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Claudeで記者クラブへの資料提供を管理する — 投げ込みの様式と配布先

Claudeで記者クラブへの資料提供を管理する — 投げ込みの様式と配布先

記者クラブへの資料提供(投げ込み)を、Claude Projectsにクラブごとの台帳と様式を置いて回す手順。案件ごとの配布先一覧の作り方と、配布履歴を人が書き戻す理由をまとめます。

記者クラブへの資料提供(投げ込み)は、書く作業より管理の作業が増えやすい業務です。クラブごとに受付の時間も、加盟社も、資料に求められる形も違います。案件が重なると、どのクラブに何を出したかが担当者の頭の中にしか残りません。

Claudeに任せられるのは、台帳と様式を読ませたうえでの「案件ごとの資料案」と「配布先一覧」の下書きです。台帳そのものの中身は人が確かめて入れます。この記事では、Projectsに何を置き、案件のたびに何を頼み、配布の記録をどう戻すかを順に書きます。

投げ込みの管理でClaudeに任せる範囲

任せるのは、手元の情報を決まった形に並べ替える作業です。クラブの受付ルールや加盟社を正しく知っているのは、クラブ側の案内を読んだ人だけです。Claudeにそれを推測させません。

くらべる

Claudeに任せる作業と人が持つ作業

並べて照合する

Claudeに任せる

台帳から案件に合うクラブを拾い、配布先一覧にまとめます。資料案をクラブの様式メモに合わせて整え、足りない記載を挙げます。

事実と送信

人が持つ

受付時間や様式の正本の確認、台帳の更新、実際の送付です。Claudeは資料を送りません。

資料の文面そのものの下書きはClaudeでプレスリリースの文面を下書きする手順に書いています。媒体ごとの切り口を考える段階はClaudeでメディアリストを作る広報の手順が受け持ちます。ここで扱うのは、その手前と後ろにある、クラブごとの様式と配布の管理です。

Projectsに置く3つのファイル

Projectsは、独自のチャット履歴とナレッジベースを持つ、閉じた作業空間です。ナレッジに入れた文書は、そのプロジェクト内のすべてのチャットで使われます。投げ込みの管理では、次の3種類を置くと案件ごとに貼り直す手間が消えます。

ナレッジ

投げ込み用プロジェクトのナレッジ

  • クラブ台帳

    クラブ名、受付の曜日と時間、加盟社、受付の窓口、資料の部数や形式の指定を1行ずつ並べた表です。

  • 様式メモ

    クラブごとの資料の決まりを、クラブ側の案内から転記した文書です。表題の付け方や必須の記載などを書きます。

  • 配布履歴

    いつ、どの案件の資料を、どのクラブに出したかの記録です。更新は人が行います。

台帳は表計算の書き出し(CSV)のような、文字として読める形が向いています。プロジェクトのファイルは文章の抽出が基本で、1ファイル30MBまでです。ファイル数に上限はありませんが、内容全体がClaudeのコンテキストウィンドウに収まる必要があります。有料プランでは、ナレッジが上限に近づくとRAGが自動で有効になり、容量が最大10倍まで広がります。

台帳の列は、たとえば次のように決めます。以下は構成の一例です。

クラブ名,受付曜日,受付時間,窓口,加盟社,資料の形式・部数,様式メモの参照,最終確認日,確認者

「最終確認日」と「確認者」の列を置くのが要点です。受付の時間や窓口はクラブ側の都合で変わるため、確認日が古い行はClaudeに警告させます。

カスタム指示に書く役割と禁止事項

プロジェクトごとにカスタム指示を設定でき、そのプロジェクト内のすべてのチャットに適用されます。投げ込み用には、役割と「推測で埋めない」線を書きます。以下は指示の一例です。

あなたは自社広報の投げ込み管理の補助役です。
- 配布先は、ナレッジの「クラブ台帳」にある行だけから選ぶ。台帳にないクラブは候補にしない。
- 受付時間・窓口・様式は、台帳と様式メモの記載をそのまま使う。不明な項目は【要確認:○○】と残す。
- 台帳の最終確認日が90日より前の行は、配布先一覧で「再確認」の印を付ける。
- 資料の事実(数値・日付・固有名詞)は、案件メモにあるものだけを使う。
- 実際の送付はしない。送付の前に人が確認する項目を最後に一覧で出す。

