ClaudeとAttentionを連携する方法 — 通話横断で反論とスコアカードを見る
Attentionのコネクタは、営業通話の検索・反論の集計・スコアカードの確認・スニペット作成をClaudeから行える連携です。接続手順、権限、使えるツールと、通話を横断して聞くときの手順をまとめます。
Attentionは、営業の通話やメールを記録して文字起こしし、重要な情報を取り出す会話インテリジェンスのサービスです。Claudeのコネクタとして接続すると、チーム全体の通話をClaudeから検索し、反論の傾向やスコアカードの結果、案件ごとの状況を自然文で聞けるようになります。
この記事では、接続手順、権限の仕組み、使えるツール、通話を横断して反論パターンを引き出す質問の組み立て方を順に説明します。
Attentionコネクタでできること
Claudeのコネクタ一覧では、Attentionは「Anthropic verified」の表示を持つ営業・マーケティング分類のコネクタです。サインインが必要で、2026年6月に追加されています。コネクタのURLは https://api.attention.tech/mcp です。
Attention側の説明では、接続後にできることは次の4系統です。
Claudeから頼める4つの作業
通話の検索
日付・担当者・チーム・キーワード・商談・CRM項目、さらに文字起こしの中身で通話を探します。
AIによる横断分析
複数の通話をまとめて読ませ、反論やトレンド、案件の状況を答えさせます。
コーチング資料の確認
スコアカードの結果を読み、担当者ごとの改善点を拾います。
スニペットの作成
通話の一部を切り出して、共有できるクリップにします。
読み取りだけでなく、チームやユーザーの管理、スコアカードの作成といった設定変更も、同じコネクタ経由でできます。この点は権限の節で扱います。
接続前に確かめる3点
接続の可否は、Attention側とClaude側の両方で決まります。
- Attentionのアカウントがあること。コネクタはログイン中のAttentionユーザーとして動くため、アカウントを持たない人は使えません
- Claudeのプランが対応していること。Attentionのドキュメントは、コネクタを使えるプランをPro・Max・Team・Enterpriseとしています
- TeamかEnterpriseなら、組織のオーナーが先に追加していること。組織設定のコネクタ画面でオーナーが追加するまで、各メンバーは接続できません
3つ目は見落としやすい点です。Claudeのヘルプによると、オーナーがコネクタを有効にしても、メンバーに自動で権限が付くわけではなく、各自が認証を済ませる必要があります。
claude.aiへの追加手順
接続の流れ
- 1
コネクタ設定を開く
claude.aiかClaude Desktopで、設定のコネクタ画面を開きます。
- 2
Attentionを追加する
ディレクトリで「Attention」を検索して追加します。見つからない場合は、カスタムコネクタの追加でURLに
https://api.attention.tech/mcpを入力します。 - 3
OAuthで認証する
Attentionのログイン画面に移ります。Google、SSO、メールとパスワードのうち、組織で使っている方法でサインインします。
- 4
同意画面を承認する
同意画面には、Claudeが求めるスコープとして
mcp:readとmcp:writeが表示されます。承認すると接続が完了します。
接続後は、短い質問で動作を確かめます。
Attentionに接続できているか確認したい。
自分の名前と所属チーム、ロールを教えてください。Attentionのツール一覧には、認証中のユーザー・組織・ロールを返す get_me が載っています。答えが自分のアカウントと一致していれば、意図したユーザーとして繋がっています。
Attentionのドキュメントは、claude.aiで追加したリモートMCPサーバーはClaude Codeでも自動的に使えると説明しています。ターミナルで通話データを引きたい場合は、別に登録する前にClaude Code側のMCP一覧を見てみてください。
使えるツール
コネクタ一覧のページには、次の10個のツールが並んでいます。
| ツール | 役割(Attentionの説明に基づく) |
|---|---|
search_calls | 役割(Attentionの説明に基づく)通話の検索 |
get_call_details | 役割(Attentionの説明に基づく)1件の通話の文字起こし・スコアカード・AI抽出情報 |
