ClaudeとCrustdataを連携してTAMリストを作る方法と費用の読み方
CrustdataコネクタはB2Bの企業・人物データを会話で検索し、採用求人やLinkedIn投稿の変化まで追えます。接続手順、TAMリストの作り方、クレジットの消費の読み方を解説します。
CrustdataコネクタをClaudeにつなぐと、業種・従業員数・資金調達などの条件で企業を絞り込み、その中の担当者を探し、求人やLinkedIn投稿といった採用シグナルまで1つの会話で確認できます。Crustdataは企業・人物のB2Bデータを提供する会社で、コネクタはCrustdata自身が出しています。この記事では、接続の手順、TAMリスト(狙える市場の企業一覧)を作る流れ、そして先に読んでおきたいクレジットの仕組みを扱います。
Crustdataコネクタでできること
コネクタの説明では、職種・業界・資金調達など150以上の検索フィルターでTAM、見込み客、候補者のリストを作れるとされています。補完できるデータ項目は350以上で、認証済みメール、職歴、学歴、資金調達、従業員数、Webトラフィック、求人などが挙がっています。
公開されているツールは23個です。役割ごとに分けると次のとおりです。
| 役割 | ツール名 |
|---|---|
| 企業の特定・補完 | ツール名crustdata_company_identify / crustdata_company_enrich |
| 企業の検索 | ツール名crustdata_company_search_db / crustdata_company_search |
| 人物の検索・補完 | ツール名crustdata_people_search_db / crustdata_people_search / crustdata_people_enrich |
| 求人の検索 | ツール名crustdata_job_search / crustdata_job_search_live と、それぞれのバッチ版 |
| LinkedIn投稿 | ツール名crustdata_company_linkedin_posts / crustdata_linkedin_posts |
| 変化の監視 | ツール名crustdata_watcher_create / update / simulate / list |
| 入力補助・残高 | ツール名crustdata_autocomplete_company / autocomplete_person / autocomplete_linkedin_filter / crustdata_credits_check |
| Web | ツール名crustdata_web_search / crustdata_web_fetch |
接続手順
コネクタ一覧のページでは、ログインが必要(Sign-in: Required)で、Anthropic verifiedの表示があります。Claudeの画面ではCustomize > Connectorsを開き、Crustdataを追加してConnectを押し、Crustdataのアカウントでサインインします。接続は個人アカウント単位で、claude.ai、Claude Desktop、モバイルのどれでも使えるようになります。
Team・Enterpriseプランでは、先にOwnerがコネクタを組織で有効にしておく必要があります。有効化しただけでは誰にも権限は付かず、メンバーが各自で認証します。
公式に載っている接続先が2つある
マーケットプレイスのページには接続先として https://mcp.crustdata.com/mcp が載っています。一方、Crustdata側のドキュメントでは、全クライアント共通のエンドポイントとして https://install.crustdata.com/mcp が示されています。カスタムコネクタとして手で入れる場合、ドキュメントの手順は次のとおりです。
カスタムコネクタとして追加する手順
- 1
追加画面を開く
Customize > Connectors > Add custom connectorを選びます。
- 2
名前とURLを入れる
Nameに
Crustdata、URLにhttps://install.crustdata.com/mcpを入れてAddを押します。 - 3
サインインする
Not connectedに出た項目を開いてConnectを押し、Crustdataのアカウントでサインインします。
