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Claudeで宴会コースの見積書を作る — 人数と予算から同じ基準で返すProjects

Claudeで宴会コースの見積書を作る — 人数と予算から同じ基準で返すProjects

コース表・飲み放題の条件・キャンセル規定をClaudeのProjectsに置き、スタッフが人数と予算から同じ基準で見積もりを返せるようにする手順です。共有範囲と検算の方法も説明します。

宴会の見積もりは、電話や問い合わせフォームで「20名で、予算は一人5,500円くらい」と来るところから始まります。答えるスタッフによって、飲み放題を付けたり付けなかったり、キャンセル規定の説明が抜けたりすると、お客様に出す金額がぶれます。

ClaudeのProjectsに、コース表・飲み放題の条件・キャンセル規定を置いておけば、スタッフは人数と予算を打ち込むだけで、同じ基準の見積案を受け取れます。この記事では、置く資料、指示文、検算の方法、共有の範囲を順に説明します。開店・閉店の手順書とは別の用途で、扱うのは料金とお客様への案内文です。

共有できるのはTeamとEnterpriseの組織アカウント

プロジェクトの公開範囲と共有の機能は、TeamまたはEnterpriseプランの利用者向けです。Free・Pro・Maxの個人アカウントでは、スタッフ間でProjectを共有できません。

プランの違いはClaude Teamプランの導入ガイドにあります。共有そのものも、組織管理者が止められます。管理者が止めると、Publicだったプロジェクトは自動でPrivateになり、個別に招待されていないスタッフは見えなくなります。店舗のオーナーが管理者を兼ねているなら、先に共有が許可されているかを確かめます。

置く資料は料金表と条件に絞る

Projectの知識ベースに入れた内容は、招待されたメンバー全員がチャットの中で参照できます。基準は「スタッフ全員に見せてよい文書か」です。

置く資料中身の例置かない資料
コース表中身の例コース名、料金、品数、最低人数置かない資料過去のお客様の名前・連絡先
飲み放題の条件中身の例時間、料金、ラストオーダー、対象外の銘柄置かない資料仕入れ値・原価率
キャンセル規定中身の例期限ごとの料金割合、人数変更の締め切り置かない資料個別に値引きした履歴
税・サービス料の扱い中身の例税込か税抜か、個室料の有無置かない資料経営者の判断メモ

Projectにアップロードできるファイルは1つあたり30MBまでで、ファイル数に上限はありません。ただし内容の合計が、Claudeのコンテキストウィンドウに収まる必要があります。有料プランでは、知識が上限に近づくとRAGモードに切り替わり、最大で10倍まで扱える量が増えます。宴会の資料なら、数ページのPDFとExcelで足ります。

Projectに置くファイルは文字の抽出が中心です。メニュー写真だけで料理の内容を示している資料は、品数や料理名を文字で書き起こしたものを一緒に置きます。

指示文に見積もりの手順を書く

資料を置くだけでは、Claudeは自由に見積もりを作ってしまいます。Projectにはプロジェクト指示(instructions)を設定できるので、そこに計算の順序と出力の形を固定します。例えば次のような文面です(店ごとの料金に置き換える前提の雛形です)。

あなたは宴会の見積もりを作る補助役です。
知識ベースのコース表・飲み放題条件・キャンセル規定だけを根拠にします。
 
1. 人数と予算(1人あたり)を受け取る。足りない項目は先に質問する
2. 予算内に収まるコースと飲み放題の組み合わせを、最大3案出す
3. 各案は「コース名/飲み放題の時間/1人あたり/人数/合計」の表にする
4. 税・サービス料の扱いは資料の記載どおりに明記する
5. 最低人数に満たない、資料にない要望(貸切・持ち込み等)は
   見積もりを作らず「店長に確認」と返す
6. 最後に、該当するキャンセル規定を原文のまま引用する

5番が要点です。資料にない条件を推測で埋めさせないために、断る出口を先に作ります。答えを作れない質問を店長へ回す動線があると、スタッフが自己判断で約束してしまう事故が減ります。

人数と予算を入れたときの返り方を決めておく

次の表は、動作確認に使う架空のコース表です。数字は例で、実在の店の料金ではありません。

項目内容
梅コース内容3,500円(税込)
竹コース内容4,500円(税込)
松コース内容6,000円(税込)
飲み放題90分内容1,200円(税込)
飲み放題120分内容1,500円(税込)
最低人数内容10名から

スタッフが「20名、予算は1人5,500円」と入れたとき、期待する返答は次のようになります(資料の数字から計算した例です)。

案内容1人あたり20名の合計
A内容梅コース+飲み放題120分1人あたり5,000円20名の合計100,000円
B内容竹コース(飲み放題なし)1人あたり4,500円20名の合計90,000円

竹コースに飲み放題90分を付けると5,700円になり、予算を200円超えます。この「予算を超える組み合わせ」を案として出さないことも、指示文で決めておく動作です。超過分を示して「予算を上げれば竹コース+90分が可能」と一言添える形なら、スタッフがお客様へ提案しやすくなります。

見積書の形にするときは、Claudeのファイル作成機能が使えます。Excel・Word・PDFを会話から作って、そのままダウンロードできます。Excelなら計算式入りで作らせると、後から人数を変えたときに合計が自動で変わります。ファイル作成は、Free・Pro・Maxでは設定の機能欄(Settings > Capabilities)でオンになっているかを確かめます。TeamとEnterpriseでは組織の既定でオンです(オーナーがオフにできます)。

