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Claudeで休眠預金の公募要領を読み解き申請書の骨子を作る手順 — 選定基準7項目から

Claudeで休眠預金の公募要領を読み解き申請書の骨子を作る手順 — 選定基準7項目から

休眠預金の公募要領をClaudeで要件表にし、選定基準7項目を事業計画書の骨子に割り付ける手順です。金額の検算、提出書類と期日の突き合わせ、任せない判断まで。

休眠預金の公募要領は、PDFで30ページ前後あります。助成額の目安、経費の割合、選定基準、提出書類が別々の章に散らばっているため、通読しても「自分の事業計画のどこに何を書くか」が頭の中でつながりません。

Claudeに任せられるのは、公募要領から要件を拾って表にし、選定基準ごとに骨子の見出しと材料を割り付ける作業です。事業区分の選択や自己資金の見通しのような判断は、申請団体が決めます。この記事では、資金分配団体の公募(JANPIAの通常枠)の要領を例に、その分け方を手順にします。

読む公募要領は2段階ある — 申請する側を先に決める

この制度では、公募が2段階に分かれています。どちらの要領を読むのかで、Claudeに渡す資料が変わります。

くらべる

申請先によって読む公募要領が変わる

資金分配団体・活動支援団体を目指す

JANPIAの公募

JANPIAが実施します。資金分配団体は、実行団体に助成する「包括的支援プログラム」を企画して申請します。この記事の題材はこちらです。

実行団体・支援対象団体を目指す

資金分配団体・活動支援団体の公募

各資金分配団体、各活動支援団体が公募要領を出します。申請先ごとに要領が違うため、申請を検討する公募の要領を個別に読みます。支援対象団体への資金支援(助成・出資)はありません。

実行団体として申請する場合も、選定基準の読み方と骨子への落とし方は同じ流れです。ただし選定基準の項目名や配点の考え方は申請先の要領で決まるため、次節の表は、その要領から作り直します。

Claudeに渡す前に決める3つのこと

PDFをそのまま添付する前に、次の3点を決めておくと、出力の使い道がぶれません。

手順

要領を渡す前の準備

  1. 1

    渡す資料を絞る

    公募要領のPDFに加えて、同じ公募ページにある積算の手引きと公募様式(Excel)を用意します。助成額の計算方法は要領の本文に載らず、積算の手引きを参照する形になっているためです。

  2. 2

    PDFの上限を確認する

    Claudeのアップロードは、1チャットあたり20ファイル、1ファイル30MBまでです。画像や図表まで読ませられるのは100ページ以下のPDFで、101〜1000ページはテキストのみになります。要領の本体は目次上30ページまでなので、この上限には収まります。

  3. 3

    団体の情報の範囲を決める

    後述のとおり、申請書類は採否にかかわらず公開されます。Claudeに渡す団体資料も、公開してよい範囲に絞ります。受益者の個人情報や、公開できない契約内容は渡しません。

Projectsに要領と手引きを置いておけば、骨子づくりと検算を同じ資料で何度でも呼び出せます。進め方はClaude Projectsで法務レビューのプレイブックを標準化する方法と同じ型です。1ファイルの上限や枚数の細かい条件はClaudeのファイル上限にあります。

ページ番号には落とし穴があります。Claudeに「p.21を参照」と答えさせるときは、PDFビューアに表示されるページ番号で答えさせます。紙面に印字された番号とは、ずれることがあるためです。

最初のプロンプト — 要件を出典付きの表にする

はじめに頼むのは、要約ではなく「要件の抜き出し」です。要約を頼むと、金額や例外条件が丸められます。表の形と出典の書き方を先に指定します。

添付の公募要領から、申請団体が守る要件を表にしてください。
列は「項目」「要件の内容」「要領の章・節」「PDFのページ」。
金額・割合・期限・上限は、要領の数字をそのまま書き、
丸めたり計算し直したりしないでください。
注記(脚注)にだけ書かれた例外も、別の行にしてください。
要領に書かれていない項目は作らず、読み取れない箇所は「読み取れず」と書いてください。

注記を別の行にさせる指定が肝心です。2026年度通常枠の要領では、申請できる事業数の例外(コンソーシアム構成団体は通常枠・緊急枠を合わせて3事業まで)が脚注にだけ書かれています。本文だけを読むと見落とす箇所です。

2026年度通常枠の要領から拾うと、次のような行が並びます。

項目要件の内容要領の位置
助成事業区分要件の内容4区分(草の根活動支援・ソーシャルビジネス形成支援・イノベーション企画支援・災害支援)から1つ選ぶ要領の位置第Ⅰ編2章02
申請できる事業数要件の内容同一区分は1事業まで、異なる区分の合計で2事業まで要領の位置同上
助成期間要件の内容資金分配団体は原則として最長2030年3月まで要領の位置第Ⅰ編2章01
助成額の内訳要件の内容実行団体への助成に助成額(A)の85%以上、管理的経費は15%以下要領の位置同章03
PO関連経費要件の内容1団体あたり年間800万円まで、うち人件費は年間500万円まで要領の位置同上
評価関連経費要件の内容実行団体分は助成費用の5%まで、資金分配団体分は助成額(A)の総計の5%まで要領の位置同上

