Claude Code v2.1.271 — fast modeがRemoteセッションに対応
Claude Code v2.1.271は96項目の更新です。Remoteセッションにfast modeが加わり、auto modeはコマンド単位で通信先を許可できるようになりました。
Claude Code v2.1.271は96項目の更新です。内訳は新機能・設定追加8件、修正40件、改善15件、仕様変更6件、スキル更新1件、VS Code拡張11件、Claude Code on the web 4件、Claude Tag 6件、Code Review 4件、Windows対応1件です。目玉は2つあります。クラウドとセルフホストランナーのRemoteセッションに広がったfast modeと、auto modeのサンドボックスがコマンド単位で通信先を選べるようになったper-command allowed_domainsです。
CVEや資格情報漏出への対応は含まれていません。Monitorの無期限監視persistentオプションは廃止されています。これを設定していた利用者は再設定が必要ですが、それ以外に強制的な移行を伴うbreaking changeはありません。ひとつ前のv2.1.270がgitコマンドの権限判定を直す1件のバグ修正だけだったのに対し、v2.1.271は新機能・設定追加が8件と、比較的まとまった規模の更新になっています。直後のv2.1.272は、バグ修正のみの軽量リリースでした。
このリリースで何ができるようになるか
fast modeがクラウド・セルフホストランナーのRemoteセッションでも動く
fast modeは、Opusをより高速な応答速度で使えるモードです。これまでローカルで動かすClaude Codeセッションが対象でしたが、v2.1.271からはClaude Code Remoteのセッション(クラウド実行とセルフホストランナーの両方)でも有効になりました。ホスト側のfast-mode設定、またはセッション内で入力した/fastが、組織が許可している範囲でそのまま適用されます。
fast modeの速度倍率や料金の仕組みはClaude Codeのfast modeとはにまとめています。併せて、組織がfast modeを無効にしている環境で/fast offが「Fast mode unavailable」と応答するだけで実際にはオフにできなかった不具合も直っています。CLAUDE_CODE_SKIP_FAST_MODE_ORG_CHECKを設定したセッションがAPIにfast modeを拒否された後も毎ターン再送信していた不具合も直り、拒否はそのまま維持されて理由が表示されるようになりました。
auto modeのサンドボックスがコマンド単位で通信先を選べるようになった
auto modeでサンドボックスを有効にしている場合、Bash・PowerShell・Monitorの各ツール呼び出しに、allowed_domainsをコマンドごとに付けられるようになりました。あるコマンドの実行に必要な通信先だけがそのコマンド用にレビューされ、それ以外のホストへの接続は拒否されます。
これは、settings.jsonのsandbox.network.allowedDomains(ユーザー設定・プロジェクト設定・管理設定で指定する静的な許可リスト)とは別の仕組みです。既存のallowedDomainsはセッション全体に効く静的な設定で、Claude Codeのサンドボックス設計はClaude Codeのサンドボックス設計で解説しています。今回のper-command allowed_domainsは、auto modeが個々のコマンドを審査するタイミングで、そのコマンド1回分だけに開く通信先を決める点が異なります。
プラグイン配布とモデル課金の管理機能が広がった
3つの設定・コマンドが追加されました。omitClaudeMdをagent frontmatterまたは--agentsのJSONに指定すると、カスタム・プラグインのサブエージェントがユーザー・プロジェクト・ローカルのCLAUDE.mdを読み込まずに動きます(管理者が配布するポリシーファイルは引き続き読み込まれます)。
プラグインの検証もしやすくなりました。claude plugin installとclaude plugin updateには--accept-command <sha256>が加わり、--json実行で表示されたコマンドのハッシュ値を渡せば、-yで無条件承認する代わりに、そのコマンドだけを承認できます。
課金の管理も柔軟になりました。modelPricingのmanaged settingとClaude appsゲートウェイのpricingブロックには、1を超え10までのmultiplier(倍率)を設定できるようになり、社内チャージバックで単価に上乗せ率を掛けられます。
あなたの開発フローはどう変わるか
セルフホストランナーを本番運用しているチームには、地味だが実務に効く追加が2つあります。claude self-hosted-runner --drain-marker-file <path>を指定しておくと、SIGTERMによるdrain(処理中のジョブを終えてからの穏やかな停止)発生時に、そのファイルの有無でサーバー側へ「ホスト起因の停止」だとテレメトリ上区別して報告できます。
claude self-hosted-runner --drain-marker-file /var/run/claude/drainもうひとつは--host-config-snapshot disk|memoryです。ホスト設定ディレクトリ(settings・skills・plugins・MCPサーバー)が64MiBを超えると、これまでセルフホストランナーのセッションは、エラーを出さないまま設定を失っていました。v2.1.271ではこの不具合を直したうえで、スナップショットの保存先をディスクとメモリーのどちらにするか選べます。セルフホストランナーの基本的な立て方はClaude Code self-hosted-runnerとはで確認できます。
