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ClaudeのCanvas LTI連携 — 管理者が行う3段階の導入手順

ClaudeのCanvas LTI連携 — 管理者が行う3段階の導入手順

Canvas LMSにClaude LTIを入れる手順を、Developer Keyの作成、アプリのインストール、Claude for Educationでの有効化の3段階で解説します。入力値と受け渡す3つのIDの出どころも表にしました。

Claude LTIは、Canvas LMSの授業ページの中でClaudeを使えるようにするLTI(Learning Tools Interoperability)連携です。導入は管理者の作業で、Canvas側で2段階、Claude for Education側で1段階の計3段階になります。

Canvas側の作業はCanvasの管理者権限、Claude側の作業はClaude for Educationの管理者権限が要ります。大学によっては担当部署が分かれるため、値の受け渡しが要点になります。

導入の全体像と必要な権限

Anthropicは2025年7月の発表で、ClaudeがCanvas LTIに対応し、学生がCanvasの授業から離れずにClaudeを使えるようになると説明しています。手順を載せたヘルプ記事の対象は、Claude for Educationの管理者とLMSの管理者です。

作業は次の順に進みます。

段階作業する場所必要な立場得られるもの
1作業する場所Canvas Admin > Developer Keys必要な立場Canvas管理者得られるものClient ID
2作業する場所Canvas Admin > Settings > Apps必要な立場Canvas管理者得られるものDeployment ID
3作業する場所Claude for Educationの組織設定必要な立場Claude for Educationの管理者得られるもの連携の有効化

段階3には1と2で得た値が要ります。Canvas管理者とClaude管理者が別の人なら、Client IDとDeployment IDをどう渡すかを先に決めておくと、作業が途中で止まりません。

Claude側の組織設定を触れるのは、Owner(またはPrimary Owner)です。大学のClaude for Educationアカウントは、指定されたPrimary Ownerが管理する仕組みです。契約窓口の担当者に、Canvas連携の有効化を依頼する形になる大学が多いでしょう。

段階1: CanvasでClaude LTIのDeveloper Keyを作る

Canvasに管理者でサインインし、Admin > Developer Keysを開きます。「+ Developer Key」から「+ LTI Key」を選び、次の値を入力します。

項目入力値
Key Name入力値Claude LTI
Description入力値Canvas LTI 1.3アプリの短い説明(任意の文面)
Redirect URIs入力値https://claude.ai/lti/launch
Title入力値Claude LTI
Target Link URI入力値https://claude.ai/lti/launch
OpenID Connect Initiation Url入力値https://claude.ai/api/lti/login
JWK method入力値https://claude.ai/api/lti/keys

Descriptionだけは公式が文面を指定しておらず、自由に書けます。ほかの値はそのまま入力します。

続けて、次の設定を行います。

  • Additional SettingsでPrivacy LevelをPublicに切り替える
  • Placementsは、既定の項目を外して「Course Navigation」と「Assignment Edit」だけを追加する(公式の推奨)
  • 「Save」を押し、保存後にキーの状態をOnにする

Privacy LevelをPublicにする理由と、Placementsの2項目が有効にする機能の説明は、公式ヘルプにはありません。学内の個人情報の取り扱い規程と照らす必要があるときは、Canvas側の資料か契約窓口を通じてAnthropicに確認する流れになります。

キーを保存すると、Developer Keysの一覧にClient IDが表示されます。段階2と段階3で使うので、控えておきます。

段階2: Claude LTIをアプリとしてインストールする

CanvasのAdmin > Settings > Appsを開きます。「View App Configurations」から「+ App」を選び、Configuration Typeは「By Client ID」にします。

入力欄には、段階1で得たClient IDを貼ります。「Install」を押し、授業のページを再読み込みします。

インストール後、段階3で使うDeployment IDを取り出します。場所は次の順に辿ります。

  1. Admin > Settings > Apps > View App Configurationsを開く
  2. 一覧の「Claude LTI」にあるSettingsボタンを押す
  3. 表示されたDeployment IDを控える

段階3: Claude for Educationで連携を有効にする

Claude for Educationに管理者でサインインし、Organization settings > Connectorsを開きます。一覧からCanvasを探し、「Enable」を押します。

表示された設定ウィンドウに、次の3つを入力します。

入力項目どこから取るか
Canvas Domainどこから取るか大学のCanvasのドメイン
Client IDどこから取るかCanvas Admin > Developer Keys
Deployment IDどこから取るかCanvas Admin > Settings > Apps > View App Configurations > Claude LTIのSettingsボタン

「Save Changes」を押し、連携が有効と表示されれば完了です。

Canvas Domainの書式(https:// を付けるかどうかなど)は、ヘルプでは触れられていません。表示された入力欄の例に従い、判断がつかないときは自校のCanvasのアドレスバーの表記と揃えます。