表の下には、申請資格要件と対象外になる団体の行も続きます。実行団体に助成する団体であること、ガバナンス・コンプライアンス体制を備えていること、国外に活動範囲が及ぶ場合は国内に主な活動拠点がある日本の法人であること、が資格の側です。宗教や政治を主たる目的とする団体、暴力団の統制下にある団体、独立行政法人や国立大学法人などは対象外と定められています。

出てきた表は、必ず要領の原文と数行ずつ突き合わせます。抜き出しの段階で、行の取りこぼしや隣の項目の数字の混入があり得るためです。

選定基準7項目を事業計画書の骨子に割り付ける

要件の表ができたら、本題の骨子づくりです。審査は、要領に載る次の7つの選定基準で行われます。骨子の見出しは、この基準に答える順に組むのが近道です。

選定基準要領の問い骨子に置く見出しと材料の例
ガバナンス・コンプライアンス要領の問い事業を公正かつ適確に行える体制か骨子に置く見出しと材料の例規程類、内部通報制度、事務局体制、監査の仕組み
事業の妥当性要領の問い問題構造の把握は十分か、課題・目的・内容は妥当か骨子に置く見出しと材料の例対象地域・分野の現状データ、課題の構造、事業の目的
実行可能性要領の問い業務実施体制・計画・予算は適切か骨子に置く見出しと材料の例体制図、年度別の工程、資金計画
継続性要領の問い助成終了後の計画(出口戦略)は具体的か骨子に置く見出しと材料の例支援期間、助成終了後の事業と資金の見通し
先駆性(革新性)要領の問い社会の新しい価値や仕組みづくりに寄与するか骨子に置く見出しと材料の例既存施策や既存の助成との違い
波及効果要領の問い学びが組織・地域・分野を超えて広がるか骨子に置く見出しと材料の例成果の共有方法、他地域・他分野への展開
連携と対話要領の問い多様な関係者との協働と、準備から終了後までの対話があるか骨子に置く見出しと材料の例連携先、住民・当事者との対話の場、企業との協働

右端の列は要領の記載ではなく、骨子を組むための割り付け案です。事業計画書はExcel様式で提出するため、実際の欄の名前と順序は公募様式を開いて合わせます。骨子はその前の下書きという位置づけです。

割り付けを頼むプロンプトは、団体の材料と要領を分けて渡します。

添付の公募要領の「選定基準」7項目を見出しにして、
事業計画書の骨子を作ってください。
各見出しに、次の3点を書いてください。
1. その基準が問うていること(要領の言葉で)
2. 書くべき材料(団体資料から拾える事実)
3. 材料が足りないところ(【要入力】と書く)
団体資料に書かれていない実績・数字・連携先は作らないでください。

「作らないでください」の一文は、必ず入れます。足りない材料を埋めさせると、実績や連携先が創作されます。出力で確認するのは、【要入力】の行が残っているかどうかです。ここが空欄でないなら、どこかで補われています。

型の近い作業は業務改善助成金の申請書類をClaudeで準備する手順にもあります。評定基準で下書きを点検する流れは、科研費の研究計画調書の点検で詳しく扱っています。

優先的に選定される団体の条件を骨子に反映する

選定基準とは別に、要領には「優先的に選定される団体」の記載があります。地域・分野では、休眠預金の活用が進んでいない地域での取組が優先されます。調査研究で案件を発掘・形成する団体や、民間資金のマッチングなど他のセクターとの共創を提案する団体も挙がっています。多様性とジェンダーバランスの確保も、優先の観点です。

骨子が出来上がったら、次の追加指示で、これらの観点が骨子のどこに入っているかを確かめます。

要領の「優先的に選定される団体」の各項目について、
骨子のどの見出しで触れているかを対応表にしてください。
触れていない項目は「未記載」とし、団体資料から補える材料があれば示してください。

これは加点方式の点検ではありません。この節には、点数や配点の記載がありません。「未記載」が多くても、事業が合わないだけという可能性があります。無理に書き足さず、事業の実態に合うものだけを拾います。

金額はClaudeに計算させず、検算の表にさせる

金額の整合は、事業計画書の中でも崩れやすい箇所です。言葉で「合計を出して」と頼むと、算式が見えないまま数字だけが返ります。計算させるのではなく、算式を並べた検算表を作らせて、最終の数字は自分で表計算ソフトにかけます。

落とし穴

助成額(A)と「JANPIAからの助成」を取り違える

要領では、JANPIAからの助成が助成額(A)、PO関連経費(C)、評価関連経費(D)の合計になっています。助成額の目安も、この合計の額を指します。Aだけで目安と比べると、上限を超えたように見えたり、逆に余裕があるように見えたりします。

