Claudeのシステムプロンプト変更履歴ページの読み方
platform.claude.comの公式ページで、モデルごとのシステムプロンプトが日付ごとにどう変わったかを**マーカーで追う読み方を解説します。
システムプロンプト変更履歴ページとは何か
Claudeは、claude.aiのWebサイトとiOS / Androidアプリで会話を始めるたびに、モデルへ「システムプロンプト」を渡しています。現在の日付や、Claudeが案内できる関連製品の説明のほか、「コードは常にMarkdown記法で示す」といった応答の振る舞いもここで指示されています。このシステムプロンプトは一定のタイミングで書き換えられ、その履歴を公式に公開しているのがplatform.claude.com/docs/en/release-notes/system-prompts/overviewです。overviewページ自身の説明によると、更新の目的は「Claudeの応答を改善するため」で、内容は定期的に見直されます。
重要な限定が1つあります。このページが記録する変更はclaude.aiとモバイルアプリ限定で、Anthropic API経由の呼び出しには適用されません。APIでシステムプロンプトを組み立てている開発者や、Agent SDKで独自のシステムプロンプトを設計している場合は対象が別です(設計の考え方はAgent SDKのシステムプロンプトをカスタマイズする4つのアプローチを参照してください)。Claude Codeの既定モデルが切り替わるような変更(v2.1.280でOpus 5.5が既定のOpusモデルになった件など)も、この一覧の対象外です。
一覧ページの構造 — モデルごとに専用ページが分かれる
overviewページを開くと、カード形式でモデル名の一覧が並びます。カード1つが1モデルに対応し、クリックするとrelease-notes/system-prompts/<モデルのslug>という専用ページに飛びます。対応の一例は次のとおりです。
| モデル | 専用ページのURL末尾 |
|---|---|
| Claude Opus 5.5 | 専用ページのURL末尾claude-opus-5-5 |
| Claude Sonnet 4.5 | 専用ページのURL末尾claude-sonnet-4-5 |
| Claude Haiku 4.5 | 専用ページのURL末尾claude-haiku-4-5 |
| Claude Opus 3 | 専用ページのURL末尾claude-opus-3 |
一覧は新しいモデルが出るたびにカードが追加されていく作りです。ページを開いた時点でのカード枚数を覚えても、次に見るときには増えている前提で扱ってください。知りたいモデルが決まっているなら、一覧から探すよりURLの末尾を直接組み立てて開く方が早いです。overviewページのHTMLソースを見ると、各カードのid属性がそのままURLの末尾と同じ文字列になっているため、ブラウザで一覧を開かなくても組み立てられます。
モデルごとのページで読めること — 1件だけのページと複数件のページ
専用ページを開くと、日付を見出しにしたブロックが並びます。1つのブロックには、その日付時点でclaude.aiに渡されていたシステムプロンプトの全文が入ります。差分の断片ではなく、丸ごとのスナップショットです。
ここでページごとに違いが出ます。Claude Opus 5.5やClaude Fable 5.1、Claude Opus 5のように直近リリースのモデルは、専用ページを開いても日付ブロックが1つしかありません。一方でClaude Sonnet 4.5やClaude Haiku 4.5は、2026年1月18日・2025年11月19日・2025年9月29日(Haiku 4.5は10月15日)という3つの日付ブロックが並びます。
複数の日付ブロックがあるページの先頭には、次の一文が入ります。
Changes between the following dated versions are marked with
**around the changed text.
これは「直近2つの日付ブロックの間で変わった箇所を、**で挟んで示す」という注記です。日付ブロックが1つしかないページには、この注記自体が出てきません。
なぜモデルによってブロック数が違うのか
この差は、モデルIDのバージョニング方式と結びついています。overviewページ自身も次のように注記しています。
Some models have multiple dated entries on their pages. Starting with the Claude 4.6 generation, each model ID is a single fixed snapshot, so those models have one entry.
