Claude Media
ClaudeのKetryxコネクタ — 規制対象ソフトの記録を会話で引く手順

ClaudeのKetryxコネクタ — 規制対象ソフトの記録を会話で引く手順

Ketryxコネクタで、Jira・GitHub・TestRailなどにまたがる要求・リスク・試験の記録をClaudeから検索する流れと、顧客限定の有効化条件、9つのツール名、質問の組み立て方をまとめます。

KetryxコネクタはClaudeから、医療機器ソフトウェアなど規制対象の開発で積み上がる要求・リスク・試験の記録を検索する入口です。接続先は https://app.ketryx.com/api/mcp で、サインインが必須です。ただし誰でも追加できるわけではなく、Ketryxの顧客であることが前提になります。

Ketryxは、Jira、JAMA、GitHub、TestRail、Polarion、Azure DevOpsにまたがる記録を一つの場所にまとめて追跡する、コンプライアンス管理のプラットフォームです。コネクタの提供元もKetryx自身で、Claudeのコネクタ一覧では「Productivity」に分類され、2026年4月に追加されています。

この記事では、使える条件、Claude側の接続、公開されているツール名、質問の組み立て方、結果の確かめ方を順に扱います。

まず確認する条件 — 顧客限定で、有効化は窓口経由

最初に引っかかるのは、コネクタ一覧の「Add to Claude」を押せば終わりではない点です。Ketryxの連携ページには、顧客向けの案内として次の2点が書かれています。

  • Ketryx MCPを自分のアカウントで有効にするには、Client Operationsの担当者に連絡する
  • 顧客向けに、MCPのアクセス申請の窓口が別に用意されている

つまり、Claude側の手順の前に、Ketryx側での有効化が要ります。Ketryxを使っていない組織が、Claudeだけで接続して記録を引くことはできません。

2026年3月31日の発表では、このMCPサーバーはベータとして始まり、参加対象は医療技術、デジタルヘルス、ロボティクスの組織でした。ベータの扱いが今どうなっているかは、Ketryxの窓口に確かめるのが確実です。

条件

接続の前に確かめる3つの条件

  • Ketryxの契約

    コネクタが読むのは、自社のKetryxプロジェクトの記録です。契約がなければ、引ける記録そのものがありません。

  • MCPの有効化

    Ketryx側でMCPを有効にしてもらう手順が先にあります。窓口は担当のClient Operationsです。

  • ユーザーごとのサインイン

    Claude側ではサインインが必須です。TeamやEnterpriseでは、組織の管理者が有効にしたあとも、各自が個別に認証します。

Claudeに接続する流れ

ここからは、Ketryx側の有効化が済んでいる前提です。

ClaudeのWeb、デスクトップ、モバイルでは、コネクタ一覧のKetryxのページから追加します。TeamとEnterpriseでは、OwnerまたはPrimary Ownerが先に組織で有効にする必要があります。有効にしただけでは誰にもアクセスは付与されず、各メンバーが自分でKetryxに認証します。詳しい流れはClaudeのコネクタ全般の解説にまとめています。

Ketryxの連携ページは、Claude Chat、Claude Cowork、Claude Codeの3つで使えると説明しています。Claude Codeでは、コネクタのURLを直接指定する形でMCPサーバーを追加できます。

claude mcp add --transport http ketryx \
  https://app.ketryx.com/api/mcp

追加したあとは、セッション内で /mcp を開いて認証の状態を確かめます。URLはコネクタ一覧に載っている接続先と同じ値です。Ketryx側で有効化されていないアカウントでは、認証の段階で止まることが考えられます。

認証が通らないときは、原因になりやすい順に三つを切り分けます。

  1. Ketryx側で、自社のアカウントのMCPが有効になっているかをClient Operationsの担当者に確かめる
  2. TeamやEnterpriseなら、OwnerまたはPrimary Ownerが組織でKetryxのコネクタを有効にしているかを見る
  3. 上の二つが済んでいれば、自分のKetryxアカウントで認証し直す

組織の有効化だけではアクセスは付与されないため、三つ目の個人の認証が抜けていることもあります。

同じページのKetryxの欄には「Anthropic verified」の表示があります。この表示があっても、注意書きの内容は変わりません。ツールが何をするかは提供元のKetryxが決めるもので、表示はその挙動を保証するものではない、と読み分けてください。

使えるツールは9つ — 名前だけが公開されている

コネクタ一覧のページに載っているツールは、次の9つです。

ツール名ページ上の説明
find_projectsページ上の説明なし
find_versionsページ上の説明なし
get_kql_filter_contextページ上の説明なし
list_configuration_itemsページ上の説明なし
resolve_referencesページ上の説明なし
get_item_recordsページ上の説明なし
get_items_change_historyページ上の説明なし
hybrid_search_itemsページ上の説明なし
get_project_settingsページ上の説明なし

