抜けの下読みになります。

添付の「求人者向け利用規約」を、次の6点について、該当する条文番号と原文の
抜粋を示してください。該当する記載が無い項目は「記載なし」と書いてください。
1. 違約金(その他、求人者が負担する金銭)の額、または算定方法
2. 違約金が発生する条件(紹介不成立から何か月以内か、を含む)
3. 契約の解除方法
4. 採用辞退後に別ルートで採用した場合の扱い
5. 利用契約の更新に関するルール
6. 返戻金の条件と返戻率
法的に有効かどうかの判断はしないでください。

厚生労働省の別のリーフレットには、トラブル事例が載っています。ある事業者は、違約金規約を枠外に小さく記載しただけで説明もせず、直接採用を知って違約金を請求したところ、求人者とトラブルになりました。別の事例では、1か月以内の離職として手数料の50%を請求したところ、求人者が納得しませんでした。同じ資料には、実際にはほとんど就労していない場合などに、返戻率を見直したり、追加料金なしで別の求職者を紹介した例があるとも書かれています。

規約の点検で見るべきは、条文があるかどうかよりも、求人者が申込みの時点で読める形になっているかどうかです。Claudeの照合は条文の有無を洗い出すところまでで、枠外の小さな記載のような見せ方の問題は、実際の書面や画面を見て人が判断します。

契約書の返戻金や専属条項を求人者の立場で点検する流れは、人材紹介契約書の点検手順にあります。こちらは紹介会社を使う側の読み方で、本記事は紹介会社の側が自社の規約と実績を整える流れです。

つまずきやすい点

  • 年度の区切りを揃えていない: 掲載する実績は令和6年度に徴収した手数料です。成約日で区切るのか、入金日で区切るのかを決めないまま集計すると、事業報告との数字がずれます。事業報告の集計基準に合わせるのが無理のない選び方です。
  • 予定年収の定義が案件ごとに違う: 賞与や手当を含めるかが契約書ごとに違うと、分母が揃いません。手数料の算定基礎と同じ定義で、台帳に入れ直します。
  • Claudeの出力をそのまま載せる: 集計の計算はExcelの式かスクリプトで再現できる状態にしてから、掲載します。会話の中で出た数字だけが根拠になる状態は避けてください。
  • 翌年度に手順が残っていない: 掲載は令和7年度以降も続きます。年度ごとに、集計表・スクリプト・依頼文を同じフォルダに保存しておけば、翌年は条件の年度を書き換えるだけで回せます。

まとめ

職種別の平均手数料率は、常用就職の手数料総額を予定年収総額で割る計算です。計算自体は単純なので、集計の質は台帳の列と、返戻金の扱い・10件ルールの単位といった未記載の点をどう決めるかで決まります。Claudeには、Excelの検算とスクリプトの下書き、規約の項目照合を任せ、掲載する値と判断の最終確認は労働局の案内に沿って事業者側で行う、という分担が現実的です。

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