Claude Media
Claudeで作るStripe不審請求の反証資料 — 期限と証拠欄に沿った手順

Claudeで作るStripe不審請求の反証資料 — 期限と証拠欄に沿った手順

Stripeで不審請求(チャージバック)の通知が届いたとき、注文・配送記録を証拠欄の種類ごとに並べた反証メモをClaudeで作る手順です。提出は1回きりのため、期限・ファイル制限・穴の検査まで扱います。

Stripeに不審請求(チャージバック)の通知が届いたら、回答の期限は通常7〜21日です。期限までに回答しないと自動的に敗訴となり、申し立て対象の資金は取り戻せません。しかも回答できるのは1回だけです。

Claudeに任せられるのは、注文履歴・配送記録・顧客とのやり取りを、Stripeの証拠欄の種類ごとに並べた反証メモにする作業です。提出そのものはStripeダッシュボードの回答フォームで行います。ここでは、フォームの欄に合わせてClaudeへ何を渡し、何を頼み、提出前に何を検査させるかを順に示します。

期限と「1回きり」が資料づくりの前提を決める

通知はメール、ダッシュボード、charge.dispute.created イベント、登録していればプッシュ通知で届きます。ダッシュボードのDisputesタブに一覧が出ます。

数字

反証資料づくりで先に押さえる数字

  • 回答期限

    7〜21日

    カードネットワークにより異なる

  • 提出できる回数

    1回

    提出後は編集・追加不可

  • ファイル合計

    4.5MB

    反証資料ファイルの上限

  • Mastercard

    19ページ

    反証資料ファイルの合計上限

Stripeのドキュメントに載っている値です

提出後にStripeが受け付けない操作は、回答の編集と追加ファイルの送信です。Claudeに作らせる資料は、下書きを何度も回して固めてから出す前提で組みます。

カードネットワークごとの正確な日数は、ダッシュボードのDispute詳細ページで確かめます。この日付をClaudeへの依頼文の冒頭に書いておくと、作業の優先順位がぶれません。

作業の前に確認する3点

Claudeに資料を書かせる前に、人が次の3点を決めます。ここを飛ばすと、的外れな資料を整える時間が無駄になります。

  1. カテゴリ(理由)は何か。Disputeオブジェクトの reason と同じ情報がダッシュボードに出ます。「商品が届かない」「不正使用」「重複支払い」など、カテゴリごとに有力な証拠が違います
  2. 照会か、正式な不審請求か。照会は不審請求の前の段階です。照会に回答して解決すれば、正式な申し立てへのエスカレーションを防げます。照会が不審請求に進んだ場合は、改めて別の回答が必要です
  3. 異議を申し立てるか、受け入れるか。顧客の主張が妥当なら、受け入れるか、ストアクレジットや交換品での友好的な解決を探ります。反証資料を作るのは、争うと決めた案件だけです

異議を申し立てると、不審請求の処理手数料とは別に反論手数料がかかります。勝てば反論手数料は戻り、受領済みの処理手数料は原則として戻りません。メキシコと日本のビジネスには、反証資料提出時の手数料は適用されないと記載されています。

不正使用のカテゴリは、顧客の側に理由があることが多く、有利に解決するのが難しいとされています。この場合は、VisaのCompelling Evidence 3.0の対象かどうか、3Dセキュアによるライアビリティシフトの対象かどうかを先に見ます。対象なら、Stripeが取引履歴から証拠の多くを自動で入力します。

証拠欄に何を並べるか

フォームの2ページ目には、案件に合わせた欄が動的に出ます。ファイルは証拠の種類ごとに指定でき、同じ種類に添付できるファイルは1つだけです。同じ種類の資料が複数あるなら、1つのファイルに束ねます。

