Claudeコネクタはデスクトップ接続とWeb接続をどう使い分けるか
接続先が自分のPCかクラウドサービスかで、選ぶべきConnectorの種類は変わります。判断基準と対応環境の早見表、プラグインの扱いをまとめます。
Claudeのコネクタには「リモート」と「デスクトップ拡張」の2種類がある
Claudeのコネクタには、Web経由でクラウドサービスにつなぐリモートコネクタと、Claude Desktopアプリ上でローカルに動くデスクトップ拡張の2種類があります。タイトルにある「Web接続」はこのリモートコネクタを指します。既定の選択肢はリモートコネクタで、ほとんどのコネクタはこちらの形で提供されています。
どちらを選ぶかは、接続先が「自分のPCの中にあるもの」か「クラウド上のサービス」かで決まります。この境界を取り違えると、ディレクトリで見つからない・接続してもDesktop以外で使えないといったつまずきにつながります。名前だけでは判別できないConnectorも多いため、追加する前に接続先の性質を一度確認しておくと、あとから環境を移し替える手間を省けます。
リモートコネクタを選ぶ場面
接続先が次のいずれかに当てはまるなら、リモートコネクタが適切です。
- SlackやNotion、Linear、自社のSaaSのように、サインインして使うクラウドサービスである
- Web・モバイル・Cowork・Desktop・Claude Codeなど、使う環境を問わずどこでも同じConnectorを使いたい
- Connectorsディレクトリに掲載されているものを接続したい
リモートコネクタは一度接続すれば、追加の設定なしにClaudeのすべての利用環境で使えるようになります。手元のパソコンや社内ネットワークからではなく、Anthropicのクラウド側から接続先のサービスへアクセスする仕組みです。そのため対応環境を選ばない代わりに、ファイアウォールの内側にあるサーバーには素の状態では届きません。
デスクトップ拡張を選ぶ場面
一方、接続先が次のいずれかに当てはまるなら、デスクトップ拡張を選びます。
- ローカルファイル、localhost上のデータベース、デスクトップアプリケーションのように、自分のパソコン上で動いている
- ファイルシステムやクリップボード、ローカルプロセスへのOSレベルのアクセスが必要
- そもそもクラウド版が存在しない
デスクトップ拡張はローカルで動作するぶん、使える環境がClaude DesktopとClaude Codeに限られます。Webやモバイルアプリからは使えません。この点は、複数の環境を行き来して作業する利用者が見落としやすいポイントです。
権限の粒度も種類によって違う
2つの種類は、使える環境だけでなく、Claudeに渡す権限の性格も異なります。リモートコネクタはクラウドサービス側のアカウント権限をそのまま引き継ぐ形で、Claudeが触れる範囲はAPI経由でそのサービスが許可する範囲に留まります。対してデスクトップ拡張が要求するのは、ファイルシステムやクリップボード、ローカルプロセスといったOSレベルのアクセスです。接続する対象は自分のパソコンそのものになるため、権限の及ぶ範囲はクラウドAPI越しの接続よりも広くなりがちです。とくに第三者が作ったデスクトップ拡張を入れるときほど、事前に要求される権限の中身を確認する価値があります。
プラグインは両方の形を束ねられる
プラグインは、リモートMCPサーバーとローカルMCPサーバーのどちらか一方、あるいは両方をまとめてインストールできる仕組みです。リモートMCPを参照するプラグインを入れれば、コネクタ本体と同じくすべての環境で使えるようになります。逆にローカルMCPを参照するプラグインは、デスクトップ拡張と同じくClaude DesktopとClaude Codeでのみ動きます。プラグイン自体は「束ねる容れ物」であり、中身がリモートかローカルかで、実際に使える環境が決まる点は単体のコネクタと変わりません。複数のMCPサーバーをまとめて配布したい開発者にとっては、この性質を踏まえてリモート・ローカルどちらの形で提供するかを決める判断材料にもなります。
早見表: ツールの性質から選ぶ種類が決まる
| ツールの性質 | 選ぶ種類 | 使える環境 |
|---|---|---|
| クラウド/SaaS製品 | 選ぶ種類リモートコネクタ | 使える環境全環境 |
| Connectorsディレクトリに掲載 | 選ぶ種類リモートコネクタ | 使える環境全環境 |
| 自分のパソコン上で動作 | 選ぶ種類デスクトップ拡張 | 使える環境Desktop、Claude Code |
| ローカルのファイルやフォルダ | 選ぶ種類デスクトップ拡張 | 使える環境Desktop、Claude Code |
| 公開URLを持つ自作のもの | 選ぶ種類リモートコネクタ(カスタム追加) | 使える環境全環境 |
| ローカルで動く自作のもの | 選ぶ種類デスクトップ拡張 | 使える環境Desktop、Claude Code |
