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ClaudeとTomTom Maps MCPを連携する方法 — 住所検索・経路・交通・EV充電を会話で扱う

ClaudeとTomTom Maps MCPを連携する方法 — 住所検索・経路・交通・EV充電を会話で扱う

TomTom Maps MCPをClaudeにつなぐ3つの経路と、APIキーの権限設定、EV系ツールがOrbisバックエンド限定になる点、配送・店舗検索での使いどころをまとめます。

TomTom Maps MCPをClaudeにつなぐと、住所の座標化、複数地点の経路、渋滞や通行止めの確認、充電スタンド探しを、会話の中でTomTomの実データに基づいて行えます。接続先は https://mcp.tomtom.com/maps で、認証はTomTomのAPIキーです。OAuthのサインインではありません。

TomTom側の表記では、このリモートMCPサーバーはパブリックプレビューです。仕様や挙動が変わりうる前提で読んでください。

TomTom Maps MCPで何ができるか

TomTom Maps MCP(Model Context Protocolの地図サーバー)は、TomTomのルーティング、地図表示、リアルタイム交通、検索・ジオコーディングのAPIをツールとしてAIに渡す仕組みです。ツールは役割ごとに3群に分かれます。

群ツール役割
検索ツールtomtom-geocode役割住所を座標へ(施設名は対象外)
検索ツールtomtom-reverse-geocode役割座標を住所へ
検索ツールtomtom-fuzzy-search役割表記ゆれに強い住所・施設・地名の検索
検索ツールtomtom-poi-search役割業種カテゴリでの施設検索
検索ツールtomtom-nearby役割指定半径内の施設探索
経路ツールtomtom-routing役割2地点間の最適経路
経路ツールtomtom-waypoint-routing役割複数の立ち寄り先を含む経路
経路ツールtomtom-reachable-range役割指定時間・距離で到達できる範囲
交通・地図ツールtomtom-traffic役割事故・危険箇所・通行止めの検索
交通・地図ツールtomtom-static-map役割地図画像の生成
交通・地図ツールtomtom-dynamic-map役割マーカー、経路、交通を重ねた描画

tomtom-geocode は住所専用で、施設は引けません。「渋谷のカフェ」のような問いは、Claudeが tomtom-fuzzy-search か tomtom-poi-search を選ぶ場面です。

接続方法は3通りある

使うClaudeの種類で、入口が変わります。

経路

Claudeの種類ごとの接続経路

  • Claude Desktop

    TomTomが配る .mcpb 拡張を開いて、APIキーを貼ります。macOS(Apple Silicon)用とWindows用が用意されています。

  • Claude(カスタムコネクタ)

    カスタムコネクタにエンドポイントを登録し、リクエストヘッダーにAPIキーを入れます。

  • Claude Code

    claude mcp add か .mcp.json で、HTTPサーバーとして追加します。

TomTomの手順書がClaude向けに書いているのはDesktopだけです。カスタムコネクタとClaude Codeの手順は、一般的なリモートMCPの追加方法をTomTomの接続先に当てはめたものです。

事前にAPIキーの権限を開ける

どの経路でも、先にTomTomのAPIキーを用意します。見落としやすいのは権限です。キーの編集画面で「All」にチェックを入れるか、次を個別に有効化します。

  • MCP Server
  • Map Display API
  • Routing API
  • Search API
  • Geocoding API
  • Reverse Geocoding API
  • Traffic API

特定のツールだけ失敗するときは、まずキーの権限を疑います。

Claude Desktopに拡張を入れる

拡張ファイルを開くとツール一覧つきのプレビューが出るので、Installを押します。続いて表示されるダイアログにAPIキーを貼り、Saveします。

確認はSettingsのExtensionsで、TomTom Maps MCPがEnabledになっていれば完了です。ツールが出ないときは、Claude Desktopを再起動します。「API key required」と出たら、拡張のConfigureからキーを入れ直します。

拡張を使わず、claude_desktop_config.json に npx -y @tomtom-org/tomtom-mcp を書いて手元で動かす方法もあります。こちらはNode.js 18以降が必要で、キーは環境変数 TOMTOM_API_KEY で渡します。

カスタムコネクタとして登録する

claude.aiでは、Pro・MaxならCustomizeのConnectorsから「+ Add」を押し、「Add custom connector」を選びます。名前とURL https://mcp.tomtom.com/maps を入れて進みます。

APIキーで認証するサーバーなので、認証方式はサインインではなく、Request headersを使います。ヘッダー名に tomtom-api-key、値にキーを入れます。TomTomの設定例でも、キーはHTTPヘッダーで渡す形です。

