ClaudeとIntrohiveを連携する方法 — 先方との接点から営業先を決める
Introhiveは専門サービスファームの関係ネットワークをClaudeに渡すコネクタです。管理者のOAuth設定、ask_introhiveで頼める質問、読み取り専用などの制約をまとめます。
Introhiveコネクタは、法律事務所やコンサルティングファームのような専門サービスファームが持つ関係ネットワークを、Claudeの会話から引けるようにします。「この見込み客を社内の誰が知っているか」「どの取引先との関係が薄れているか」といった問いを、自然な文章で投げられます。
コネクタの一覧では、カテゴリはSales & marketing、提供元はIntrohiveで、サインインが必要です。追加は2026年8月で、Anthropic verifiedの表示が付いています。公開されているツールは ask_introhive の1つだけです。
Introhiveコネクタでできること
Introhiveは、ファーム全体の関係の強さ(関係スコア)、やり取りの増減、人と人をつなぐ経路を持つサービスです。Claudeに渡るのは、その関係情報です。案件の金額や契約ではありません。
Claudeに頼める作業は、次の4種類に分かれます。
頼める作業の種類
人と関係の検索
ある会社のキーパーソン、社内で最も関係が強い同僚、意思決定者を探します。
組織の把握
Introhiveに入っている組織の概要、関係スコア、やり取りの増減傾向を見ます。
活動履歴の確認
直近の会議、メールの頻度、特定の人物や会社とのやり取りの経緯を引きます。
追加質問
「ほかに誰が知っているか」「メールの履歴を見せて」と続けても、会話の文脈が保たれます。
ウェブ検索と組み合わせて、関係情報に最新の外部情報を足す使い方も可能です。
営業先を決める頼み方
「誰が先方を知っているか」から営業先を決めるには、会社名だけを渡すより、目的と判断軸を一緒に書くほうが答えを絞れます。次の質問は、公開されている使用例を土台にした言い回しです。
Acme Corpの代表と会う機会を作りたい。
社内で最も関係が強い人は誰で、その理由も教えて。場面別に頼み方を並べると、次のようになります。
| 場面 | 頼み方の例 |
|---|---|
| 商談の準備 | 頼み方の例「[会社名]との直近3回のやり取りを要約して」 |
| 紹介の依頼 | 頼み方の例「Acme CorpのCEOを紹介してもらうなら誰が最適か、理由とともに」 |
| 関係の劣化 | 頼み方の例「主要な取引先のうち、関係スコアが下がっているのはどこか」 |
| 休眠の発見 | 頼み方の例「この1年で活動が急増したのに、今は止まっている組織は」 |
| イベント | 頼み方の例「トップ層の連絡先のうち、[都市名]にいる人は」 |
営業先の選び方に当てはめると、順番は次のようになります。
接点から営業先を絞る順番
- 1
狙う会社を挙げる
候補の会社名を複数並べ、それぞれに社内の接点があるかを聞きます。
- 2
接点の強さで並べる
関係スコアとやり取りの傾向を添えて、強い順に整理させます。
- 3
紹介経路を決める
接点が弱い会社には、ほかに知っている人がいないかを追加で聞きます。
- 4
商談前に履歴を確認する
候補が決まったら、直近のやり取りの要約を取ります。
順位づけの基準はClaudeに任せきりにせず、「関係スコアが高い順」「この半年で接点が増えた順」のように指定してください。基準を書かないと、何を根拠に並べたのかが読み取りにくくなります。
接続に必要な準備
Claudeにつなぐ前に、Introhive側でアカウントと管理者権限をそろえておく必要があります。
- 会話する全員がIntrohiveのユーザーアカウントを持ち、Ask Introhiveを使えること
- OAuthアプリを作るため、Introhive側の管理者権限があること
- Alumni(元社員)追跡のような特別なデータは、対応するSKUが有効であること
Claude側は、TeamとEnterpriseプランの場合、OwnerまたはPrimary Ownerがコネクタを組織で有効にしてから、各メンバーが自分でサインインします。有効にしただけでは、誰にもアクセスは付与されません。
管理者のOAuth設定
手順は、IntrohiveにOAuth 2.0アプリを作り、その資格情報をAIクライアントに入力する流れです。リダイレクトURIの循環依存があるため、最初は仮の値で作ります。
Introhive側の設定手順
- 1
仮のOAuthアプリを作る
Introhiveの
/profiles/oauth_applicationsを開き、Create OAuth Applicationを押します。名前は「Claude MCP」など、リダイレクトURIにはhttps://introhive.comのような仮の値を入れます。 - 2
スコープを選ぶ
ScopesではAI Agents JWTにチェックします。ほかのスコープとは同時に選べません。
- 3
資格情報を保存する
作成後に表示されるクライアントIDとクライアントシークレットを控えます。あとから再表示はできません。
- 4
Claude側に入力する
AIクライアントの設定に、サーバーURLと認証情報を入力します。
- 5
リダイレクトURIを差し替える
Claudeが示すリダイレクトURIを、Introhiveのアプリに登録し直します。