「全環境」はClaude(Web)・Claude Mobile・Cowork・Claude Desktop・Claude Codeを指します。デスクトップ拡張だけがこの中の2つ、Claude DesktopとClaude Codeに絞られる構造です。
自分でURLを公開してリモートコネクタとしてカスタム追加する場合は、別の制約が加わります。カスタムのリモートMCP接続はClaude・Cowork・Claude Desktopで使え、Freeプランは1件までという上限があります。複数のカスタムコネクタを併用したい場合は、Pro以上のプランが前提になる点も、URLを公開する側で覚えておくとよい制約です。
よくあるつまずき
社内ネットワークのMCPサーバーにカスタムコネクタが繋がらない。カスタムのリモートコネクタは、手元のパソコンからではなくAnthropicのクラウド側からMCPサーバーへアクセスします。これはCoworkやClaude Desktopのように自分のパソコン上で動くアプリを使っていても変わりません。サーバーが社内ネットワークやファイアウォールの内側にあり、パブリックインターネットから到達できない場合は接続に失敗します。対処法はAnthropicのIPレンジをファイアウォール側で許可リストに加え、アウトバウンド限定の経路を作ることです。
デスクトップ拡張を入れたのにモバイルやWebで見当たらない。デスクトップ拡張はそもそもClaude DesktopとClaude Codeの2環境専用です。他の環境で見えないのは不具合ではなく仕様で、複数環境を併用したいツールならリモートコネクタとして提供されていないか先に探すのが近道です。逆に、Connectorsディレクトリで見かけたツールが自分のWeb版に出てこないときも、原因は同じくデスクトップ拡張専用としての提供です。
プラグインを入れたのに一部の環境で動かない。プラグインが束ねているMCPサーバーがローカル参照なら、動く環境はデスクトップ拡張と同じくClaude DesktopとClaude Codeに限られます。プラグイン名だけでは判断できないため、参照先がリモートかローカルかを確認します。
セットアップの体験も種類によって違う
判断がついたあとの追加手順も、2つの種類で流れが変わります。リモートコネクタはディレクトリから選ぶかカスタムURLを入力し、そのサービス側の認証プロンプトに従ってサインインすれば完了します。ブラウザ経由のOAuth認可が中心で、Claude側に個別のソフトウェアを入れる必要はありません。
デスクトップ拡張は逆に、Claude Desktopアプリ自体に拡張をインストールする操作です。Settings画面のExtensionsから追加し、必要に応じてローカルの実行環境(対象のツールが要求するランタイムなど)が整っていることが前提になります。クラウドサービスへのサインインだけで完結するリモートコネクタに比べ、手元の環境構築が絡む分だけ準備の手間は増えます。この違いを知らずに「デスクトップ拡張のほうが設定が重い」と感じて敬遠すると、OSレベルのアクセスが必須なツールを無理にリモート化しようとして詰まる、という逆向きの遠回りをすることになります。
画面操作だけで追加できる
- リモートコネクタを追加する: Settings → Connectorsか、Connectorsディレクトリから探して接続する
- デスクトップ拡張をインストールする: Claude Desktopを開き、Settings → Extensionsから追加する
- 自作する場合: リモートで公開するならconnector構築のドキュメント、ローカル実行にパッケージ化するならMCPBガイドを参照する
Claude Codeを使う人にとっての意味
ターミナルとローカルのファイルシステムを日常的に行き来するClaude Codeの利用者は、クラウドサービスとの連携はリモートコネクタで、ローカルツールとの連携はデスクトップ拡張でと、2つの入り口を両方使い分けることになります。両方の種類を併用できるのは、コネクタが動く環境の中でもClaude DesktopとClaude Codeだけという構造の裏返しです。他の環境ではリモートコネクタしか選択肢がない以上、この使い分けが必要になるのはDesktopとClaude Codeを使う利用者に限られます。
まとめ
判断の起点は「そのツールがクラウドサービスか、自分のパソコン上のものか」の1点です。クラウドサービスならリモートコネクタを選べばどの環境からでも使え、ローカル専用のツールやOSレベルのアクセスが要るツールはデスクトップ拡張を選び、Claude DesktopかClaude Codeで使う前提に切り替えます。迷ったときは、まず早見表の左列に接続先を当てはめてから、対応環境を確認する順番で進めると判断がぶれません。Connectorsの全体像や標準搭載の一覧はClaude Connectorsとはに、Claude Desktop側のローカルMCP設定はClaude Desktop MCP設定ガイドにまとめています。MCPというプロトコル自体の仕組みや、Claude Codeでの具体的な使い方はMCPとはで扱っています。