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ClaudeとDeepLを連携する方法 — 用語集とスタイルルールを翻訳に効かせる

ClaudeとDeepLを連携する方法 — 用語集とスタイルルールを翻訳に効かせる

DeepLコネクタをClaudeに追加し、翻訳・リライト・校正を会話で回す手順です。用語集とスタイルルールが効くプラン、文書翻訳の流れ、Claude Codeでの接続もまとめます。

ClaudeとDeepLの連携とは — 翻訳の質を上げるのは用語集とルール

DeepLコネクタは、DeepLの翻訳・文章改善機能をClaudeの会話から呼び出せるようにするConnectorです。開発元はDeepL自身で、Connectorsディレクトリでは通信・生産性カテゴリに分類され、Anthropic verifiedの表示があります。追加時期は2026年6月、サインインが必須です。

Claudeだけでも翻訳はできます。DeepLを挟む意味は、組織の用語集とスタイルルールを翻訳に適用できる点にあります。接続先は https://mcp.deepl.com/v1/mcp(Streamable HTTP)で、認証はDeepLアカウントでのOAuth 2.1です。インストールもAPIキーの管理も要りません。

DeepLの資料が挙げる範囲は、テキスト・文書・画像の翻訳、リライトと校正、用語集とスタイルルールの利用・作成・編集です。

接続手順 — ディレクトリから追加する

Claudeでの追加は、コネクタディレクトリでDeepLを選び、DeepLアカウントでサインインするだけです。TeamとEnterpriseのプランでは、管理者が先にDeepLを有効にする必要がある場合があります。DeepL側でも、チームの管理者が組織全体でAIコネクタの利用を止められます。つながらないときは、Claude側の設定と合わせてDeepLの管理者にも確認します。

追加後に、次のように頼んでみます。

次のメールをドイツ語とフランス語に翻訳して。丁寧な文体で。
(本文を貼る)

DeepLのドキュメントにある例も同じ形で、1回の依頼で最大10言語まで指定できます。複数言語に訳すと、言語ごとに別々の翻訳として利用量に数えられます。

Claude Codeから使う場合

Claude Codeでは、リモートMCPサーバーとして直接登録できます。

claude mcp add --transport http deepl \
  https://mcp.deepl.com/v1/mcp

v2.1.289の claude mcp add --help では、-s, --scope に local・user・project が指定でき、既定は local です。チームで同じ設定を共有したいときだけ project を選びます。登録したMCPサーバーのツール説明文が長すぎて切られる場合は、MCPツール説明文の文字数上限を変える方法が参考になります。

DeepLの資料は、Cursor・VS CodeなどOAuth対応のMCPクライアント全般にも同じURLを使う手順を示しています。サインインの流れは次の4段階です。

手順

OAuth対応クライアントでのサインイン

  1. 1

    サーバーのURLを入れる

    クライアントのMCPサーバー追加画面(またはカスタムコネクター)に https://mcp.deepl.com/v1/mcp を入力します。

  2. 2

    DeepLアカウントでサインインする

    クライアントがOAuthの接続先を自動で見つけ、動的クライアント登録にも対応しているため、クライアントIDやシークレットの入力は要りません。サインイン中は、通常のDeepLのログインページがブラウザーで開きます。

  3. 3

    同意画面を承認する

    DeepLが認識しないクライアントでは、承認の前に確認ステップがもう1つ挟まります。

  4. 4

    翻訳を頼む

    「このメールをドイツ語とフランス語に、丁寧な文体で訳して」のように依頼します。

プランで変わること — 用語集が使えるのは有料の席課金プラン

無料のDeepL Freeでも翻訳と、リライト・校正(DeepL Write)は使えますが、用語集は使えません。

機能DeepL Free席課金プラン
テキスト・文書・画像の翻訳DeepL Free使える席課金プラン使える
リライトと校正DeepL Free使える席課金プランWriteを含むプランで使える
丁寧さ・文脈・カスタム指示の指定DeepL Free使えない席課金プラン使える
用語集とスタイルルールの適用DeepL Free使えない席課金プラン使える
用語集・ルールの作成と編集DeepL Free使えない席課金プランチームの権限による

席課金プランはIndividual、Team、Business、DeepL for Enterpriseです。サーバーは、プランと権限で許されるツールだけを表示します。Freeでは用語集とスタイルルールのツールがそもそも見えません。「用語集が効かない」と感じたら、まずプランを疑います。