見積書に入れる項目を指示文で固定する

金額の表だけでは、見積書として足りません。お客様が後から「聞いていない」と言いやすい項目を、出力の末尾に必ず付けさせます。

項目指示文での書き方
有効期限指示文での書き方「見積もりの有効期限は資料の記載日数。なければ空欄にして店長に確認」
人数の確定期限指示文での書き方「人数変更の締め切りを資料から引用する」
飲み放題の条件指示文での書き方「時間・ラストオーダー・対象外の銘柄を省略せず書く」
食事の制限指示文での書き方「アレルギー・苦手な食材の申告を、いつまでに受けるかを書く」
キャンセル規定指示文での書き方「期限別の割合を原文のまま引用する」

どの項目も、答えは店の資料の中にあります。Claudeに考えさせず、引用させるのが狙いです。資料に書かれていない項目は空欄のまま返させ、店長が埋めます。

幹事への返信文まで作らせる

見積もりの表ができたら、同じ会話で幹事に送る文面も作らせます。例えば次のように頼みます。

上の案Aと案Bを、幹事さん向けの返信メールにしてください。
敬語はていねいに、金額は税込で。
最後にキャンセル規定と人数確定の期限を入れてください。

文面は店の言葉づかいに合わせたいので、過去に出した返信メールを1通だけProjectに置き、「この文体に合わせる」と指示文に書いておきます。送る前に人が読む前提は変わりません。

現行のProjectsで作る

この記事は、従来のProjectsの仕様に沿っています。Projectsは、新しい版の段階提供が始まっています(当面はClaude Codeを使うPro・Maxの一部が対象です)。TeamやEnterpriseのチャット側は、今の版のままです。新しい版が届いたら、画面の表記が変わる場合があります。

手順は次のとおりです。

手順

Projectを作って共有するまで

  1. 1

    Projectを作る

    TeamまたはEnterpriseのアカウントで、新しいプロジェクトを作ります。名前は「宴会見積もり」のように用途が分かるものにします。

  2. 2

    資料と指示文を置く

    コース表・飲み放題の条件・キャンセル規定を知識ベースに追加し、前の節の指示文を貼ります。

  3. 3

    公開範囲を決める

    Shareボタンから、全員に公開(Everyone)か、招待した人だけ(Only people invited)かを選びます。料金を見せる範囲が決まっていない間は、招待制にします。

  4. 4

    権限を分けて招待する

    見積もりを作るスタッフは「Can view」、料金表を更新する人は「Can edit」で、名前かメールアドレスから追加します。複数人はメールアドレスの一覧を貼り付けると一括で入ります。

スタッフの権限は閲覧にとどめる

共有するときの権限は2段階です。

  • Can view: 資料と指示を見て、プロジェクトの中でチャットできる。編集はできない
  • Can edit: 指示と知識を書き換え、メンバー設定を変えられる

見積もりを作るスタッフは「Can view」にします。料金改定でコース表を差し替える人だけを「Can edit」にすれば、誰かが指示文を書き換えて計算の基準がずれる事故を避けられます。

チャットの扱いも確認しておきます。プロジェクトを共有しても、各メンバーのチャットは非公開のままです。見積もりのやり取りを先輩に見せたいときは、チャットのShareボタンで共有リンクを作ります。リンクに含まれるのは共有した時点までのメッセージで、その後のやり取りは含まれません。更新したいときは、Shareメニューの「Update」を押します。

検算は過去の見積もりで行う

運用を始める前に、過去に実際に出した見積書を3件ほど入力して、結果が一致するか確かめます。確認の観点は次のとおりです。

  1. 合計金額が過去の見積書と一致するか
  2. 税・サービス料の表示が資料どおりか
  3. 最低人数未満の入力で「店長に確認」と返るか
  4. 日付別のキャンセル料の計算が合うか

4番は、上の架空規定で例を作ります。キャンセル規定が「前日は料金の50%」で、案Aの20名分100,000円なら、前日のキャンセル料は50,000円です。Claudeが出した数字を、手計算か電卓の結果と並べます。

運用で起きやすい落とし穴

落とし穴

料金改定のあと、古いコース表が残る

Projectの知識ベースに新旧2つのファイルが並ぶと、Claudeがどちらも参照します。改定したら古いファイルを削除し、新しいファイルの名前に適用開始日を入れます。指示文にも「適用日が最新のコース表だけを使う」と書き添えます。

落とし穴

アーカイブしても共有は消えない

Projectをアーカイブしても、メンバーや権限は変わらず保たれます。辞めたスタッフのアクセスを止めたいときは、アーカイブの前後に共有設定から本人を外します。

落とし穴

管理者が共有を止めると、公開が非公開に戻る

組織の共有が止まると、PublicのプロジェクトはPrivateになります。個別に招待していたメンバーのアクセスは残ります。新人が見えなくなったときは、公開範囲が原因かもしれません。

同じ型を別の場面に広げる

資料を置いて、指示文で出口を決める型は、見積もり以外にも使えます。店舗の手順を毎回確かめる用途は開店・閉店チェックリスト、所内マニュアルを職員が引く用途は士業事務所の業務マニュアル共有にあります。他社の見積書を比べる側の作業は相見積もりの比較表が扱います。Projectsという仕組み自体の違いはProjectsとGPTsの比較で確かめられます。

宴会の見積書で成果が出るのは、料金表そのものより、断る出口と検算の習慣です。資料にない条件は店長へ回す。過去の見積書で3件、金額を合わせる。この2点を決めてから共有すれば、スタッフごとの金額のぶれは抑えられます。

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