このページには、各ツールの説明も、読み取り専用か書き込みを伴うかの区別も載っていません。名前から役割を推測することはできますが、断定はできません。たとえば get_kql_filter_context のKQLが何の略で、どんな絞り込みに使うかは、このページからは分かりません。

ツールの挙動を正確に知りたいときは、顧客として案内される技術ドキュメントを見るのが確実です。Teamなど組織向けのプランでは、Ownerがコネクタのツール権限を「常に許可」「承認が必要」「ブロック」に分けられます。ツールの区分がページで分からない間は、承認が必要の設定から始めると、呼ばれ方を見ながら広げられます。

名前から読み取れること

名前の組み合わせから、操作の流れは次のように想像できます。これは公式の説明ではなく、名前に基づく見立てです。

  • プロジェクトとバージョンを絞る: find_projects、find_versions、get_project_settings
  • 記録を探す: hybrid_search_items、list_configuration_items
  • 個別の記録を読む: get_item_records、resolve_references、get_items_change_history

質問を投げたあと、Claudeがどのツールを呼んだかは、会話の中のツール呼び出しの表示で確かめられます。

何を聞けるか — 公開されている質問の型

Ketryxの発表と連携ページには、このコネクタに投げる質問の型がいくつか出ています。

用途

公式が挙げる4つの用途

  • リリース準備の確認

    発表の例は「このリリースはデプロイできる状態か」という質問です。複数のシステムをまたぐ答えを、一度の質問で得る使い方です。

  • トレーサビリティの抜け

    要求・コード・試験の間に、つながっていない記録がないかを探します。発表の例は「要求、コード、試験の間にトレーサビリティの抜けはあるか」です。

  • 変更の影響範囲

    コミットする前に、変更が要求、リスク、試験にどう波及するかを確認する用途です。

  • 手順書と品質ゲートの参照

    QMS(品質マネジメントシステム)の手順や品質ゲートを、開発者が作業中のClaudeの画面で確かめる用途です。

連携ページには、これらの機能が「IEC 62304、ISO 13485、21 CFR Part 11に向けて作られた」とあります。

質問を組み立てる例

次のような質問文は、ツールの仕様を知らなくても書けます。例として挙げる形で、実際の応答を保証するものではありません。

プロジェクト「例: 血糖値アプリ」のバージョン2.4について、
要求に紐づく試験がないものを一覧にしてください。
各項目のIDと、最後に変更された日付を付けてください。
リスク管理の記録のうち、対策が試験につながっていないものはありますか。
該当があれば、項目IDで答えてください。
項目 REQ-123 の変更履歴を新しい順に並べ、
誰がいつ何を変えたかを要約してください。

どの質問も、プロジェクトとバージョンを先に指定し、答えに項目IDを付けさせている点が共通です。IDがあれば、後から人がKetryx上で同じ項目を開いて照合できます。

答えをどう確かめるか

Claudeの答えは、次の順で確かめます。

  1. 答えに含まれる項目IDを、Ketryx上で開いて内容を見比べる
  2. 「抜けがない」という答えは、検索の条件(プロジェクト、バージョン)が合っているかを先に見る
  3. 提出用の文書に使う内容は、Ketryx側の承認の流れを通す

Ketryxは、各AI応答を組織ごとの検証済みデータと品質手順に結びつけ、監査可能にすると説明しています。それでも、Claudeが記録を要約する段階で言い回しが変わる余地は残ります。要約の文章は、確認の入口として使い、根拠はIDで辿れる記録のほうに置く使い方が合います。

コネクタ全般の仕様として、Claudeは接続元のサービスでその人に許された範囲の記録だけを読めます。Ketryx上で見られない項目は、Claudeからも引けません。

関連する使い方 — 手元の表との役割分担

Ketryxが記録の置き場になっていない組織でも、要求と試験の対応づけをClaudeで確かめる方法はあります。表計算ファイルで管理しているなら、要求仕様と試験項目の対応表をClaude for Excelで作る手順が使えます。

Ketryxコネクタは、記録がすでにKetryxに集まっている組織向けです。記録が分散している段階では、まず表で整える手順のほうが入口になります。

よくある質問

無料プランで使えますか

プランの条件は、コネクタ一覧のページには書かれていません。サインインが必須で、Ketryx側の有効化が前提です。Claudeのどのプランで足りるかは、Ketryxの窓口と自分のClaudeの契約画面で確かめます。

規制当局への提出書類に、Claudeの出力をそのまま使えますか

連携ページは、設計履歴ファイルを準備できる点を機能として挙げています。ただし、その記録がどの承認を経て提出物になるかはKetryx側の仕組みで決まります。Claudeの要約は、確認や下書きに使い、最終版の承認は自社の品質手順に従います。

この記事を共有:XはてブLinkedIn