カスタムコネクタは、Free・Pro・Max・Team・Enterpriseで使えます。ただしFreeは1つまでです。TeamとEnterpriseでは、組織のOwnerが先に追加し、メンバーが個別に接続します。ここで注意が要ります。APIキーのような共有の認証情報で作ったコネクタは、使う全員がそのキーの権限と課金枠を共有します。

Claude Codeに追加する

Claude Codeでは、HTTPサーバーとして1行で追加できます。

claude mcp add --transport http tomtom-maps \
  https://mcp.tomtom.com/maps \
  --header "tomtom-api-key: $TOMTOM_API_KEY"

チームで共有するなら、リポジトリの .mcp.json に書く方法もあります。キーは環境変数の参照にして、ファイルに生の値を残しません。

{
  "mcpServers": {
    "tomtom-maps-mcp": {
      "type": "http",
      "url": "https://mcp.tomtom.com/maps",
      "headers": {
        "tomtom-api-key": "${TOMTOM_API_KEY}"
      }
    }
  }
}

Claude Codeは、リモートサーバーの headers では一部の認証情報の変数を空として読みます。ANTHROPIC_API_KEY や NPM_TOKEN のような名前です。TOMTOM_API_KEY はその対象外なので、そのまま展開されます。変数名を自分で付けるのが安全です。

追加後は claude mcp list で接続を確かめ、セッション内の /mcp でツール一覧を見ます。Claude Codeでの位置情報の扱いは、Mapbox MCPをClaude Codeに入れる手順にも同じ考え方があります。

最初に試す3つのプロンプト

接続できたかは、座標を渡す質問がいちばん確実です。TomTomの手順書も、座標からの住所取得をテストに使っています。

52.3676, 4.9041 には何がある? 住所を教えて。

次に、経路の確認です。

アムステルダムからベルリンまで、有料道路を避けた最速ルートを出して。

最後に、到達範囲です。

TomTomアムステルダム事務所から車で10分以内に行ける範囲で、評価の高いイタリアンを探して。

3つ目は、到達範囲を出す tomtom-reachable-range と、範囲内の施設検索を組み合わせる質問です。TomTomの例題に沿った形で、Claudeがどのツールを呼んだかは各ツール呼び出しの表示で確かめられます。

配送・店舗検索での使いどころ

ここからは、ツール仕様をもとにした使い方の例です。TomTom自身は、フリート・物流向けの用途として、サービス提供エリアや配送ゾーンの分析、交通障害の監視、商用車の経路最適化を挙げています。

配送ルートの下見

複数の立ち寄り先があるなら、tomtom-waypoint-routing の出番です。住所の一覧を貼って、次のように頼みます。

次の5件の住所を座標にして、この順番で回る経路を出して。
所要時間と距離は区間ごとに表にして。

ここで効くのは、Claudeに計算させないことです。座標化は tomtom-geocode、経路は tomtom-waypoint-routing が返した値を使わせます。住所の座標を推測で埋める誤りを防げます。順番の入れ替え案を出してもらい、各案を再度ツールで測らせる反復も有効です。

出店・店舗配置の下調べ

候補地の周辺を調べるなら、tomtom-nearby と tomtom-poi-search を組み合わせます。半径内の競合店舗の数、駅や駐車場の有無を、候補地ごとに同じ聞き方で比べられます。

候補地A・B・Cそれぞれで、半径500m以内のコンビニと駐車場を数えて、表にして。

交通状況の確認

出発前の確認には tomtom-traffic を使います。事故、危険な状況、通行止めを、指定エリアで検索できます。「遅れが出そうなら代替ルートも」と頼むと、経路ツールと組み合わせた回答になります。

条件を固定する指示を置く

毎回同じ条件で動かしたいなら、Claude CodeならCLAUDE.mdに、Claudeのプロジェクトなら指示文に書いておきます。

# 位置情報の扱い
- 住所は必ずtomtom-geocodeで座標化してから経路に渡す。座標を推測しない
- 所要時間・距離はツールの返値をそのまま使い、自分で計算し直さない
- 交通を見るときは、確認したエリアと検索の条件を回答に添える

最後の1行は、回答がどの範囲の交通を見たものかを後から検証できるようにするための指定です。

EV充電とインタラクティブ地図はOrbisバックエンド限定

ここがこのMCPでいちばんつまずきやすい点です。ツールは2つの地図バックエンドで構成が違います。

項目TomTom Maps(既定)TomTom Orbis Maps
切り替えTomTom Maps(既定)ヘッダー省略で既定TomTom Orbis Mapstomtom-maps-backend: tomtom-orbis-maps
基本の検索・経路・交通TomTom Maps(既定)ありTomTom Orbis Mapsあり
tomtom-static-mapTomTom Maps(既定)ありTomTom Orbis Maps一覧にない
tomtom-ev-routing / tomtom-ev-searchTomTom Maps(既定)なしTomTom Orbis Mapsあり
tomtom-search-along-route / tomtom-area-searchTomTom Maps(既定)なしTomTom Orbis Mapsあり
tomtom-data-vizTomTom Maps(既定)なしTomTom Orbis Mapsあり
対話型の地図表示TomTom Maps(既定)なしTomTom Orbis Mapsあり

