Claude Code /release-notesコマンドで変更履歴を会話を汚さず見る
Claude Codeの更新履歴(release notes)を見るコマンドは/release-notesです。バージョンを選んで表示でき、会話の文脈は消費しません。会話履歴を見るコマンドとの違いも載せています。
/release-notesは、Claude Codeの変更履歴をインタラクティブなバージョンピッカーで選んで表示するコマンドです。表示された内容はトランスクリプト(画面上の履歴)に出るだけで、Claudeが読む会話には入りません。アップデート内容を知りたいたびに、Claudeへ質問して文脈を消費する必要がなくなります。
「履歴のコマンド」で探している内容が2通りあるので、先に対応を示します。
| 見たい履歴 | コマンド |
|---|---|
| 更新履歴(release notes、patch notes) | コマンド/release-notes |
| 過去の会話(セッション)を開き直す | コマンド/resume(別名/continue) |
| 会話の途中まで戻す | コマンド/rewind |
| 今の会話を文字で書き出す | コマンド/export |
この記事は1行目の更新履歴を扱います。会話履歴の側は後半の節にまとめました。
/release-notesは何を表示するか
セッション内で/release-notesを実行すると、バージョン番号が並んだ選択式のピッカーが開きます。1つのバージョンを選べばそのリリースのノートだけが、全バージョンを表示する項目を選べば全バージョン分がまとめて出ます。
> /release-notes
# バージョン一覧のピッカーが開く
# ↑↓で選択してEnter、特定バージョンか全バージョン表示を選ぶこれはセッションの中のスラッシュコマンドです。v2.1.287のclaude --helpにあるサブコマンド一覧(agents、doctor、install、mcp、pluginなど)にrelease-notesはなく、ヘルプにも変更履歴を表示する項目はありません。シェルから変更履歴を見たいときは、ブラウザで公式のchangelogページを開くことになります。
会話に入らないのは、過去に直された不具合でもある
「v2.1.240で何が変わった?」とClaudeに直接尋ねる方法もあります。ただしこの聞き方では、調べる過程と回答の全文が会話履歴に積み上がり、長いセッションほどコンテキストウィンドウを圧迫します。/release-notesのノートはClaudeが見る会話に入らないので、何十バージョン分を見返しても次のターンで渡すトークン量は増えません。
この性質は最初からあったわけではありません。changelogには、/release-notesの歩みが次のように残っています。
/release-notesの変遷(changelogの記載)
- v0.2.37コマンドが登場
変更履歴をいつでも見られる
/release-notesが追加されました。 - v2.0.17非必須通信の無効化に連動
CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICが、リリースノートの取得も止めるようになりました。 - v2.1.92バージョンピッカーに
一覧から版を選ぶ形式になりました。
- v2.1.136取得失敗後の固着を修正
変更履歴の更新に失敗したあと、古いバージョンのまま動かなくなる不具合が直りました。
- v2.1.208会話への混入を修正
見たノートがモデルの文脈に追加される不具合の修正です。全バージョン表示を選ぶと、変更履歴の全体がその後のリクエストすべてに入り込んでいました。
公式のコマンド一覧にある「ノートは会話に入らない」という説明は、v2.1.208の修正で直った挙動です。それ以前のバージョンを使っているなら、全バージョン表示は会話の文脈を膨らませる操作でした。ほかの確認経路との使い分けはClaude Codeの変更履歴をどこで確認するか — 4つの経路を比較するで比較しています。
自分のバージョンを起点に、症状から原因の版を探す
ノートを開いても、手元のバージョンが分からなければ読み始める位置が決まりません。次の流れで、挙動が変わった版を絞り込めます。
挙動が変わった版を探す流れ
- 1
手元のバージョンを確認する
シェルで
claude --versionを実行します。v2.1.287の出力は2.1.287 (Claude Code)でした。 - 2
新しい版があるか調べる
/doctorはリリースチャンネル上の新版有無も確認します。更新自体はclaude update(別名claude upgrade。ヘルプの説明は「Check for updates and install if available」)が担います。 - 3
