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Claudeの日本語が不自然なときカスタム指示で直す方法

Claudeの日本語が不自然なときカスタム指示で直す方法

翻訳調の言い回しや敬語の過不足が繰り返し出るなら、毎回言い直すよりカスタム指示に固定するほうが早いです。症状別の指示文の例をまとめました。

Claudeの日本語が不自然になる原因とカスタム指示で直せる範囲

Claudeの日本語出力が不自然に感じるとき、原因の多くは一度きりの誤変換ではなく同じ癖の繰り返しです。回りくどい可能表現が抜けない、体言止めばかりで硬い、社内向けの雑談なのに敬語が過剰、といった症状は、その都度「もっと自然にして」と言い直しても次の会話ではまた元に戻ります。

Claudeには会話をまたいで指示を保持する「Instructions for Claude(カスタム指示)」という設定があります。ここに症状に対応する避けたい形と望ましい形のペアを書いておくと、以後のすべての会話にその指示が自動的に適用されます。本記事は、この「不自然さ」を直す指示文を症状別にまとめたものです。パーソナライズ機能全体の位置づけはClaudeパーソナライズ機能の使い分け方、敬語の格式をビジネス文書ごとに変えたい場合の設計はClaudeに敬語レベルを指定するプロンプト設計に譲り、ここでは「不自然な言い回しそのものを消す」ことに絞ります。

カスタム指示で直せるのは、あくまで言い回しの癖です。指示文が長くなりすぎて要点が埋もれている場合や、そもそも依頼内容自体があいまいな場合は、カスタム指示を積み増しても改善しません。会話ごとの一時的な言い直しでは直らない繰り返し出る癖を固定する用途に絞って使うのが実用的です。

カスタム指示はどこに書くか

Claudeの公式ヘルプは、アカウント設定から書き込める「Instructions for Claude」をaccount-wide(アカウント全体)の設定と説明しています。左下のアイコンから設定画面を開き、指示欄にテキストを入力すると、以後のすべての会話に自動的に反映されます。

この設定はプロジェクトごとの指示(Project Instructions)とは別物です。公式ヘルプは、プロジェクト指示を「特定のプロジェクトの文脈と要件を理解する」ためのものと説明しており、個別の案件やクライアントごとに文体を変えたいときに向きます。日本語の不自然さのようにどの会話でも共通して直したい癖は、プロジェクト単位ではなくアカウント全体の指示に書くほうが、書き忘れなく効きます。

直したい範囲書く場所
すべての会話で共通の言い回しの癖書く場所Instructions for Claude(アカウント全体)
特定のプロジェクト・案件だけの文体書く場所Project Instructions
特定の作業を頼むときだけ発動する振る舞い書く場所Skills

直訳調・硬い言い回しを避ける指示文の例

英語からの直訳のような言い回しは、Claudeの日本語出力でよく指摘される症状です。回りくどい可能表現や「〜について述べる」のような形式ばった表現が続くと、書き手の意図以上に硬い印象になります。カスタム指示には、避けたい形と望ましい形をペアで書くと伝わりやすくなります。

カスタム指示の例(直訳調を避ける)
日本語で回答するときは、次の言い回しを避けてください。
・「〜することができます」→「〜できます」
・「〜について述べます」→「〜について説明します」または直接本題に入る
・「〜に関しまして」「〜におきまして」のような硬い言い回し
翻訳文のような表現ではなく、日本語ネイティブが書く自然な文章にしてください。

Claudeの公式プロンプト設計ガイドは、多言語での出力品質を上げる工夫として「ネイティブスピーカーであるかのように慣用的な言い回しを使ってください」と明示的に依頼する方法を挙げています。この一文をカスタム指示に含めておくだけでも、直訳調が減る方向に働きます。

語尾・文末の癖を直す指示文の例

体言止めの多用や、同じ文末表現(「〜です。」「〜ます。」)の連続も、不自然さとして気づかれやすい症状です。文末のバリエーションは抽象的に「変化をつけて」と頼むよりも、避けたい形を具体的に書くほうが安定します。