プラグインを配布・検証している開発者は、--accept-commandでCIのインストール手順を自動化しやすくなります。--jsonの出力からハッシュ値を拾い、--accept-commandにそのまま渡す運用です。
claude plugin install my-plugin --json
claude plugin install my-plugin --accept-command <上の出力に出たsha256>MCPサーバーを日常的に使うチームには、修正が集中して届きます。OAuthのクライアント登録は、同意を拒否すると新規登録が強制されたり、別のリダイレクトURI用の登録が使い回されたり、同時書き込みで有効な登録が消えたり不整合な登録が残ったりする不具合が直りました。list_changed通知を送り続けるMCPサーバーによるCPU使用率の高止まりも解消しています。
主な変更点
Bash権限チェックの精度改善
読み取り・書き込み対象のファイルを見落とすケースが複数直りました。対象は3系統です。
fmt・columnのように、チェッカーが認識しないオプションの後ろに対象ファイルが続くコマンド- ワイルドカードがコマンドのパターンやオプション値の中にある場合(
grep -v dir/* fileなど) - シェル変数宣言のフラグで実行中のコマンドを偽装できてしまう問題
ディレクトリ移動を2回挟む、サブシェルを使う、cdとgitをチェーンするといった書き方も対象です。こうした書き方では、permissions.blockReadsOutsideWorkingDirectoriesのプロンプトがbypassモードとauto modeで抜けていました。Linux限定の修正もあります。サンドボックス化されたコマンドの起動に失敗した後、古い.git/config.lockが残り続け、そのセッションの間はずっとgit checkout -bやgit push -u、git configが失敗する不具合で、これも直りました。Bash権限判定はここ数バージョンでも調整が続いており、直近の経緯はv2.1.270の記事で振り返っています。
セッション再開まわりの修正
セッションを再開する操作に関わる修正が複数入っています。--resumeは、再開したセッションのモデルファミリーが既定モデルと違う場合に、1Mコンテキストウィンドウ([1m])を落としていました。/resumeと/teleportは直前の会話のファイル読み取り履歴を引き継いでしまい、Claude Codeが実際には読んでいないファイルを編集できてしまいました。/artifactsで添付したartifactが--resume後に消える不具合も直っています。バックグラウンドセッション(claude --bg・claude agents)が公開したartifactを、他所での再公開に対して監視していなかった不具合も直り、同時に監視できるartifact数は5件から10件に増えました。
組織ポリシーと認証の修正
組織ポリシーの扱いに関わる不具合が複数直りました。
- アカウント・組織・APIキーを切り替えた際にキャッシュされたポリシーが使い回され、資格情報がセッション途中で変わっても1時間ごとのチェックまで更新されなかった不具合
- 組織ポリシーの読み込みが起動後やセッション途中に完了しても、ツール・コマンドの一覧に反映されなかった不具合
- 読み込み・パースに失敗したエンタープライズの
managed-mcp.jsonが無視されていた不具合(直った現在は、パース失敗時もMCPの排他制御を維持したまま起動時に警告します)
ANTHROPIC_UNIX_SOCKET経由のサードパーティ製ローカルプロキシで組織ポリシーが取得・拒否されていた不具合も、他のカスタムゲートウェイと同じ扱いに戻りました。
auto modeの仕様変更
auto modeでは2つの挙動が変わりました。スキルやスラッシュコマンドがインラインで実行する!始まりのシェルコマンドは、これまで分類器が判定していましたが、既定モードの権限ルールに従うようになりました。どのルールにも該当しないコマンドは、レビュー付きのツール呼び出しとして実行されます。サブエージェントが呼び出し元へ結果を返す経路も変わり、専用のhand-back呼び出しを介して安全性分類器がレビューする形になりました(これまでは最後のメッセージを事後にレビューしていました)。
Monitor・ダイナミックワークフローの仕様変更
Monitorの監視には必ず期限が付くようになりました。上限は30分(-pの単発実行では10分)で、これまであった無期限のpersistentオプションは廃止されています。期限が来るとClaude Codeに再設定を促す通知が入ります。ダイナミックワークフローは、Proプランでの既定サイズがsmallになり、mediumサイズのガイドラインも15体から10体のエージェントへ引き下げられました。使用量の上限に達した場合は、影響を受けるエージェントを打ち切るのではなく、いったん停止して上限がリセットされ次第自動で再開します。
VS Code拡張・Claude Code on the web・Claude Tag・Code Review
VS Code拡張で目に付くのは「Attach Open File」設定です。開いているファイルをメッセージに含めるかどうかを切り替えられます。ほかに、Hooksダイアログと権限ルールダイアログの保存失敗の見た目や、置換時の重複フック、settings.local.jsonがgitignoreされる前に保存が完了してしまう不具合が直りました。
Claude Code on the webでは、プロセスが終了した後もセッションが生きているように見え、応答まで約10分かかっていた不具合が直り、メッセージを送るとすぐ再起動するようになりました。RoutinesページはYours/Templatesタブの新しいレイアウトになり、カレンダー表示は廃止されています。管理設定のCloud environmentsエディタには、claude.ai/codeの環境ダイアログと同じ許可ドメインリストを使うCustom network accessオプションが加わりました。Cloud environments管理ページには、Claude TagとClaude Code向けの既定環境が表示され、切り替えのリンクも付きました。加えて、作成時に推奨される種類の目印も表示されるようになりました。
