Claudeで空き家管理の点検記録と修繕履歴を整理する方法
空き家の点検記録と修繕履歴をClaudeのプロジェクトに蓄積し、次にやるべき修繕をリスト化する具体的な手順をまとめます。
空き家は住んでいる人がいないため、点検に行った記録や直した箇所のメモが、写真とメールと手帳のあちこちに散らばりがちです。次に訪問したとき「前回何を直したか」を思い出すところから始まっていては時間の無駄です。Claudeのプロジェクト機能を空き家管理専用の置き場にすれば、点検記録と修繕履歴を1か所に蓄積しながら、会話でそのまま呼び出して次にやることを整理できます。
Claudeが空き家管理でできること
任せられるのは、記録の整理と、そこから次の行動を洗い出す作業です。点検のたびに書いたメモをプロジェクトの知識ベースに溜めておけば、「前回から変わった箇所は」「まだ手を付けていない修繕は」と聞くだけで、蓄積した記録を踏まえた答えが返ってきます。
外壁のひび割れを見る、郵便物の溢れを確かめるといった点検そのものは、現地でしかできません。記録をどう整理し、次に何をやるかを洗い出す部分が、Claudeの受け持つ範囲です。
会話と知識ベースは別物として扱う
プロジェクトは、専用のチャット履歴と知識ベースを持つ独立した作業スペースです。空き家管理用のプロジェクトを1つ作れば、点検記録や修繕履歴を書き溜めても、他の雑談や仕事の会話と混ざりません。
運用で最初にぶつかるのは、記録の置き場所の違いです。同じプロジェクトの中でも、会話と知識ベースでは共有の範囲が異なります。
記録を置く場所で、Claudeが覚えている範囲が変わる
会話で話しただけの内容
会話ごとに文脈は別です。先週の会話で伝えた点検結果が、今日の新しい会話に確実に引き継がれる保証はありません。メモリ機能による要約とは別に、確実に参照させたい記録は知識ベースに足します。
知識ベースに追加した内容
アップロードしたファイルとProject instructionsは、そのプロジェクトのすべての会話で使われます。
「先週話したのに今日は知らないと言われた」という状態は、この違いで起きることがあります。点検のたびに、後で参照したい記録は知識ベースへ足す習慣をつけておきます。
有料プラン(Pro / Max / Team / Enterprise)では、知識ベースがコンテキストの上限に近づくと、RAG(検索拡張生成)が自動で有効になります。扱える量は最大10倍まで広がります。数年分の点検記録を溜める使い方では、この拡張が効いてきます。
空き家管理専用プロジェクトを作る手順
プロジェクトは無料プランを含む全プランで作れます。
プロジェクトの作り方
- 1
Projectsを開く
左サイドバーの「Projects」を開くか、
claude.ai/projectsに直接アクセスします。 - 2
新規プロジェクトを作る
右上の「+ New Project」をクリックします。
- 3
名前と説明を入れる
名前は「実家の空き家管理」のように物件が分かるものにします。説明欄の内容にClaude自身はアクセスしないため、書き方が回答の質に影響することはありません。
- 4
チャットを始める
プロジェクトができたら、その中でチャットを開きます。知識ベースはプロジェクトページの右側にあり、「+」ボタンからテキストファイルやドキュメントを追加します。
点検記録・修繕履歴を蓄積する型を決める
あとから検索・整理しやすくするには、記録の書き方を毎回そろえることが効きます。次のような要素を決まった順番で書いておくと、Claudeが該当の記録を見つけやすくなります。
点検日
確認した箇所(外壁・屋根・庭・水回り・郵便受け等)
見つかった問題点
対応した内容(修繕・清掃・応急処置)
かかった費用(わかる範囲で)
次回までの持ち越し事項この型を守って書き溜めておけば、「まだ持ち越しになっている項目を一覧にして」「今年直した箇所を全部教えて」といった呼びかけに答えてもらえます。書き方が毎回ばらばらだと、Claudeも人間と同じように該当箇所を探しにくくなります。
