Jira×Confluence×Claudeで社内問い合わせを自動化
Atlassian RovoコネクタをCoworkにつなぎ、Confluenceのナレッジ検索とJiraの起票を承認モードで制御しながら情シスの問い合わせ対応に組み込む手順です。
AtlassianのRovoコネクタをCoworkにつなぐと、Confluenceのナレッジ検索とJiraのチケット起票を1つの依頼で通しで頼めるようになります。読み取りだけでなく書き込みも可能なコネクタなので、情シス部門が社内問い合わせ対応に組み込むなら、承認モードの設計が実質的な運用ルールになります。
Jira×Confluence×Claude連携で情シスの何が変わるか
Atlassian Rovoは、AtlassianがAnthropicのConnectorsディレクトリに提供しているサードパーティ製コネクタです。権限区分は「Read & Write」で、Jiraのチケット参照・作成・更新とConfluenceのページ検索・作成の両方に対応します。公式サイトが示す指示例は具体的です。「Q3 Planningプロジェクトで進行中のままになっている自分の担当チケットを要約して」「Engineering/IncidentsスペースにPost-Mortemのページを新規作成して」といった操作がそのまま通ります。
情シスの問い合わせ対応で効くのは、この読み書き両対応という性質です。「まずConfluenceの過去のナレッジを探し、無ければJiraで同種のチケットが無いか確認し、それでも無ければ新規チケットを起票する」という一連の流れを、Claudeへの1つの依頼として渡せます。個別のツールを都度手作業で開く必要がありません。チケット管理基盤がJiraではなくServiceNowの組織では、Action Fabric経由のClaude ServiceNow連携で情シス部門の問い合わせ対応を自動化が同種のワークフローを実現します。
始める前に確認すること — プランと権限
CoworkはPro・Max・Team・Enterpriseの有料プランで使えます。個人アカウントであれば「Customize」→「Connectors」からAtlassian Rovoを直接検索して接続できます。ただしTeam・Enterpriseでは、組織のオーナーが先に組織設定でコネクタを有効化していないと、メンバー側にこの選択肢自体が表示されません。
Confluence側にも条件があります。組織が「User Installed Apps」の設定でアプリのインストールをブロックしている場合、そのユーザーは自分自身のConfluenceアカウントを別途用意しないとRovoコネクタを使えません。情シス自身が管理者であることが多い部署だけに、この制約は見落とされがちです。導入前にConfluenceの管理画面で該当設定を確認しておくと手戻りを防げます。
組織全体でのロール設計やSSO連携は、Claude CoworkのRBAC運用で扱っているロール・監査ログの枠組みと地続きです。誰にJiraへの書き込み権限を渡すかは、Coworkの承認モードだけでなく、この組織側の権限設計とあわせて決める必要があります。
ステップ1 — Atlassian Rovoコネクタを組織で有効化する
- Team・Enterpriseの場合、組織オーナーが組織設定の「Connectors」からAtlassian Rovoを有効化する
- メンバーはClaudeの「Customize」→「Connectors」を開き、ディレクトリから「Atlassian Rovo」を検索する
- 「Connect」を選び、Jira・Confluenceの認証情報でサインインする
- 要求される権限(発行元アカウントが持つプロジェクト・スペースへのアクセス範囲)を確認し、許可する
複数メンバーに同じ設定を一括で配りたい場合は、Enterprise-managed authという経路もあります。IDプロバイダー(現状はOkta)経由で組織として一度だけ認可し、メンバーは初回ログイン時に権限を自動で引き継ぐ仕組みです。対象は現状Asana・Atlassian・Canva・Figma・Granola・Linear・Supabaseの7サービスで、Atlassianも含まれています。ベータ扱いで利用には申請が必要ですが、数十人規模の情シスチームに配るなら個別認証より手間が少なくなります。
ステップ2 — 承認モードを問い合わせ対応に合わせて設定する
Coworkには「Manual」「Auto」「Skip」の3つの承認モードがあります。コネクタ側の「Always allow」「Needs approval」「Blocked」という3段階の許可設定と掛け合わさり、最終的な挙動が決まる仕組みです。
| コネクタ側の設定 | Manualでの挙動 | Autoでの挙動 | Skipでの挙動 |
|---|---|---|---|
| Always allow | Manualでの挙動承認して実行 | Autoでの挙動読み取りは承認、書き込みはClaudeが判断 | Skipでの挙動承認して実行 |
| Needs approval | Manualでの挙動毎回確認を求める | Autoでの挙動Claudeが安全性を判断 | Skipでの挙動承認して実行 |
| Blocked | Manualでの挙動拒否 | Autoでの挙動拒否 | Skipでの挙動拒否 |
情シスの問い合わせ対応に組み込むなら、Confluenceの検索(読み取り)はAlways allowにしても実害が小さいです。一方でJiraのチケット作成・更新(書き込み)は、Needs approvalのまま毎回確認する構成が無難です。誤った起票やステータス変更は、後から手動で直す手間のほうが承認の手間より大きくなりがちです。
