ClaudeとCashfreeを連携する方法 — 決済調査と返金ツールの線引き
Cashfreeの公式MCPサーバーをClaudeにつなぐ手順です。必要な権限、Claude Codeでの登録コマンド、37個前後のツールの分類、返金や注文作成を承認制にする設定例をまとめます。
Claude Cashfree連携とは何か
Cashfree連携は、決済事業者Cashfreeが運営するリモートMCPサーバーをClaudeにつなぐ仕組みです。取引の履歴、精算、レポート、決済リンクを、ダッシュボードを開かずに自然文で扱えます。
Connectorsディレクトリでは、開発元Cashfree Payments Pvt. Ltd.の「Anthropic verified」表示付きで掲載されています。カテゴリは金融サービス、追加時期は2026年8月、サインインは必須です。接続先のURLは https://mcp.cashfree.com/mcp です。
ここで先に押さえたい点があります。このコネクタは読み取り専用ではありません。取引の照会だけでなく、create_refund(返金の開始)、create_order(注文の作成)、create_payment_link(決済リンクの作成)、cancel_payment_link(決済リンクの取り消し)といった書き込み系のツールが並びます。読み取り専用の決済調査コネクタとして設計されたClaude Checkout.com連携とは、導入時に見るべき点が変わります。
同じ決済領域で、返金の承認フローまで扱った例にはClaude Stripe連携があります。コネクタ全般の仕組みはClaudeコネクタの解説にまとめています。
接続前に確認する条件
Cashfreeのドキュメントが挙げる前提は3つです。
- Cashfreeの加盟店アカウントがアクティブで、オーナー権限を持っていること
- コネクタに対応したClaudeアカウント(ChatGPTのアカウントも選べると書かれています)
- AIクライアントから
https://mcp.cashfree.comへネットワークで届くこと
注意したいのは1つ目です。オーナー権限が条件に入っているので、ダッシュボードの閲覧権限だけを持つメンバーが試す場面は想定されていません。権限の違うアカウントで、見える範囲や実行できる操作がどう変わるのかは、ドキュメントにもディレクトリの詳細ページにも記載がありません。社内に広げる前に、権限の異なるアカウントで実際に確かめてください。
コネクタの利用に有料プランが要るかどうかも、Cashfree側のドキュメントは「Anthropicの現行ポリシーによる」とだけ書いています。接続できないときは、Claudeのアカウント設定を先に見ます。
Claudeに接続する手順
接続方法は、使う面で変わります。
Claude・Claude Desktop・モバイルアプリから追加する
ディレクトリ経由なら、URLの入力は要りません。
ディレクトリからCashfreeを追加する流れ
- 1
Customizeを開く
Claude、Claude Desktop、モバイルアプリのいずれかにログインし、左のナビゲーションで「Customize」を選びます。
- 2
Connectorsタブで検索する
「Connectors」タブを開き、検索欄に「Cashfree」と入れます。
- 3
Connectで認証する
Cashfreeの掲載を選んで「Connect」を押すと、Cashfreeの加盟店ダッシュボードに移ります。アクセスさせたい加盟店アカウントでログインすれば、Claudeのセッションでツールが使えます。
Claude Codeから追加する
Claude Codeでは、HTTPトランスポートで登録します。
claude mcp add --transport http cashfree https://mcp.cashfree.com/mcp登録したら、セッション内で /mcp を実行します。一覧から「cashfree」を選んで「Login」を押すと、ブラウザが開いてCashfreeのダッシュボードに移ります。ログインが済めば、ツールが使える状態になります。
認証トークンは、macOSならシステムのキーチェーン、それ以外は認証情報ファイルに保存される、とドキュメントにあります。アクセスを取り消すときは、/mcp でサーバーを選び、「Clear authentication」を実行します。
接続の確認
設定後はMCPクライアントを再起動し、ツールがエラーなく読み込まれていることを確かめます。そのうえで、ドキュメントが例示する次のような依頼を投げます。
直近の取引1件について、ライフサイクル全体を見せてください。応答が返れば接続は有効です。この確認の依頼は読み取りだけなので、本番アカウントに接続した直後でも副作用はありません。
接続を切るとき
Cashfreeのドキュメントによると、クライアントの接続を解除すると、その認可に結びついたリフレッシュトークンはすぐに無効になります。担当者が異動するときは、Claude側の接続解除を手順に入れておくと、トークンが残り続けません。
