Claudeで習慣トラッカーと体重記録をArtifactsで作る手順
Claude Artifactsの個人ストレージに体重・歩数・睡眠を毎日記録し、週次グラフで振り返る記録アプリの作り方です。共有ストレージの落とし穴とプラン条件も扱います。
習慣トラッカーをArtifactsで作ると何が手に入るか
体重・歩数・睡眠時間・勉強時間のような日次の数値は、Claude Artifactsで小さな記録アプリにできます。入力フォームと週次グラフを1つの画面にまとめ、データはArtifactの保存領域に残す作りです。スプレッドシートを開く手間も、専用アプリを探す手間もありません。
この機能の土台になるのが、Artifactsのデータ保存です。公式は「Artifactsはセッションをまたいでデータを保存でき、ジャーナルやトラッカーのようなものを作れる」と説明しています。保存には個人用と共有用の2種類があり、習慣トラッカーで選ぶのは個人用です。
本記事は、記録アプリとしての作り方に絞ります。食事や運動の内容についての助言は扱いません。数値を残して眺めるための道具を、チャットの指示だけで組み立てます。
使える条件を先に確認する
保存機能は全プランで使えるわけではありません。公式が示す条件は次のとおりです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| データ保存 | 条件Pro・Max・Team・Enterprise(Claudeのウェブ版とデスクトップ版) |
| 事前設定 | 条件Settings > Capabilitiesで「Cloud code execution and file creation」をオン(Free・Pro・Max)。Team・Enterpriseは組織設定の同じ項目 |
| スマホ | 条件iOS・Androidでは結果をArtifactsタブで閲覧。編集や共有設定はウェブ版かデスクトップ版 |
| 容量 | 条件1つのArtifactあたり20MB、テキストのみ |
Freeプランでも、記録画面とグラフを持つArtifact自体は作れます。ただしセッションをまたぐ保存はできないため、翌日に開いても前日の数値は残りません。毎日記録する用途は、実質Pro以上が前提です。
20MBという容量は、日次の数値記録には十分すぎる大きさです。1日1行の数値なら、何年分を貯めても容量の心配はまずありません。一方で、画像やファイルは保存できません。食事の写真や体組成計の画面写真を貼って残す設計は成立しないので、数値だけを入れます。
手順1: 何を記録するかを決めて依頼する
最初の依頼で決めておくと手戻りが減るのは、次の3点です。
- 記録する項目(体重、歩数、睡眠時間、勉強時間など)
- 1日1回の入力か、複数回か
- 保存先が個人用であること
保存先は、公式の定義では「作る人が、どのデータを個人用に置き、どれを共有用に置くかを決める」仕組みです。依頼文に書かなければ、Claudeがどちらで組むかは分かりません。個人用と明示します。
毎日の記録アプリをArtifactで作ってください。
- 記録する項目: 体重(kg)、歩数、睡眠時間(時間)、勉強時間(分)
- 1日1件。同じ日付に入力したら上書きする
- データは個人用ストレージに保存する(他の人には見せない)
- 画面上部に入力フォーム、下に直近8週間の週次グラフ
- グラフは週ごとの平均値。項目を切り替えて表示できるようにする
- 未入力の日は0として扱わず、集計から除外する最後の1行は見落としやすい指定です。歩数や勉強時間は「0が実際の値」になり得るので、未入力と区別しないと週平均が下がります。記録しなかった日を0にするかどうかは、指示しないと曖昧なまま決まります。
Artifactは、内容が15行を超えて単体で完結し、あとから編集や再利用をしたくなるものとしてClaudeが作ります。記録アプリは条件に当てはまるので、依頼すればチャットの横に専用ウィンドウが開きます。
手順2: データの形を決めておく
保存データの形は、Claudeに任せきりにせず、最初に方針を伝えておくのが安全です。日付をキーにした1日1レコードにしておくと、上書きも週集計も素直に書けます。次は保存する中身のイメージです。
{
"2026-09-28": { "weight": 62.4, "steps": 8120, "sleep": 6.5, "study": 45 },
"2026-09-29": { "weight": 62.1, "steps": 9340, "sleep": 7.0, "study": 60 }
}これは設計の一例で、Claudeが実際に生成する保存形式を示すものではありません。生成された内容を確認したいときは、「保存しているデータの形をJSONで見せて」と頼みます。
日付キーにする利点は、項目の追加に強いことです。あとから「気分(1〜5)」の欄を足したくなっても、古い日のレコードにその項目がないだけで、既存データは壊れません。新しい項目が入る前提で、「欠けている値は除外して集計する」処理を最初から入れてもらいます。
手順3: 週次グラフを組み込む
グラフはArtifactの中で描画されます。公式は、Artifactにできるものとしてダッシュボードや小さなインタラクティブツールを挙げているので、入力と集計と描画を1画面に同居させる作りは想定内です。
グラフの仕様は、見たい問いから逆算して指定すると外れにくくなります。
- 「先週より体重が動いたか」を見たい: 週平均の折れ線
- 「歩数が伸びた週はどれか」を見たい: 週合計の棒グラフ
- 「睡眠と勉強時間の関係」を見たい: 週ごとに2つの値を並べた表示
グラフを次のように変更してください。
- 体重は週平均の折れ線、歩数は週合計の棒グラフにする
- 週の区切りは月曜始まり
- 記録が3日未満の週は、グラフに点を出さず「記録不足」と注記する
- 直近4週の平均と、その前4週の平均の差を数字でも表示する記録が少ない週の扱いを決めておくと、旅行や体調不良で空いた週の平均に引きずられません。週平均の計算に使った日数を画面に出させると、数値の信頼度がひと目で分かります。