Model IDs and versioningのドキュメントは、この「固定スナップショット」の意味をさらに詳しく説明しています。Claude 4.6世代以降のモデルIDは日付を含まない固定スナップショットです。Anthropicは既存のモデルIDの重みや設定を後から書き換えず、更新版は必ず新しいモデルIDとして出します。
実際に確認すると、Opus 5.5・Opus 5・Fable 5.1・Fable 5・Opus 4.8・Opus 4.7・Sonnet 4.6・Opus 4.6は、いずれも専用ページの日付ブロックが1つだけでした。モデルIDそのものが固定されているぶん、システムプロンプトも公開時点の1本で止まっていると読めます。
一方、Claude 4.6世代より前のモデルは、Sonnet 4.5(3件)・Haiku 4.5(3件)・Opus 4(3件)・Sonnet 4(3件)・Sonnet 3.5(4件)・Opus 4.5(2件)のように複数の日付ブロックを持つものが目立ちます。これらはモデルID自体は変わらないまま、claude.ai側の説明文(対応モデル一覧やプロダクト名など)だけが後から更新されたケースです。
ただしブロックが1件のページの全てが4.6世代というわけではありません。Opus 4.1・Sonnet 3.7・Opus 3・Haiku 3・Haiku 3.5はいずれも4.6世代より前のモデルですが、専用ページの日付ブロックは1件だけでした。リリース後にシステムプロンプトを書き換える機会がなかったか、非推奨化が進んで更新対象から外れたケースと考えられます。ブロック数の差を「4.6世代かどうか」だけで判断せず、個別に確認するのが安全です。
APIのモデルスナップショットの日付と混同しない
Claude 4.6世代より前のモデルは、APIのモデルIDにclaude-sonnet-4-5-20250929のような日付が入ります。この日付は、そのモデルの重みが確定してAPIに公開された日を指します。システムプロンプト変更履歴ページの日付見出しは、claude.ai側でモデルに渡すシステムプロンプトの文面をいつ更新したかを示すだけで、モデルIDの日付とは別の時系列です。
Claude Sonnet 4.5の場合、最初の日付ブロックである2025年9月29日はAPIのモデルIDclaude-sonnet-4-5-20250929のリリース日と一致します。しかし後続の2025年11月19日と2026年1月18日のブロックには、対応する新しいモデルIDが存在しません。モデルの重みは-20250929のまま変わらず、claude.ai向けのシステムプロンプトだけが2回更新されたことになります。APIでこのモデルを呼んでいる開発者からは、この2回の更新は見えません。
Model IDs and versioningのドキュメントは、モデルIDごとに非推奨化・提供終了のスケジュールが別々に決まると説明しています。Claude Opus 3やClaude Haiku 3のように専用ページの日付ブロックが1件で止まっているモデルは、この非推奨化のスケジュールが進み、システムプロンプトの更新対象からも外れていった可能性があります。
**マーカーで変更箇所を実際に追ってみる
Claude Sonnet 4.5の専用ページで、2026年1月18日ブロックと2025年11月19日ブロックを見比べると、マーカーの使われ方がわかります。1月18日ブロックには次のような記述があります(該当箇所のみ抜粋)。
This iteration of Claude is Claude Sonnet 4.5 from the Claude 4.5 model family.
11月19日ブロックの同じ位置は、マーカーなしで次のように書かれています。
This iteration of Claude is Claude Sonnet 4.5 from the Claude 4 model family.
「Claude 4」から「Claude 4.5」に書き換わった箇所だけが**で挟まれ、変わっていない前後の文章にはマーカーが付きません。ここから読み取れるのは、モデル自体は変わらないままでも、プロダクト説明文はモデルファミリーの再編に合わせて更新されるという運用です。
マーカーが効くのは直近2ブロックの間だけです。11月19日ブロックと9月29日ブロックの間には**が一つも出てきません。3つ以上前の版まで遡って差分を見たい場合は、ブロックの全文を自分でdiffする必要があります。
curl -s https://platform.claude.com/docs/en/release-notes/system-prompts/claude-sonnet-4-5.md \
| grep -n '\*\*'このコマンドは、ページ全体のうち**が使われている行番号だけを抜き出します。冒頭の注記行を除けば、該当行は先頭(2026年1月18日)の日付ブロックにしか出てこないので、マーカーが直近1回分の差分しか示さないことをコマンドの出力からも確認できます。
まとめ
Claudeのシステムプロンプト変更履歴ページは、claude.aiとモバイルアプリに渡すシステムプロンプトをモデルごとに時系列で記録した公式資料です。APIやAgent SDKの挙動には反映されません。日付ブロックが1件だけのモデルは、直近リリースの4.6世代以降か、更新機会のなかった古いモデルのいずれかです。複数ブロックがあるページでは、先頭の注記が**マーカーの意味を教えてくれますが、効くのは直近2ブロック間の差分だけだと覚えておくと読み違えません。Claude Codeの変更履歴を追いたい場合は対象が別なので、Claude Codeの変更履歴をどこで確認するかを参照してください。