ピッカーで自分の版とその前後を選ぶ
自分の版より新しい項目は、まだ手元に届いていない変更です。同じかそれより古い項目を遡れば、いまの挙動がいつ入った変更かを追えます。
- 4
該当しそうな語を探す
たとえばBashツール呼び出しのタイムアウトが変わった気がするなら、各版のFixedとChangedの項目にタイムアウトの語がないかを見ます。
claude --version
claude doctorclaude doctorはシェルから実行できる診断で、設定ファイルを信頼確認なしで読みます。ヘルプには「Reads settings files in the current directory without a trust prompt」とあります。設定の自動修正まで行う完全なチェックアップはセッション内の/doctorです。この違いと/doctorが自動修正まで担うようになった経緯はClaude Codeの/doctorが自動修正までするチェックアップになった仕組みで扱っています。
stableチャンネルを選んでいる場合は、ピッカーの最新バージョンより手元が古いのが通常の状態です。stableは通常で約1週間前の版を配り、重大な退行のあった版を飛ばします。設定はsettings.jsonのautoUpdatesChannelです。
{
"autoUpdatesChannel": "stable"
}新モデルのように新しい版を必要とする機能は、stableの配信より先にlatestで使えるようになることがあります。ノートに載っている機能が手元に出ないときは、バージョンだけでなくチャンネルも疑う価値があります。
バージョンごとに分量が違い、番号が飛ぶことがある
各バージョンは、バージョン番号と公開日が見出しになり、その下にAdded、Fixed、Changedなどで始まる箇条書きが並ぶ形式です。分量の差は大きく、同じ日に出た2つのバージョンでも別物です。
項目数の差(Added / Fixedで始まる項目)
v2.1.257(2026年9月1日)
8 / 63
新モデル追加を含む大型の更新
v2.1.258(同日)
0 / 2
macOS 12での起動失敗などの修正のみ
v2.1.288(2026年10月2日)
7 / 58
/code-reviewのオプション追加や再開まわりの修正
項目の種類にも偏りがあります。v2.1.288からv2.1.218までの60バージョン分を数えた内訳はFixedで始まる項目が1,379件、Improvedが333件、Changedが237件、Addedが203件、Removedが16件でした。新機能より修正のほうが圧倒的に多いので、挙動の変化を追うときはFixedとChangedから読み始めると候補が絞れます。
番号は連番どおりには並びません。v2.1.257の1つ前に載っているのはv2.1.252で、253から256はchangelogに記載がありません。changelogの番号は連続していないため、探したい版が無いときは前後の版を見ます。
履歴は2025年4月のv0.2.21にさかのぼり、v2.1.288の時点で400を超えるバージョンが載っています。全バージョン表示では全バージョン分が表示されます。1件だけ追うなら、ピッカーで単一のバージョンを選ぶほうが読みやすくなります。
ブラウザの公式changelogページはGitHubのCHANGELOG.mdから生成されています。ブラウザ側は最新から遡って縦に並ぶので、複数の版をまたいで語を探すなら、ページ内検索やブックマークのほうが手早い場面もあります。
表示されないときの切り分け
/release-notesのデータは、バージョンチェックやテレメトリと同じ「非必須のバックグラウンド通信」の1つとして取得されます。LLMゲートウェイ経由の通信だけを許可する企業ネットワークでは、この通信がゲートウェイを通らず、遮断されて失敗します。LLMゲートウェイの接続手順にも同じ説明があります。ゲートウェイを通るのはモデルへのリクエストで、バージョンチェック・テレメトリ・リリースノートの取得は、AnthropicやGitHubなどへ直接向かう別の通信です。
原因は環境変数側にもあります。
| 症状 | 考えられる原因 | 切り分け |
|---|---|---|
| ピッカーに一覧が出ない、古い版で止まる | 考えられる原因外部への通信(egress)が遮断されている | 切り分けゲートウェイ以外への通信が許可されているかを確認する |
同じ環境でアップデート確認や/feedbackも効かない | 考えられる原因CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICが設定されている | 切り分け設定のenvとシェルの環境変数を探す |
変数を0にしたのに戻らない | 考えられる原因この変数は値に関係なく有効になる | 切り分け値の書き換えではなくunsetする |