「商品が届かない」の場合、商品の種類で必要な証拠が分かれます。

商品の種類並べる証拠対応する欄(API名)
物理的商品並べる証拠配送先住所(請求先住所のAVS検証結果と一致するもの)対応する欄(API名)shipping_address
物理的商品並べる証拠配送ラベルや受領書のコピー対応する欄(API名)shipping_documentation
物理的商品並べる証拠発送日、配送業者、追跡番号対応する欄(API名)shipping_date / shipping_carrier / shipping_tracking_number
物理的商品並べる証拠受取時の署名や身分証の詳細対応する欄(API名)customer_signature
デジタル商品・サービス並べる証拠購入時のIPアドレス、氏名、メールアドレス対応する欄(API名)customer_purchase_ip / customer_name / customer_email_address
デジタル商品・サービス並べる証拠ダウンロードやログインを示すログ対応する欄(API名)access_activity_log
共通並べる証拠顧客が不審請求の前に連絡してきたかどうか、そのやり取り対応する欄(API名)customer_communication

連絡がなかった場合は、「連絡なし」とはっきり書くよう求められています。空欄で出すのとは意味が違います。

利用規約への同意記録や継続課金の契約は、専用の欄が決まっているわけではありません。不正使用の物理的商品の例では、継続支払いで法的拘束力のある契約と、過去の異議なしの支払い履歴を示す資料が、uncategorized_file と uncategorized_text の候補に挙がっています。同意日時・同意画面・過去の請求履歴は、この枠に説明文とあわせて入れる使い方になります。

Claudeに渡す材料と依頼文

渡す材料は、案件ごとにフォルダへ集めます。

  • 該当の注文データ(注文番号、金額、日時、商品名、請求先と配送先の住所)
  • 配送業者の追跡履歴の画面保存かPDF
  • 顧客とのメールやチャットの記録
  • 購入時点の利用規約や返金ポリシーの本文と、同意の記録
  • ダウンロード履歴・ログイン履歴(デジタル商品の場合)

顧客の氏名・住所・メールアドレスが含まれます。どのデータをClaudeに渡してよいかは、自社の個人情報の取扱いルールに従って決めてください。

依頼文は、カテゴリと商品の種類を先に宣言し、欄の一覧を渡す形にします。次のような形が一例です。

Stripeの不審請求に回答する反証メモを作ります。
- 理由カテゴリ: 商品が届かない
- 商品の種類: 物理的商品
- 回答期限: 2026-10-27(残り◯日)
- 添付した資料: 注文データ.csv、追跡履歴.pdf、メール記録.pdf、利用規約.pdf
 
次の欄ごとに、添付資料から事実だけを抜き出してください。
shipping_address / shipping_documentation / shipping_date /
shipping_carrier / shipping_tracking_number / customer_communication
 
条件:
- 資料にない値は推測せず「資料なし」と書く
- 日付は YYYY-MM-DD に統一する
- 各行に、根拠にした資料名とページ番号を付ける
- 最後に、不審請求の理由が当てはまらない点を3項目以内で書く

「資料にない値は推測せず『資料なし』と書く」の1行が要です。反証メモに推測が混ざると、カード発行会社への提出物に誤りが残ります。Stripeでは、回答後に内容を直せません。

返ってきた表を、人の目で原本と突き合わせてからファイルにします。追跡番号は1桁の違いで別の荷物になるため、原本の画面と照合するのが安全です。

関連する作業の入口は、ClaudeでStripeの経理業務を効率化する使い方に書いています。Stripeとの接続設定はClaude Stripe連携の設定方法が扱っています。

提出前に、Claudeで穴を探す

メモができたら、Claudeには「書く」役から「疑う」役に切り替えて検査させます。回答は1回きりなので、この工程に最も価値があります。

上の反証メモを、不審請求の審査担当者の目で読んでください。
- 「商品が届かない」という申し立てを覆せていない点
- 日付や金額が資料同士で食い違っている点
- 外部リンクや動画、電話・メールでの追加問い合わせを求める記述
- 1つの欄に複数ファイルを分けて入れようとしている箇所
を、重大な順に挙げてください。