「90日」は例として置いた数字で、自社の確認の頻度に合わせて変えます。指示に数値の基準を入れておくと、再確認が必要な行が毎回同じ基準で拾われます。

案件ごとに配布先一覧を作らせる

案件が来たら、プロジェクト内で新しいチャットを始めます。案件のメモ(何を発表するか、発表日、担当部署、公開してよい範囲)を貼り、配布先一覧を頼みます。

次の案件の投げ込みについて、配布先一覧を表で作ってください。
列は「クラブ名」「受付時間」「窓口」「資料の形式」「再確認の要否」「選んだ理由」。
選ぶ根拠は案件メモの地域・分野と、台帳の加盟社の記載です。
台帳にない情報は【要確認】にしてください。
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(案件メモを貼る)

「選んだ理由」の列を必須にすると、なぜそのクラブなのかが人間に見えます。理由が案件メモとつながらない行は、台帳の記載が足りないか、候補として弱い行です。ここで落とした行を戻すかどうかは、広報担当が決めます。

出力は、たとえば次のような表になります。クラブ名は架空のプレースホルダで、中身は台帳に入れた記載がそのまま出る前提です。

クラブ名受付時間窓口資料の形式再確認の要否選んだ理由
○○記者クラブ受付時間台帳の記載どおり窓口幹事社の窓口資料の形式紙とデータの両方再確認の要否不要選んだ理由案件メモの地域と、台帳の加盟社欄が一致
△△記者クラブ受付時間台帳の記載どおり窓口事務局資料の形式データのみ再確認の要否再確認選んだ理由分野は合うが、台帳の最終確認日が基準より古い
□□記者クラブ受付時間【要確認】窓口【要確認】資料の形式【要確認】再確認の要否要確認選んだ理由台帳に受付の記載がなく、候補止まり

読み方は行ごとに違います。1行目のように理由が案件メモと台帳の両方につながり、確認日も新しい行は、そのまま送付の準備に進めます。2行目の「再確認」は、候補としては妥当でも、受付時間や窓口が変わっているかもしれない行です。送る前にクラブ側の最新の案内に当たり、台帳の確認日を更新します。3行目の【要確認】は、Claudeが空欄を推測で埋めなかった印で、そこから先は人が調べる作業になります。【要確認】が並ぶ行を、見栄えのために消さずに残す点が大切です。残しておくと、台帳のどの列が薄いかも分かります。

クラブごとの様式に資料案を合わせる

配布先が決まったら、同じチャットで資料案を各クラブの様式メモに合わせさせます。資料の事実は変えず、並べ方と記載項目だけを合わせる依頼にします。

  • 表題の付け方や必須の記載が、様式メモと一致しているか
  • 問い合わせ先、発表日時、解禁の扱いなど、案件メモにある項目が抜けていないか
  • 添付物(図表・写真)の有無と、台帳の形式指定が合っているか

出力は、資料案とは別に「様式との差分」の一覧を出させると点検しやすくなります。差分の一覧に載った項目は、人が様式メモの原文に当たって判断します。

差分の一覧は、次のような形で出させます。クラブ名はプレースホルダです。

【○○記者クラブ 様式との差分】
1. 表題:様式メモは「見出しの先頭に発表主体を置く」とあるが、資料案は日付が先頭。
2. 必須の記載:問い合わせ先の部署名が資料案にない(案件メモには担当部署の記載あり)。
3. 添付物:台帳の形式指定は「データのみ」だが、案件メモに写真の記載がある。
4. 不明:発表日時の書き方の指定が様式メモに見当たらない。【要確認】

各項目で人が確かめることは、差分の種類で分かれます。1つ目のような書式の差は、様式メモの原文と見比べて直せば済みます。2つ目のように資料案に足りない記載は、足す内容が案件メモにあるかを見ます。案件メモにも無ければ、担当部署に聞く話です。3つ目は台帳の指定と案件の実態の食い違いなので、台帳が古いのか、案件側の添付が過剰なのかを人が決めます。4つ目の「不明」は、様式メモに答えが無いという報告で、Claudeが補った項目ではありません。クラブ側の案内で確かめて様式メモに書き足すと、次の案件から差分に出なくなります。

解禁の扱いを案件メモの必須項目にする

投げ込みでは、いつから報じてよいかという解禁の扱いが、資料の取り違えで最も困る項目になりがちです。Claudeは案件メモに書かれたことしか知らないので、解禁は案件メモの必須項目にして、書き忘れを防ぎます。案件メモの冒頭に、次の2行を固定の欄として置きます。