ゲートウェイの設定手順では、egressを絞った環境でCLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC=1を併用して、この通信ごと止める構成が紹介されています。止める側に回れば、ブロックされた接続がegressの監視に現れなくなります。
「/release-notesが表示されない」と気づいたら、同時に止まっている機能がほかにもある可能性が高く、まずこの変数の設定有無を見るのが早道です。この変数を含む用途別の一覧はClaude Code環境変数リファレンスにまとめています。
更新を止めている環境でも、ノートは読める
「新しい版の中身を先に読んでから更新したい」という運用は、更新を管理者が握っている環境ほど意味があります。Claude Codeには、更新の止め方が2段階あります。
| 環境変数 | 止まるもの | claude update(手動) |
|---|---|---|
DISABLE_AUTOUPDATER=1 | 止まるものバックグラウンドの自動更新 | claude update(手動)使える |
DISABLE_UPDATES=1 | 止まるもの手動のclaude update・claude installを含む全更新 | claude update(手動)使えない |
自動更新だけを止めた環境なら、/release-notesで次の版の内容を読んだうえで、claude updateのタイミングを選べます。独自の配布経路でバージョンを固定している環境ではDISABLE_UPDATESが使われ、ユーザー側の更新は止まります。ノートを読んで知った修正を手元で得るには、配布側が版を上げるのを待つ形になります。
なお、非必須通信を止めるCLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICは、上の2つとは別の変数です。自動更新も止めますが、/release-notesの取得まで止める点が違います。
ピッカーの操作性は、v2.1.283で/release-notesを含む一覧画面が揃って改善されました。ページ送りのキー、マウスホイール、クリックで項目を選べます。
会話履歴を探しているときのコマンド
「Claude Codeの履歴」で多いのは、更新履歴ではなく、過去の会話に戻りたい場面です。/release-notesでは会話は開けません。
/resumeは、IDか名前で会話を指定して再開するか、セッションピッカーを開きます。/clearで消した直後の会話にも、/resumeで戻れます。/clearに名前を渡しておくと、ピッカーでその名前が目印になります。
/rewindは、会話やコードを以前の時点まで巻き戻すコマンドです(別名/checkpoint、/undo)。/exportは、今の会話をプレーンテキストで書き出します。ファイル名を付ければ、そのまま保存されます。
それぞれの使い方は、/resumeコマンドの解説と/rewindコマンドの解説で扱っています。
似たコマンドとの使い分け
「アップデートを知る」目的で紛らわしいコマンドが他に2つあります。役割は独立しています。
| コマンド | できること | /release-notesとの違い |
|---|---|---|
/release-notes | できること過去の変更履歴を選んで閲覧する | /release-notesとの違い読むだけで、更新やチェックは行わない |
/doctor | できることインストール状態を診断し、リリースチャンネル上の新版有無も確認する | /release-notesとの違い「新しいバージョンがあるか」を判定する側 |
/upgrade | できることプランのアップグレードページをブラウザで開く | /release-notesとの違いバージョンではなく契約プランを上げる操作 |
/doctorはインストールの重複やPATHの問題も洗い出すので、/release-notesで中身を読む前の健康診断にもなります。更新前にまず/release-notesで次の版の内容を読み、破壊的変更や自分の環境に響く項目がないかを見てから更新する、という順番も取れます。/upgradeはEnterpriseプランでは表示されません。ほかのコマンドの役割はClaude Codeスラッシュコマンド一覧の早見表にまとまっています。
まとめ
変更履歴を会話の文脈に入れずに読みたいときは、セッション内で/release-notesのピッカーを使い、読み始める位置はclaude --versionの番号に合わせます。表示されないときは、ネットワーク側に加えてCLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFICの設定有無を先に調べると原因に早く届きます。