Claude Team/Enterpriseの利用状況分析ダッシュボードの使い方
組織のAnalytics画面で何が見え、誰が見られるかをまとめました。支出レポートのCSV出力とAnalytics API、メンバー個人の利用状況表示まで扱います。
Claude Team・Enterpriseプランの管理者は、組織全体の利用状況を1つのAnalytics画面から確認できます。誰がどれだけ使い、何にいくらかかっているかを製品横断で見渡せる一方、見られる範囲はプラン・役職・請求方式の3つで変わります。本記事は「自分の組織では何がどこまで見えるのか」を最初に確かめ、そのうえで支出レポートの出力とAPI連携までたどる構成です。自然言語で質問して答えを得る使い方はAnalytics chatで利用状況を尋ねる方法、Claude Codeの分析画面の深掘りはClaude Codeチーム分析の読み方に譲ります。
自分の組織では誰が何を見られるか
Analyticsを開く入り口は共通で、画面左下の自分のイニシャルをクリックし、メニューから「Analytics」を選びます。閲覧できる役職は次のとおりです。
| プラン | 役職 | 閲覧できる範囲 |
|---|---|---|
| Team | 役職Primary Owner / Owner | 閲覧できる範囲全分析 |
| Enterprise | 役職Primary Owner / Owner | 閲覧できる範囲全分析 |
| Enterprise | 役職Admin | 閲覧できる範囲Spend関連を除く全分析 |
| Team・Enterprise共通 | 役職一般メンバー | 閲覧できる範囲Analyticsダッシュボードにはアクセスできない |
役職を上げずに閲覧者を増やす方法もあります。Enterpriseでは、管理権限の「Analytics(Can view)」を付けたカスタムロールを作り、集計を見る担当者だけのグループに割り当てられます。Usageページも見せたいなら、Billing(Can view)を足します。注意点は範囲です。カスタムロールのAnalytics閲覧はグループ単位に絞れず、組織全体に及びます。この権限が効くのは、ロールが「Custom」に設定されたメンバーだけです(Claude Enterprise consumption guide)。ロールごとの権限の全体はカスタムロールの作り方も参考になります。
もう1つの分かれ目が請求方式です。座席ベースのEnterpriseでは、組織がusage creditsを有効にしている場合にだけ支出レポートが出ます。しかも中身は座席の割り当て枠を超えた分だけで、枠内の利用は含まれません。従量課金のEnterpriseなら、組織の利用実績全体が対象です。
何を知りたいかで入り口を選ぶ
画面は多く見えますが、知りたいことから逆引きすると入り口は限られます。
知りたいことと最初に開く画面
使われているか(定着度)
Overviewの「Who's using Claude?」と「How are they using Claude?」を開きます。アクティブメンバーと割り当て済み座席の比較、Adoption level、Product stickiness、Skillsの利用回数と1回あたりのコスト、Connectorsの利用者数と読み取り・書き込みの回数が並びます。
いくらかかっているか
Overviewの「How much is Claude costing?」を開きます。Usage limits、Spend concentration、月間・四半期・年間・過去1年のTotal spend、Spend by modelが見られます。
誰が上限に当たっているか
Organization settings > Usageの先頭にある「Blocked by a spend limit」を見ます。従量課金のEnterprise向けの表示で、従量課金の座席がない組織では、今まさに上限に達した人数と間近な人数だけが分かります。
開発チームの成果
Analytics > Claude Codeを開きます。PR数、受け入れられたコード行数、コミット単価などが出ます。
使い心地・つまずき
Analytics > Surveysから、CoworkやChat上に短い質問カードを出せます。結果は回答率、製品別・グループ別の内訳で見られ、サーベイごとにCSVで書き出せます。
Overviewは「Summary(週間アクティブメンバー数・Claude Codeで作られたPR数・Coworkのセッション数)」「Who's using Claude?」「How are they using Claude?」「What are the results?」の順に並びます。最後の節には、作成されたPR数・デザイン数・ファイル操作数・会話数・MCPの書き込み数・推定削減時間があります。ベータ機能「How agentic is their work?」は2つ目の「How are they using Claude?」の中にあります。
支出を数字で持ち出す
グラフではなくファイルで欲しいときは、支出レポートをCSVで書き出します。Total spendのグラフは実際の支出とリスト価格の両方を描くので、割引や交渉価格の効き具合もそこで確認できます。
支出レポートの出力手順
- 1
Settings > Analyticsを開く
「How much is Claude costing?」のセクションまでスクロールします。
- 2
「Export spend report」を押して期間を選ぶ
MTD・Last Month・Last 90 Days・Customのいずれかです。Customは開始日と終了日を指定します。
- 3
「Download」を押す
遡れるのは最大90日前までで、最新は前日分です。