ask_attention | 役割(Attentionの説明に基づく)複数の通話に対するAI分析 |
create_snippet | 役割(Attentionの説明に基づく)共有用クリップの作成 |
get_org_overview | 役割(Attentionの説明に基づく)ロールとチーム構成の概要 |
get_scorecards | 役割(Attentionの説明に基づく)スコアカードの一覧 |
list_teams | 役割(Attentionの説明に基づく)チームの一覧と階層 |
get_team | 役割(Attentionの説明に基づく)1つのチームの詳細 |
get_team_members | 役割(Attentionの説明に基づく)チームのメンバーとロール |
list_reps | 役割(Attentionの説明に基づく)組織のユーザー一覧 |
一方、Attentionのドキュメントは、MCPサーバーが16グループ・81のツールを持つと説明しています。ディレクトリのページに載る10個より多く、スコアカードの作成、ユーザーの招待、CRM連携の設定、APIキーの管理などが含まれます。ドキュメントによれば、書き込み系のツールには mcp:write スコープが必要で、その多くは管理者ロールも求めます。読み取り中心の使い方なら、この10個を覚えておけば足ります。
通話を横断して反論パターンを見る
営業の反論は、1件の通話を読むより、通話を並べて見たときに型が見えます。Attentionのドキュメントは、この用途に search_calls で通話を絞ってから ask_attention に渡す流れを勧めています。通話を1件ずつ get_call_details で取るより効率が良いという説明です。
検索で通話を絞る
search_calls は1ページ最大50件で、日付範囲、担当者のメールまたはID、チームID、タイトルのキーワード、商談ID、CRM項目などで絞れます。文字起こしの中身を探す transcript_search も使えます。
使い分けで気をつけたいのは、組み合わせの制限です。transcript_search は、title、rep_email、rep_id、participant_email、opportunity_id、crm_field_* と同時には指定できません。日付、チーム、hide_* 系のフィルターとは併用できます。「特定の担当者の通話から、特定の言葉を含むものだけ」を探したいときは、2回に分けて検索し、IDを突き合わせる形になります。
また、結果に文字起こし本文を含めるかを決める hide_transcript は、既定で本文を省く設定です。本文が要るときは get_call_details で取ります。
分析は25件までに分ける
ask_attention が1回で見られる通話は最大25件です。通話のIDのリストか、商談IDのどちらかを渡します。商談IDを渡すと、その商談に紐づく通話をまとめて分析します。
四半期分の通話が数百件ある場合は、期間や商談の段階で分けて、25件以内の単位で聞きます。たとえば次のように頼みます。
Attentionで、今四半期に「見積もり提示」の段階にいる商談の通話を
チームごとに検索してください。
そのうち10件を選び、顧客が示した反論を型(価格・時期・競合・導入負荷・
社内調整)に分けて、それぞれの原文に近い言い方と回数を表にしてください。
通話に出てこない反論は足さないでください。最後の一文は、実際の通話に基づく表にするための指示です。Claudeが「ありそうな反論」を補うと、通話の事実と混ざってしまいます。
結果を練習素材に変える
通話から取り出した反論の原文は、そのまま営業ロープレの素材になります。反論を型に分けて顧客役を演じさせる手順は営業ロープレの顧客役をClaudeに任せ、失注議事録から反論パターンを作るにあります。議事録を自分で用意する代わりに、Attentionの通話から反論を引いて渡せるというのが、コネクタ経由の入口です。
失注理由を四半期でまとめる場合は、Coworkで営業の失注理由を分析する手順が集計側を扱っています。
スコアカードで担当者の改善点を拾う
スコアカードは、Attentionが通話を評価する基準です。重み付きの評価項目、適用する通話の条件(ラベルによる絞り込み)、点数の範囲で構成されます。get_scorecards で一覧を、get_scorecard_details で項目・重み・評価の指示を読めます。
使い方の例を挙げます。
Attentionのスコアカードを一覧にして、「初回商談」用のものの
評価項目と重みを教えてください。
