ClaudeとStravaを連携して走行記録を分析する手順
Strava公式のMCPコネクタでClaudeにランニングやライドの記録を読ませ、練習量や傾向を聞く手順です。使える契約、共有される情報の範囲、解除方法も扱います。
ClaudeにStravaの記録を読ませると何ができるか
StravaのMCPコネクタをClaudeにつなぐと、自分のアクティビティ履歴を日本語で質問できます。答えは書き出したファイルではなく、Stravaの最新データから作られます。
このコネクタは2026年6月1日に公開されました。Stravaの有料プランに含まれる機能で、OAuthでClaudeとアカウントを結びます。読み取り専用なので、Claudeが記録を書き換えたり、新しいアクティビティをアップロードしたりすることはありません。
聞ける内容の例は、Stravaの案内に次のように挙がっています。
- どの種類のアクティビティが体力向上にいちばん効いたか
- 楽な日は本当に楽なペースで走れているか
- 筋トレや自転車などのクロストレーニングは、ランニングにどう影響しているか
取得できるデータの範囲も広めです。1秒ごとの心拍とペース、GPSの位置情報、自転車のパワーデータ、所属クラブやイベントの情報まで含まれます。スプレッドシートに書き出して集計していた作業を、会話で済ませる位置づけです。
使える契約と対応クライアント
先に確認したいのは契約です。MCPコネクタを使えるのはStravaの購読者だけです。
Stravaの対象プラン
含まれるもの
Strava購読、Strava + Runnaバンドル、ファミリープラン、学生プラン、軍・教育・医療従事者向けの割引プランです。
含まれないもの
無料アカウントと、試用期間中の購読です。試用が有料に切り替わった時点から使えます。
対応クライアント
AnthropicのClaudeだけです。Claude.ai(Web)、Claude Cowork(デスクトップ)、Claude Codeからつなげます。
Claudeだけが対象になった理由として、Stravaは「利用者の同意なくデータをモデルの学習に使わない、という条件をAnthropicが守ると考えている」と説明しています。他のAIクライアントへの対応は将来の予定とされ、時期は示されていません。
無料アカウントでもデータそのものは取り出せます。Stravaは、全ユーザーが無料のアプリやWebサイトで自分のデータを見られ、ダウンロードもできると明記しています。購読していない場合は、書き出したファイルをClaudeに渡す方法が代わりになります。CSVを渡して傾向を見る流れは、Claudeで育児記録を分析する手順と同じ考え方で進められます。
Claude側の条件は、接続する場所で変わります。Claude Codeは、claude.aiのアカウントでログインしていると、claude.aiに登録したコネクタを自動で読み込みます。APIキーやAmazon Bedrockなどの外部プロバイダー経由で使っている場合は、claude.ai側のコネクタは読み込まれません。コネクタの追加画面はclaude.ai/customize/connectorsで、TeamプランとEnterpriseプランでは管理者だけがサーバーを追加できます。組織の管理者がコネクタ単位で止めている場合もあるため、社内のアカウントでStravaが見当たらないときは管理者に確かめます。
StravaのMCPコネクタのヘルプ記事が対応先として挙げるのは、Claude.ai、Claude Cowork、Claude Codeの3つです。Claudeのモバイルアプリには触れていません。
接続の手順
Claude.aiまたはClaude Coworkから
Webでもデスクトップでも手順は同じです。
Claude側から接続する流れ
- 1
コネクタの画面を開く
サイドバーを開き、Customize、Connectorsの順に進みます。
- 2
Stravaを探して追加する
+アイコンからコネクタを追加し、Stravaを検索します。
- 3
Stravaのアカウントで承認する
Connectをクリックすると、Stravaのログインと許可の画面に移ります。承認すると接続が完了します。
Strava側から接続する
Strava側にも入口があります。Webでは、右上のプロフィール画像にカーソルを合わせ、SettingsからMCPを開きます。モバイルアプリでは、You、Settings、AI Assistantsの順です。Your Strava Subscription内のToolsからも同じ画面に着けます。
Claude Codeから接続する
ターミナルで作業する人は、次の1行で追加できます。
claude mcp add --transport http strava-mcp https://mcp.strava.com/mcpclaude mcp addは、--scopeを付けないとlocalスコープで保存します。localは「そのプロジェクトだけで、自分だけに見える」設定で、別のプロジェクトを開くとStravaは一覧に出ません。練習記録の分析は特定のコードリポジトリと関係ないので、どのフォルダーでも使いたいならuserスコープにします。
claude mcp add --transport http --scope user strava-mcp https://mcp.strava.com/mcpprojectスコープは.mcp.jsonに書かれてチーム全員に共有されるため、個人の健康データのコネクタには向きません。同じ名前を複数のスコープに登録すると、優先されるのはlocal、project、userの順です。解除するときは、追加したスコープをclaude mcp remove strava-mcp --scope userのように合わせます。
追加後の認証は、Claude Code内で/mcpを開いて進めます。接続が切れたときの再接続は/mcp reconnect strava-mcpのようにサーバー名を渡して行えます。失敗したサーバーをまとめて直す方法は/mcp reconnect allの解説にあります。
最初に投げる質問の作り方