リクエストの上限もプランで違います。

上限DeepL Free席課金プラン
翻訳1回あたりの文字数DeepL Free5,000席課金プラン128,000
リライト・校正1回あたりの文字数DeepL Free2,000席課金プラン128,000
1回のテキスト数DeepL Free50席課金プラン50
1回のターゲット言語数DeepL Free10席課金プラン10

長文のマニュアルをFreeで丸ごと渡すと、5,000文字で頭打ちになります。長い文書は、後述の「文書を丸ごと翻訳する」の流れで送ります。文書のサイズ上限もプランで変わります。

用語集とスタイルルールを効かせる運用

席課金プランでは、Claudeが翻訳時に用語集とスタイルルールを適用し、頼めば作成・編集もします。DeepLの資料の例は次の形です。

英独のサポート用語集に「customer account」を「Kundenkonto」として追加して。

用語集の読み取りには list-glossaries・get-glossary-info・get-glossary-dictionary-entries が使われます。追加や変更は update-glossary-entries などの書き込みツールです。

用語集とスタイルルールは別の仕組み

DeepLのMCPページは詳細をAPIドキュメントに委ねています。DeepLのAPIドキュメントでは、2つは作りが違います。

くらべる

用語集とスタイルルールの違い

語を固定する

用語集

1つの用語集に複数の辞書を入れられ、辞書は言語の組み合わせごとに一方向です。英独の辞書があっても、独英で同じ語を固定するには逆向きの辞書が別に要ります。ターゲット言語に EN を指定した用語集は、EN-US と EN-GB の両方に効きます。

書き方を整える

スタイルルール

時刻や数値の書式、句読点などの設定済みルールと、自然文で書くカスタム指示の2種類を1つのリストにまとめます。ターゲット言語ごとに作り、リストの対象は de・en・es・fr・it・ja・ko・zh です。日本語への翻訳にも使えます。

カスタム指示は1件300文字までです。DeepLのMCPページは、1回の依頼で指定できる数を10件としています。「訳語はこれ」は用語集に、「ですます調で、数字は半角」のような書き方の指定はスタイルルールに置くと、役割が混ざりません。

ツール名には注意が要ります。コネクタのディレクトリページに並ぶのは14個です。スタイルルールは get-style-rule と list-style-rules です。カスタム指示は get-custom-instruction で、用語集の書き込み・削除ツールは載っていません。

一方、DeepLのドキュメントは最大28個のツールを載せています。スタイルルール系は list-style-rule-sets・get-style-rule-set といった名前で、カスタム指示の作成・更新・削除ツールもあります。ディレクトリページとドキュメントで名前も数も違うため、実際に見えるツールは接続した画面で確認するのが確実です。

管理者のスタイルプロファイルが優先される

DeepLの管理者があなたにスタイルプロファイルを割り当てている場合、その用語集とスタイルルールが自動で適用されます。Claudeが依頼した用語集やルールは、プロファイル側に置き換えられます。どれが適用されたかは、ツールの応答からClaudeに伝わります。プロファイルはMCPサーバー経由では作成も変更もできません。

削除系ツールの確認

DeepLの資料は、用語集やルールを消す・上書きするツールを「Destructive」に分類しています。remove-glossary-entries・replace-glossary-dictionary・delete-glossary のほか、update-style-rule-set や update-custom-instruction のような更新系も含まれます。多くのクライアントは実行前に確認を求めます。Claude Codeで使うなら、これらを自動許可に入れず、毎回確認が出る状態にしておくと、用語集の全置換を防げます。

Claude側の指示と組み合わせる — CLAUDE.mdに翻訳の作法を置く

DeepLの用語集は用語の対訳を固定します。文書の扱い方までは決めません。Claude Codeで翻訳を繰り返すなら、プロジェクトのCLAUDE.mdに作業ルールを書いておくと、依頼のたびに説明せずに済みます。次は書き方の一例です。

## 翻訳ルール
- 翻訳はDeepLコネクタのtranslate-textを使う(自分で訳さない)
- 原文が日本語の技術文書は、ターゲット言語ごとに用語集を確認してから訳す
- 訳したあと、原文と訳文の数値・URL・コードブロックが一致するか比べる
- 用語集にない専門語は、訳す前に一覧にして確認を取る

