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ClaudeとMicrosoft ClarityのMCPでLPの離脱箇所を探す手順

ClaudeとMicrosoft ClarityのMCPでLPの離脱箇所を探す手順

Microsoft ClarityのMCPコネクタで引けるデータと引けないデータを整理し、録画一覧とクリック系の指標からLPの離脱箇所を絞る流れを解説します。

Microsoft Clarityは、サイト上のクリックやスクロールを記録し、セッション録画とヒートマップで見せる行動分析ツールです。MicrosoftがMCP(Model Context Protocol)サーバーを公開しており、Claudeのコネクタ一覧にも「Microsoft Clarity」として載っています。つなぐと、Clarityのデータを管理画面ではなくClaudeとの会話で引けます。

ただし、ヒートマップの画像そのものをClaudeに読ませるツールは、公開されているツール一覧にありません。引けるのは集計値と録画の一覧です。この記事は、その範囲でLPの離脱箇所をどこまで絞れるかを手順にします。

Microsoft Clarityコネクタとは何か

Microsoft Clarityコネクタは、Clarityのプロジェクトの分析データ・ドキュメント・セッション録画へClaudeからアクセスさせるMCPサーバーです。コネクタ一覧のページには「Anthropic verified」の表示があり、提供元はMicrosoft、追加は2025年10月と記載されています。

ツールは3つです。ただし、名前が公開場所によって違います。

役割コネクタ一覧のページGitHubのREADME
分析データの問い合わせコネクタ一覧のページquery-analytics-dataGitHubのREADMEquery-analytics-dashboard
録画の一覧取得コネクタ一覧のページlist-session-recordingsGitHubのREADMElist-session-recordings
Clarityのドキュメント検索コネクタ一覧のページquery-documentation-dataGitHubのREADMEquery-documentation-resources

どちらが現行かは、手元で接続して出るツール名で確かめるのが確実です。会話に使う限り、ツール名を指定する必要はなく、質問の文面だけで呼び分けられます。

READMEの説明では、分析データの問い合わせは自然言語の検索クエリでダッシュボードの指標を取る仕組みです。録画の一覧は、URL・デバイス・ブラウザ・OS・国・都市などで絞り込めます。

接続前に用意するもの

用意するのは、Clarityのプロジェクトと、APIトークンです。トークンはプロジェクトの管理者だけが発行できます。

手順

APIトークンを発行する流れ

  1. 1

    プロジェクトを開く

    Clarityで対象のプロジェクトを開きます。管理者権限のないアカウントではトークンを管理できません。

  2. 2

    Data Exportを開く

    Settings、Data Export、Generate new API tokenの順に進みます。

  3. 3

    名前を付けて控える

    トークン名は4〜32文字で、英数字とハイフン・アンダースコア・ピリオドが使えます。スペースと @ # $ などは使えません。生成されたトークンは安全な場所に保管します。

コネクタ一覧のページには、認証の手順は書かれていません。READMEには、Claude Desktopの拡張機能として入れる場合にAPIトークンを設定する手順があります。トークンを渡す方法は、コマンドライン引数の --clarity_api_token か、ツール呼び出し時の token パラメータです。

Claude Codeに登録するなら

READMEは、MCPクライアント向けの設定として、npx でサーバーを起動する形(Node.js v16以上が前提)を示しています。Claude Codeでは、claude mcp add で標準入出力(stdio)のサーバーを登録できます。-- より後ろが、実際に起動するコマンドです。

claude mcp add clarity \
  -- npx -y @microsoft/clarity-mcp-server \
  --clarity_api_token="$CLARITY_API_TOKEN"

これはREADMEの起動方法とClaude Codeの登録コマンドの書式を組み合わせた例です。トークンはシェルの環境変数から渡し、プロジェクトの .mcp.json に平文で書かないようにします。チームで共有するリポジトリに置く設定ファイルでは、特に注意が必要です。接続が切れたときの復旧は、/mcp reconnect allの記事にまとめています。

ヒートマップは引けないが、代わりの指標は引ける

ここが、この連携でいちばん誤解されやすい点です。

Clarityのヒートマップは、クリックマップ・スクロールマップ・エリアマップ・コンバージョンマップ・アテンションマップの5種類です。公開されているMCPのツールは、この3つ(分析データ・録画一覧・ドキュメント)で、ヒートマップの描画や画像の取得は含まれていません。ヒートマップを見る作業は、Clarityの画面側に残ります。

その代わり、分析データの問い合わせで、ヒートマップと同じ種類の行動を数字で引けます。データエクスポートAPIの公式ページが挙げる指標は次のとおりです。

  • スクロール深度(Scroll Depth)、滞在時間(Engagement Time)、トラフィック
  • デッドクリック数(Dead Click Count)、レイジクリック数(Rage Click Count)
  • 過剰なスクロール(Excessive Scroll)、クイックバック(Quickback Click)
  • スクリプトエラー数、エラークリック数

切り口(ディメンション)は、ブラウザ・デバイス・国/地域・OS・参照元・メディア・キャンペーン・チャネル・URLです。1回の問い合わせで、最大3つまで掛け合わせられます。

クリックマップの「デッドクリック」は、押しても反応がなかったクリックの分布を示します。指標としてのデッドクリック数は、そのページ単位の件数です。位置は画面で、件数はClaudeで、と役割を分けると噛み合います。