カスタム指示の例(文末の癖)
文章を書くときは、次を守ってください。
・文は「〜です」「〜ます」で終える。体言止めは多用しない
・同じ文末表現は2文まで。3文目は言い回しを変える
・「〜と言えるでしょう」「〜と思われます」のような断定を避ける表現ではなく、言い切れることは言い切る

Claudeの公式プロンプト設計ガイドは、出力の書式を制御するコツとして「何をしないでほしいかではなく、何をしてほしいかを伝える」ことを挙げ、「マークダウンを使わないでください」ではなく「滑らかな文章の段落で構成してください」と書く例を示しています。カスタム指示でも同じで、「多用しない」の禁止形だけで終えず、避けたい形と望ましい形を対にして書くほうが再現性が上がります。これは敬語レベルの調整でも同じ傾向です。

入力に英語が混じっても日本語で返させる指示文の例

調べ物のコピペや英語の資料を貼り付けたまま質問すると、Claudeの応答に英単語の直書きや英語的な語順が混ざりやすくなります。Claudeは会話の文脈から応答言語を推測しますが、公式の多言語対応ガイドは「望ましい入力・出力の言語を明示的に伝えるほうが確実性が上がる」と説明しています。カスタム指示に一文入れておくと、貼り付けた資料の言語に引きずられにくくなります。

カスタム指示の例(応答言語の固定)
私が英語の文章や資料を貼り付けた場合でも、指示がない限り常に日本語で回答してください。
英単語をそのまま地の文に残さず、定着したカタカナ語か日本語に置き換えてください。

この一文だけでも、英語資料の要約や翻訳を頼んだときに地の文へ英単語が漏れ出す症状を抑えやすくなります。応答言語そのものを固定する設定はClaudeの出力言語を固定する方法でも扱っているので、あわせて設定すると確実です。

一人称・呼びかけの表記ゆれを直す指示文の例

同じ会話の中でClaudeが自分を指す言い方(「私」「Claude」「アシスタント」等)や、ユーザーへの呼びかけ方が揺れると、文章全体の統一感が崩れて不自然に読めます。これも一度決めてしまえばカスタム指示で固定できる項目です。

カスタム指示の例(一人称と呼びかけ)
自分を指すときは「私」で統一してください。「Claude」「アシスタント」のような
三人称的な自己言及はしないでください。
文末は「です・ます」で言い切ってください。「〜ですね」「〜でしょうか」のような
語りかけ口調は、使うとしても段落に1回までにしてください。

「〜ですね」のような語りかけ表現は、たまに出るだけなら気になりません。文末で毎回繰り返されると馴れ馴れしく不自然な印象を与えやすいので、避けたい語りかけ表現を名指しし、代わりの形(文末は「です・ます」で言い切る)を対にして書くと効果が安定します。

敬語レベルを既定で揃える指示文の例

雑談や社内メモのような日常的なやり取りなのに、Claudeの応答が常に丁寧語・謙譲語込みの硬い文体になってしまう、という不自然さもよくあります。ビジネス文書ごとに敬語の格式を細かく変えたい場合は前述の敬語レベル記事に譲りますが、「普段のやり取りではもう少しくだけた自然な日本語にしたい」という既定値の調整はカスタム指示側の役割です。

カスタム指示の例(既定の敬語レベル)
特に指定がない限り、日常的な会話では丁寧語(です・ます調)を基本としつつ、
過度に硬い敬語(二重敬語や必要以上の謙譲語)は避けてください。
ビジネス文書の作成を頼んだときは、その都度の指示を優先してください。

最後の一文のように「その都度の指示を優先する」と明示しておくと、稟議書や社外メールのように格式の高い文体が必要な場面で、アカウント全体の既定値と衝突しにくくなります。既定値と個別依頼のどちらを優先するかを書かずにおくと、Claudeが場面ごとに判断してしまい、同じ依頼でも敬語の強さが会話によってばらつく原因になります。

常時ではなく特定の作業だけに効かせたい場合

ここまでの指示文は、アカウント全体の指示(Instructions for Claude)に書くことを前提にしていますが、「翻訳や資料の要約を頼むときだけ厳密に自然さをチェックしてほしい」というように、特定の作業のときだけ発動させたい場合もあります。公式ヘルプはSkillsを、トーンの調整やコミュニケーションパターンの適用といった振る舞いを会話に追加する仕組みと説明しています。アカウント全体の指示を常時の既定値として軽めに設定しておき、翻訳・要約のように不自然さが特に目立ちやすい作業用にSkillを分けて用意すると、日常会話まで毎回厳密なチェックの対象にせずに済みます。