コネクタをつないだだけでは、Claudeは何を見るべきか分かりません。期間・競技・基準の3つを質問に入れると、答えがぶれにくくなります。
次の例は、質問の組み立て方を示すための書き方です。Claudeの実際の返答ではありません。
直近8週間のランニングについて、週ごとの走行距離と
走行時間を表にしてください。ライドや筋トレは含めず、
距離が前の週より2割以上増えた週に印を付けてください。期間と競技を絞り、「増えた」の基準を数字で渡しているのがポイントです。「最近どう?」とだけ聞くと、Claudeが期間と指標を自分で決めてしまい、前回の質問と比べられなくなります。
目的別に、質問の型を並べます。
| 知りたいこと | 質問に入れる要素 |
|---|---|
| 練習量の推移 | 質問に入れる要素期間、競技、週単位か月単位か |
| 楽な日の強度 | 質問に入れる要素「楽」の基準(心拍の上限やペース帯) |
| 練習の偏り | 質問に入れる要素比べたい期間を2つ指定する |
| 大会に向けた調整 | 質問に入れる要素大会日と、直近の練習の何を見たいか |
| 機材の使用状況 | 質問に入れる要素対象のシューズやバイクの名前 |
Stravaが挙げる対象は、アクティビティ履歴、体力の傾向、レディネス、目標の計画、複数競技にまたがる練習、機材です。この範囲を外れた質問は、答えが薄くなることがあります。
数字の根拠を確かめる
集計結果を信じる前に、Claudeが何を材料にしたかを聞いてみます。
今の集計に使ったアクティビティの件数と、
最初と最後の日付を教えてください。件数が自分の感覚と合わなければ、期間の指定がずれています。件数と日付の範囲を見れば、期間のずれは早い段階で気づけます。
Stravaアプリの表示と答えが違うとき
Claudeの答えが、Stravaアプリの画面と食い違うことがあります。Stravaは、AIクライアントが情報を処理する方法が違うため、パフォーマンス予測やRunnaのトレーニングプランなどで違いが出ることがあると説明しています。
使い分けの目安は次のとおりです。
- アプリの予測値やプランは、Strava側の計算として読む
- Claudeの答えは、自分の質問に沿った集計と解釈として読む
- 両者が食い違った項目は、元のアクティビティ画面に戻って確かめる
体の不調や怪我の可否など、医療に近い判断は会話の範囲に入れません。練習量の推移を整理する道具として使い、休養や受診の判断は人が行います。
共有される情報の範囲と解除
接続すると、Claudeは自分のアカウントのデータを読めるようになります。Stravaの説明では、アクセスはアカウント単位で、読み取り専用で、いつでも取り消せます。
気を付けたいのはGPSです。位置情報が取得対象に含まれるため、自宅付近の発着点を含むルートも会話に含まれることがあります。位置の分析が不要な質問では、「ルートや位置情報は使わず、距離と時間だけで集計して」と書けば、扱う情報を絞れます。
Stravaのプライバシーゾーンや非公開アクティビティがコネクタ経由でどう見えるかは、Stravaの案内に記載がありません。気になる場合は、接続前にStrava側のプライバシー設定を見直します。
解除は3か所からできます。
| 場所 | 手順 |
|---|---|
| Strava(Web) | 手順プロフィール画像からSettings、My Apps、Claudeの横のRevoke Access |
| Stravaアプリ | 手順You、Settings、AI Assistants、Claude、Disconnect |
| Claude.ai / Claude Cowork | 手順Customize、Connectors、Strava、Disconnect |
Stravaは、どのアプリから接続した場合でも、Web側のRevoke Accessで解除できると案内しています。Claude Codeで追加した場合は、次のコマンドで設定を外します。
claude mcp remove strava-mcp書き出しファイルを渡す方法との違い
Stravaは、MCPと書き出しファイルのアップロードの違いを「ライブか、ある時点の写しか」で説明しています。
| MCPコネクタ | 書き出しファイル | |
|---|---|---|
| データの鮮度 | MCPコネクタ会話の途中で変わっても追える | 書き出しファイル書き出した時点で固定 |
| 必要な契約 | MCPコネクタStrava購読 | 書き出しファイル無料でも可 |
| 取得範囲 | MCPコネクタ履歴、体力の傾向、機材など | 書き出しファイルファイルに入っている項目 |
| 手間 | MCPコネクタ初回の接続だけ | 書き出しファイル更新のたびに書き出して渡す |
月に一度、大会前だけ振り返るような使い方なら、書き出しファイルでも足ります。毎週の練習後に聞き直す使い方では、コネクタのほうが手間が小さくなります。
つまずいたときの確認点
- Stravaのコネクタを使えない: 試用期間中は対象外です。有料への切り替え後に再度試します
- 答えが返らない・遅い: 1分あたり、1日あたりのリクエスト数に上限があります。長い期間を一度に聞かず、期間を分けて送り直します
- 接続が切れた: Claude Codeでは
/mcpから再認証します。Claude.aiではConnectorsの画面でStravaを再接続します - 他のAIアシスタントで使えない: 対象はClaudeのみです
ほかの分析系コネクタとの違いを見たいときは、Claude Code GA4のMCP連携やClaudeとMixpanelの連携が参考になります。Stravaは個人の趣味用途ですが、接続して、質問し、不要になったら解除する流れは同じ形です。
練習記録の分析で押さえたい線引き
コネクタが得意なのは、長期の履歴を同じ基準で集計し直すことです。手作業では面倒な「この8週間と前の8週間の比較」が一往復で済みます。
一方で、結果をどう練習に反映するかは別の問題です。Claudeが示す傾向は、質問の切り口と期間の取り方に左右されます。気になる傾向が見つかったら、同じ質問を期間を変えて聞き直し、結論が変わらないか確かめます。結論が割れる項目は、判断材料としては弱いと見て扱います。