発表日時:(例:○月○日 ○時)
解禁の扱い:(解禁あり=○月○日 ○時以降の報道可 / 解禁なし / 未定)

「未定」も正式な書き方にしておくのがコツです。空欄と未定を区別しておくと、Claudeは空欄を「書き忘れ」として拾えます。カスタム指示には、次の1行を足します。

- 案件メモの「発表日時」「解禁の扱い」が空欄または未定なら、資料案の冒頭と配布先一覧の末尾で【要確認:解禁】と明示する。

この指示で、解禁は2か所に出てきます。資料案では、様式メモの指定に従って発表日時と解禁の記載を入れる位置に反映されます。配布先一覧では、送付前に人が確認する項目の先頭に、解禁の扱いを一行で出させます。クラブごとに解禁の書き方の決まりが違う場合は、その決まりを様式メモに転記しておきます。すると、前の節の差分の一覧に「解禁の記載が様式メモと一致しているか」が並びます。

解禁の日時そのものは、Claudeに決めさせません。案件メモの記載を転記するだけの役目にとどめ、決めるのは発表の責任者です。

配布履歴は人が書き戻す

ここがこの運用の落とし穴です。プロジェクト内のチャットは、ナレッジに入れた情報にしかつながりません。公式のヘルプにも、プロジェクト内でもチャット間でコンテキストは共有されず、共有したい情報はナレッジに追加する必要があると書かれています。

つまり、案件Aのチャットで作った配布先一覧は、案件Bのチャットからは見えません。配布が済んだら、結果を配布履歴のファイルに追記し、ナレッジへ上げ直します。追記する項目の例は次のとおりです。

列内容
案件名内容発表のタイトル
クラブ名内容出した先
送付日時内容実際に送った日時
送付方法内容窓口の指定に従った方法
結果・メモ内容受領の連絡、再送の要否など

履歴を上げ直したあとは、新しいチャットで「過去に出した案件との重複がないか」を確かめさせます。同じクラブに短い間隔で続けて出すかどうかは、担当者が判断します。

共有と個人情報の扱い

Team・Enterpriseプランでは、プロジェクトを組織内で共有できます。「閲覧のみ」はナレッジと指示を見てチャットできますが、編集はできません。「編集可」なら指示やナレッジも変更できます。台帳と様式メモを更新する人だけを「編集可」にし、他の担当者は閲覧にとどめる運用が考えられます。管理者が共有を止めている組織では、共有できません。

台帳には、クラブの窓口を入れます。記者個人の連絡先や人物像は台帳に入れず、集めてClaudeに分析させる使い方もしません。個人の連絡先を扱う線引きは、Claudeでメディアリストを作る広報の手順に詳しく書いています。未発表の案件メモを貼るときも、解禁前の情報であることを前提に、共有範囲を確かめてから使います。

なお、公式のヘルプには、新しいバージョンのプロジェクトがベータ版として段階的に展開されているとあります。ここまでの手順は、ナレッジと指示を持つ現行のプロジェクトを前提にしています。画面の表示が異なるときは、ヘルプの案内を確かめてください。

よくあるつまずき

  • 台帳にないクラブが配布先に入る: 指示に「台帳の行だけから選ぶ」と書かれていないと起こります。台帳にない行は【要確認】にさせます。
  • 受付時間が古いまま使われる: 台帳の最終確認日を見ていません。指示に再確認の基準日を入れ、確認日の古い行を印付きにします。
  • 別の案件の配布先が出てこない: チャットをまたいだ情報は共有されないためです。配布履歴をナレッジに上げ直します。
  • 台帳が大きすぎて重い: ファイルは1つ30MBまで、全体はコンテキストの範囲に収める必要があります。クラブ数が多いときは、地域や分野でファイルを分けます。
  • 様式に合わせるうちに事実が変わる: 依頼に「数値・日付・固有名詞は案件メモのまま」と明記し、差分の一覧で事実の変更がないかを見ます。

まとめ

投げ込みの管理は、台帳・様式メモ・配布履歴の3つをProjectsのナレッジに置き、案件のたびに配布先一覧と様式の差分をClaudeに作らせる形で回せます。受付時間や様式の正本の確認、台帳の更新、実際の送付は人が持ちます。

チャット間で情報が共有されない点だけは、運用に組み込む必要があります。配布のたびに履歴を書き戻すと、次の案件で重複や間隔を点検できます。

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