3つの値はどの段階で生まれ、どこで使うか

段階をまたぐ値は3つです。生まれる段階と使う段階がずれているのが、受け渡しで止まる原因になります。

値生まれる段階使う段階取り違えたときの症状
Canvas Domain生まれる段階手元にある(自校のCanvasのアドレス)使う段階段階3取り違えたときの症状別のCanvasを指すため、連携が成立しない
Client ID生まれる段階段階1(Developer Keyの保存後)使う段階段階2と段階3取り違えたときの症状段階2でアプリを追加できない。段階3に別の値を入れると連携が成立しない
Deployment ID生まれる段階段階2(インストール後)使う段階段階3取り違えたときの症状段階2より前には存在しないため、探しても見つからない

Client IDは2回使います。段階2の「By Client ID」の欄と、段階3の入力欄です。Deployment IDはアプリのインストール後にしか出ないので、段階2の前に取ろうとすると詰まります。

似た形の2つのIDを取り違えないよう、Canvas管理者は段階1のあとと段階2のあとの2回、値を控えてClaude管理者に渡す進め方になります。症状の列は、各値の役割から見た想定です。公式ヘルプにエラー文言の記載はありません。

途中で止まりやすい点

手順は短くても、次の点でつまずくことがあります。

  • Developer Keyを保存しただけではだめで、キーの状態をOnにします。Offのままだと、段階2でClient IDを入れても使えるキーになりません
  • Client IDは段階1の一覧に出る値で、Deployment IDは段階2のあとにSettingsから出る値です。段階3では欄の名前どおりに入れます
  • Placementsは既定の項目を外し、「Course Navigation」と「Assignment Edit」だけにします。既定のまま保存すると、公式の推奨と異なる構成になります
  • インストール後は授業のページを再読み込みします。反映前に確認すると、Claudeが出ていないように見えます
  • Redirect URIsとTarget Link URIは同じ値ですが、OpenID Connect Initiation UrlとJWK methodは別のパスです。4つのURLをまとめてコピーしないよう、表の値を1つずつ確認します

LTI連携とDeveloper Keyの関係

LTIはCanvasのような学習管理システムに、外部のツールを埋め込むための共通仕様です。この手順は、Canvasの「LTI 1.3アプリ」として登録する作業にあたります。Developer Keyは、その外部ツールをCanvasが識別するための登録情報で、Client IDがその識別子です。段階1は「Canvasにツールを登録する」、段階2は「登録したツールを実際に組み込む」、段階3は「Claude側でCanvasを接続先として認識させる」作業と言い換えられます。

権限の切り分けと、連携後に確認したいこと

Claude側では、コネクタは組織で有効にしても、誰にでも自動で使えるわけではありません。Claudeのコネクタ全般の仕様として、Owner(またはPrimary Owner)が組織で有効にしても、各利用者が個別に認証するまで接続は使えません。Owner側では、接続したサービスが取れる操作を、組織全体で絞ることもできます。

Canvas LTIの場合に、学生や教員の側で追加の認証が求められるかは、導入用のヘルプ記事に書かれていません。試験導入の段階で、テスト用の授業を1つ作り、学生役のアカウントで実際に起動できるかを確認しておくと、本番の授業開始前に問題を拾えます。

確認したい点は次のとおりです。

  • 授業のナビゲーションにClaudeが出るか(Course Navigation)
  • 課題の編集画面からClaudeを呼べるか(Assignment Edit)
  • 学生役のアカウントで起動して、Claude側のサインインが通るか

Claude for Educationでは、データのエクスポート、監査ログ、サムズアップ・ダウンによるフィードバックの3つが既定で無効です。LMSと連携しても、この既定は変わると書かれてはいません。学内の監査や情報公開の要件で必要なら、Primary OwnerがAnthropicのサポートに依頼して有効にします。

これらの設定はClaude LTI専用ではなく、Claude for Educationの一般設定です。管理者向けの入口ヘルプにはほかに、プロジェクトの公開範囲と共有、Web検索、データ保持の制御、公開プロジェクトの無効化も並びます。Canvasの授業から使う学生にも組織の設定が及ぶため、連携を広げる前に、コネクタとWeb検索の設定を組織の方針と揃えておく進め方があります。

導入前に大学内で決めておくこと

日本の大学では、LMSの運用とAI利用の契約が別の部署にまたがることが多くなります。手順そのものは短いため、詰まりやすいのは調整のほうです。

  • Canvasの管理者は誰か、Developer Keyの作成を誰が承認するか
  • Claude for EducationのPrimary Ownerは誰か、連携の有効化を誰に依頼するか
  • テスト用の授業をどこに用意するか
  • 学生に何を案内するか(授業内のClaudeの位置、学内のAI利用ルール)

ルール面は、文部科学省の通知を大学の利用ポリシーへ落とし込む方法を大学の生成AIポリシーの記事にまとめています。Claude for Education自体の機能や対象者はClaude for Educationとは、学生・教員の側の使い方はClaude for Educationの使い方で扱っています。

まとめ

Claude LTIの導入は、Canvasで2段階、Claudeで1段階の計3段階です。手順は数分で終わりますが、Client IDとDeployment IDの受け渡しで止まりやすい作業です。役割分担と値の受け渡し方法を先に決め、テスト用の授業で学生役として起動を確認してから、本番の授業に広げる進め方になります。

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