手順4: 入力の手間を減らす
記録が続かない最大の原因は、入力が面倒になることです。Claudeに調整を頼める部分は多くあります。
- 今日の日付を初期値にする
- 前日の値を初期値にして、変わった項目だけ打ち換える
- 体重は0.1kg単位のステッパーで動かす
- 入力後に「保存しました」と表示し、二重入力を防ぐ
スマホで開くなら、入力欄を大きくしてほしいと頼みます。ただし前述のとおり、スマホアプリはArtifactsタブで結果を見る形なので、日々の入力の使い勝手はスマホでの実機確認が必要です。編集や共有設定はウェブ版かデスクトップ版に戻って行います。
手順5: 動かないときの直し方
エラーが出たときは、Artifactのエラーメッセージ付近に「Try fixing with Claude」ボタンが出ます。押すとエラーの詳細が新しいメッセージにコピーされ、Claudeに診断と修正を頼めます。公式は、直せるとは限らず、追加の調整が要る場合もあると注記しています。
保存まわりで確認したい順序は次のとおりです。
- Pro以上のプランか(Freeでは保存が使えない)
- Cloud code execution and file creationがオンか
- 保存先が個人用になっているか
旧形式のArtifact(2026年9月16日より前にチャットで作ったもの)は仕様が違います。旧形式では、公開してからでないと保存が成功しません。新しいArtifactは公開しなくても保存できます。古いチャットのArtifactを流用して「保存されない」と困ったら、この違いを疑います。新規作成では旧形式を作れないので、記録アプリは新しい会話で作り直すのが素直です。
共有ストレージと公開は避ける
体重や睡眠は、他人に見せたくない数値です。守るべき線は2つあります。
保存先を個人用にしておく。共有用ストレージでは、Artifactを開いた全員が同じデータを見ます。初めて共有ストレージを使うときは確認画面が出ますが、公式も「機微な情報を入れる前に、そのArtifactが共有ストレージを使っていないか確認する」よう警告しています。
共有リンクを配らない。Artifactは最初は自分だけに見える状態で、共有するまで誰にも見られません。共有した場合、開くにはClaudeアカウントが必要です。あわせて、チャットから作ったArtifactを共有すると、閲覧者はそのチャットの添付ファイルにもアクセスできます。記録アプリの相談中に健診結果のファイルを貼っていたなら、共有前に確認します。
旧形式のArtifactの公開を取り消すと、保存データは個人用・共有用とも完全に削除されます。記録を残したいなら、取り消し操作は慎重に行います。
バックアップは自分で用意する
保存の上限は1つのArtifactごとに数えられ、旧形式では公開の取り消しでデータが消えます。長期に記録するなら、月に1度ほど、集計表をテキストで書き出す習慣が保険になります。次のような依頼が使えます。
このアプリに、保存済みの全記録をCSV形式のテキストで
表示するボタンを追加してください。
ボタンを押すと、日付・体重・歩数・睡眠・勉強時間の列を
コピーできる形で出してください。この書き出し機能は、公式が挙げているものではなく、保存がテキストのみという仕様を踏まえた運用上の工夫です。生成された画面で実際に動くかは、ダミーデータで試してから使います。
記録アプリをどこまで頼れるか
ここまでで組み立てたのは、数値の入力・保存・集計・表示です。扱わない領域もはっきりしています。
| やること | Artifactの記録アプリで扱うか |
|---|---|
| 日次の数値の記録と週次グラフ | Artifactの記録アプリで扱うか扱う |
| 目標値との差の表示 | Artifactの記録アプリで扱うか扱う(指示すれば入る) |
| 食事・運動内容への助言 | Artifactの記録アプリで扱うか扱わない(医療・栄養の専門家の領域) |
| 画像や体組成計の写真の保管 | Artifactの記録アプリで扱うかできない(テキストのみ) |
| 通知やリマインド | Artifactの記録アプリで扱うか公式の説明にない |
数値の増減を眺めて「先週より増えた」と気づく段階までが、この道具の役割です。原因の分析や対処は、必要なら専門家に相談します。
家計簿や点検記録との違い
同じ「記録して振り返る」用途でも、作り方は分かれます。CSVをアップロードして分析する型は、家計簿データの分析のように、ファイルを渡すたびに集計する形です。データが手元のCSVにあるなら、そちらが向きます。
日々の入力から始まる記録は、Artifactの保存領域に直接貯める本記事の型が合います。データを入力する画面ごと作れるからです。点検記録や履歴を残す使い方は空き家管理の記録にも例があります。スコアの保存の仕組みは、ゲーム制作の記事が共有ストレージ側から説明しています。Artifactそのものの容量や公開設定はClaude Projects完全ガイドで扱っています。
よくあるつまずき
- 翌日開くとデータが消えている: Freeプランか、保存が個人用として組まれていない可能性があります。Pro以上かを確認し、「保存処理を入れて」と再依頼します
- 週平均が極端に低い: 未入力を0として集計している可能性があります。手順1の最終行の指定を入れ直します
- 項目を足したら古いグラフが崩れた: 欠けた値を除外する処理がありません。「値がない日は集計から除く」と頼みます
- 写真を残したい: 保存はテキストのみです。数値と日付だけの設計にします
まとめ
習慣トラッカーは、Artifactsの個人ストレージ、日付キーのデータ設計、週次グラフの3つで組み立てられます。使うにはPro以上のプランが前提で、保存は1つのArtifactあたり20MBのテキストに限られます。健康に関わる数値は、保存先を個人用にし、共有リンクを配らないことが最優先の線引きです。