使えるツールは4系統 — どれが書き込みか
ドキュメントのツール表は、機能の領域ごとに分かれています。加盟店ダッシュボード側が取引・精算・レポートの3系統、Payment Gateway側が1系統です。
| 系統 | 数 | 主なツール | 性格 |
|---|---|---|---|
| 取引 | 数5 | 主なツールget_transaction_details、search_transactions、search_orders | 性格照会 |
| 精算 | 数14 | 主なツールget_unsettled_amount、get_next_settlement_date、get_on_demand_charges | 性格照会 |
| レポート | 数5 | 主なツールgenerate_recon_report、get_report_status、download_report | 性格生成と取得 |
| Payment Gateway | 数13 | 主なツールcreate_order、create_payment_link、create_refund | 性格照会と作成・操作 |
取引と精算 — 照会が中心
取引の系統には、取引の履歴を引く get_transaction_details、条件で絞る search_transactions と search_orders、使える決済手段のコードを返す get_payment_modes、Cashfreeの製品ドキュメントを検索する search_product_docs があります。
精算の系統は14個と最も多く、通常の精算(search_standard_settlements)、オンデマンド精算(出金可能額の get_on_demand_eligible_funds、手数料計算の get_on_demand_charges、上限額の get_on_demand_daily_limit)、ベンダー(分割)精算まで揃います。名前が get_ や search_ で始まるものが大半です。
レポート — 非同期で生成する
generate_recon_report は精算の照合レポートを非同期で生成し、generate_summary_report は集計レポートを同様に生成します。完成したかどうかは get_report_status で確かめ、download_report でダウンロードできます。依頼の例では、Claudeが生成を開始して状態を繰り返し確認し、最後にダウンロードのリンクを返す流れが想定されています。
Payment Gateway — 作成と操作が混ざる
13個のうち、状態を変えうるのは次のツールです。
| ツール | 役割 |
|---|---|
create_order | 役割注文を作り、payment_session_id を得る |
create_payment_link | 役割決済リンクを新規作成する |
cancel_payment_link | 役割有効な決済リンクを取り消す。取り消し後は決済できない |
create_refund | 役割決済に対する返金を開始する |
simulate_payment | 役割事前に作った注文に対して、決済を模擬する |
残りの get_order、get_order_extended、get_payment_by_id、get_payments_for_an_order、get_refund、fetch_payment_link_details、get_orders_for_a_payment_link、fetch_simulation は、注文・決済・返金・リンクの詳細を引く照会です。
create_refund と cancel_payment_link は、実行すると取り消せない可能性のある操作です。取り消しや戻しの可否はドキュメントに記載がないので、実行前に承認を挟む運用が現実的です。
返金やリンク操作を承認制にする設定
書き込み系を使うかどうかは、チームの運用で決めます。Claude Codeなら、権限ルールで線を引けます。ルールは deny、ask、allow の順に評価され、最初に一致したものが結果になります。MCPツールの指定は mcp__<サーバー名>__<ツール名> の形です。
上の登録コマンドでサーバー名を cashfree にした場合、.claude/settings.json には次のように書けます。例えば次のような形になります(権限ルールの書式に沿った例です)。
{
"permissions": {
"ask": [
"mcp__cashfree__create_refund",
"mcp__cashfree__cancel_payment_link",
"mcp__cashfree__create_payment_link",
"mcp__cashfree__create_order"
],
"allow": [
"mcp__cashfree__get_*",
"mcp__cashfree__search_*"
]
}