CSVの1行は「特定のユーザーが特定のモデルを使った実績」で、選んだ期間の支出が合算されています。列は、メールアドレス、アカウントUUID、製品(Chat・Claude Code・Cowork・Office Agentsなど)、モデルとモデルファミリー、リクエスト数(total_requests)、入力トークン数(total_prompt_tokens)、出力トークン数(total_completion_tokens、拡張思考を含む)、割引後の純支出(total_net_spend_usd)、割引前の総支出(total_gross_spend_usd)です。Office AgentsはExcel・PowerPoint・Wordのadd-inの利用をまとめた区分です。以前はClaude Codeに含まれていたCode Reviewやセキュリティ機能の利用は、別の行として出るようになっています。
経理に渡すときの読み分けは次のとおりです。契約上の請求額と突き合わせるなら純支出、割引前の水準を比べるなら総支出を使います。Analytics chat・Analytics API・このCSVの数字は、いずれも請求書の金額におおむね一致するよう作られています。1日遅れの日次更新なので、当日の支出をリアルタイムで追う用途には向きません。
Claude Codeについては、CSVのほかに開発者ごとのトークン数やコスト推定を取る手段として、OpenTelemetryでの出力が用意されています(Claude Code analytics)。
製品別の画面は「何を測るか」が違う
Chatの画面は、日ごとのチャット数、1件以上チャットしたユーザーの割合、期間別の総チャット数、上位メンバー、プロジェクトとアーティファクトの作成状況です。Claude DesignはUTC基準で日次・週次・月次のアクティブユーザー数、Coworkはセッション数と1回以上使ったユーザーの割合、アクティブユーザー数の推移です。Claude Designは組織で有効化されている必要があります。
Claude Codeの画面だけは少し事情が違います。Productivity・Usage・Valueの3タブのうち、PR数やコード行数といった貢献指標を出すには、GitHub連携の設定が必要です。GitHub管理者がClaudeのGitHub appを組織に入れ、Ownerが管理画面でClaude Codeの分析機能を有効にします。Zero Data Retentionを有効にした組織では貢献指標が出ず、使用状況の指標だけになります。Claude Console API経由やサードパーティ連携の利用は、貢献指標の集計に含まれません。Valueタブの推定生産性向上やコミット単価は、計算式と入力値を自組織の前提に合わせて調整できます。各タブの読み方はClaude Codeチーム分析の読み方、コスト面の使いこなしはClaude Codeのコスト管理にあります。
メンバーに自分の利用状況を見せられるか
個人向けの利用状況表示は、従量課金のEnterpriseだけの機能です。メンバーは自分の利用状況を製品・モデル・Skill別に、自分に設定された支出上限との対比つきで、Settings > Usageから確認できます。切り替えはOrganization settings > Usageの「Member analytics」トグルで、OwnerとPrimary Ownerだけが操作でき、組織全体に一律で効きます。既定は2026年7月11日にオンへ変わったので、メンバー単位の可視化を止めたい組織はトグルの状態を確認してください。Teamや座席ベースのEnterpriseにはこのトグル自体が出ません。
プログラムから分析データを取得する
Enterpriseでは、Analytics APIでダッシュボードと同じ利用状況・エンゲージメント指標を取れます。Teamプランでは使えません。事前に、Primary OwnerがOrganization settings > APIでAnalytics APIをオンにします。OwnerやAdminにはこの項目が表示されませんが、権限エラーではなく想定どおりの挙動です。キーはPrimary Ownerがread:analyticsスコープで作成します。キーの作成場所は、Claude Codeのドキュメントではclaude.ai/analytics/api-keys、Enterprise consumption guideでは「Organization settings > API」と書かれていて、表記が揃っていません。見つからないときは、もう一方の場所も探してください。スキルやプラグイン、コネクタの利用がユーザー別に取れる点は、ダッシュボードにない切り口です。
自然言語で聞きたい場合は、Enterprise限定の「Analytics chat」を使います。「先月と比べて支出はどう変わったか」のような質問に、Claudeが組織のデータでクエリを実行し、グラフと短い要約を返します。既定の範囲は直近30日分で、質問文で期間を指定すれば広げられます。ユーザーを列挙する質問は一度に最大20件までです。使えるのはAll activityビューの権限を持つ人で、質問例や読み方はAnalytics chatで利用状況を尋ねる方法にあります。同じくEnterprise限定のベータ機能「smart reports」は、Claudeのsmart reportsの使い方で扱っています。
よくある質問
Claude Designの利用状況はAPIからも取得できますか
できます。組織でClaude Designが有効で、Analytics APIを使えるEnterpriseなら、Claude DesignのアナリティクスをAPIからも取得できます。
まとめ
見えるものを決めるのは、プラン・役職・請求方式の3点です。座席ベースのEnterpriseでは、支出レポートが座席の割り当てを超えた分だけになる点も見落としやすいところです。組織全体の契約形態を見直す段階であればClaude EnterpriseとはとClaude Teamプランとはも参考になります。