Claude側に入れる値は次のとおりです。[instance] は自社のIntrohiveのインスタンス名に置き換えます。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| サーバー名 | 値Introhive MCP |
| サーバーURL | 値https://[instance].introhive.com/pollen/mcp |
| 認証方式 | 値OAuth 2.0 |
| 認可URL | 値https://[instance].introhive.com/oauth/authorize |
| トークンURL | 値https://[instance].introhive.com/oauth/token |
| スコープ | 値pollenchain_jwt |
手順の中ではIntrohive側のスコープ名が「AI Agents JWT」、AIクライアント側に入力する値が pollenchain_jwt と別の表記で出てきます。ヘルプセンターはこの対応を説明していません。入力時に迷ったら、表記どおりに、それぞれの画面へ入れてください。
なお、コネクタ一覧の「Add to Claude」から追加する場合に、この手動入力が要るかどうかは、一覧ページにも書かれていません。ヘルプセンターの手順は、MCPサーバーをAIクライアントに手で登録する場合のものとして読むのが安全です。OAuthアプリを自社で作ってからClaudeにつなぐ流れは、BlueConicの連携手順にも似た例があります。
利用者の認証とデータの扱い
利用者が初めて関係データを頼むと、Introhiveの個人アカウントでのログインと認可を求められます。アクセス権は人ごとに分かれるため、同じ質問でも、見られる範囲はIntrohive上の権限に沿います。権限は概ねWebアプリに沿いますが、文脈の境界には多少の違いが出ることがあります。
トークンは短命で、自動更新されます。通信はTLS 1.2以上で暗号化され、顧客の関係データは保持されず、第三者のAIモデルの学習にも使われないとされています。
制約と、つまずきやすい点
書き込みと金額系の指標は扱えません。ほかにも制約があり、それぞれ避け方があります。
- 読み取り専用: Introhiveのレコードを作成・変更・削除できません。
- 金額系の指標は対象外: 売上、進行中の案件、パイプライン、契約にはアクセスできません。案件の状況はCRMのコネクタなど別の情報源に切り替えます。コネクタ一覧の関連候補にはHubSpotやSalesforceも並んでいます。
- CSVの突き合わせは不可: Claudeにアップロードしたやり取りの一覧を、Introhiveのデータと照合できません。会社名を質問文に直接並べ、数十社なら数回に分けます。
- 業種の項目は参照されない: 「法務分野で関係が最も強い会社は」のような質問は期待どおりに動きません。業種ではなく、会社名か、すでにリスト化した対象で聞きます。
営業の入口で使うときは、金額や案件の状況を別のCRMで見る前提になります。CRM側をClaudeにつなぐなら、ClaudeとClozeの連携のような記事が参考になります。Introhiveは関係の強さ、CRMは案件の進み具合と、役割を分けて質問すると噛み合います。
詰まったときは、症状から原因を引けます。
- 認証エラーや接続失敗: ほとんどがリダイレクトURIの不一致です。AIクライアント側とIntrohiveのアプリで、一字一句同じかを見比べます。
- Claudeが途中で止まって聞き返す: 「Microsoft」や「Allen & Overy」のような一般的な名前で起きる確認で、不具合ではありません。選択肢に答えれば先へ進みます。法人名や所在地を最初から添えておくと、往復が減ります。
- 結果が空になる: 検索できるのは人と組織です。「進行中のプロジェクト」や「契約名」では探せません。
質問の型をそろえて、結果を使える形にする
ask_introhiveは1つのツールに自然文を渡す作りで、Claudeが使い方を自動で見つけます。そのぶん、質問の書き方で答えの質が変わります。次のような型を決めておくと、担当者ごとの差が出にくくなります。
候補は A社、B社、C社の3つ。
それぞれについて、社内で最も関係が強い人とその根拠、
直近のやり取りの有無を表にして。
関係が薄い会社には、ほかに知っている人がいないかも聞いて。会社を1つずつ聞くより、候補を並べて表で返させるほうが、営業先の優先順位をその場で比べられます。ただし、返ってきた表の数値や順位は、Introhive側のデータをClaudeが整理した結果です。会議の前には、気になった行だけ「その会社のやり取りを要約して」と掘り下げて、根拠を確かめてください。
職種別の質問例は、Introhiveのヘルプにある「Ask Introhive prompt guides by persona」にあります。
使う前に決めておくこと
Introhiveの情報は、社員のメールや会議から作られた関係データです。ファーム全体の接点が会話に出てくるため、誰がどの範囲を見られるかは、Claudeの設定より先にIntrohive側の権限で決まります。導入前に、Ask Introhiveを使えるユーザーの範囲を整理しておくと、想定外の閲覧を避けられます。
コネクタ全般の考え方は、Claudeコネクタの使い方にまとまっています。Introhiveは読み取り専用でツールも1つだけなので、書き込み権限の線引きを議論する必要がありません。論点は、誰に閲覧を許すかに絞られます。