}ask は毎回確認を求め、allow の get_ と search_ で始まる照会系は確認なしで通します。許可のワイルドカードは、mcp__cashfree__ という固定の接頭辞の後ろに限って使えます。
返金そのものを会話に載せたくないなら、create_refund を deny に入れます。deny に書いたツールは、Claudeのコンテキストから外れます。
ディレクトリ経由で接続したコネクタをClaude Codeが取り込む場合、ツール名は mcp__claude_ai_<サーバー名>__<ツール名> の形で現れます。どの名前で見えているかは /mcp や権限の画面で確かめてから、ルールを書いてください。サーバー名の部分が違えば、ルールは一致しません。
CLAUDE.mdには、設定ファイルでは書けない運用ルールを添えられます。
# Cashfree連携の運用
- 返金・決済リンクの作成と取り消し・注文の作成は、実行前に金額と対象IDを提示して確認を取る
- 照会の結果を報告するときは、取引IDと金額を必ず併記する
- 本番アカウントに接続しているときは、simulate_payment を使わない業務での使いどころ
Cashfreeのドキュメントが挙げる使い方を、業務の場面で並べ直すと次のようになります。
場面別に使うツール
サポート対応
「決済が通らない」という問い合わせに、取引IDから失敗理由、決済手段、時刻を引きます。注文に紐づく決済の試行を一覧するときは
get_payments_for_an_orderです。障害後の洗い出し
決済障害のあとに、時間帯を指定して失敗した注文を探します。
search_transactionsとsearch_ordersに絞り込み条件を渡します。資金繰りの確認
未精算の残高と次の精算日を
get_unsettled_amountとget_next_settlement_dateで引きます。銀行休業日による遅れも返ります。月次の照合
月末に精算の照合レポートを生成し、完成を待ってダウンロードのリンクを受け取ります。
オンデマンド精算は少し特殊です。ドキュメントは、出金可能額を取得してから、希望額の手数料を get_on_demand_charges で計算する流れを挙げています。出金を実行するツールは、表には載っていません。判断材料を揃えるところまでをClaudeに任せ、実行はダッシュボードで人が行う形になります。
Cashfreeは、Gmail、WhatsApp、GitHubなど別のMCPツールと組み合わせて、決済の業務フローを組めるとも書いています。たとえば、決済リンクを作ってから別のコネクタで送る使い方です。送信側のコネクタにも書き込み権限が付くので、権限は分けて管理してください。
資料どうしの食い違い
接続する前に知っておくと混乱しない点が3つあります。
読み合わせで見つかる差
ツール数が合わない
ディレクトリは「全38個」と表示し、ドキュメントの表は37個です。1個の差が何かは、どちらにも書かれていません。
表記が2種類ある
表のツール名は
create_refundのようにアンダースコアです。一方、使い方の例の節ではcreate-refundやcancel-payment-linkとハイフンで書かれています。Claudeに見えるのは実際のツール名なので、接続後に一覧で確かめます。表にないツールが登場する
使い方の節に、
get-disputes-by-order-idとsubmit-evidence-to-contest-the-dispute-by-dispute-idという、紛争(チャージバック)を扱うツールが出てきます。ツール表には載っていません。
紛争の証拠提出は、決済の結果に直接響く書き込みです。接続後のツール一覧にこの名前が現れるなら、返金と同じく承認制に入れてください。ディレクトリの説明は、今後Payouts、SecureID、PPI、Partners向けのAPIにも対応を広げていくと書いています。ツールが増えたら、ask のルールを見直す機会になります。
接続後につまずきやすい点
- ログインするアカウント: 認証の画面で選ぶ加盟店アカウントが、そのままClaudeの操作対象になります。複数の加盟店アカウントを持つ場合は、本番か検証用かを確認してからログインします。
- simulate_paymentの前提: 事前に作成した有効な注文が必要です(ツール表の説明)。先に
create_orderで注文を用意します。 - 取消後の復旧: 決済リンクは取り消すと決済できなくなります。間違えて取り消したときは、新しいリンクを作り直す運用を想定しておきます。
- 金額の確認: 依頼文の通貨記号と金額は、Claudeが実行前に読み上げた内容と必ず照合します。
まとめ
Cashfree連携の要点は、照会と書き込みが同じコネクタに同居していることです。取引、精算、レポートの照会は広く任せても影響が小さい一方で、返金、注文、決済リンク、紛争の証拠提出は金額に直結します。
Claude Codeなら、照会系は allow、書き込み系は ask と分けて始めるのが扱いやすい構成です。権限の異なるアカウントでの見え方は資料にないので、導入時に自分の環境で試して確かめてください。