そのスコアカードで、先月の自分のチームの通話を検索し、
点数の低かった項目を共通点ごとにまとめてください。Attentionのドキュメントにあるコーチングの質問例は、トップ担当者とそれ以外で価格の反論の扱いを比べる、担当者ごとに直近の通話から指導すべき場面を1つ挙げる、といった形です。点数そのものではなく、点数が低い通話の具体的な場面に降りて聞くと、面談で使える材料になります。
評価の結果は、Attentionが付けたスコアです。Claudeが独自に採点し直すわけではない点に注意してください。基準を変えたいときは、Attention側のスコアカードを直します。
共有用のスニペットを作る
create_snippet は、通話の一部を切り出した共有用クリップを作ります。開始・終了の時間を秒で指定するか、両方省略して録画全体を使います。タイトルとメモ、ライブラリのフォルダの指定もできます。
必須の入力は、通話ID、所有者のユーザーUUID、社内限定にするかの3つです。社内限定の指定を誤ると、社外に見せられる形でクリップができるため、作成前にこの設定をClaudeに復唱させると安全です。
この通話の12:30から14:00を、社内限定のスニペットにしてください。
タイトルは「予算の時期」。作成前に、通話ID・時間範囲・社内限定かどうかを
確認のため読み上げてください。作成は mcp:write が必要な操作です。分析だけに使うつもりなら、次の節の制限を検討してください。
権限とデータの扱い
Attentionのドキュメントによると、コネクタは接続した本人のAttentionユーザーとして動きます。アプリで見られない通話は、Claudeからも見えません。営業担当は既定で自分のチームの通話を見られ、他の担当者の通話を指定して見るのは管理者やマネージャー向けとされています。
押さえておく点は次のとおりです。
- 書き込みと管理者ロール。書き込み系ツールには
mcp:writeが要り、多くは管理者ロールも要ります。権限が足りないとinsufficient_scopeやadmin_requiredといったエラーが返ります - 削除系の操作。ユーザー削除、チームのアーカイブ、ラベルやスコアカード項目の削除などがあります。ドキュメントは、Claudeが実行前に警告を出すと説明しています
- レート制限。1秒・1時間・1日の3つの窓で制限され、超えると429が返ります
- 接続の解除。コネクタ画面で切断すると、アクセストークンとリフレッシュトークンは直ちに無効になります
分析だけに使うチームでは、Claude側で書き込みを止められます。Claudeのヘルプによると、TeamとEnterpriseの組織オーナーは、接続先サービスで許可する操作を組織全体で制限できます。読み取りは許し、書き込みは禁じる構成です。個々のユーザーは上書きできません。
通話の文字起こしには、顧客の氏名や社名、価格の話が含まれます。Claudeへ渡す情報の扱いは、社内の規程に沿って決めてください。考え方は営業秘密と生成AIへの入力の関係にまとめています。
動かないときの切り分け
| 症状 | 見直す点 |
|---|---|
| TeamやEnterpriseで接続できない | 見直す点組織のオーナーが先にコネクタを追加しているか |
| 通話が検索結果に出ない | 見直す点自分のAttentionアカウントでその通話が見えているか。見えない通話はClaudeにも出ません |
| 検索がエラーになる | 見直す点transcript_search を title や rep_email と同時に指定していないか |
| 分析の対象が足りない | 見直す点ask_attention は1回25件まで。期間や商談で分けて聞く |
| 書き込みが失敗する | 見直す点mcp:write と、必要なら管理者ロールがあるか |
| 通話が最新まで入っていない | 見直す点通話は処理が済んでから現れ、Attentionのドキュメントでは終了から通常数分とされています |
隣接する連携との使い分け
営業の会話データは、CRMや面接記録など別のコネクタにもあります。採用面接の文字起こしを引く場合はClaudeとBrightHireを連携する方法が同じ構造の連携です。Attentionの場合、軸は営業通話で、スコアカードと商談単位の分析が中心になります。
ディレクトリのページには、関連するコネクタとして、HubSpot、Salesforce、monday.comなどが並びます。AttentionはCRMと2方向で同期する製品なので、商談の情報はCRM側に、通話の中身はAttention側にあります。どちらを引くかで、接続するコネクタが変わります。