Autoモードは現状Pro・Maxプラン限定で、Team・Enterpriseの選択肢には含まれていません。さらにTeam・Enterpriseでは、組織設定の「常に許可を有効にする」トグルがオフの場合、メンバー個人がAlways allowに設定していても、書き込み系ツールはタスクごとの承認が必要になります。個人の設定より組織側のトグルが優先される点は、情シスが自分たちのチームに配布する前に必ず確認しておく価値があります。承認モードの仕組み自体はCowork自動承認モードとはで詳しく扱っています。
ステップ3 — Triage IssueとSearch Company Knowledgeで定型フローを組む
Atlassian Rovoコネクタには、公式が提供する組み込みSkillが複数あります。問い合わせ対応に直接使えるのは次の2つです。
- Search Company Knowledge: Confluenceに蓄積されたナレッジをまたいで検索する
- Triage Issue: 重複するIssueが無いか検索したうえで、必要に応じてIssueを新規作成・更新する
この2つを組み合わせると、「まず社内ナレッジを検索し、答えが見つからなければ既存チケットの重複を確認し、それでも該当が無ければ新規起票する」という定型対応フローが1回の依頼で成立します。
「VPN接続がタイムアウトする」という問い合わせが来ました。
まずConfluenceの社内ナレッジを検索して既知の回避策があるか確認してください。
見つからない場合は、Jiraの IT-SUPPORT プロジェクトで
同じ症状の既存チケットが無いか確認し、
無ければ新規チケットの下書きを作成してください。
チケットの作成は実行せず、内容を提示して私の承認を待ってください。このプロンプトの最後の一文が実質的な承認ゲートです。ステップ2でJiraの書き込みをNeeds approvalに設定していれば、Claudeがチケット内容を提示した状態で止まるため、誤った起票を防げます。他にも「Spec to Backlog」(仕様書からJiraのバックログを構造化して作る)や「Generate Status Reports」(進捗レポートの生成)といったSkillが用意されています。スプリント管理の定型作業にも応用できる範囲です。
よくあるつまずき
Confluenceの「User Installed Apps」がブロックされている組織では、個人のConfluenceアカウントを別途用意しないとコネクタが動きません。接続時のエラーがこの設定に起因していないか、最初に疑う価値があります。
承認モードを個人でAlways allowに変えたのに毎回確認を求められる場合、原因はTeam・Enterprise側の組織トグルであることがほとんどです。個人設定の変更だけでは解消しません。
Atlassian RovoはAnthropicではなくAtlassian自身が提供・保守するサードパーティ製コネクタです。提供元がAnthropic以外である以上、ツールの中身や権限範囲がAtlassian側の都合で変わる可能性は常にあります。接続したまま放置せず、定期的に権限範囲を見直す価値があります。
よくある質問
無料プランでもAtlassian Rovoコネクタを使えますか
Cowork自体がPro以上の有料プランを前提とする機能です。無料プランでCoworkは使えないため、この連携もCowork経由では利用できません。
JiraだけでConfluenceは接続しない、という構成にできますか
できます。認証はAtlassian Rovo単位で行われますが、コネクタ側の権限設定でConfluenceへの書き込みだけを個別にBlockedにするといった絞り込みが可能です。組織のセキュリティ要件に応じて範囲を狭めてから展開するのが安全です。
承認なしで自動的にチケットを作らせることはできますか
Skipモードにすれば承認なしで実行されますが、安全性チェックそのものが働かなくなるため、外部から読み込んだ内容がそのまま指示として実行されるリスクが他のモードより高くなります。書き込み系の操作を含む問い合わせ対応フローでは、Skipは推奨される選択肢ではありません。
通常のClaudeチャットでも同じことができますか
コネクタ自体はCowork以外のClaude製品からも呼び出せますが、承認モードによる段階的な制御や、複数ステップにまたがる自律的なタスク実行はCoworkに固有の仕組みです。単発の質問ならチャットでも足りますが、検索から起票までを一続きで任せたい場合はCoworkが前提になります。
Zoomの議事録連携とあわせて使えますか
用途が異なります。Atlassian Rovoはチケット管理とドキュメント検索が中心で、ClaudeでZoom議事録を自動要約・タスク化する方法は会議の録画・要約の取得が中心です。「会議で出た問い合わせをZoomの要約から拾い、Jiraにチケットとして起票する」といった組み合わせ方も、両方のコネクタを接続していれば1つの依頼にまとめられます。
まとめ
Jira×Confluence×Claudeの連携は、Atlassian Rovoコネクタの読み書き権限と、Coworkの3段階の承認モードを組み合わせて設計する仕事です。Confluenceの検索は緩めに、Jiraへの書き込みは慎重にという非対称な設定が、情シスの問い合わせ対応では現実的な出発点になります。組織のオーナー設定や「常に許可を有効にする」トグルが個人設定より優先される点を把握したうえで導入すると、想定外の自動起票を避けながら定型対応の手数を減らせます。