Claude Media
ClaudeとCeligoを連携する方法 — フロー実行とエラー再試行を会話で

ClaudeとCeligoを連携する方法 — フロー実行とエラー再試行を会話で

CeligoのPlatform MCPをClaudeにつなぐ手順です。リージョン別のエンドポイント、OAuthとAPIトークンの違い、書き込み系ツールの扱い方をまとめます。

ClaudeでCeligoのフローを動かすとは

Celigo Platform MCPは、iPaaS(アプリ間の連携基盤)であるCeligo integrator.ioをClaudeから操作するためのリモートMCPサーバーです。Celigoがホストしているため、手元に入れるものも常駐プロセスもありません。Claudeに接続してCeligoの認証情報でサインインすると、フローの状態確認、失敗原因の調査、エラーの再試行、新しいフローの組み立てまで会話で進められます。

内部ではCeligoのREST APIを呼んでいます。権限もサインインしたユーザー(またはトークン)のものがそのまま使われるので、Claudeが画面操作より広い権限を持つことはありません。

ここで押さえたいのは、このコネクターが読み取り専用ではない点です。フローの実行、エラーの再試行、リソースの削除まで通ります。本記事は接続手順だけでなく、書き込み系ツールをどう扱うかに重点を置きます。

数字

Celigo Platform MCPの接続情報

  • 通信方式

    Streamable HTTP

    リモートMCP

  • 認証

    OAuth / トークン

    既定はOAuth

  • ツール数

    61

    Claudeコネクター一覧の表示

US以外のリージョンは別URL

同じ種類の連携は、署名依頼を扱うDocuSealのコネクターや、チケット管理のDevRevのコネクターでも解説しています。認証の選び方や書き込みの怖さは共通なので、読み比べると違いが見えます。

接続前に決めること

接続先を間違えると認証が通りません。Celigoのエンドポイントはリージョンごとに分かれており、認証情報はリージョンをまたいで使えないためです。サインインしているサブドメインがそのままリージョンになります。

サインイン先リージョンエンドポイント
integrator.ioリージョンUSエンドポイントhttps://api.integrator.io/celigo-mcp
eu.integrator.ioリージョンEUエンドポイントhttps://api.eu.integrator.io/celigo-mcp
au.integrator.ioリージョンAUエンドポイントhttps://api.au.integrator.io/celigo-mcp
ca.integrator.ioリージョンCAエンドポイントhttps://api.ca.integrator.io/celigo-mcp

Claudeのコネクター一覧に載っているのはUSとEUの2つです。AUとCAはまだ一覧になく、カスタムコネクターの追加画面にURLを入れて登録する形になります。

もう1つ、サインインの途中でアカウントと環境を選びます。OAuthのセッションはこの選択に紐づくので、本番とサンドボックスを使い分けている場合は、どちらに入ったかを最初の質問で確かめるのが安全です。切り替えるときはコネクターをいったん切断して、サインインし直します。

Claudeに追加する手順

claude.ai・Claude Desktop・モバイル

Celigoのコネクター一覧ページから「Connect」を選びます。接続先URLを聞かれたら、自分のリージョンに合うものを選びます。ブラウザでCeligoのサインイン画面が開くので、SSOやMFAも含めて通常どおり認証し、クライアントの承認とアカウント・環境の選択を済ませます。

一度つなげば、claude.ai、Claude Desktop、モバイルアプリで同じコネクターが使えます。TeamプランやEnterpriseプランでは、先にオーナーが組織向けにCeligoを追加し、そのあと各メンバーが「Connect」を押す順番です。

手順

Claudeで接続して動作確認するまで

  1. 1

    コネクターを追加する

    Celigoの一覧ページで「Connect」を選び、リージョンに合うURLを指定します。

  2. 2

    Celigoにサインインする

    ブラウザの認証画面で、認証情報の入力と、アカウント・環境の選択を行います。

  3. 3

    新しいチャットを始める

    多くのクライアントはチャットの開始時にしかツールを読み込みません。接続後は新しいチャットで試します。

  4. 4

    読み取りだけの質問で確かめる

    「Celigoの接続一覧を出して」のような質問が通れば、つながっています。

Claude Code

Claude Codeでは1行で追加できます。

claude mcp add --transport http celigo \
  https://api.integrator.io/celigo-mcp

そのあとClaude Codeのセッションで/mcpを開き、celigoを選んで「Authenticate」を実行します。どのディレクトリでも使いたいなら--scope userを付けます。EUなど別リージョンの場合は、URLをそのリージョンのものに置き換えます。

すでにclaude.aiでCeligoを接続し、同じclaude.aiのアカウントでClaude Codeにサインインしている場合は、/mcpの一覧に最初から出てきます。追加コマンドは要りません。

OAuthとAPIトークンの使い分け

認証は2通りあります。

  • OAuth(既定): 対話的なクライアント向け。ブラウザでサインインし、権限はあなたがその環境で持つものと同じになります。
  • APIトークン: スクリプトやCI、OAuthに対応しないクライアント向け。Authorization: Bearerヘッダーに管理者が作ったサービストークンか個人アクセストークンを渡します。