最後の2項目は、訳す前後にClaudeが挟む工程です。訳したあとの突き合わせを書いておけば、数値やURLの食い違いに気づけます。用語集にない語を先に洗い出させれば、追加すべき対訳が翻訳前に見つかります。この運用はDeepLの機能ではなく、CLAUDE.mdで組む一例です。

翻訳とリライト・校正を使い分ける

DeepLコネクタには、翻訳とは別に文章を直すツールが2つあります。翻訳した英文をそのまま送る前に、3つを重ねる使い方ができます。

役割

文章を扱う3つのツール

  • translate-text

    最大10言語に訳します。

  • rephrase-text

    指定した文体やトーンで言い換えます。

  • correct-text

    文法・スペル・句読点を直します。

この英文をtranslate-textで訳した結果を、correct-textで校正して。
そのあと、rephrase-textでビジネス向けの落ち着いた文体にして。

役割が違うので、1回の依頼に手順を分けて書くとClaudeが呼び出す順序を取り違えません。使える言語はツールで確認できます。get-source-languages と get-target-languages が、それぞれ対応する原文の言語と訳文の言語を返します。「この言語に訳せるか」を訳す前に聞けば、対応外の言語を指定して失敗する手間が省けます。

文書を丸ごと翻訳する

文書翻訳は、ファイルの中身をClaudeのコンテキストウィンドウに通さず、別経路で送る仕組みです。1回のアップロードで最大10言語に訳せます。

手順

文書翻訳の流れ

  1. 1

    アップロードを始める

    Claudeにファイルの翻訳を頼むと upload-document が呼ばれ、アップロード用のセッションと短時間有効なリンクが返ります。

  2. 2

    ファイルを渡す

    ファイルシステムに触れるクライアント(Claude Codeなど)は直接アップロードします。それ以外では、Claudeが出したリンクからブラウザーで送ります。

  3. 3

    進み具合を見て受け取る

    Claudeが get-document-status で進み具合を見て、完了後に download-document で訳したファイルを返します。ファイル名には report DE.docx のように言語が付きます。

対応形式は .docx・.doc・.pptx・.ppt・.xlsx・.xls・.pdf・.htm・.html・.txt・.xlf・.xliff・.srt・.png・.jpg・.jpeg です。PNGとJPEGは3MBまで、他の形式のサイズ上限はプランで変わります。

サンドボックスからアップロードできないとき

Claudeはコード実行のサンドボックスからファイルを送るため、mcp.deepl.com への通信が要ります。TeamとEnterpriseでは、オーナーが「組織設定 > Capabilities(機能)」でネットワークの外部通信を許可します。そのうえで「パッケージマネージャーと特定のドメイン」を選び、mcp.deepl.com を加えます。許可がないと、Claudeはアップロード用リンクを返す動きになります。リンクを開けば手動で送れるので、作業が止まるわけではありません。

社内のネットワークで通信を絞っている場合は、mcp.deepl.com を許可します。MCPサーバー、OAuthのサインイン、文書の送受信がすべてこのドメインで動くためです。サインイン中にブラウザーが開く通常のDeepLのログインページも、別に表示できる必要があります。

機密文書を訳す前に確認すること

DeepLの資料によると、テキストは依頼の処理後に保存されません。文書翻訳のセッションは受け渡しのために短時間保持され、その後削除されます。ファイルの中身はDeepLへ流され、MCPサーバー側には保存されません。通信はHTTPSで暗号化され、サーバーが話す相手はDeepL自身のサービスだけです。OAuthトークンを取り消せば、アクセスはすぐ終わります。

ただし、社外秘の契約書などを訳せるかは、この説明だけでは決まりません。DeepLとの契約条件と社内のデータ取り扱いルールを、別に照らします。

よくあるつまずき

  • 用語集のツールが見えない: DeepL Freeか、権限がない席課金プランです
  • 用語集を設定したのに訳が変わらない: 管理者のスタイルプロファイルが優先されています
  • 長文が途中で切れる: Freeは翻訳1回5,000文字までなので、文書翻訳に切り替えます
  • 文書をアップロードできない: mcp.deepl.com の通信許可を見直します
  • Claude TeamやEnterpriseで追加できない: 管理者がDeepLを有効にしていない可能性があります

まとめ

DeepLコネクタの価値は、席課金プランで用語集とスタイルルールを翻訳に効かせられる点にあります。Freeで使うなら翻訳と校正までと割り切り、機密文書はDeepLとの契約条件を照らしてから渡します。

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