ClaudeにLlamaParseを接続して複雑なPDFを構造化して読ませる手順
LlamaParseはClaudeのコネクタディレクトリに載っています。表や図の多いPDFをmarkdownやJSONにしてから読ませる接続手順、使えるツール、料金の目安を紹介します。
LlamaParseは、LlamaIndexが提供する文書処理のクラウドサービスです。PDFやスキャン画像、Office文書をmarkdownやJSONに変換する「Parse」を中心に、スキーマ指定の抽出(Extract)、分類(Classify)、分割(Split)、検索用の索引(Index)までを1つのAPIキーで使えます。
このサービスはMCPサーバーを公開していて、Claudeのコネクタディレクトリにも載っています。つまり、ClaudeにLlamaParseを接続すれば、表や図の多いPDFを構造化したうえで読ませる流れを、チャットの中から呼び出せます。
この記事では、接続の手順、Claudeから呼べるツール、PDFの標準読み込みとの使い分け、料金の見積もり方を順に扱います。
LlamaParseコネクタで何ができるようになるか
LlamaParseのMCPサーバーは、文書処理の5つの機能をツールとして公開しています。Claudeはこれらを必要に応じて呼び出します。
LlamaParseの5機能
Parse
PDF・スキャン・表・図をmarkdown、テキスト、JSONにします。130種類以上のファイル形式に対応します。
Extract
請求書や契約書などから、指定したスキーマに沿った項目を抜き出します。
Classify
文書を自然言語のルールで種類別に振り分けます。
Split
複数の文書が1つにまとまったPDFを、論理的な区間に切り分けます。
Index
文書群を取り込み、検索と読み出しができる索引にします。
Claudeの標準機能にもPDFを読む力はあります。LlamaParseを足す意味は、読ませる前に構造を整える工程を外部の専用サービスに任せられる点にあります。表のセル構造や段組みの順序を保ったmarkdownにしてから渡せるので、数字の読み違いを減らしたい場面で効きます。
接続の前に決めておくこと
LlamaParseの利用にはLlamaCloudのアカウントが要ります。接続を始める前に確認したいのは次の3点です。
- LlamaCloudのアカウントがどのリージョンにあるか。
cloud.llamaindex.aiなら北米、cloud.eu.llamaindex.aiならヨーロッパです - Claudeのどの画面から使うか。ブラウザー版・Desktop・モバイルならコネクタ、Claude Codeならコマンドで追加します
- 認証にOAuthを使うか、APIキーを使うか
リージョンは接続ごとの設定ではなく、アカウントの所在で決まります。北米のサーバー(mcp.llamaindex.ai)にヨーロッパのアカウントのトークンを送ると、正しい接続先を示す401で拒否されます。逆も同じです。
ClaudeのWeb・Desktopから接続する
コネクタディレクトリに載っているため、設定ファイルを書く必要はありません。
コネクタディレクトリから接続する流れ
- 1
Connectorsを開く
Claudeで「Customize」→「Connectors」を開きます。
- 2
LlamaParseを探して接続する
検索欄でLlamaParseを探し、接続します。ディレクトリは、Web・Claude Desktop・モバイルで共通です。1回接続すれば、すべてに反映されます。
- 3
ブラウザーでサインインする
初回のツール呼び出し時にOAuthの認証画面が開きます。LlamaCloudのアカウントでサインインします。
ディレクトリの登録が接続するのは北米サーバーです。ヨーロッパのアカウントの場合は、同じ「Customize」→「Connectors」からhttps://mcp.eu.llamaindex.ai/mcpを自分で追加します。コネクタの種類やプランごとの利用条件は、Claude Connectorsとはにまとめています。
組織で使う場合は、管理者側の設定にも注意が必要です。Enterpriseでは、コネクタごとの操作範囲を絞る設定や、社外アカウントからの接続を防ぐ設定があります。後者はClaude Enterpriseのコネクタ制限で手順を扱っています。
Claude Codeから接続する
Claude Codeでは、claude mcp addでサーバーを登録します。対話的に使うならOAuth、CIなど画面のない環境ならAPIキーをBearerトークンとして渡します。
# OAuth(初回のツール呼び出しでブラウザーが開く)
claude mcp add --transport http llamaparse https://mcp.llamaindex.ai/mcp
# APIキーを使う場合(ヘッドレス環境向け)
claude mcp add --transport http llamaparse https://mcp.llamaindex.ai/mcp \
--header "Authorization: Bearer $LLAMA_CLOUD_API_KEY"