つまり、tomtom-ev-search で充電スタンドの空き状況やコネクタ種別を調べたいなら、リクエストヘッダーに tomtom-maps-backend: tomtom-orbis-maps を足す必要があります。ヘッダーを省略すると既定のTomTom Mapsになり、EV系のツールはそもそも出ません。「EV検索ができない」と迷ったら、まずバックエンドを確かめます。

{
  "mcpServers": {
    "tomtom-maps-mcp": {
      "type": "http",
      "url": "https://mcp.tomtom.com/maps",
      "headers": {
        "tomtom-api-key": "your_api_key_here",
        "tomtom-maps-backend": "tomtom-orbis-maps"
      }
    }
  }
}

Orbis側のEVツールでできることは、次のとおりです。

  • tomtom-ev-routing: バッテリー残量、車種、コネクタの適合を踏まえた長距離経路。充電停車を自動で最適化する
  • tomtom-ev-search: 充電スタンドの検索。リアルタイムの空き、コネクタ種別、出力を返す
  • tomtom-search-along-route: 経路沿いの飲食店、給油所、ホテルなどの検索
  • tomtom-area-search: 円、多角形、矩形の範囲内の検索
  • tomtom-data-viz: 手元のGeoJSONを地図上に描く。マーカー、ヒートマップ、クラスター、線、塗り分けに対応する

Orbisバックエンドは、手順書上でパブリックプレビューと書かれています。

対話型の地図が出るクライアント

Orbisバックエンドのツール応答には、対話型の地図が付きます。検索結果はクリックできるマーカー、経路は描画された線、交通事故は流量のオーバーレイになります。これはMCP Appsという仕組みで描かれ、対応するクライアントでだけ表示されます。TomTomの案内でMCP Appsに対応と明記されているクライアントはClaude Desktopです。

対応しないクライアントでも困りません。どのツールも、座標、住所、距離、経路詳細を含むテキスト応答を必ず返します。地図が出ないだけで、結果の中身は同じです。

Desktopの拡張で地図を出すには、拡張の設定で地図バックエンドを tomtom-orbis-maps にします。ローカルで動かす場合は、環境変数 MAPS=tomtom-orbis-maps です。

課金とつまずきやすい点

APIの利用は、TomTomの通常料金で課金されます。リモートでもローカルでも同じで、Claudeを通した呼び出しが無料になるわけではありません。無料アカウントでキーは取れますが、利用量の上限や料金はTomTomの料金ページで確認します。

つまずきの切り分けは、次の順が早いです。

切り分け

つながらない・ツールが出ないときの切り分け

  1. Qキーの権限にMCP ServerとRouting・Search・Traffic系のAPIが入っているか?
    答えがいいえのとき

    TomTomのAPIキー編集画面で「All」にするか、必要なAPIを個別に有効化します。

    答えがはい
  2. Qヘッダー名は tomtom-api-key になっているか?
    答えがいいえのとき

    TomTomの設定例どおり、ヘッダー名を tomtom-api-key にそろえます。

    答えがはい
  3. QEVや対話型地図のツールが見つからないのでは?
    答えがいいえのとき

    tomtom-maps-backend: tomtom-orbis-maps を足します。

    答えがはい

それでも出ないとき

Desktopなら再起動と拡張の再設定、Claude Codeなら claude mcp list で接続状態を確認します。

もう1つ、位置情報の扱いにも触れておきます。住所や配送先をClaudeに渡すと、その内容がTomTomのAPIにも送られます。顧客の個人宅住所を含む配送リストは、取り扱いのルールを決めてから流してください。

まとめ

TomTom Maps MCPの強みは、住所の座標化、複数地点の経路、交通、EV充電を、推測ではなくAPIの返値で答えさせられる点です。入口は、DesktopならAPIキーを貼るだけの拡張、claude.aiならヘッダー付きのカスタムコネクタ、Claude Codeなら claude mcp add の1行です。

EV系ツールと対話型地図が欲しいときは、Orbisバックエンドのヘッダーをキーと一緒に設定へ入れます。経路だけ使うなら既定のままで足ります。他の地図サービスとの組み合わせでは、地図を共有して分析する側としてFelt Mapsのコネクタも選べます。

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