Claudeから使うだけなら、OAuthで足ります。トークン方式を選ぶ理由が出てくるのは、OAuth非対応のクライアントを併用するときくらいです。

トークンを使うなら注意点があります。フルアクセスのトークンは、アカウント内のあらゆるものを読み、変更し、削除できます。設定ファイルをバージョン管理に入れない、共有チャットに貼らない、漏れたらCeligoの「Resources > API tokens」で作り直す、の3点は最低限です。権限を絞りたいときは、対象リソースを限定したカスタムスコープのトークンを選べます。個人アクセストークンは、作成したユーザーとして動きます。

OAuthの場合も、権限の上限は自分のロールです。Claudeがエラーを返したときの切り分けは次のとおりです。

症状主な原因と対処
401 Unauthorized主な原因と対処トークンの誤りや期限切れ、別リージョンのトークン、OAuthセッションの失効。エンドポイントを見直して再サインインする
403 Forbidden主な原因と対処ユーザーまたはトークンにその操作の権限がない。管理者にロールの変更を頼む
422 Unprocessable Entity主な原因と対処Claudeが不正なデータを送った。先にget_schemaを呼ぶよう指示する
ツールが出てこない主な原因と対処設定を編集した場合はクライアントを完全に終了して開き直す
別のアカウントや環境で動く主な原因と対処切断してサインインし直し、選び直す

使えるツールを読み書きで分ける

コネクターの一覧ページには61個のツールが並びます。個別に覚える必要はなく、Claudeが質問に応じて選びます。ただ、どれが読み取りで、どれが書き込みかは知っておくと、許可を出す場面で迷いません。

ツール名には規則があります。list_で始まるものは読み取り専用で、_idを省くと一覧、_idを渡すとそのリソース1件の全体を返します。upsert_は作成と更新を兼ねる書き込みで、_idを省くと新規作成、渡すと全体の置き換えになります。削除はdelete_resourceの1本に集約されています。

分類代表的なツール読み書き
リソースの参照代表的なツールlist_flows list_connections list_exports list_imports読み書き読み取り
リソースの作成・更新代表的なツールupsert_flow upsert_export upsert_import upsert_connection読み書き書き込み
フローの単項目編集代表的なツールpatch_flow読み書き書き込み
実行と実行履歴代表的なツールrun_flow cancel_flow_run list_flow_runs list_current_jobs読み書き実行・取消は書き込み
エラー対応代表的なツールlist_flow_errors triage_flow_errors get_flow_error_retry_data読み書き一覧・参照は読み取り
テンプレート代表的なツールlist_marketplace install_template読み書き導入は書き込み
EDI代表的なツールlist_edi_transactions update_edi_fa_status読み書き状態更新は書き込み
監査・ユーザー代表的なツールlist_audit_log_entries list_users manage_user読み書きmanage_userは書き込み
スキーマ・資料代表的なツールget_schema search_docs読み書き読み取り

patch_flowは、フローの有効・無効、名前、スケジュール、デバッグログの期限といった限られた項目だけを書き換えます。upsert_flowで全体を送り直すより影響範囲が小さいので、スケジュール変更のような用途ではこちらが使われます。

ほかにも、AIエージェントやガードレール(個人情報の検出などの安全確認)、ルックアップキャッシュ、Celigoのストレージ上のファイル管理、環境一覧を扱うツールが並びます。ストレージの削除はごみ箱への移動で、30日間はrestore_storage_itemで戻せます。

実際に頼める作業

ここからは、会話の例を作業ごとに並べます。どれも、Celigoの手順と各ツールの説明に沿った形の例です。

失敗したフローの原因を調べる

昨夜のShopifyからNetSuiteへの注文フローが失敗した理由を調べて。

Claudeはlist_flowsでフローを探し、list_flow_runsで直近の実行を取り、list_flow_errorsでステップごとのエラーを読みます。返ってくるのは生のJSONではなく、原因を言葉にした報告です。ここまでは読み取りだけなので、気軽に試せます。

エラーを絞って再試行する

その注文インポートの未解決エラーを出して、タイムアウトが原因のものだけ再試行して。

triage_flow_errorsは、ステップ単位でretry・resolve・tag・assignのどれか1つを実行します。retryは送信先のシステムに書き込みます。二重登録が起きうる相手なら、再試行の前にエラーの内容を一覧で見せてもらい、対象を自分で決めてから進めるのが筋です。

エラー内容を直してから再試行したいときは、get_flow_error_retry_dataで保存されたデータを見て、update_flow_error_retry_dataで書き換えます。後者は書き換えるだけで、再処理は走りません。