# ヨーロッパのアカウント
claude mcp add --transport http llamaparse-eu https://mcp.eu.llamaindex.ai/mcpヨーロッパ用の名前をllamaparse-euにしているのは、北米向けのllamaparseと同居させるためです。LlamaIndexのドキュメントも、この名前で分ける形を示しています。
プラグインで入れる方法もあります。llamaparse-mcpというプラグインは、LlamaParseの利用手順を書いたスキルとMCPサーバーをまとめて導入します。ヨーロッパ向けはllamaparse-mcp-euです。
/plugin marketplace add run-llama/llamaparse-agent-plugins
/llamaparse-mcp:llamaparse-mcpAPIキーでの接続には一点だけ制限があります。ローカルのファイルをアップロードするためのツールgetUploadUrlは、APIキーでは使えません。APIキーで接続したときは、公開URLを渡すuploadFileByUrlを使います。ローカルのPDFを直接渡したいときはOAuthで接続します。
Claudeが呼べるツールと使い方
接続すると、次のツール群が見えるようになります。まず入口になるのは、プロジェクト確認とアップロードです。
| 役割 | ツール | 要点 |
|---|---|---|
| プロジェクト確認 | ツールgetUserProjects | 要点アカウントのプロジェクトを列挙する |
| URLから取り込み | ツールuploadFileByUrl | 要点公開URLのファイルを取得して登録する |
| ローカルから取り込み | ツールgetUploadUrl | 要点一時的な認証付きアップロード先を返す(APIキーでは不可) |
| 構造化して読む | ツールparseFile | 要点markdownまたはプレーンテキストを返す |
| 無料で軽く読む | ツールparseWithLiteParse | 要点PDF専用の高速パーサー。Parseのクレジットは消費しない |
| ページ別に判定 | ツールestimateFileComplexity | 要点ページごとに必要な処理段階を返す |
Extract、Classify、Split、Indexにも専用のツールがあります。たとえば抽出では、searchSchemaTemplatesで請求書や契約書などの雛形を探し、createExtractionConfigFromSchemaで設定を作り、extractFileで実行します。
複雑なPDFを読ませる基本の流れ
Claudeに次のような依頼を出すと、アップロードからParseまでを組み立てて実行します。
このURLの決算資料PDFを、LlamaParseで構造化して読んでください。
セグメント別の売上表だけを抜き出し、前年との差をmarkdownの表にしてください。
https://example.com/ir/2026q2.pdfここでClaudeが踏む手順は、おおむね「uploadFileByUrlで登録、parseFileでmarkdown化、その本文を読んで表を作る」です。LlamaIndexのドキュメントは、抽出が目的なら、parseしたテキストをエージェントに読ませて項目を拾わせるより、Extractの専用ツールを使うほうが確実だと述べています。エージェントが大きな文書を切り詰めた形でしか受け取れないことがあり、プロンプトだけの抽出では出力のスキーマが曖昧になるためです。
そのため、項目が決まっている業務(請求書の金額、契約の期間など)なら、Extractのツールまで使う構成が向きます。自由に読み解く質問なら、Parseの結果を読ませる形で足ります。
読むページを絞って費用を抑える
estimateFileComplexityは、PDFをページ単位で採点し、それぞれのページに必要な処理段階を返します。LlamaIndexのドキュメントが例として挙げているのは、重い段階が要るページだけをparseFileに送り、残りをparseWithLiteParseで処理する使い方です。
LiteParseはテキスト中心で単純なレイアウトの文書向きです。表や図が多いページに使うと精度が落ちる可能性があるため、判定結果に従って振り分ける形が安全です。
Claudeの標準PDF読み込みとの使い分け
Claudeは標準で、PDFをそのまま読めます。ただし、リクエスト全体で32MB、1回あたり600ページ(コンテキストウィンドウが1Mトークン未満のリクエストでは100ページ)という上限があります。しかも各ページが画像としても処理されるため、小さな文字や表が詰まったページは、ページ数の上限に届く前にコンテキストを使い切ることがあります。
PDFをどちらで読ませるか
Claudeに直接読ませる
アカウントの追加登録が要りません。数ページから数十ページの資料を1回読むだけなら、まずこれで足ります。
LlamaParseを経由する
表・図・スキャンを構造化したmarkdownにしてから渡します。同じ資料を何度も使う、枚数が多い、抽出項目が決まっている場合に向きます。