写真は会話に添付し、文字にして知識ベースへ足す
点検で撮った写真の扱いには注意が必要です。プロジェクトのファイルは文字の抽出が対象で、例外はマルチモーダルPDFだけです。JPEGなどの写真を知識ベースに貯めても、写っている劣化の様子が記録として使えるとは限りません。
写真は点検中や点検後のチャットに直接添付します。チャットに貼れる画像形式はJPEG・PNG・GIF・WebPです。雨漏りの跡や外壁のひびを見せて状態を説明してもらい、その文章を記録の型に当てはめて知識ベースに足す流れが堅実です。
点検業者の報告書のようなPDFは扱いが違います。100ページ以下なら本文に加えて図や写真も解析され、101〜1000ページではテキストだけが対象です。
Word(DOCX)の修繕見積書のように、PDF以外の文書は文字だけが抽出されます。文書に貼り込んだ写真は、Claudeには読み取れません。
報告書の特定のページについて聞くときは、文書に印刷されたページ番号ではなく、PDFビューアーに表示されるページ番号で伝えると食い違いません。大きな報告書は、年度や箇所ごとに分けてアップロードすると上限に収まりやすくなります。
プロジェクトまわりの数字
無料プランのプロジェクト数
最大5個
Freeプランの場合
プロジェクトの1ファイル
30MB
ファイル数は無制限。合計がコンテキストに収まる必要があります
チャット添付の枚数
20ファイル
1ファイル500MBまで。画像は8000×8000ピクセルまで
RAGでの拡張
最大10倍
有料プランのみ
知識ベースに入れられる文書形式は、PDF・DOCX・CSV・TXT・HTML・ODT・RTF・EPUB・JSONです。XLSXは、アカウントでコード実行とファイル作成を有効にしたときに使えます。形式ごとの上限や、チャット添付・Claude Code・APIとの違いはClaudeファイル上限の一覧にあります。
Project instructionsで記録の型を固定する
毎回同じ形式を手打ちするのは手間です。Project instructionsに「点検記録を書くときの型」を登録しておけば、話しかけるだけで整形してもらえます。プロジェクトページの「Set project instructions」から、次のような指示を書いておきます。
このプロジェクトは空き家(住所: ○○)の管理記録用です。
私が点検の内容を話したら、以下の形式に整えて返してください。
- 点検日
- 確認した箇所
- 見つかった問題点(無ければ「特になし」)
- 対応した内容
- かかった費用(私が言わなければ空欄)
- 次回までの持ち越し事項
推測で費用や対応内容を作らないでください。私が伝えていない情報は空欄にしてください。「推測で費用や対応内容を作らないでください」の一文が要点です。修繕履歴は正確さに価値があるため、Claudeに創作させず、伝えた分だけを反映させる指示を入れておきます。
Project instructionsはClaudeの振る舞いを決めるもので、整形された返答が自動で知識ベースに入るわけではありません。知識ベースに入るのはアップロードした内容です。返答はテキストファイルとして保存し、アップロードする一手間が要ります。
やることリストをClaudeに整理してもらう
記録が蓄積されてきたら、次にやるべきことを洗い出してもらいます。聞き方は難しく考えず、知りたいことをそのまま伝えるだけです。
「これまでの点検記録から、まだ対応していない箇所と、次回の点検までにやっておきたい修繕をリスト化してください。優先度が高そうなものから並べてください」
蓄積した記録が具体的であるほど、洗い出されるリストの精度も上がります。逆算した日程表やチェックリストの形にまとめたい場合は、Artifacts(会話とは別の専用ウィンドウに表を作る機能)を使う方法もあります。作らせ方はClaudeで引っ越しのやることリストとスケジュールを作る手順の進め方がそのまま使えます。
点検記録が複数年分溜まると、「今年の修繕費の合計を教えて」「去年と比べて増えた項目は」のように、時系列で比較する聞き方もできます。空き家の維持費を年単位で把握したいときに役立ちます。