LPの離脱箇所を絞り込む5ステップ

LPの改善では、「どのページが悪いか」「どの端末で悪いか」「何が起きているか」「どこで起きているか」を順に絞ります。Claudeに任せやすいのは前半の3つです。

手順

Claudeと画面を行き来する流れ

  1. 1

    URLとデバイスで、問題のあるLPを探す

    URLとデバイスを切り口に、直近1日のレイジクリック数とデッドクリック数を比べさせます。

  2. 2

    スクロール深度で、読まれていない範囲を知る

    候補のLPに絞り、デバイス別のスクロール深度を出させます。CTAがページの下のほうにあれば、そこに届いていない割合が見えます。

  3. 3

    録画の一覧で、見るべきセッションを選ぶ

    条件に合う録画を一覧で取り、クリック数が多いものやエラーに遭遇したものから再生します。

  4. 4

    Clarityの画面で、位置を確かめる

    クリックマップとスクロールマップを開き、ClaudeがURLで絞ったページの具体的な要素を特定します。

  5. 5

    仮説を書き出す

    見つけた事実から、直す候補をClaudeに整理させます。効果の確認はA/Bテストなど別の手段に回します。

READMEが挙げる質問例は、「モバイルの最近のセッションを一覧にして」「クリック数がいちばん多い上位5件のセッションを出して」「JavaScriptエラーに遭遇した録画を取って」の形です。1回の依頼は1つのことに絞るよう案内されています。LPの分析なら、たとえば次のように頼みます。

Clarityで、直近1日のレイジクリック数が多いURLを、
デバイス別に上位5件出してください。
URLとデバイスの2つで切り、数値はそのまま表にしてください。
続けて、そのうち1位のURLで、クリック数が多い録画を3件挙げてください。

数値は、ClaudeがMCPから受け取った値をそのまま使います。解釈を足すときは、数値と推測を分けて書かせてください。

使う前に知っておきたい制約

便利ですが、データエクスポートAPIの上に載っているため、API側の制約をそのまま受けます。

制約内容
呼び出し回数内容1プロジェクトにつき1日最大10回
取得期間内容直近1〜3日(numOfDays は1・2・3)
ディメンション内容1回の問い合わせで最大3つ
返る行数内容最大1,000行。ページ送りはできない
時刻内容レスポンスはUTC

この制約から、1日10回の枠を、質問を決めてから使い切ります。思いつきで何度も聞くと、その日の分析が止まります。Claude Codeを使うなら、CLAUDE.mdに次のような規約を置く方法があります。

## Clarity MCPの使い方
- Clarityの分析データ問い合わせは1日10回まで。呼ぶ前に聞きたいことを列挙し、1回にまとめる。
- 直近3日より前のデータは取れない。期間が必要な質問は、先にそう伝える。
- 数値は取得結果のまま報告し、推測は「推測」と書いて分ける。

録画にも期限があります。録画データは30日で消え、ラベルを付けたものやお気に入りに入れたものだけが9か月残ります。30日を過ぎた離脱の事例を振り返りたいなら、見つけた時点でお気に入りに入れておくのが手段です。ヒートマップのデータは9か月保持されます。

1日の録画の保持にも上限があります。1プロジェクトで1日10万件を超えると、Clarityは保持する録画を間引きます。トラフィックの多いサイトでは、すべての録画が残っているとは限りません。

GA4やA/Bテストとの使い分け

Clarityが得意なのは「なぜ離脱したか」の手がかりです。「どれだけ来たか」「どのチャネルが成果に結びついたか」は、GA4のほうが向きます。GA4をClaude Codeから引く手順はGA4のMCPサーバーの記事にあります。

改善案を出したあとの判定も別の仕事です。LPの変更でコンバージョンが増えたのかは、A/Bテストの有意差をClaudeに検定させる記事の手順で数字を渡して調べます。Clarityで見つけた離脱の原因は仮説にとどまり、変更後の数字で確かめて初めて結論になります。

マーケティング系のツールを会話で引く流れに慣れているなら、Brevoのコネクタも同じ考え方で使えます。

導入の判断で確認しておく点

最後に、実務で引っかかりやすい点を挙げます。

  • トークンの権限: 発行できるのは管理者だけです。チームのメンバーが個別に発行できるとは限りません
  • 取得期間の短さ: 直近3日が上限なので、月次の比較は毎日の取得を溜めていくか、Clarityの画面側で行います
  • プライバシー: 録画やクリックの情報を扱います。ツールの出力をClaudeに渡す前に、自社のプライバシーポリシーとClarity側のマスキング設定を確認してください
  • 信頼できる提供元か: コネクタ一覧のページには、信頼する開発者のコネクタだけを使うようにとの注意書きがあります。Anthropicはツールの内容を管理しておらず、動作を保証できないと書かれています

まとめ

Claudeから使えるClarityの機能は、分析データの問い合わせ、録画の一覧、ドキュメント検索の3つです。ヒートマップの画像は引けません。1日10回、直近3日までという枠の中で、問題のあるURLとデバイスを数字で絞り、位置の確認はClarityの画面に戻る。この分業が、いちばん無駄が出ません。

LPの実装そのものをClaude Codeで進めたい場合は、LPをCMSに実装する記事が手がかりになります。

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