LlamaIndexは、少量の文書ならPDFを直接渡しても通用するが、大量になると表の構造が崩れ、スキャンページのOCRにノイズが入り、トークン費用も増えると説明しています。これはサービス提供元の見解です。手元の資料で両方を試し、数字が合うかを突き合わせるのが確実です。
標準機能側の上限を詳しく見たい場合は、ClaudeとChatGPTのPDF処理上限の比較が参考になります。API経由で契約書を一括処理する構成は、契約台帳をPDFから一括抽出する手順で扱っています。
料金の考え方
LlamaParseは、ページ単位のクレジットで課金されます。換算は1,000クレジットあたり1.25ドルです。Parseは4つの段階から選び、段階ごとにページあたりの消費が違います。
Parseの段階別の費用(1ページあたり)
Fast
1クレジット
約0.00125ドル。テキストのみで、markdownは返さない
Cost-effective
3クレジット
約0.00375ドル
Agentic
10クレジット
約0.0125ドル
Agentic Plus
45クレジット
約0.05625ドル
たとえば100ページのPDFをAgenticで読むと、1,000クレジット、つまり1.25ドルです。Agentic Plusなら4,500クレジット、5.625ドルになります。
そのほか、料金表から押さえておきたい点は次のとおりです。
- レイアウト抽出を足すと1ページあたり3クレジット加算される
- パースしたファイルは48時間キャッシュされ、その間の再パースは無料
- 特定のページだけを処理する
target_pagesの指定で、無関係なページの費用を省ける - Extractは、Parseの段階と抽出の段階が合算される。既定のAgenticなら1ページ25クレジット(抽出15+パース10)
- 保持するファイルには、1GBあたり1日100クレジットの保管料がかかる。有効期限付きでアップロードしたファイルには保管料がかからない
MCPのツールparseFileで段階を指定できるかどうかは、ドキュメントに書かれていません。段階を固定して使いたい場合は、SDKやAPIを直接使う構成を検討することになります。
使い始めてから詰まりやすい点
接続後に起こりやすいつまずきは、症状から切り分けられます。
LlamaParseの接続がうまくいかないとき
- Q401エラーは出ていませんか?答えが出ている答えがはい
アカウントのリージョンとサーバーのホストが合っていません。ヨーロッパのアカウントは
mcp.eu.llamaindex.aiを使います。 - QローカルのPDFを渡せていますか?答えが渡せない答えがはい
APIキーで接続していると
getUploadUrlが使えません。OAuthで接続し直すか、PDFを公開URLに置いてuploadFileByUrlを使います。 - QIndexの文書は検索に出てきますか?答えが出てこない答えがはい
createIndexは裏側で動き、完了するまで検索できません。準備中の索引への検索は、該当文書なしの結果と見分けがつきません。getIndexStatusで状態を確かめます。追加した文書はsyncIndexで反映します。
どれにも当てはまらない場合
文書がPDFでない、またはparseWithLiteParseを使っている可能性があります。LiteParseはPDF専用で、画像や表の多い文書には向きません。
もう1点、Extractの設定には注意があります。保存済みの抽出設定を一覧するツールはありません。設定のIDは、同じセッション内で作るか、Webの管理画面から控えて渡す必要があります。設定を固定したい業務では、https://mcp.llamaindex.ai/extract/{設定ID}/mcpのように設定IDを含むエンドポイントに接続する方法もあります。この場合、Claudeは設定を選ばず、extractFileだけを使います。
扱う文書の性質に注意する
LlamaParseは外部のクラウドサービスです。PDFをアップロードする時点で、文書はLlamaIndex側のサービスに渡ります。機密性の高い契約書や個人情報を含む文書を扱う前に、保管期間と削除の方針を社内で決めておく必要があります。有効期限付きでアップロードしたファイルは保管料の対象外になる、と料金表に書かれています。
PDFの内容をClaudeに読ませる流れそのものは、LlamaParseを使うかどうかにかかわらず変わりません。Claude APIで読み込みに失敗する場合の原因は、「Could not process PDF」エラーの対処法で扱っています。
まとめ
LlamaParseコネクタの価値は、構造を保ったmarkdownやスキーマ付きJSONを、チャットから呼び出せる点にあります。数ページの資料ならClaudeの標準読み込みで足ります。表の多い資料を繰り返し使う、枚数が多い、抽出項目が決まっている、といった場面で外部の専用サービスを足す価値が出ます。
最初の一歩は、手元の難しい資料を1本選び、Claudeに直接読ませた結果とLlamaParse経由の結果を並べて、数字の差を見ることです。差が出る資料だけをLlamaParseに回す形なら、費用も抑えられます。