要領には、検算の見本になる例があります。助成額(A)が8,000万円、自己資金・民間資金(B)が2,000万円のとき、実行団体への助成に充てる費用は6,800万円以上、管理的経費は1,200万円以下です。この例を、先のプロンプトの検証用に使えます。

次の資金計画を検算してください。算式を必ず書き、答えだけを書かないでください。
- 実行団体への助成に充てる費用は助成額(A)の85%以上か
- 管理的経費は助成額(A)の15%以下か
- PO関連経費は年間800万円以内、うち人件費は年間500万円以内か
- 評価関連経費は要領の上限(5%)を超えていないか
- 総事業費 = A + B + C + D になっているか
不一致は「不一致」と書き、どの数字を直すかは提案せず、差額だけを示してください。

直し方まで提案させないのは、数字の調整が事業内容の変更に直結するためです。差額を見て、事業の側で何を削るかを決めるのは申請団体です。

提出書類と期日を突き合わせる

要領の提出書類は、事業ごとのものと団体ごとのものに分かれます。事業ごとの書類は、01事業計画書(Excel)、01-1事業計画書の補足資料(PDF)、02資金計画書等(Excel)が必須です。団体ごとの書類には、05団体情報、06役員名簿、07規程類の必須項目確認書に加えて、定款、規程類、登記事項証明書、事業報告書、決算報告書類が並びます。

書類には「単独申請」「コンソーシアム申請の幹事団体」「幹事団体以外」の別があり、団体によって必要な行が変わります。要領の提出書類の表をClaudeに読ませるときは、自団体の立場を先に伝えます。

当団体は単独申請です。要領の「申請に必要な書類」の表から、
当団体が提出する書類だけを、提出形式(Excel/PDF)と備考付きで一覧にしてください。
「作成している場合のみ提出」の書類は別枠にしてください。

期日も同じ表に載せます。2026年度通常枠の第2回は、申請受付が10月21日から、公募締切が10月30日17時です。申請団体面談は、審査会が必要と判断した団体のみ、12月7日から11日に実施されます。審査結果の通知は2027年2月中旬の予定です。

落とし穴

要領に書かれた申請ページが第1回のもの

2026年度の要領は、第1回と第2回を1冊にまとめています。その中の「公募受付システム」のURLは、第1回の申請ページを指しています。第2回の申請ページは、第2回の公募ページのほうに別に掲載されています。

要領から申請先のURLを拾うときは、いま申請する回の公募ページで確かめます。受付後は入力内容や添付書類の加筆・修正ができず、入力中の一時保存機能もありません。申請前に書類をそろえきってから入力します。

公開される前提で、骨子の書き方を整える

要領には、全申請団体の申請書類をWebサイトで公開する旨が書かれています。公開されるのは、選定された団体だけではありません。選定されなかった団体も、申請団体名、申請書類、選定過程、選定の可否と理由が対象です。申請書類の個人情報や、申請団体のアイデア・ノウハウにあたる部分は、非公表とするよう配慮されます。

これは骨子づくりに2つの影響を与えます。ひとつは、Claudeに渡す材料と、骨子に書く内容の線を、公開できる範囲に引くことです。もうひとつは、公表したくない独自手法を書く場合に、どの記載が非公表の配慮対象になり得るかを、要領の注記で読んでおくことです。

Claudeに任せない判断

ここまでの作業で、Claudeは表の作成、割り付け、検算表の作成を担います。次の判断は、申請団体が決めます。

  • 事業区分の選択: ソーシャルビジネス形成支援事業は、社会的インパクトと収益性を両立するモデルが対象です。イノベーション企画支援事業は、従来にない発想でソーシャルイノベーションを起こせるかがポイントです。両者の違いは、申請相談の窓口に確かめるのが確実です
  • 自己資金・民間資金の見通し: 資金基盤などの総合評価で判断され、一律の割合は定められていません。数字は団体の実態から決めます
  • ガバナンス・コンプライアンス体制の充足: 未整備の規程があるときは、資金提供契約の締結前までに整える旨の誓約が必要です。誓約するかどうかは団体の意思決定です
  • 申請資格の最終判定: 対象外の団体に当たるかどうかは、行政との関係性などを総合的に見て判断されます。迷う場合は事務局への相談が先です

例外条件は脚注に置かれていることがあります。Claudeの表をそのまま使わず、「読み取れず」の行と注記の行は、原文で確認します。

まとめ

公募要領は、先に要件の表にして出典を付け、次に選定基準7項目を見出しにして骨子へ割り付けると、事業計画書の下書きまでが一本につながります。金額は検算表に任せ、事業区分や自己資金のような判断は申請団体で決めます。

申請書類が公開される前提を、材料を渡す段階から意識しておくことが、この手順の安全装置です。

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