新しいフローを組み立てる

新しいSalesforceのアカウントを毎日NetSuiteの顧客に同期するフローを作って。

Claudeは既存の接続を確認し、get_schemaで実在する項目名を取ってから、エクスポート、インポート、フローを順に作ります。新しいフローは無効のまま作られ、マッピングと接続を確かめてからpatch_flowで有効にする流れです。ここで有効化まで一気に頼むと確認の機会がなくなるので、有効化は別の指示にします。

範囲を指定して再実行する

run_flowには対象を絞る指定があります。差分取得の開始日と終了日を上書きしたり、特定のエクスポートだけを動かしたりできます。「昨日の朝6時から正午まで、注文エクスポートだけ再実行して」のように期間と対象を言えば、フロー全体を回さずに済みます。実行中のジョブはlist_current_jobsで見られ、止めたいときはcancel_flow_runです。親のフローを止めると、配下のエクスポートとインポートのジョブも止まります。

1件のレコードを追跡する

list_execution_logsは、実行ごとのステップ別デバッグログを読みます。ただし対象のフローで、デバッグログを事前に有効にしておく必要があります。Claudeにpatch_flowでデバッグの期限を設定させてから実行し、その後に注文番号を指定して追跡する、という2段階の頼み方になります。

書き込みで事故を防ぐ運用

Celigo側の注意書きに、書き込みは実際のアカウントに作用するとあります。特にdelete_resourceは、他のリソースが依存していても削除を止めません。依存関係の事前確認は警告として返るだけです。警告が出たかどうかをClaudeが読み飛ばしたまま進む余地があるので、削除は人間が承認する前提にします。

Celigoの各ツールは、読み取り専用か破壊的かといったMCPの標準注釈を宣言しています。注釈を読めるクライアントでは、書き込み系の表示が分かれ、破壊的な呼び出しの前に確認を挟めます。そのうえで、会話の最初に次のような約束事を渡しておくと、確認の抜けを減らせます。

このチャットでのCeligoの操作ルール:
- 最初に、接続しているアカウントと環境を報告すること
- list_系以外のツールを呼ぶ前に、対象と変更内容を示して私の返事を待つこと
- upsert_で既存リソースを更新するときは、先に現在の内容を取得して差分を見せること
- delete_resourceは、警告(warnings)があればそのまま全文を見せ、承認なしに実行しないこと
- 新規フローは無効のまま作り、有効化は別の指示を待つこと

Claude Codeなら、同じ内容をプロジェクトのCLAUDE.mdに書いておけます。毎回貼る手間がなくなり、チームでルールをそろえられます。

もう1つ、upsert_で既存のリソースを更新するときは全体の置き換えです。一部の項目だけを送ると、省いた項目が消えます。Claudeには「現在の内容を取得し、変えたい項目だけ直し、全体を送り返す」順番を守らせます。接続情報の秘密値は読み取り時に伏せ字になり、伏せ字を含むままupsert_connectionに渡すと拒否される作りなので、認証情報が誤って消える事故は起きにくくなっています。

Celigo側には監査ログがあり、list_audit_log_entriesでは操作の発生元としてmcpやcliを指定して絞れます。Claude経由で何が変わったかは、あとから追えます。

プロンプトとリソースも使える

ツールとは別に、サーバーはガイド付きのプロンプトと参照用のリソースを公開しています。プロンプトには、アカウントの健全性監査、フローの障害調査、接続の診断、新しい連携の計画、フロー設定のレビュー、HandlebarsやSQLの記述支援があります。Claude Codeでは/mcp__celigo__plan-new-integrationのようにスラッシュコマンドとして呼べ、Claude Desktopでは「+」の追加メニューから選べます。

ツールの一覧にしか出てこないクライアントでも、プロンプトとリソースが消えたわけではありません。ユーザーが明示的に選ぶ設計なので、クライアントごとの入口を探す形になります。search_docsツールは、Celigoのナレッジベースから製品の質問に答えてくれるため、設定の意味を調べながら作業を進めたいときに役立ちます。

よくあるつまずき

  • 別リージョンのURLを登録した: ログインできてもエンドポイントが違うと認証が通りません。サインインに使うサブドメインと揃えます。
  • 新しいチャットを開いていない: 接続直後のチャットにはツールが載らないことがあります。
  • mcpServersリソースと混同した: CeligoのドキュメントにあるmcpServersリソースは、自社のツールやAPIを外部に公開する独自のMCPエンドポイントを作る機能です。Claudeがつなぐ今回のサーバーとは別物です。
  • 一覧が空で返る: list_ai_agentsとlist_guardrailsは、ページ取得後に絞り込むため、空のページが返ってもhasMoreがtrueのことがあります。nextCursorをたどり切るよう指示します。

まとめ

Celigoのコネクターは、障害調査のような読み取りでも、再試行や実行のような書き込みでも使えます。読み取りだけで価値が出る場面が多いので、最初の数日は調査に限って使い、書き込みの許可はそのあとに広げる進め方が現実的です。書き込みを任せるなら、上の運用ルールと、環境の確認、新規フローは無効のまま作る、削除は必ず人が承認する、の4点が土台になります。

この記事を共有:XはてブLinkedIn