Stripeのドキュメントが挙げる、避けるべき内容は次のとおりです。審査する銀行は外部のコンテンツを見ないためです。

  • 音声ファイル・動画ファイル
  • 電話やメールで詳細を得るためのリクエスト
  • クリックすると詳細が表示されるリンク(ファイルのダウンロードや追跡情報へのリンクなど)

追跡情報はURLを書くのではなく、画面を保存したPDFを貼ります。追跡番号を欄に入力すれば、Stripeが配送業者の詳細情報を含む形に展開して1つの文書にまとめてくれます。

落とし穴

複数ファイルを1つの種類に入れようとして詰まる

同じ種類の証拠に添付できるファイルは1つだけです。追跡履歴のPDFとラベルの写真を別々に用意したら、1つのPDFに結合してから添付します。合計4.5MBの上限にも収める必要があるため、画像は縮小してからまとめます。Mastercardの場合はさらに合計19ページが上限です。

「不正使用」の申し立てでは、追加で何を並べるか

カード保有者が支払いを承認していないという申し立てでは、配送の記録だけでは足りません。ドキュメントは、uncategorized_file と uncategorized_text に入れる主張の例として、次のものを挙げています。Claudeには、手元の記録のうちどれがこの例に当たるかを仕分けさせます。

  • 取引がカード保有者の家族や世帯の一員によって行われたことを示す資料
  • 同じカードに、不審請求が申し立てられていない過去の支払いが1件以上あること
  • 購入時にセキュリティコードが提示され、検証に失敗した(cvc_check が fail)か、検証されなかった(unchecked)のに、カード発行会社がオーソリしたこと
  • 通信販売・電話販売の署名済み注文書
  • 返金をすでに発行していること、顧客が申し立てを取り下げたこと

Stripeの決済記録に cvc_check の値が残っていれば、その値をそのままメモに写させます。値を推測で補わせてはいけません。取り下げについては、顧客が取り下げたと言っていても、反証資料を出して回答しない限り自社に有利には解決しません。

複数回の申し立てと、争えない案件

1つの支払いに複数の不審請求が起きることがあります。理由コードを変えて再度申し立てられた場合などです。それぞれに別々に回答します。申し立て金額が元の請求額と違うこともあります。為替レートの変動、継続支払いのまとめ請求、部分的な申し立てが典型です。メモの冒頭に、申し立て額と元の請求額の差を書いておくと、審査側にも伝わります。

争えない案件もあります。カードネットワークの規則や地域の規制により、Stripeが通知と同時に敗訴としてクローズするものがあり、この場合は反証資料を出す機会がありません。Cartes Bancairesネットワークで決済を処理するSEPA圏の企業などがこれに当たります。Claudeで資料を整える前に、ダッシュボードの支払いページとタイムラインで、反証資料が受け付けられる案件かを見ておきます。

結果の確認と、次の案件に生かす

提出すると、ステータスは under review になります。カード保有者の銀行の審査には最長で3か月かかることがあります。結果は won か lost で返り、メール・charge.dispute.closed イベント・ダッシュボードに反映されます。

won なら、引き落とされた金額がStripeを通じて戻ります。lost なら返金は恒久的で、手数料も戻りません。

案件が片付いたら、使った依頼文と、実際に有力だった証拠の欄をメモに残します。次の案件で、同じ依頼文の「条件」を直して再利用できます。受信側の仕組みを自動化したい場合は、Claude CodeでStripe CLIのwebhookを開発する手順が、charge.dispute.created のようなイベントの受け方を考えるときの足がかりになります。

まとめ

反証資料づくりで差がつくのは、文章のうまさより、証拠の欄の種類に事実を過不足なく割り当てられているかです。Claudeには、資料からの抜き出しと、提出前の穴探しの2役を分けて頼みます。人が原本と照合し、争うかどうかの判断と提出を行うという分担にすると、回答が1回きりという制約の中でも事故を減らせます。

この記事を共有:XはてブLinkedIn