ディレクトリに掲載されたコネクタがあるなら、そちらを使うのが手間の少ない方法です。ディレクトリ経由で接続できない場合に、上の手順が代わりになります。なおカスタムコネクタは、無料プランでは1つまでという制限があります。
Claude Codeからなら、ドキュメントにあるコマンドで追加できます。
claude mcp add --transport http crustdata \
https://install.crustdata.com/mcp追加後はClaude Code内で /mcp を実行し、crustdata を選んでサインインします。
つながったかを確かめる
最初の確認に向いているのは、残高を聞く質問です。ドキュメントも「How many credits do I have?」と尋ねて、数字が返れば接続成功としています。コネクタ側では crustdata_credits_check が対応するツールです。
数字が返らないときは、クライアントを再起動し、コネクタ追加とは別のサインイン手順をやり直すよう案内されています。
TAMリストを会話で作る流れ
Crustdataは、リスト作りを「企業を探す、担当者を探す、連絡先を補完する」の順で説明しています。この順序には理由があり、前の段ほど安く、後ろの段ほど高いためです。
- 企業を絞る(
crustdata_company_search):業種、従業員数、資金調達、所在地などで条件を指定する - 担当者を探す(
crustdata_people_search):肩書、役職の高さ、職能で人物を探す - 必要な人だけ補完する(
crustdata_people_enrich):職歴やメールを取る
条件はオートコンプリートで合わせる
フィルターには有効な値が決まっているものがあります。そのため、crustdata_autocomplete_company などのオートコンプリート系ツールが用意されています。CrustdataのAPI側では、検索前に有効な値を確かめる用途で、オートコンプリートは無料とされています。業種名の表記ゆれで検索結果が空になるのを防げます。
Claudeに頼むときは、条件を文章で渡して構いません。例えば次のような依頼文です(例示であり、実際の応答はアカウントやデータで変わります)。
従業員100〜500名のAIスタートアップを企業検索で探してください。
まず10社だけ返し、業種名はオートコンプリートで確認してから
絞り込んでください。補完(enrich)はまだ実行しないでください。最後の一文が大事です。「補完は実行しない」と明示しておくと、クレジットが想定外に減るのを避けられます。件数を絞って試し、結果を見てから範囲を広げる進め方が安全です。
採用シグナルを足す
求人の検索ツールを使うと、企業が今どんな職種を募集しているかを調べられます。求人情報は、索引済みのデータ(crustdata_job_search)と、その場でWebから取る版(crustdata_job_search_live)に分かれています。LinkedIn投稿の検索は、人物単位と企業単位のツールが別々にあります。単価は索引済みの求人が1件0.03、_live が1件2と大きく違うので、先に索引済みで当たりを付ける進め方が費用を抑えます。
営業なら「SOC担当を募集している企業」、採用なら「同業他社が募集を増やした職種」といった形で、リストに優先順位を付ける材料になります。
一度作って終わりにしない
crustdata_watcher_create で、検索条件を定期実行する監視(ウォッチャー)を作れます。企業ウォッチャーは従業員数の変動や資金調達、ニュースでの言及を、人物ウォッチャーは転職や肩書の変更を知らせます。通知先はWebhook、Slack、Google Chat、メールです。作成前に crustdata_watcher_simulate というツールで試せます。
クレジットの仕組みと費用の読み方
Crustdataは全APIでクレジット制です。以下は標準の定価で、契約によっては異なります。
| 操作 | 標準の消費 |
|---|---|
| 人物検索 | 標準の消費1件あたり0.03 + 有料項目 |
| 企業検索 | 標準の消費1件あたり0.03 + 有料項目 |
| オートコンプリート(API) | 標準の消費無料 |
| 企業の特定(identify) | 標準の消費無料 |
| 企業の補完(enrich) | 標準の消費1社あたり2〜4 |
| 人物の補完(enrich) | 標準の消費1人あたり1〜9 |
| 連絡先の補完 | 標準の消費1人あたり1〜5.5(エンタープライズプラン) |
| 求人検索(索引済み) | 標準の消費1件あたり0.03 |