効いているかを実際の文章で確認する

指示を書いたら、症状が出やすかった依頼を1つ選んで実際に試すのが確認の近道です。たとえば「新機能を紹介する社内向けのお知らせ文を書いて」という依頼に対して、指示を入れる前後でどう変わるかを比べてみます。

たとえば次のような文面には、体言止め・回りくどい可能表現・過剰な敬語が同時に出やすいものです。

本機能は、業務効率化を実現することができる新しい仕組み。ご利用にあたりましては、事前に設定変更を行っていただく必要がございます。

上で挙げた「回りくどい可能表現を避ける」「文末を体言止めにしない」指示を反映させると、次のように直接的な言い方に変わります。

この機能を使うと、業務が効率化します。使う前に設定変更が必要です。

体言止めが「〜ます」の言い切りに変わり、持って回った言い回しが減っただけで、読みやすさは大きく変わります。狙った症状が直っているかを、指示を書くたびにこうした短い文章で確かめておくと、次に調整すべき点も見つけやすくなります。1つの症状を直すごとに同じ短文で試すようにしておけば、複数の指示を積み重ねたときにどれが効いているかも切り分けやすくなります。

効果が薄いときの調整のコツ

指示を書いても症状が直りきらない場合、原因は指示の抽象度にあることが多いです。次の順で具体化すると効果が出やすくなります。

  1. 抽象語を実例に置き換える: 「自然な日本語で」だけでなく、直したい表現を1〜2個具体的に書く
  2. 良い例を1つ渡す: 目標に近い文章を1つ貼り付け、「このような文体に近づけてください」と付け加える
  3. 症状ごとに指示を分ける: 「直訳調」「体言止め」「敬語」のように症状別に箇条書きにする(1文にまとめて詰め込むと反映が弱くなりやすい)
  4. 指示の理由も添える: 「〜しないでください」だけでなく、なぜその形が必要かを一言添えると狙いが伝わりやすくなります。公式プロンプト設計ガイドも、指示の背景や目的を添えると意図に沿った応答が返りやすくなると説明しています
  5. 指示文自体を直したい文体で書く: 同ガイドはプロンプト自体の書式が応答の書式に影響すると述べています。カスタム指示の文面が硬い翻訳調のままだと、狙った自然さが伝わりにくいので、指示文自体も自然な日本語で書きます
  6. 反映されているか都度確認する: 数回の会話で改善が見えない場合、指示文自体が長すぎて要点が埋もれていないかを見直す
  7. 新しい会話で試す: 長く続けた会話では、途中までのやり取りの文体が引き継がれて指示の効きが弱く見えることがある。効果を確かめるときは新しい会話で症状が出やすい依頼を投げ直す

これらはClaudeの公式プロンプト設計ガイドが繰り返し強調する「具体的に、明示的に伝える」という原則の、カスタム指示への応用です。Claudeプロンプトの書き方 — 良い指示を出す7つのコツで扱う一般原則と、本記事の症状別の指示文はセットで使うと直しやすくなります。

まとめ

Claudeの日本語が不自然に感じる症状の多くは、直訳調・文末の単調さ・敬語の過不足のいずれかに整理できます。毎回の会話で言い直す代わりに、症状別の禁止事項と望ましい形をペアでカスタム指示(Instructions for Claude)に書いておけば、以後の会話すべてに自動的に反映されます。抽象的な「自然にして」ではなく具体的な言い換え例を書くこと、症状ごとに指示を分けること、そしてビジネス文書のように既定値と異なる文体が必要な場面ではその都度の指示を優先させることが、指示を安定して効かせるコツです。

症状別の指示文はまとめて登録するより、実際に不自然さが気になった直後に1つずつ追記していくほうが、どの一文がどの症状に効いているかを見失わずに済みます。Claudeの日本語出力そのものの精度傾向はClaudeの日本語精度を公式データとベンチマークで読むで確認できます。

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