Claude Tagはスレッド運用まわりが中心です。スレッド中心の会話でも、スレッドの活動があれば作業中のコンテキストが1時間おきにリセットされなくなりました。ワーカーが再起動した後もPull Requestの監視が続くようになり、返信済みのスレッドの最初のメッセージを削除すると作業が止まるようになりました(返信がないメッセージを削除した場合と同じ挙動です)。
Code Reviewは重複投稿の抑止が軸です。レビュー待ちの最中にコミットが届くとレビューされないことがあった不具合、GitHub側のエラーで実際には作成済みのレビューの指摘が2〜3回重複投稿されることがあった不具合、解決済みの指摘の行がその後のpushで移動した際に再投稿されてしまう不具合、終了済みの/ultrareviewクラウドセッションをアプリで再度開くとレビューが最初からやり直しになっていた不具合が直りました。
Windowsでは、セッションの一時出力パスが260文字に達するとPowerShellコマンドが「Exit code 1」を出力なしで失敗する不具合が直っています。
per-command allowed_domainsで、auto modeの通信許可は「セッション単位」から「コマンド単位」に近づいた
auto mode + サンドボックスの通信制御は、これまでsandbox.network.allowedDomainsのようなユーザー・プロジェクト単位の静的な許可リストが中心でした。v2.1.271のper-command allowed_domainsは、この静的な許可リストとは別レイヤーで、コマンド1回分だけに開く通信先を、そのコマンドの審査と同時に決める仕組みです。
fast modeのRemoteセッション対応とper-command allowed_domainsは、扱う対象は違いますが、どちらも「これまでローカル・単発の実行を前提にしていた機能を、クラウド実行や無人運用の文脈まで広げる」という同じ方向の更新です。fast modeの対応モデル・実行環境は、次の表の通り版を追うごとに入れ替わってきました。
auto modeとサンドボックスを組み合わせた無人運用は、通信先を絞り込むほど、想定外のホストへ接続してしまうリスクは小さくなります。一方で、コマンドごとに許可を決める仕組みが増えるほど、実際にどの通信が許可されたかを後から追いにくくなる面もあります。どのコマンドにどの通信先が開かれたかをログで確認できるかどうかは、公式の変更内容には明記されていません。
v2.1.271は利用形態ごとにどう効くか
| 利用形態 | 影響度 | 具体的に変わること |
|---|---|---|
| セルフホストランナーを本番運用しているチーム | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わることdrainの検知が明示的になり、host config 64MiB超での設定消失も直る |
| auto mode + サンドボックスで無人運用しているチーム | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わることBash・PowerShell・Monitorの通信先をコマンド単位で絞れる |
| Remote(クラウド・セルフホストランナー)でOpusを使うチーム | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わることfast modeが使えるようになり、応答速度を上げられる |
| プラグインを配布・検証している開発者 | 影響度条件次第 | 具体的に変わること--accept-commandでCI連携がしやすくなるが、--json実行を挟む運用への変更が要る |
| 複数組織へ内部チャージバックしているAPI管理者 | 影響度条件次第 | 具体的に変わることmodelPricingのmultiplierで上乗せ後の単価を一元管理できる |
| VS Code拡張・Claude Tag・Code Reviewを日常利用している人 | 影響度明確な恩恵あり | 具体的に変わることダイアログの保存不具合やコンテキスト喪失など、体感に直結する不具合が複数直る |
| ローカルの短時間セッションだけを使う個人利用 | 影響度ほぼ影響なし | 具体的に変わること今回の主な追加・修正はRemote実行・組織管理者向けが中心 |
まとめ
v2.1.271は96項目の更新です。目玉はfast modeのRemoteセッション対応と、auto modeサンドボックスのper-command allowed_domainsです。加えて、omitClaudeMdによるサブエージェントの実行分離、--accept-commandによるプラグインインストールの検証、modelPricingのmultiplierによる内部チャージバックと、管理・運用寄りの機能が広がりました。CVEや強制的な破壊的変更はありません。
恩恵の大きさは利用形態で分かれます。恩恵が大きいのは、Remoteセッションやセルフホストランナーを回しているチーム、auto mode + サンドボックスで無人運用しているチームです。ローカルで短時間セッションだけを使う場合は、今回の変更が目に見える形で効く場面は多くありません。
更新方法はインストール手段で決まります。ネイティブインストールなら更新はバックグラウンドで適用され、次回起動時から有効になります。Homebrewの場合はインストールしたcaskに応じてbrew upgrade claude-codeまたはbrew upgrade claude-code@latest、WinGetの場合はwinget upgrade Anthropic.ClaudeCodeで更新します。
関連ガイド
このバージョン単体の位置づけや前後の版とのつながりは、Claude Codeの全体像でまとめて確認できます。
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