求人検索(_live、1社分の最新) | 標準の消費1件あたり2 |
| LinkedIn投稿の検索(索引済み) | 標準の消費1件あたり0.5(要望に応じて有効化) |
| LinkedIn投稿の検索(live) | 標準の消費1件あたり1、反応した人・コメントは100件ごとに+5(エンタープライズプラン) |
検索の「有料項目」とは、経験や資金調達などの項目です。条件に使う分と、結果として受け取る分が別々に課金され、並べ替えは無料です。
試算の例
定価どおりに計算すると、基本項目だけの企業検索で200社を返す場合は、0.03 × 200で6クレジットです。その200社から担当者40人を選んで人物の補完にかけるなら、最低の1クレジットでも40クレジットになります。合計では6対40ですが、単価で見ると検索は1件0.03、補完は1人1〜9で、補完のほうが桁違いに高くなります。
メールや電話番号を取るとさらに増えます。人物の補完では、ビジネスメールが+1、個人メールが+2、電話番号が+2という有料項目の例がドキュメントに載っています。
監視は更新頻度で単価が大きく変わる
ウォッチャーは鮮度の水準(SLA)で単価が決まります。既定の30日水準では、新たに一致した人物1件あたり0.5、企業は2です。1日水準にすると、どちらも新規1件あたり150になります。単価の差は人物検索の監視で300倍にもなるため、最初は既定の水準で始める進め方があります。初回の実行は基準作りで無料(最大5件の一致)、新しい一致がない実行も課金されません。
鮮度の見方
インデックス済みの人物・企業プロフィールは、少なくとも30日に1回は更新され、活発なものは毎日更新されます。各レコードには更新時刻(updated_at)が付きます。リストを営業に使う前には、その時刻を見て古さを確かめるのが無難です。
使い方に迷ったときの手がかり
Crustdataのサーバーは、使い方の案内をMCPのリソースとして公開しています。入口は crustdata://catalog で、必須のルールと各節の索引が入っています。ほかに、料金とコストの安い進め方をまとめた crustdata://catalog/cost、検索してから補完する手順などのレシピ集 crustdata://catalog/patterns、実行前にクレジット0で試す方法の crustdata://catalog/dry-run があります。Claudeに「まずカタログを読んでから進めて」と頼むと、ツールの使い分けを自分で調べさせられます。
また、Crustdataが答えられなかった依頼については、アシスタントが短い報告を feedback ツール経由で送ることがあると説明されています。ツールは氏名やメールなどの個人情報を含めないよう指示する作りで、最初の送信前にはクライアントが確認を求めます。気になる場合は、そのツールを許可しない選択もできます。
使う前に押さえたい点
- クレジットは購入から12か月で失効する(営業担当が付与した分は別の期限になる場合がある)
- 料金はプランや契約で変わる。公式も、本番利用の前に自分の画面で確認するよう注意している
- 連絡先の補完はエンタープライズプラン向けと記載されている
人物データを扱う以上、取得した連絡先へ営業メールを送る前に、個人情報や送信規制の確認が欠かせません。国内の規制の見方はLushaの個人情報と送信規制の記事にまとめています。
他のデータ源との使い分け
見込み客データを扱うコネクタは複数あります。Apolloは検索から連絡先の補完、さらにシーケンス登録までを1つで扱うのが特徴で、手順はClaudeとApolloの連携に載せています。ZoomInfoの検索はClaudeとZoomInfoの連携で扱っています。行動シグナルで優先先を決める発想はCommon Roomの記事が近い内容です。
Crustdataの特徴は、求人・投稿・ウォッチャーまで同じコネクタで扱え、検索と補完でクレジットが細かく分かれている点です。条件の自由度を重視するなら向きますが、費用の予測は他より手間がかかります。
つまずきやすい点
- 補完を先に実行させない:検索の段階で件数を絞り、補完は必要な人だけに限る
- 値の表記ゆれ:業種や地域はオートコンプリートで確かめてから条件に入れる
- 古いデータ:
updated_atを確認し、必要なら求人の_live系ツールなどその場取得を使う - CRMへの反映:ツール一覧は検索・補完・監視が中心で、CRMへの書き込み用のものは含まれていない
Claudeに丸ごと任せるなら、依頼の冒頭で「実行前に使うツールと推定クレジットを提示して」と添えておくと、判断材料が先に揃います。