複数の空き家は物件ごとにプロジェクトを分ける
実家と親族の家など複数の空き家を管理しているなら、物件ごとにプロジェクトを分けるのが基本です。1つのプロジェクトに混ぜると、「どの家の記録か」をClaudeが取り違えるリスクが増えます。
分けるメリットは記録だけではありません。プロジェクトごとに独自のメモリがあり、プロジェクト外のチャットとは別に保たれます。メモリは、Free・Pro・Maxプランのウェブ・デスクトップ・モバイルで既定で有効です。Team・Enterpriseプランでは、オーナーが有効にしたときに使えます。
記憶の混線を防ぐ操作は2つあります。
- 別の物件の話を間違ったプロジェクトで始めたとき: チャット名の横のドロップダウンから「Add to project」で正しいプロジェクトへ移します。「Remove from project」を選ぶと、プロジェクト外のメモリに回ります
- 記録に残したくない試し聞きをするとき: 最初のメッセージを送る前に、「+」メニューで「Memory」をオフにします。そのチャットはプロジェクトのメモリを使わず、追加もしません
物件が増えたら、プロジェクトに星(スター)を付けておくと、左側のパネルからすぐ開けます。プロジェクト一覧の「...」メニューか、プロジェクト内の星アイコンから付けられます。
物件を増やすときは、無料プランの上限が最大5個である点に注意が必要です。空き家に複数個を使うと、他の用途のプロジェクトがすぐ減ります。管理する物件が多いなら、有料プランへの切り替えも含めて上限を意識しておきます。
管理を終えた物件はアーカイブで残す
売却や解体で管理が終わった物件の記録は、消さずにアーカイブする選択肢があります。プロジェクトページ右上の「...」から、アーカイブを選んで確認します。
アーカイブしたプロジェクトは、プロジェクト一覧の下部に移ります。会話は引き続き開けます。解除すると、メンバーや権限、知識ベースを含めてアーカイブ前の状態にそのまま戻ります。
削除は、アーカイブしたままではできません。先に解除してから、「...」メニューの「Delete」で実行します。
家族・管理会社と記録を共有する場合
プロジェクトの共有機能は、Team・Enterpriseプランのものです。権限は2段階で、「Can view」は内容の閲覧とチャット利用、「Can edit」は知識ベースと指示の編集に加え、メンバー設定の変更までできます。
Team・Enterpriseで管理会社や親族と共有できる場合も、管理者が共有を止めていれば使えません。止めても、すでに共有済みのものは残ります。作成時の公開範囲は、自分と招待したメンバーだけの「プライベート」か、組織全体への公開から選びます。共有されたプロジェクトは、プロジェクト一覧の「Organization」や「Shared with you」のタブに並びます。
家族で空き家管理を担当している場合は、個人向けプランで使っていることが多いでしょう。整形した記録をテキストでエクスポートして渡すか、家族それぞれが自分のプロジェクトに同じ記録を貼る運用が現実的です。プロジェクトの容量上限や共有権限の全体像はClaude Projects完全ガイドにまとめています。
運用で起きやすいつまずき
- 点検記録の書き方を毎回変える: 費用や持ち越し事項の有無がばらつくと、「まだ対応していない箇所」を聞いたときに拾い漏れが出ます
- 写真だけ貯め込んで文字の記録を残さない: いつ・どこを・どう対応したかは、文字で書かないと記録として引き出せません
まとめ
記録の置き場を決めておけば、あとからの検索と整理が楽になります。物件ごとにプロジェクトを分け、点検のたびに型どおりの文字記録を知識ベースへ足すことが、運用の土台になります。
読書メモのように継続的に蓄積したい別の用途はClaudeで読書メモをプロジェクトに溜めて検索する方法でも扱っています。農薬の防除記録のように照合するルールがある記録の点検は農薬の使用基準と防除記録をClaudeで点検する手順で扱っています。